場合の数・確率を体系的に学ぼう② 「並べるのはP、選ぶのはC」は間違い

前回は基礎概念の習得

前回は、基礎概念の習得ということで、階乗、P(順列)、C(組み合わせ)の違いをハッキリ区別させました。
並べるのはP、選ぶのはCと、単純に教えられるので、きちんと概念の違いが分かりません。

区別のある/ない、を意識しないと分からない世界があります。
どうぞこちらのリンクから、復習して下さい。

「並べるのはP、選ぶのはC」は間違い
では、今回の本題に入りましょう。
普通、「並べるのはP、選ぶのはC」と教えられますが、これ、間違ってるの分かります?

いや、ほとんどの問題はこれで解決するんですけど、「並べるのにCを使う場合がある」の、ご存知でしょうか?(しかも、超基本問題で)

ということで、こんな問題を用意しました。

問、AAABBを並べる場合の数は?

この問題には、解法が2通りあります。
この2通りを習得しないと、絶対に場合の数・確率は得意になれません。なぜなら、物凄く頻繁に出てくるからです。
ということで、私は普段、前回の記事の内容と、この問の解法を2通り、全て習得するところから、場合の数・確率の授業を始めています。

解法1:Cを使う
では、解法の一つ目。
これは、C(組み合わせ)を使います。

考え方としては、横並びの5個の箱を用意し、それにAAABBを入れるというもの。

A A A A A

↓(並び替えて箱に入れる)

□ □ □ □ □

すると、5個の箱の中で、Aが入る場所を2か所選べば良いので、5C3=10通りとなります。
(Aの場所を選べば、Bの場所が1通りに決まるので、Bの場所は選ばなくて良い。)

ということで、元々はAAABBを並べる問題だったのに、計算としてはCを使いました。

単純に「並べるのはP、選ぶのはC」と覚えていてもダメです。なぜPを使うのか、なぜCを使うのかの理由が大切です。
理由が分からなければ、前回の記事と、今回の記事のパターンを覚えれば、基礎的な計算は全て終わりです。

解法2:区別して、区別をなくす

では、次の解法に行きましょう。
2つ目の解法は、階乗(ビックリマーク)を使います。

AAABBは、A同士には区別がなく、B同士にも区別がないけど、AとBには区別がある、という複雑な状態です。
あーーー、面倒臭い!全部区別をしてしまえ!
ということで、AとBに名前を付けて、区別をしてしまいます。

A1 A2 A3 B1 B2  ←名前を付けた。

すると、5個全てが別々のものになります。
これを並べるのは簡単。
前回、説明した
n個の区別のあるものを、全て、区別のある行き先に置くのは、n!通り
の法則を使えば、5!通りになります。

しかし、本当はA1とA2とA3には区別がなく、B1とB2にも区別がありません。

ということで、こいつらの区別をなくす作業が残っています。
ここで、新たな法則
n個のものの区別をなくす時は、n!で割る
を使います。

A1とA2とA3の区別をなくすのは、3つのモノの区別をなくすので÷3!
B1とB2の区別をなくすのは、2つのモノの区別をなくすので÷2!
の計算をします。

ということで、5!÷3!÷2!という結果になりました。

問いの答え
ということで、先ほどの問題の答えは、
解法1を使えば、5C3通りになり、解法2を使えば5!÷3!÷2!になります。

どちらで答えても全く構いません。全くの好みで良いと思います。
先生によって好みがありますから、先生にならって片方しか知らなかったという方もいるでしょうが、別に問題ありません。
が、両方あると知っていると、問題集や塾、予備校の解説授業の時に混乱しなくて良いでしょう。

ついでに、Cの定義式も登場

先ほどの答えから、
5C3=5!÷3!÷2!
という等式が出ますが、これ、Cの定義式です。
Cの計算は出来るけど、Cを階乗で表す式を知らない(忘れている)とう生徒も、ちらほら見るので、確認しておいて下さいね。

基礎的な考え方が勢揃い
ここまで、
階乗、P、Cの定義と概念(前回記事)
AAABBの並べ方の解法2つ

を扱いましたが、ここまでの計算方法と考え方が「場合の数・確率」の問題を解く上で、基礎の考え方です。

ついでに、もっと基本的であまり説明されない
n個のものの区別を付ける時は、n!をかける
n個のものの区別をなくす時は、n!で割る

を合わせれば、ほとんど終了。もう、ほとんど迷うことはないでしょう。

教科書にはバラバラに登場する
が、これらの考え方って、教科書ではバラバラに登場するんですよね。
階乗とPはほぼ同時に出ますが、Cはしばらくあとに登場しますし、AAABBの並び替えの考え方が2通りあるのも、整理されて登場しなかったりします。

だからこそ、こうやって整理して頭に放り込む事が大切なんですけどね。
場合の数・確率の単元だけは、なぜか教科書が整理されて書かれていないので、昔から不満でした。

さて、次回はもう一方踏み込んで、重複順列、重複組み合わせ、組分けなどの、ややこしい問題を扱います。

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