背理法と対偶命題の証明法は、どのように使い分けるのか

2~3月に、ずっと告知しておりました、「平井の東大合格塾」。
本当に実施しているのか!?
というお声をいくつか頂戴していますので、内容のチラ見せをしていこうと思います。

みんな困るのが数学。
ブログをご覧になっている方であれば、もうお分かりだと思いますが、私は普通の人と同じことばかりはしません。
東大の入試問題を、黒板の前で解説したり・・・という事は、今の所してなくて、教科書の読み込みや、入試問題の分析を行っています。

東大を受けるのに、今の時期の教科書レベルの問題を扱うなんて、遅すぎるではないかと思いますが、それは常識に照らし合わせているだけです。
問題演習を積み重ねることこそが数学の勉強法だと信じられていますが、別にそれだけではありません。逆に、問題を解いているばかりでは、到達出来ない領域があります。

塾生全員で、世間の受験生の一歩、二歩上の領域にさっさと到達しよう、というのが、私の主宰する東大合格塾でございます。ご興味ある方は、このHPの問い合わせフォームから、ご連絡お待ちしています。

また、カテゴリー一覧に「東大合格塾の実施速報」というリンクがあると思いますが、今回から東大受験に必要な知識を書き溜めていこうと思います。
といっても、塾で扱っている内容を全て書く事は不可能なので、チョイ出しです。
しかし、チョイ出しでも役に立つ内容を書こうと思いますので、東大合格に必要なノウハウを知りたい方は、是非熟読あれ。

では、具体的にどんな内容を紹介していきましょう。

先日の授業では、数学の数Ⅰの教科書の、第1章の読み込みをしました。
展開とか、因数分解とか、√の有理化とか。
「あ~、あの計算分野ね」くらいのイメージしかないかもしれませんが、とんでもない!
他分野に密接に関わる内容が、非常にたくさんあります。

教科書って、誤魔化されて書かれてますから、厳密な議論を避ける傾向があります。限られた紙面で、高校生が納得できるような書き方をするわけですから、どうしても細かい話を省かなければなりません。

という事で、一つ。
背理法と対偶命題の証明法の使い分けについてご存知でしょうか?

背理法は、命題を否定したものを、真だと仮定して、矛盾を示すもの。
√2が無理数であることを証明する問題が非常に有名ですよね。

一方、対偶命題は、条件の「ならば」の前後をひっくり返し、両方とも否定したもの。
教科書にも、問題集にも、必ず例題が載っているのですが、背理法に比べて使用する頻度が少なく、存在感が薄い印象もあるのではないでしょうか?
センター試験では毎年のように登場します。しかし、「対偶を取らせるために用意された問題」も多くて、どのように応用すれば良いかが今一。

背理法と対偶命題の証明法をどう使い分けるか、キチッと明確に教えている先生を、僕は見た事ありません。
普通の授業では、必ず両方触れますが、教科書でも問題集でも、対偶命題の証明法はあまりクローズアップされず、背理法ばかり使う。
そして、その使い分けに関して触れているのも、非常に少ない。

確かに、背理法を使えば、かなりの問題に対応出来るんですが、ではどう使い分けたら良いのか。

まず、命題と条件の話をしっかりしなければなりません。
教科書では、命題をこう定義しています。
「真か偽かが、はっきりと定まるもの」
ここまでは常識。知らないと、門前払いを受けるレベル。

しかし、命題には二種類あるという事を、皆さんご存知でしょうか。
「pである」という形の命題と、「pならばqである」という形の命題です。
区別するために名前を付けましょう。
「pである」という形の命題を、断定型。
「pならばqである」という形の命題を、推論型とします。
(この呼び方は、こちらのサイトを参考にしました。)

断定型の代表例は「√2は無理数である」です。
先ほど、背理法の使用例でも登場させました。

推論型の例としては「x=1ならば、x^2=1である」などでしょう。
逆が真にならない例として有名です。(受験生の皆さん、二乗すると十分性が失われるので注意!)

2種類あると初めて聞いた方、「言われてみれば、確かに!」と納得するでしょう。
これまで見て来た命題も、どちらかに属するはずです。

では、次に否定の話をしましょう。
命題の証明の仕方にはいくつか方法がありまして、その代表例が数Ⅱで登場する「等式の証明」や「不等式の証明」です。
どちらも基本的には、(左辺)-(右辺)をしますね。(大きい方から、小さい方を引きます)

しかし、このままでは証明できなくなる場合も多数ありまして、その時の対処法の一つに「否定する」というものがあります。
何度も例を出しますが、「√2が無理数である」を証明しようとしても、筆が進みません。
そこで、「√2が無理数である」を否定して、「√2が無理数でない」つまり「√2が有理数である」と仮定することによって、筆が進むわけです。

無理数とは「実数のうち有理数でない数」という定義です。
言わば、有理数を拾っていった時の残りカス、みたいに定義されてしまっていて、等式に出来ないのです。
だから、わざわざ否定をして、等式を作って処理します。
※この辺り、証明法の理解が不十分な方は、教科書などを読み直しましょう。

ものすごく単純に言えば、「無理数という言葉に反応して、否定をしろ」ということです。(ちょっと荒っぽいですが)
このように、否定をするために反応すると良いワードがいくつかあります。
「無理数」や「互いに素」、「一つしかない」などなど。

厳密に言うと違いますが、場合の数や確率の余事象の時とあえて混同させると、「少なくとも」とか、「~ない場合」とか、「~以外、以内」などに反応しても良いかもしれません。

では、やっとですが背理法と対偶命題の証明法の使い分けに行きましょう。

結論。
断定型の命題を否定しながら証明する時は、背理法
推論型の命題を否定しながら証明する時は、対偶命題の証明法
と使い分けます。
※対偶命題の証明法は、矢印の前後をひっくり返したい時にも、頻繁に使用します。

「√2は無理数である」は、断定型の命題で、かつ、無理数というキーワードが入っています。
だから、背理法と非常に相性が良い。

「n^2が3の倍数でないならば、nも3の倍数でない」は、推論型の命題ですが、「~ない場合」というキーワードがありますし、矢印の前後をひっくり返した方が証明しやすい。
ということで、対偶命題の証明法を使うと良いわけですね。

ここまでが、基本の考え。

しかしながら、問題があります。
教科書や問題集なんかを覗くとと、推論型なのに背理法を使って証明されている解説が、たくさん見受けられます。

例えば、この問題。
「pとqを有理数、Xを無理数とする。
 p+qX=0ならば、p=q=0であることを証明せよ」

この問題の解答の一行目は、
「q≠0と仮定する。」
から始まります。つまり、背理法を使っている。

え??なんで??
と、困惑するかもしれません。

しかし、大丈夫です。これも解決できます。
ちゃんと、推論型の命題でも、背理法を使う方法があるのです。
それは、どうするのか?

次回の記事をお待ちくださいませ。

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