東大英語 第1問B(文挿入)制覇の極意(2023年実況中継)
東大1B文挿入は、客観式問題のみで構成されており、12点前後の配点が予想されている問題です。
挿入する選択肢を誤ると、連鎖的に他の選択肢も間違えてしまう危険性が大きく、パズルのようだと苦手意識を持つ受験生も多くいます。
まず、なぜ、この1B文挿入が、1Aの英文要約と同じ第1問に配されているのかを考えると、東大教授が受験生に問うているメッセージが浮かび上がってきます。
この第1問では、一文一文の精読よりも、文と文、段落と段落同士の繋がりを考え、本文全体で言いたいことをスピーディーに掴み取る力が求められているのです。
そんなことはわかっているけど解けないという方のために、本講では、敬天塾オリジナルの東大1B対策資料を公開し、論理を紡いで正解を導き出す思考プロセスを余すとこなくお伝えしたいと思います。
まず、東大1Bで求められている力は、ざっくり言えば、速読速解力です。
正確に読むためには文法力や語彙力も求められますし、速く読んで速く理解できるためには、howeverやthereforeといった逆説や因果を表すディスコースマーカーや段落相互の関係に着目することも必要です。
これだけなら、塾や学校で訓練している人も多いでしょうが、1Bのような設問形式になると、途端に論理を紡げず大混乱に陥ってしまう受験生が後を絶ちません。
その理由の一つに、4Aや4Bのように一文一文を細かく分析するあまり、木を見て森を見ずの状態になっていしまい、東大教授が用意したヒントと、東大教授が用意したワナに気付かぬまま時間ばかりを奪われ冷静さを失ってしまうことが挙げられます。
ただでさえ、時間制約の厳しい事務処理能力テストと揶揄される東大英語にあって、激しい緊張状態のなか、なかなか答えが定まらないことで焦り始めようものなら総崩れすることもあり得るわけです。
その一方で、短時間で1Bを処理して全問正解を容易に叩き出せる合格者もいます。
その違いはどこにあるかというと、上述した東大教授が本文に散りばめたヒントとワナを見分ける嗅覚の有無にあります。
そこで、本講では受験生の皆さんに、この「嗅覚」を効果的に身につけていただけるよう、敬天塾オリジナルの訓練ドリルをご提供することといたします。
それは、本文と選択肢の全てを日本語にしたものです。
まずは、この日本語バージョンに取り組まれてみてください。
英語になっていない分、より一層、空所前後の論理構造を把握することに集中でき、東大教授が用意したヒントとワナに気付きやすくなるはずです。
この際、答えが合っていたかどうかよりも、正確に論理を紡げたのかをチェックしましょう。
その上で、今度は英語バージョンに取り組まれてみてください。
日本語バージョンで気づいたポイントが以前にも増して浮かび上がって見えてくるようになります。
それでは、まずは、以下よりダウンロードをして取り組んでみましょう。
そののち、後述する解説記事を熟読していただけると視界が晴れていくことをお約束いたします。
いかがでしたでしょうか。
ここからは、答えを導くまでの思考プロセスについて詳述してみたいと思います。
空所(1)の思考プロセス
空所を含んだ段落にまずは着目します。
ともなれば, 心理学者たちがかつては笑いの研究にしっかり取り組むことをためらい, それと同時に多くの心理学者達が, 笑いは不幸や絶望ほど重要なものだとは言えないと考えていたことは、実に驚くべきことである。(1)
段落というのは相互に共鳴し合っているものですから、空所(1)を含んだ第2段落のはじめにthen(ともなれば)があることから、第1段落の内容が絡むことがわかります。
第1段落の最後では、
笑いは, 人間のほんの僅かに存在する普遍的な特徴の1つである。 多くの人々は, 困難を前にした時でさえも, くすくすと笑うことでストレスや不安感に対処できることをわかっている。
と書かれています。
その上で、第2段落では、心理学者たちが、笑いというものをそれほど重要視していなかったことがsurprisingなのだと述べ、最後に空所(1)を持ってきています。
念のため、次の第3段落のはじめも確認してみると、
このことは科学にとっての損失であった。 なぜなら,近年の研究によると, あなたが思っているよりも遥かに多くのものを笑いに見出せることが明らかになっているからである。
としており、第2段落に同じく、笑いを重要視してこなかったことを憂う内容のことが書かれています。
つまり、この空所(1)の前後で大きな論理転換や話題の変容はないことを意味します。
ここで、選択肢をチェックするとしましょう。
選択肢を本文に先立って読むか、空所を埋めるに際して読むかは人それぞれですので、ここではどちらが優れているか言及することは避けたいですが、選択肢を分析するだけで答えが見えてくる年もあったことは付言したいと思います。
もっとも、それを変に公式化しないことも大切です。
a) 以前はとりわけ人間的だと考えられていた現象が, 他の種にも共有されている行動と密接に結びついていることが判明している
b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった
c) それは, 社会の調和の体裁を保っている
d) それは, 育児をする人を幼児とつながりをもたせ続ける, 一種の 「結びつけるもの」として役立つかもしれない
e) それは、他の人が考えていることに自分が影響を及ぼすことができることを幼児がわかっているのだということを明らかにしている
f) 心理学は, ネガテイブな感情と知られていることと, ポジティブな感情とのバランスをはかるためにまだやるべきことが多くある
g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない
まず、気をつけて欲しいことは、正解の選択肢は必ずしも光らないということです。
例年、2個くらいの空所は簡単に見つかりますが、残る2〜3個の空所が厄介で悩ましいものになります。
なぜ、このようなことが起こるかというと、正解とされる選択肢がどうにもスッキリしない、間違っているとも言えないし、ハッキリと正しいとも言えない何ともモヤっとした感じの文面になっているからです。
これは、共通テストの英語や現代文の選択肢を吟味されたことのある方であれば、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。
さて、本題に戻ります。
まず、空所(1)は第2段落の終わりに位置していることから、この段落の内容に矛盾することや全く別の話題が取り上げられることは余程のことがない限りはありません。
しかも、念のために次の第三段落冒頭をチェックしても、主張内容が大きく変わるところもありませんでしたから尚更です。
となれば、「他の種」やら「幼児」といった新情報が唐突に出てくるa・d・eは一旦検討候補から外しても良いことになります。それでは残る選択肢を見てみましょう。
b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった
c) それは, 社会の調和の体裁を保っている
f) 心理学は, ネガテイブな感情と知られていることと, ポジティブな感情とのバランスをはかるためにまだやるべきことが多くある
g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない
これらを実際に(1)に入れて考えてみるとしましょう。
ともなれば, 心理学者たちがかつては笑いの研究にしっかり取り組むことをためらい, それと同時に多くの心理学者達が, 笑いは不幸や絶望ほど重要なものだとは言えないと考えていたことは、実に驚くべきことである。
( b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった。)
このことは科学にとっての損失であった。なぜなら,近年の研究によると, あなたが思っているよりも遥かに多くのものを笑いに見出せることが明らかになっているからである。笑いはユーモアと明白なつながりがある他に, (笑いを分析することで)私達の人間関係の本質や私達の健康状態を深く理解することもできる。 幼児がクスクスと笑うことを研究することで, 我々は自己意識や他人の心を読む能力を如何にして高められるのか知ることさえできるかもしれない。
うーん、正解の選択肢は光らないとはいえ、bを入れると次段落の冒頭との関係もわかりませんし、意味不明です。
第2段落も第3段落も心理学の研究について扱われているので、fのような気もしますが、東大教授のワナの可能性もあるので即決は避けたいところですね。
次はcを入れてみましょう。
ともなれば, 心理学者たちがかつては笑いの研究にしっかり取り組むことをためらい, それと同時に多くの心理学者達が, 笑いは不幸や絶望ほど重要なものだとは言えないと考えていたことは、実に驚くべきことである。
( c) それは, 社会の調和の体裁を保っている。)
このことは科学にとっての損失であった。なぜなら,近年の研究によると, あなたが思っているよりも遥かに多くのものを笑いに見出せることが明らかになっているからである。笑いはユーモアと明白なつながりがある他に, (笑いを分析することで)私達の人間関係の本質や私達の健康状態を深く理解することもできる。 幼児がクスクスと笑うことを研究することで, 我々は自己意識や他人の心を読む能力を如何にして高められるのか知ることさえできるかもしれない。
うーん、これも、いきなり社会の調和だのと新情報が来ていますし、明らかに空所前後で浮いていますので、候補から外して良さそうです。
では、次にfを入れてみましょう。
ともなれば, 心理学者たちがかつては笑いの研究にしっかり取り組むことをためらい, それと同時に多くの心理学者達が, 笑いは不幸や絶望ほど重要なものだとは言えないと考えていたことは、実に驚くべきことである。
( f) 心理学は, ネガテイブな感情と知られていることと, ポジティブな感情とのバランスをはかるためにまだやるべきことが多くある)
このことは科学にとっての損失であった。なぜなら,近年の研究によると, あなたが思っているよりも遥かに多くのものを笑いに見出せることが明らかになっているからである。笑いはユーモアと明白なつながりがある他に, (笑いを分析することで)私達の人間関係の本質や私達の健康状態を深く理解することもできる。 幼児がクスクスと笑うことを研究することで, 我々は自己意識や他人の心を読む能力を如何にして高められるのか知ることさえできるかもしれない。
はい。来ました。これが東大1Bです。正直、何言っているのか全然わかりませんよね(笑)。
念のため、英文の選択肢も確認してみましょう。
psychology still has a lot of catching up to do to balance out what is known about negative emotions with positive ones
うーん、あんまり変わらないでしょうか。
で、ここで反射的にfを取り除くと袋小路にハマります。
そして焦り始めます。
そういういやらしい選択肢を初っ端の空所(1)に配置するあたりが東大のいやらしさにも思えますが、
意外に「『心理学』の話をしている段落間に空所(1)があるから、心理学について言及しているfが答えかな〜」とアッサリ考えて答えを出す人の方が有利にも思えます。
まず抑えるべきは、選択肢の文言が抽象度フルマックスで何を言っているかわからないからと言って性急に候補から外すべきではないということです。
前後の文脈に一切書かれていない新情報、あるいは論理的に明らかに矛盾をきたしたものをはじくべきです。
この点、negative emotionsは直前のunhappinessと despairに対応しそうです。
It is surprising, then, that psychologists were once reluctant to devote serious attention to laughter, with many believing it to be less important than unhappiness or despair. ( f) psychology still has a lot of catching up to do to balance out what is known about negative emotions with positive ones )
では、positive onesは何を指しているのでしょうか。
本文のメインテーマがlaughterであることや、第2段落と第3段落の記載内容からもlaughterだと合理的に推測できそうです。
謎なのが、catching up to do to balance outの部分でしょうが、これまではunhappinessやdespairの研究ばかりなされて、laughterを研究対象とすらしてこなかったという研究対象の「偏り」を正せということなんだと思考を巡らせることができたなら勝ちです。
ですが、試験会場で焦っている時に、そのような考察ができない時は、一旦、fを有力候補とメモだけして、後続の空所の検討を優先すべきです。
性急な判断は、後続の空所での間違いをも誘発する可能性があるからです。
では、最後に選択肢gも入れてみましょう。
ともなれば, 心理学者たちがかつては笑いの研究にしっかり取り組むことをためらい, それと同時に多くの心理学者達が, 笑いは不幸や絶望ほど重要なものだとは言えないと考えていたことは、実に驚くべきことである。
( g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない。)
このことは科学にとっての損失であった。なぜなら,近年の研究によると, あなたが思っているよりも遥かに多くのものを笑いに見出せることが明らかになっているからである。笑いはユーモアと明白なつながりがある他に, (笑いを分析することで)私達の人間関係の本質や私達の健康状態を深く理解することもできる。 幼児がクスクスと笑うことを研究することで, 我々は自己意識や他人の心を読む能力を如何にして高められるのか知ることさえできるかもしれない。
うーん、笑いの研究を馬鹿げて重要でないように思うだなんて書かれていませんし、人々の生活の話なんかしていないようにも思えます。
「正解の選択肢は光らない」とは言え、前後の文章で繋がる要素も少ないので、はじくべきだとは思いますが、試験会場で混乱している時には、考えうる候補の選択肢を空所(1)の横にでも書いて、後続の空所に視点をうつしましょう。
空所(2)の思考プロセス
笑いというものは驚くことに他の種にも見られるありふれたものではあるのだが, 人間の関係性(人と人とのつながり)は, 標準的な動物の関係性よりもはるかに複雑であり, 我々は自分たちの声を(どの動物よりも)はるかにコントロールできるのだ。(2)ヴァージニア大学のエイドリアン・ウッドによると, 笑いは3つの主要な役割を果たしている。 その1つ目は労いである。これが何を意味しているかというと, 我々は一緒に笑うことで, ある特定の行動を評価したことを示し, 互いの関係をより深めることになる。そうして, 我々は今後においてもより一層同じように行動することになるだろう。
この空所(2)は第4段落の中盤に位置しています。
空所(2)の直前には、他の動物にも笑いは見られるが、人間の優れた特性についても言及されています。
動物と人間を比較しているわけですね。
空所(2)の直後には、笑いには3つの役割があることが述べられ、第5段落以降の話に繋がります。
ここから、(2)に入りうる内容としては、動物との比較・笑いの役割あたりなのかなと推察できますね。
では、選択肢を吟味してみましょう。
a)以前はとりわけ人間的だと考えられていた現象が, 他の種にも共有されている行動と密接に結びついていることが判明している
b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった
c) それは, 社会の調和の体裁を保っている
d) それは, 育児をする人を幼児とつながりをもたせ続ける, 一種の 「結びつけるもの」として役立つかもしれない
e) それは、他の人が考えていることに自分が影響を及ぼすことができることを幼児がわかっているのだということを明らかにしている
f) 心理学は, ネガテイブな感情と知られていることと, ポジティブな感情とのバランスをはかるためにまだやるべきことが多くある
g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない
まず、育児や心理学の話はなされていませんので、d・e・fは外せそうです。残る選択肢を挙げます。
a)以前はとりわけ人間的だと考えられていた現象が, 他の種にも共有されている行動と密接に結びついていることが判明している
b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった
c) それは, 社会の調和の体裁を保っている
g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない
では、早速本文に当てはめていきましょう。
まずは a) です。
笑いというものは驚くことに他の種にも見られるありふれたものではあるのだが, 人間の関係性(人と人とのつながり)は, 標準的な動物の関係性よりもはるかに複雑であり, 我々は自分たちの声を(どの動物よりも)はるかにコントロールできるのだ。(a)以前はとりわけ人間的だと考えられていた現象が, 他の種にも共有されている行動と密接に結びついていることが判明している。)ヴァージニア大学のエイドリアン・ウッドによると, 笑いは3つの主要な役割を果たしている。 その1つ目は労いである。これが何を意味しているかというと, 我々は一緒に笑うことで, ある特定の行動を評価したことを示し, 互いの関係をより深めることになる。そうして, 我々は今後においてもより一層同じように行動することになるだろう。
来ました!東大教授が用意したワナです。
それっぽいことは書かれているなあと思って飛びついた人は、この空所(2)で外すことになります。
空所(1)でなんとなくpsychologyがあるから選択肢fを入れて正解できても、この空所(2)では間違ってしまいます。
aの文は上記の緑色のゾーンの内容とは親和性があるかもしれませんが、緑は前置きに過ぎず、核は赤色のゾーンにあるはずです。
赤色の後に、再び緑色の内容を紹介するというのも論の展開として違和感がありますし、空所(2)の後では、動物と人間の関係について一切触れられていないことに鑑みますと、a は不適となります。
では、次に選択肢bを入れてみましょう。
笑いというものは驚くことに他の種にも見られるありふれたものではあるのだが, 人間の関係性(人と人とのつながり)は, 標準的な動物の関係性よりもはるかに複雑であり, 我々は自分たちの声を(どの動物よりも)はるかにコントロールできるのだ。(b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった。)ヴァージニア大学のエイドリアン・ウッドによると, 笑いは3つの主要な役割を果たしている。 その1つ目は労いである。これが何を意味しているかというと, 我々は一緒に笑うことで, ある特定の行動を評価したことを示し, 互いの関係をより深めることになる。そうして, 我々は今後においてもより一層同じように行動することになるだろう。
選択肢bは冒頭に「その結果」(as a result)という因果性を示すワードを入れています。
このような因果性を表すワードや逆接表現が選択肢内にあった場合、必ず丸で囲むなどして細心の注意を払わねばなりません。
空所(2)の直前には、人間は動物よりも声をコントロールできることが明示されています。
「その結果」、人間の笑いが進化したというのは矛盾がなさそうです。
有力候補と評価できそうですね。
引き続き、残る選択肢も見ていくとしましょう。 cです。
笑いというものは驚くことに他の種にも見られるありふれたものではあるのだが, 人間の関係性(人と人とのつながり)は, 標準的な動物の関係性よりもはるかに複雑であり, 我々は自分たちの声を(どの動物よりも)はるかにコントロールできるのだ。(c) それは, 社会の調和の体裁を保っている。)ヴァージニア大学のエイドリアン・ウッドによると, 笑いは3つの主要な役割を果たしている。 その1つ目は労いである。これが何を意味しているかというと, 我々は一緒に笑うことで, ある特定の行動を評価したことを示し, 互いの関係をより深めることになる。そうして, 我々は今後においてもより一層同じように行動することになるだろう。
うーん、明確に間違っているとも言えないし、正しいとも言えませんが、ものすごく浮いていることは確かです。
不安なら、一旦保留にしても良いかもしれません。
では、残る最後の選択肢gを入れてみます。
笑いというものは驚くことに他の種にも見られるありふれたものではあるのだが, 人間の関係性(人と人とのつながり)は, 標準的な動物の関係性よりもはるかに複雑であり, 我々は自分たちの声を(どの動物よりも)はるかにコントロールできるのだ。(g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない。)ヴァージニア大学のエイドリアン・ウッドによると, 笑いは3つの主要な役割を果たしている。 その1つ目は労いである。これが何を意味しているかというと, 我々は一緒に笑うことで, ある特定の行動を評価したことを示し, 互いの関係をより深めることになる。そうして, 我々は今後においてもより一層同じように行動することになるだろう。
はい。生活の話もしていませんし、ばかげて重要ではない話も意味不明なので、gは正解にはなり得ないですね。
空所(3)の思考プロセス
空所(3)は、第6段落の末尾に位置していますので、第7段落も併せて確認が必要そうです。
笑いの3つ目の役割は, 優越を伝えることにある。 たとえば, あなたの上司があなたの型破りな考えを聞いて, 否定するように笑うような場合である。 直接に異議を唱えたり批判をしたりすると波風が立ってしまいかねないが, 笑いという形であれば,より穏やかな形で,(あなたの考えを)受け入れられないことを示せるのだ。 「 (3) 」とウッドは述べる。
こういった議論の論拠を示すため, ウッドと彼女の同僚たちは 762人の人達に様々な笑いの実例を評価してもらった。具体的には, それらの笑いが労いを意味するものなのか, 相手を安心させているように聞こえるものか(友好関係のしるし), あざけるように聞こえるものか (優位のしるし) を評価するように求めた。 それぞれのパターンにおいて, それぞれ違った音響上の特徴を見出せることが判明した。
↑
第7段落が、第4〜第6段落の総まとめ的な内容になっていることからすると、空所(3)には第6段落で示された笑いにおける優越の役割についての言及が来そうだと推測できます。
ここで、選択肢を再チェックするとしましょう。
a)以前はとりわけ人間的だと考えられていた現象が, 他の種にも共有されている行動と密接に結びついていることが判明している
b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった
c) それは, 社会の調和の体裁を保っている
d) それは, 育児をする人を幼児とつながりをもたせ続ける, 一種の 「結びつけるもの」として役立つかもしれない
e) それは、他の人が考えていることに自分が影響を及ぼすことができることを幼児がわかっているのだということを明らかにしている
f) 心理学は, ネガテイブな感情と知られていることと, ポジティブな感情とのバランスをはかるためにまだやるべきことが多くある
g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない
まず、他の種や幼児や育児の話はしていませんし、心理学の話もしていませんから、a・d・e・fは外せそうです。残る選択肢を挙げます。
b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった
c) それは, 社会の調和の体裁を保っている
g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない
では、早速、空所(3)に b を当てはめてみましょう。
笑いの3つ目の役割は, 優越を伝えることにある。 たとえば, あなたの上司があなたの型破りな考えを聞いて, 否定するように笑うような場合である。 直接に異議を唱えたり批判をしたりすると波風が立ってしまいかねないが, 笑いという形であれば,より穏やかな形で,(あなたの考えを)受け入れられないことを示せるのだ。 「b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった。」とウッドは述べる。
こういった議論の論拠を示すため, ウッドと彼女の同僚たちは 762人の人達に様々な笑いの実例を評価してもらった。具体的には, それらの笑いが労いを意味するものなのか, 相手を安心させているように聞こえるものか(友好関係のしるし), あざけるように聞こえるものか (優位のしるし) を評価するように求めた。 それぞれのパターンにおいて, それぞれ違った音響上の特徴を見出せることが判明した。
うーん、その結果(as a result)で空所の直前部分と繋がらないように思えますが、なんだかモヤっとした感じも残ります。
空所(2)で選択肢bが答えだと自信を持って確定できなかった方は、bを空所(2)と(3)のいずれに入れるべきか判断を持ち越すことになります。
後続の空所(4)(5)で入れる可能性もあるからです。
一旦、選択肢cを入れてみましょう。
笑いの3つ目の役割は, 優越を伝えることにある。 たとえば, あなたの上司があなたの型破りな考えを聞いて, 否定するように笑うような場合である。 直接に異議を唱えたり批判をしたりすると波風が立ってしまいかねないが, 笑いという形であれば,より穏やかな形で,(あなたの考えを)受け入れられないことを示せるのだ。 「 c) それは, 社会の調和の体裁を保っている。」とウッドは述べる。
こういった議論の論拠を示すため, ウッドと彼女の同僚たちは 762人の人達に様々な笑いの実例を評価してもらった。具体的には, それらの笑いが労いを意味するものなのか, 相手を安心させているように聞こえるものか(友好関係のしるし), あざけるように聞こえるものか (優位のしるし) を評価するように求めた。 それぞれのパターンにおいて, それぞれ違った音響上の特徴を見出せることが判明した。
これは良さそうですね!
直前の赤色ゾーン(Whereas a direct challenge or criticism might trigger aggression, laughter indicates disapproval in a more subtle way) が、社会の調和(social harmony)に資するというのは因果性を見出せそうです。
最後に、念のためgも入れてみましょう。
笑いの3つ目の役割は, 優越を伝えることにある。 たとえば, あなたの上司があなたの型破りな考えを聞いて, 否定するように笑うような場合である。 直接に異議を唱えたり批判をしたりすると波風が立ってしまいかねないが, 笑いという形であれば,より穏やかな形で,(あなたの考えを)受け入れられないことを示せるのだ。 「g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない。 」とウッドは述べる。
こういった議論の論拠を示すため, ウッドと彼女の同僚たちは 762人の人達に様々な笑いの実例を評価してもらった。具体的には, それらの笑いが労いを意味するものなのか, 相手を安心させているように聞こえるものか(友好関係のしるし), あざけるように聞こえるものか (優位のしるし) を評価するように求めた。 それぞれのパターンにおいて, それぞれ違った音響上の特徴を見出せることが判明した。
うーん、これだと優越を伝える笑いが「一見ばかげて重要ではないように思われる」ということになりますが、そのように価値判断をするのが一般的だと言えるのかは疑問です。
仮にそうだと考えたとすれば、次の段落でフォローが入るはずですが、第7段落では第4〜第6段落の総まとめ的な内容しか書かれていません。
それゆえに、gの可能性は極めて低いと評価できそうです。
空所(4)の思考プロセス
空所(4)を含む第10段落では、幼児と笑いの関係について述べられています。
空所(1)〜(3)では検討しなかった選択肢 d や e あたりが怪しそうですね。
空所(4)は段落の中盤に位置していますから、まずは空所の前と後の相互関係を分析検討することとします。
幼児の世話をしたことがある人なら誰でも知っているように, 人は赤ん坊をくすくす笑わせるために労を惜しまずどんなことでもするだろう。 ウッドが定めた(笑いの)構造で言えば, これらは労いの笑いであり, 愛情に満ちた触れ合いをより一層促そうとしている。ミローは同様の主張をしており, 笑いは明らかに進化する上(成長する上)での利点をもたらしていると指摘している。「 (4) 」と彼女は述べている。 「幼児はそうして, 懸命に世話をしてくれる人がいることで,肉体的生存という点においても, 自分を世話してくれる人に対する愛着という重要な感情を育むという点においても, 恩恵を享受するのです。」
空所の直前では、幼児が成長するにあたり笑いが意味あるものだということが述べられており、空所の直後では、幼児が笑いを通じて利益を享受していることをミラー氏の発言を引用する形で示しています。
つまり、空所の前後で論理構造や話題の転換はないことがうかがいしれます。
ともなれば、必然的に空所(4)には空所前後の内容に反しない選択肢が入るはずですね。
さて、まずは選択肢の吟味から始めましょう。
a)以前はとりわけ人間的だと考えられていた現象が, 他の種にも共有されている行動と密接に結びついていることが判明している
b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった
c) それは, 社会の調和の体裁を保っている
d) それは, 育児をする人を幼児とつながりをもたせ続ける, 一種の 「結びつけるもの」として役立つかもしれない
e) それは、他の人が考えていることに自分が影響を及ぼすことができることを幼児がわかっているのだということを明らかにしている
f) 心理学は, ネガテイブな感情と知られていることと, ポジティブな感情とのバランスをはかるためにまだやるべきことが多くある
g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない
上述したように、空所前後では幼児の話しかなされていませんから、それを受けた選択肢はdとeしかなさそうです、もちろん、それが「罠」の可能性もありますから、念のため他の選択肢も確認すべきではありますが、他の種に触れているaや、心理学に言及したfや、人々の生活うんぬんのgを空所(4)に入れるのはナンセンスですから、b・c・d・eあたりが候補になりそうです。
ただし、空所(2)でbを確定できた人や、空所(3)でcを決定できた人は、基本的にdとeの勝負になりそうです。
ここでは、dとeを空所に入れて吟味検討を試みたいと思います!まずは d です。
幼児の世話をしたことがある人なら誰でも知っているように, 人は赤ん坊をくすくす笑わせるために労を惜しまずどんなことでもするだろう。 ウッドが定めた(笑いの)構造で言えば, これらは労いの笑いであり, 愛情に満ちた触れ合いをより一層促そうとしている。ミローは同様の主張をしており, 笑いは明らかに進化する上(成長する上)での利点をもたらしていると指摘している。「d) それは, 育児をする人を幼児とつながりをもたせ続ける, 一種の 「結びつけるもの」として役立つかもしれない。 」と彼女は述べている。 「幼児はそうして, 懸命に世話をしてくれる人がいることで,肉体的生存という点においても, 自分を世話してくれる人に対する愛着という重要な感情を育むという点においても, 恩恵を享受するのです。」
これは、いきなりビンゴかもしれません!
空所直前で、触れ合い(loving interactions)について言及されていますし、空所直後のcritical feelings of attachment toward the caregiversの内容とも一致しますね!
空所(4)は東大側が用意してくれたサービス問題のように思えました。
念のため、選択肢eも検討するとしましょう。
幼児の世話をしたことがある人なら誰でも知っているように, 人は赤ん坊をくすくす笑わせるために労を惜しまずどんなことでもするだろう。 ウッドが定めた(笑いの)構造で言えば, これらは労いの笑いであり, 愛情に満ちた触れ合いをより一層促そうとしている。ミローは同様の主張をしており, 笑いは明らかに進化する上(成長する上)での利点をもたらしていると指摘している。「 (4) 」と彼女は述べている。 「幼児はそうして, 懸命に世話をしてくれる人がいることで,肉体的生存という点においても, 自分を世話してくれる人に対する愛着という重要な感情を育むという点においても, 恩恵を享受するのです。」
おっと!空所(4)の直前部だけをみてみると、通じなくはなさそうです。
これは意外に東大側が用意したワナなのかもしれまません。
空所の前だけ見て、テキトーに選ぼうとする受験生を粉砕しようという意図が垣間見れます。
そうした時は、一呼吸置いて、空所の後ろも必ず確認しましょう。
選択肢eを選ぶと、幼児が笑うことで他人に影響を与えられるのだと分かっていることが強調されるわけですが、そうすると、空所の直後にある「そうして(subsequently)」という因果性を示すワード以降に書かれた内容と、どのように繋がっているのかが不明瞭になります。
よって、空所(4)は選択肢dが適していると言えそうです。
空所(5)の思考プロセス
それでは、ラストの空所(5)に参ります。ここまで順当に空所を埋められた人なら、残る選択肢は3つになりますから、だいぶ楽になります。ですが、ここでは、空所(5)を迎えても、何を入れて良いか未だわからなかったり、前半の空所を読んでいる時にはパニックを起こしてしまい、一旦空所(5)あたりから処理しようとした受験生も一定数いたことから、きちんと吟味検討を試みたいと思います。
まず、空所(5)は第12段落の中盤に位置していますので、空所前後を確認することから全ての物語は始まります。
笑いの研究をしている多くの科学者達と同様に, スコットは当初, 彼女の研究は興味関心を示すに値しないと考える同僚たちの抵抗を受けた。 彼女は現在, 笑いが人間の状態を理解するのに与えてくれる深い洞察について, かつてないほどに確信している。「 (5) 」と彼女は述べている。 我々は笑いが単にユーモアを表現したものに過ぎないと考えるかもしれないが, 実際には決して冗談なんかではないのだ。
いきなり、スコットなる言葉が出ました。これは一つ前の第11段落で紹介されていますので、そちらも合わせて載せたいと思います。
笑いは社会的交流とそれほどまでに密接なつながりのあるものなので, 笑うことができるようになれるかは,深刻な問題である。 「もしあなたが笑いに加わることができなかったり, 笑いに加わりたくないと思ったり, 笑いによって直でイラついたりすれば, あなたが人々と持つ関わり合いにとても大きな影響を与えることになるだろう」 とロンドン大学のソフィー・スコットは語る。
笑いの研究をしている多くの科学者達と同様に, スコットは当初, 彼女の研究は興味関心を示すに値しないと考える同僚たちの抵抗を受けた。 彼女は現在, 笑いが人間の状態を理解するのに与えてくれる深い洞察について, かつてないほどに確信している。「 (5) 」と彼女は述べている。 我々は笑いが単にユーモアを表現したものに過ぎないと考えるかもしれないが, 実際には決して冗談なんかではないのだ。
おや、空所(5)を含む第12段落の内容は既視感がありますね。
確か、空所(1)が登場した第2段落あたりでも、こんな話がありましたね!
空所(5)の直前では、スコット氏が笑いに関する自身の研究に自信を持っていて、人間の状態(the human condition)を理解するのに笑いが重要だということが述べられています。
空所直後でも大きな論理転換はなさそうです。
ここで選択肢を確認してみましょう。
a)以前はとりわけ人間的だと考えられていた現象が, 他の種にも共有されている行動と密接に結びついていることが判明している
b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった
c) それは, 社会の調和の体裁を保っている
d) それは, 育児をする人を幼児とつながりをもたせ続ける, 一種の 「結びつけるもの」として役立つかもしれない
e) それは、他の人が考えていることに自分が影響を及ぼすことができることを幼児がわかっているのだということを明らかにしている
f) 心理学は, ネガテイブな感情と知られていることと, ポジティブな感情とのバランスをはかるためにまだやるべきことが多くある
g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない
ここでは、他の種や幼児の話をしているわけではありませんので、a・d・eは外せそうです。となると、
b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった
c) それは, 社会の調和の体裁を保っている
f) 心理学は, ネガテイブな感情と知られていることと, ポジティブな感情とのバランスをはかるためにまだやるべきことが多くある
g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない
このあたりが検討候補として残りそうです。bから一つ一つ吟味検討していくとしましょう。
笑いの研究をしている多くの科学者達と同様に, スコットは当初, 彼女の研究は興味関心を示すに値しないと考える同僚たちの抵抗を受けた。 彼女は現在, 笑いが人間の状態を理解するのに与えてくれる深い洞察について, かつてないほどに確信している。「b) その結果, 人間の笑いは進化して, 力強くて柔軟な社会的な道具になった。」と彼女は述べている。 我々は笑いが単にユーモアを表現したものに過ぎないと考えるかもしれないが, 実際には決して冗談なんかではないのだ。
はい。まず、その結果(As a result)が選択肢bにはあるわけですが、スコット氏という個人が自身の研究内容に自信を持っていることと、笑いが社会的な道具になったこととは、論じられている次元も違いますし、因果関係で結びつくようなものではありません。
道具に関する話も空所直後では述べられていませんので段落の中で浮いてしまいます。
次に、選択肢cを入れるとどうでしょうか。
笑いの研究をしている多くの科学者達と同様に, スコットは当初, 彼女の研究は興味関心を示すに値しないと考える同僚たちの抵抗を受けた。 彼女は現在, 笑いが人間の状態を理解するのに与えてくれる深い洞察について, かつてないほどに確信している。「c) それは, 社会の調和の体裁を保っている。」と彼女は述べている。 我々は笑いが単にユーモアを表現したものに過ぎないと考えるかもしれないが, 実際には決して冗談なんかではないのだ。
うーん、人間の状態を理解する話が、いつの間にか社会の調和という別次元の話にすりかわっています。これは論理の飛躍と言わざるを得ないでしょう。
では、選択肢 f はどうでしょうか。
笑いの研究をしている多くの科学者達と同様に, スコットは当初, 彼女の研究は興味関心を示すに値しないと考える同僚たちの抵抗を受けた。 彼女は現在, 笑いが人間の状態を理解するのに与えてくれる深い洞察について, かつてないほどに確信している。「f) 心理学は, ネガテイブな感情と知られていることと, ポジティブな感情とのバランスをはかるためにまだやるべきことが多くある。」と彼女は述べている。 我々は笑いが単にユーモアを表現したものに過ぎないと考えるかもしれないが, 実際には決して冗談なんかではないのだ。
これも違和感があります。
心理学にフォーカスをあてた話をしているわけではありませんし、ネガティブとポジティブの内容がどこにも書かれていません。
さあ、無事に正解は見つかるのでしょうか、最後に選択肢gを入れて考察するわけですが、そこでも答えが出なければ、いま一度全選択肢を吟味検討することとなります。
笑いの研究をしている多くの科学者達と同様に, スコットは当初, 彼女の研究は興味関心を示すに値しないと考える同僚たちの抵抗を受けた。 彼女は現在, 笑いが人間の状態を理解するのに与えてくれる深い洞察について, かつてないほどに確信している。「g) 一見ばかげて重要ではないように思われることが, 実は人々の生活の中で最も重要な要素であるかもしれない。」と彼女は述べている。 我々は笑いが単にユーモアを表現したものに過ぎないと考えるかもしれないが, 実際には決して冗談なんかではないのだ。
この選択肢gは、空所(1)〜(4)の検討にあたって、いつも当を得ないものとしてはじかれていたわけですが、ようやく日の目を見ることになりそうです。
「一見ばかげて重要ではないように思われること(things that seem silly and insignificant)」というなんとも奇妙な表現に違和感を覚えていましたが、これが空所直後のjust a simple expression of humourや jokeあたりと結びつきそうだとわかります。加えて、空所直前のunderstanding the human conditionが、選択肢gの「人々の生活の中で最も重要な要素」(the most important elements of people’s lives)の話にも関わるようにも思えます。
以上より、空所(1)〜(5)が一通り確定しましたので、最後に正解の選択肢を挿入した本文を掲載したいと思います。
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