場合の数・確率を体系的に学ぼう③  教科書でバラバラに登場するパターンを整理して把握しよう

整理されてない知識は、覚えてないのと同じ

大好評の本シリーズ。

今回は第3回でございます。(過去のリンクはこちら)

第1回:場合の数・確率を体系的に学ぼう①基礎概念の習得 

第2回:場合の数・確率を体系的に学ぼう② 「並べるのはP、選ぶのはC」は間違い 

今回で、第1部完結。

難関大を受けようと思ったら、ここまでを習得してないと話になりません。

というか、定期テストすら、高得点は不可能なレベル。

そのくせ、ちゃんとパターン分けして教わらないので、困ったものです。(僕も先生になってから、頭が整理されました。)

本を買ってあっても、買った事すら忘れてしまったり、本棚のどこにあるか分からないことがあると思います。

それは最早、本棚に存在していないようなもの。

知識も同じで、一度覚えたとしても、頭の中で整理されていなければ、覚えていないのと同じです

覚えることばかりに執着せず、整理することにも時間や労力をかけることが、勉強のポイントです。

この5パターンを完璧に習得せよ!

では内容に入りましょう。

定期テストで誰もが混乱したことがあるであろう問題を用意してみました。

次の5つの問題、正確に答えられるでしょうか?

普通の定期テストレベルであれば、この5パターンをマスターすれば、赤点は免れるでしょう。そのくらい頻出です。

問A、9人を2人、3人、4人に分けるのは何通り?

問B、9人をA組、B組、C組に分けるのは何通り?

問C、9人を3人、3人、3人に分けるのは何通り?

問D、9個のリンゴをAさん、Bさん、Cさんに分けるのは何通り?

問E、9個のリンゴを3人に分けるのは何通り?

 

パターンの分類一覧

実は、この5パターンは、次の表のようにパターンで分けられています。

第1回:場合の数・確率を体系的に学ぼう①基礎概念の習得 

でも同じような事をやりましたが、今回はそれを少しだけ設定を複雑にしています。

「もの」と「行き先」に区別があるか、ないかで4パターン。

あり⇒あり のパターンだけは、数の制約があるかないかで、さらに2パターン分かれています。

この5パターンが教科書に登場しているパターンなのですが、

教科書に、順番通りに登場しません!

つまり、頭の中でにバラバラの問題としてインプットされるので、いつまで経っても

整理されないのです。

例えば、数研出版の教科書で言えば、問Bが「重複順列」として、始めに登場します。

続いて、nCrの計算が登場した後に、問Aが登場し、その応用として問Cが登場し、

発展内容として問Dが「重複を許す組み合わせ」というテーマで登場します。

問Eは、数えるだけなので登場しません。(入試にも、あまり出ませんが、頭の整理として紹介しています。)

是非、一度、お手持ちの教科書や問題集と、上の表を見比べてみてください。

問Aの解説:9人を2人、3人、4人に分けるのは何通り?

では、1問ずつ解説しましょう。

問題Aは、

ものに区別があり(9人はヒトだから)

行き先に区別があり(2人、3人、4人は、人数が違うから)

人数に制約もある

というパターンです。

上の画像の通りに計算します。

選んで、選んで、選ぶ、ということで、理解しやすく、覚えやすい。

正答率も高い問題です。

 

問Bの解説:9人をA組、B組、C組に分けるのは何通り?

問題Bは、問題Aとちょっとだけ設定を変えます。

ものに区別があり(9人はヒトだから)

行き先に区別があり(A組、B組、C組と名前が付いているから)

人数に制約がない

という問題です。

問題Aは、2人、3人、4人という人数指定がありましたが、問題Bにはありません。何人ずつでも良いので、とにかく3グループに分けろ、という指示です。

さらに設定が2つに分かれます。(一人もいない組を認めるか、認めないか。)

それによって、解答はこうなります。

一人のいない組を認めない場合、全体から引き算する(余事象)の計算が入ります。

少し複雑な引き算にはなりますが、上で紹介した例が基本になりますので、是非とも習得して下さい。

 

問Cの解説:9人を3人、3人、3人に分けるのは何通り?

では問Cです。

これは、問Aに似た解き方をします。

ものに区別があり(9人はヒトだから)

行き先に区別がない(3人、3人、3人は、人数も同じで名前がないから)

という設定なのですが、行き先に名前を無理矢理付けて、区別を発生させます。

すると、

ものに区別があり(9人はヒトだから)

行き先に区別があり(3人組X、3人組Y、3人組Zは、人数は同じだが、名前があるので区別できる)

人数の制約もある

という、問Aと全く同じ状況に持ち込めます。

問Aと同じ計算をした後は、名前をつけた区別をなくすので、3!で割り算をして計算終わり。

ほとんど同じ計算が、

第2回:場合の数・確率を体系的に学ぼう② 「並べるのはP、選ぶのはC」は間違い 

にも登場してますので、よかったらご確認下さいませ。

 

問Dの解説:9個のリンゴをAさん、Bさん、Cさんに分けるのは何通り?

いわゆる、〇と/の問題。

教科書では、「重複を許す組み合わせ」として登場するパターンです。

nHrが登場する問題としても有名ですね。(その割に、使いこなせる人は少ない)

よく、x+y+z=nの非負整数解(負でない整数解)の個数と対応させて教えられます。

9個のリンゴを、Aさん、Bさん、Cさんに分けるというのは、

9個の数字の1を、xとyとzに振り分けるのと同じだと考えるわけですね。

画像を見てくれれば分かると思いますし、細かく説明しようとすると、問題のパターンが作れ過ぎて収集が付かなくなるので、ここまでにしておきます。

 

問Eの解説:9個のリンゴを3人に分けるのは何通り?

これは、数えて終わりです。

別に難しくないので、解答をどうぞ。

 

別のパターンを作ろうと思えば、作れる。

教科書にも、普通の問題集にも、上記の5パターンしかほとんど登場しません。

区別のある/なしを変えてみたり、数字を変えてみたりという設定の変更はありますが、マイナー問題。

まずは、今日の内容までを習得しましょう。

しかし、別にこれしか登場しないわけではありません。

例えば、

Q、8人を2つの組に分ける方法は、何通りあるでしょう?

という問題は、上の5パターンのどれにも当てはまりません。

但し、解答を出すまでの考え方は、全て既に紹介していますから、応用すれば問題なく解けます。

 

他の問題への応用

今日はこの5パターンの紹介をしました。

教科書にも、普通の問題集にも、ここまでに紹介していない問題も登場します。

円順列、数珠順列、辞書式配列、道順などなど。

でも、ここまでにご紹介した方法を使えば、全て解けます。

つまり、「解くのが難しい」状態から脱出出来て、「応用の仕方を知らない」レベルまで昇華出来ます。

情報を整理して、順序を整え、体系的にまとめたつもりですので、是非ともご自身の勉強にご利用下さいませ。

場合の数・確率を体系的に学ぼう② 「並べるのはP、選ぶのはC」は間違い

前回は基礎概念の習得

前回は、基礎概念の習得ということで、階乗、P(順列)、C(組み合わせ)の違いをハッキリ区別させました。
並べるのはP、選ぶのはCと、単純に教えられるので、きちんと概念の違いが分かりません。

区別のある/ない、を意識しないと分からない世界があります。
どうぞこちらのリンクから、復習して下さい。

「並べるのはP、選ぶのはC」は間違い
では、今回の本題に入りましょう。
普通、「並べるのはP、選ぶのはC」と教えられますが、これ、間違ってるの分かります?

いや、ほとんどの問題はこれで解決するんですけど、「並べるのにCを使う場合がある」の、ご存知でしょうか?(しかも、超基本問題で)

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場合の数・確率を体系的に学ぼう①基礎概念の習得

場合の数・確率は混乱しやすい
東大受験で必ず出ると言われているのが、「場合の数・確率」。
しかし、実はこの単元、他の範囲に比べ教科書があまり整理されて記述されてません。
そのため、教科書と教科書傍用の問題集(4STEPやサクシードなど)を使って演習しても、イマイチ頭が整理された感覚にならない人も多いはず。

「一つ一つの問題は解けるようになったけど、いつどのパターンの解法を使ったら良いかわからない」
となっていませんでしょうか?

例えば、P(順列)とC(組み合わせ)の使い分け。
よく、並べるのがPで、選ぶのがCと説明されますが、並べるのにCを使って計算することがあるのは、ご存知でしょうか?

重複順列と重複組み合わせの違いは?
区別をするとか、区別をしないとか、どういう違いがあるの?
条件付き確率ってどういう何?

などなど、疑問が多く残る単元でもあります。
しかし、この辺りの疑問を解決すれば、大きな得点源にもなるはず。
という事で、何回かに分けて、場合の数・確率についてのポイントを書いていこうと思います。

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教科書や問題集で誤魔化されている、背理法の正しい使い方

東大合格塾の実施速報の続き、始めていきましょう。

前回は、背理法と対偶命題の証明法の使い分けについて書きました。
命題には2種類あって、それが断定型と推論型。
断定型の証明には背理法を使い、推論型の証明には対偶命題を使うという話でした。

これで完結したら簡単なのですが、そうもいきません。
推論型なのに、背理法を使う解法が、流通している問題集によく載っています。
しかもその説明が不十分で、誤魔化さず書かれている参考書に出会ったことがありません。

なぜ、推論型なのに対偶命題ではなくて、背理法を使うのか。
推論型の命題に対して、背理法を使う方法はどういうものなのか。
今日は、この疑問を解消していきましょう。

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