2014年 東大文系数学第3問 理系第6問 通過領域の解法をノウハウにしよう!

2014年 東大文系数学第3問&理系第6問の解説
お待たせしました!
東大の入試解説の続編です。
今回も1問を解説していくんですが、初の試み!
4回に分けます。
理由としては、
・東大で超頻出の通過領域の図示の問題であること
・なのに、教科書でテーマとして扱われないこと
・理系の第6問と共通問題(というか、ほぼ同じ設定)の問題なこと
などなど。
(1つの記事に入れようとすると、分量が多すぎてしまい、書く気が削がれるというのも、裏の理由)
ご了承下さい。
ちなみに、過去の東大入試解説の一覧はこちらからご覧になれます。
他にも、東大模試の解説もありますので、どうぞご覧ください。
では問題を。
解かずに分析:通過領域は面倒で高得点が来ない
さてさて、本ブログの数学解説の最大の特徴は、解き方だけではなくて、手の付け方や、解くまでの頭の使い方を書いている所です。
解答用紙に1行目を書くまでに、どういう事を考えれば良いかが、最も大切なのです。
この問題は、通過領域の問題。
(1)ではsとtの条件を求め、(2)でそれを図示する。シンプルな流れです。
ちなみに、(1)と(2)の小問に分けるのは、少し珍しい気もしないでもないですね。
小問に分けず、一気に「図示せよ」という問題にしても良いのですが、問題の難易度を下げるため(と言っても、かなり難しい方なのですが)配慮でしょうか。
で、この通過領域の問題というのは、原則として高得点が取りにくい事が多いです。
なぜなら、そもそも通過領域というテーマで教科書に登場せず、特殊な授業(予備校など)で、いかもわかり易くまとめてもらわないと、自分のノウハウにならないからです。
それに、図示する時って、よく忘れ物をします。
軸の名前(xやy)を書き忘れたり、原点を書き込まなかったり。
グラフの境界を含むか含まないかも書かなきゃいけないし、交点の座標も出さなきゃいけない。
ということで、非常に手間がかかりますから、1問目に解く問題ではないですね。
他の手が付けられそうな問題から手を出し、後半の時間で扱うのが基本路線でしょう。
通過領域の解法は3つある!
そんな事情があるので、まずは通過領域の解法を、自分のノウハウにしなければなりません。
その時に厄介なのが、通過領域の解法が3つもある事です。
①解の配置で解く
②すだれ法(ファクシミリ論法)で解く
③包絡線で解く
の3つです。
それぞれご存知でしょうか?
この3つの解法が区別できないと、参考書を見ても勉強出来ません。
参考書Aで勉強したら、①解の配置で解いてたけど、参考書Bでは②のすだれ法で解いている、なんてことが頻繁に起こります。
というか、一冊の参考書の中でも混同して使われてたりして、もう収集が尽きません。
数学の受験業界では、別解を大切にしますが、ストレートな解法と別解を同時に載せる配慮は、意外と出来ていません。
有名な「プラチカ」なんかは、別解を載せてくれてますから親切なんですけど、欲を言えばどの別解は初心者向けで、どの別解が玄人向けかなどを書いてほしい所ですが。
解法①:解の配置の基本の型3つを押さえよう。
いきなり東大の過去問の解説に行くと難しすぎるので、まずは簡単な通過領域の問題から、3つの解法を使い分けて解説してみましょう。
1つ目は、解の配置で解くパターンです。
解の配置と聞いて、何のことかお判りでしょうか?
主に、2次関数の最後に登場するタイプの問題のことを指します(3次関数などでも、登場しますが)
例えば、こんな問題
(青チャートより)
「あぁそうだ、判別式と、軸の位置と、協会のy座標を調べるあのタイプね。」
と思えたら、及第点。
しかし、それだけが解法のパターンではありません。
私は、このタイプには3種類の解法があると教えています
それが、下の画像のAからCです。
左半分をご覧ください。
Aは、正の異なる2解をもつ条件
Bは、正と負の解を持つ条件
Cは、0<x<1に1解を持つ条件(数Ⅲでは中間値の定理として登場)
です。
これが、最もよく出る順の3つですし、他の問題へ応用しやすい「プレーン」な解法です。
右の半分は、AとBを数Ⅱの「解と係数の関係」を使って解いた場合の解法です。
意外と知らない生徒が多いのですが、解の配置は判別式や軸で解くばかりではなく、解と係数の関係でも解けます。(教科書にも載っています。)
基本の型を使って、ちょっと複雑な解の配置の問題を解こう
では、これを応用する問題に触れてみましょう。
次の画像をご覧ください。
ケース1からケース3まで載せています。
先ほどの基本の型3つを使って、もれなく場合分けをするとどうなるか、が書かれています。
「4つも5つも場合分けしていて、面倒じゃないか」と思われるかと思いますが、その通り!!
市販の問題集では、平気で4~5通りの場合分けをして、解説が書かれています。
そもそも通過領域に辿り着く前に、場合分けが出来なくて困る事ばかり。
基本の型3つを使えば、機械的に場合分けが出来るようになりますので、どうぞ使って下さい。
ポイントは、3つの基本の型には、不等号にイコールが入っていなかった事です。
「<」の記号はあったとしても、「≦」は一つもなかったはずです。だから使いやすい!
「x≧0に少なくとも一つの解を持つ条件」などと言われたら、「x=0の場合」と、「x>0の場合」に分けて考えればスムーズです。
通過領域を解いてみよう!
では、やっとですが、通過領域の解法に行ってみましょう。
この記事の冒頭に書いた、通過領域の解法3つ
①解の配置で解く
②すだれ法(ファクシミリ論法)で解く
③包絡線で解く
の1つ目から。
※左上が消えていますが、お気になさらず・・・。
y=2tx-t^2が、0≦tで動き時に通過する領域を求める問題です。
解の配置を使って求める場合、まずはパラメータ(xとyでな文字)で降べきの順に並べます。
この問題で言うと、tがパラメータですので、tで降べきの順で並べる。
すると、tの2次方程式になります。
次に、0≦tで動くという条件を、「さっきのtの方程式が、0≦tに少なくとも一つ解を持つ条件」と読み替えます。
この議論のすり替え(!?)は、説明するのが大変。
都合上、説明は解き終わった後に書きますので、一旦スルーしておきます。
さて、「0≦tに少なくとも1つ解を持つ」と来ましたから、基本の型3つを使って場合分けを実行。
基本の型3つを使うためには、不等号の中のイコールを消去する必要があるので、
(ⅰ)t=0に解を持つ場合
が来ます。
次に、0<tに1つ解を持つ場合ですが、重解の場合と、重解ではない普通の解の場合が考えられるので、
(ⅱ)0<tに重解を持つ場合
(ⅲ)0<tと、t<0に一つずつ解を持つ場合
が考えられます。
最後に、0<tに異なる2解を持つ場合があるので、
(ⅳ)0<tに異なる2解を持つ場合
と4つの場合が考えられました。
あとは、画像を見て条件のチェックをしておいてください。
最後に、求めた条件を、xy座標に書き込めば終了です。
(色分けしてあるので、見やすいと思います。)
解の配置だけでこのボリューム。
②すだれ法(ファクシミリ論法)と、③包絡線については、次回以降に書いていきます。

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