東大英語 第3問(リスニング)制覇の極意(2023年実況中継)

2023年東大英語 第3問リスニング 総括

先ずは、こちらの表をご覧ください。

2021年度入試の合格者のうち、英語で高得点を奪取された方の大問別得点一覧です。
配点が驚きですよね。
客観式問題に推定でおよそ70点近く割り当てられています。
その半分にあたる30点が配されているのが第3問ですから、
リスニングの成否は合否に直結するとも言えます。

リスニングの設問総数は例年15問(1問2点と予想されています)となっており、
平均的な東大受験生は18点前後をうろうろしているように思えます。

それに対して、111点合格者や105点合格者はキッチリ26点(13問)正解を叩き出していますね。
リスニング力は一旦身につけば、点数のブレが生じにくくなる特性があります。

その領域に達するまでには、敬天塾の映像授業でご紹介している訓練法を実施しても成果出るまでに2ヶ月程度はかかりますので、今すぐ対策を始めましょう。

(参考)映像授業【東大英語 リスニング】

 

さて、ここで世にも珍しい、設問別の分析考察シートをご案内したいと思います。

2023リスニング設問別分析シート

いかがでしたでしょうか。
難易度順に設問が並んでいるわけではないことや、
難易度が高いとされるpartでも易問は必ず存在していること、
各設問で求められているチカラが異なっていることなどをビジュアルに理解できたと思います。

難度が高いとされるパートCでも、
後半の設問に容易な問題が並んでいますから、
たとえ放送英文の出だしがうまく掴めずとも、
諦めずに最後まで聴き取る姿勢を貫ければ得点率は自ずと上がることも上記の表からわかりますね。

なお、リスニングの下読みの工夫については、映像授業でもいくつかの手法をご紹介しますが、ここで注意喚起したいことは、
「下読み時に設問文や選択肢でチェックしたキーワードだけを拾い聴きしても7〜8問程度しか正解できない」という事実です。

逆に言えば、東大側としては、ある程度は得点させてあげたいという配慮から、キーワード拾い聴きで取れる問題を7〜8問用意してくれているとも解釈できます。

ただ、やはり、入試問題作成部会の教授陣としては、ちゃんと本文全体を聴き取ってくれた受験生が報われるような設問構成にしたいのでしょう。
簡単に答えを出せない設問も半分近く用意しています。
そうした意味で、東大リスニングは、「実力」が点数に反映されやすい良問だとも言えそうです。

 

さて、2023年度東大リスニングの概略についてざっくりご説明すると、
設問総数15問と選択肢の数が5つであるという点は2022年度入試と変わりありませんでした。
問題構成は(A)(B)(C)の3つのパートに分かれ、それぞれが独立した放送内容でした。
2023年度の放送英文概略は次の通りです。

(A) 伝書鳩が特定のルートを通って帰巣する特性についての研究紹介

(B) 大気中の二酸化炭素を減らす取り組みについての説明

(C) 脱成長に関する本を書いたJason Hickelをゲストに迎えたラジオ番組での対談

気になる点としては、いずれのパートでも補注が付されたこと、昨年と同じbuoyという英単語が注意書きになっていたことでしょうか。

加えて、パートBの放送英文が多くの教室で不明瞭な音質だったらしく、聴き取りが非常に難しかったという声が多く寄せられました。
その他、設問ごとの詳細な解説は後述いたしますので、ぜひご参照ください。

東大リスニングの出題形式

東大リスニングの出題形式について見ていくとしましょう。

(放送時間)30分程度

(放送開始)2月26日午後2時45分〜(変更可能性あり。必ず受験要項や問題冊子の注意事項で確認を!)

(設問総数)15問←A・B・Cの3つのパートに分かれており、各パートに5問ずつ割り当てられています。

(予想配点)2点×15問=30点

(選択肢数)5つ ←2018年入試より各設問の選択肢数が5つに増量しました。

(解答方式)マークシート

  ( その他 )  放送の流れは、冒頭の説明
→パートA→30秒のインターバル→パートA→60秒のインターバル
→パートB→30秒のインターバル→パートB→60秒のインターバル
→パートC→30秒のインターバル→パートCの流れです。

市販の過去問CDとは異なり、冒頭の説明はサクッと終わり、すぐAが流れます。

(放送英文語数&出題テーマ)

(各パートの関係性・放送内容)

2021年まではパートAとパートBが内容的に関連していましたが、2022年からはすべてのパートが独立した内容となりました。
出題テーマは、文系理系に偏りなく出題されています。
ただ、これはリスニング問題に限った話ではありませんので、東大英語対策には様々な内容の文章に触れて教養力を上げることも大切です。

(2023年入試の変更点と試験会場での心構え)

2022年度入試の出題形式を踏襲しています。
パートBの放送音源が悪く、多くの試験教室で上手く聞き取れなかったという声が寄せられました。
パートAとパートCは難なく聴けた教室でも、この問題は起きていますので、スピーカーといった放送設備が問題なのではなく、音源そのものに問題があったように思われます。

ただ、どのような意図が東大側にあったのかは不明ではあるものの、合格者の多くは設問文と選択肢を読み込んで、正解を類推して答えを出していました
聴き取れないからと言って、その場で絶望するのではなく、「与えられた情報を駆使して、1点でも多くもぎ取ってやる!」と自分を鼓舞する姿勢が合格を引き寄せるのだと思います。

高得点合格者の工夫一例

ここで、高得点合格者がリスニングに際して、どのような工夫をしているのか幾つか具体例を挙げたいと思います。

  • 下読みに際して、選択肢まで読み込むかは人による。選択肢まで読み込む速読速解力がない人や、選択肢の分析をすると、かえって混乱してしまう人は選択肢を深く読まない傾向あり。ただし、選択肢間に共通したキーワードがある場合は、丸で囲むなどして一目瞭然化している人が多い。
  • リスニング開始の直前に、長い文章を読解せねばならない大問(1Bや5)を解くのは敬遠する人が多い。理由として、リスニング前に読み終わらなかった場合、リスニング終了後にさっき読んだ内容が記憶から吹っ飛んでしまう可能性があるため。それゆえに、大問別の解法戦略が重要。敬天塾の映像授業や知恵の館記事もご参照。
  • イヤホンでリスニング音声を聞くのではなく、スピーカーの上にタオルをかぶせ、少し離れた高い位置から音声を流す練習を普段からやっていた。←音質の悪い試験教室に当たってしまうケースを想定して
  • 過去問や模試の問題を解いて終わりではなく、しっかりと敗因分析をしている←当たり前のことのように思えて意外にできていない人が多い。後述する音声読み上げツールもぜひ活用を!
  • 中学以来暗記してきた英単語の発音を総確認した。英単語をCDなしで語呂合わせで覚えてきた場合や、同音異義語に対する知識不足が著しい受験生は、流れてくる音声情報から英単語を瞬時に脳内変換できないことがある。

   たとえば、oasisを「オアシス」で覚えた人には、「オウウェイシス」と発音されても脳内でoasisと変換できない。

   このような場合、スクリプトを読んで初めて、oasisだと気付くわけである。

  • 問題を解く訓練をしている。多くの受験生は、目的意識なく漫然とCDやネットニュースを音声で聴くだけしていることが多い。だが、実際の東大入試では、リード文や設問文や選択肢がヒントにもなるわけだから、耳トレと同時に、自分に合った下読みの工夫方法を早いうちから模索している。なお、下読み訓練に関しては、共通テスト第5問〜第6問トレーニングも早いうちからしている。

(参考)共通テスト 英語リスニングのタイムライン

強力な復習用ツールのご紹介

英語は世界の様々な地域で話されています。
そのため、各地域特有のアクセントや発音が生まれます。
グローバル化が急速に進展するなか、アメリカ英語やイギリス英語ばかりを善とする考えは時代遅れなものになってきています。

そうした潮流を受け、近年、TOEICやIELTSといった英語資格試験においても、世界各地の発音でリスニング問題が作られています。

東大リスニングも例外ではなく、インド訛りが登場した年もありました。
ですが、東大対策の英語教材に、こうした訛り訓練用の音源はあまりありません。
そこで、今回、皆様に強力な復習用ツールをご紹介したいと思います。

それは、ズバリ、英語音声読み上げサイトです。
初めて知った方もいらっしゃると思うので概略をご説明いたします。
まず、以下でご案内するサイトにアクセスをしてください。そして、

❶ 読み上げを希望する英文を入力
   ↓
❷ どこの地域の発音にするか選択 / スピーカーの声も選択可能(男性か女性か)
   ↓
❸ 速度調整する(できないサイトもあります)

という流れです。
たとえば、東大過去問や東大模試でリスニングの問題を解いたとします。
スクリプトが配布されるはずですから、それを携帯電話のカメラでパシャっと撮影します。
そして、LINEの「文字起こしばりぐっどくん」(https://page.line.me/yuh5530e)に送信すると文字起こししてくれますから、それをコピペして下記の音声読み上げサイトに入力してみましょう。

「音読さん」というサイトは画像からいきなり音声読み上げしてくれる機能もあるようですが、無料でできる読み上げ文字に制限があるので文字起こしの方法も是非学んでおきましょう。

この音声読み上げサイトを駆使することで、皆様のリスニング力が一段階上がると信じております!

なお、その他の有益なリスニングサイトの情報については、敬天塾の映像授業コース【東大英語 リスニング】でもご案内しているので是非ご参照ください。

 

まず、読み上げて欲しい英文を準備します。

東大過去問であれば、文字起こしアプリを利用して放送英文をコピペできるようにしておきましょう。

次に、英文をテキストボックスにコピー&ペーストもしくは入力します。

言語の選択と、読み上げ音声を選択しましょう。
男性の声、女性の声、子供の声など10種類前後の音声が用意されています。

速度調整機能や画像読み込み機能もあります。
速度調整ができる点が秀逸です。
たとえば、東大リスニングでなかなか聴き取れない箇所があったとして、その部分だけを本文入力して速度調整しながら聴いてみるのも学びはあるでしょう。

作成した音声をダウンロードできる点も秀逸です。
ただ、音読さんのデメリットとしては、文字数制限があることです。
無料で日常的に使いたい方は、後述する別のサービスをご検討ください。

(イメージ)

(⚠︎音読さんに敬天塾自作の英文を入力したものです)

 

こちらは、1回5000文字という制限はありますが、何度でも無料で利用できる点が秀逸です。
やり方は簡単。
読み上げてもらいたい英文をコピペして、音声ボタンを押せば発音してくれます。
ただし、アメリカ英語の発音のみで、話者は女性に限定されています。
速度調整もできないのが欠点です。

スクリプトは持っているけれども、音声は持っていないという方には役立つのではないでしょうか。
なお、英文を入力すると右側に日本語訳が瞬時に出されます。
翻訳の精度は、それほど高くありません。
大学生になると、このGoogle翻訳やDEEPLを利用して英文解釈をする人が多くなります。

(イメージ)

(⚠︎Google翻訳に敬天塾自作の英文を入力したものです)

 

Oddcastの特徴は、なんと、アバターが英語を読み上げてくれます。
まるで実際に会話をしているかのような感覚になります。
アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語の音声が用意されており、男性と女性の声も選べます。
Effectという項目からスピードも選択できます。
ただ、文字数(語数ではなく)が600文字なので、長い文章の読み上げなら、Google翻訳の方が5000文字ですから優れていると言えます。

(イメージ)

(⚠︎oddcastに敬天塾自作の英文を入力したものです)

 

こちらは、イギリス英語・アメリカ英語・オーストラリア英語の3つから音声を選べます。
話者は男性と女性で選べ、速度調整もできます。
ただ、長文を入力するとバグを起こすことがあります。
諸注意として、言語と声を選択してからでないと、読み上げしてもらいたい音声をコピペできない点ですがあります。

(イメージ)

(⚠︎ReadSpeakerに敬天塾自作の英文を入力したものです)

東大リスニング対策の諸注意5か条

リスニング力を上げるために、多くの東大受験生が四苦八苦しています。
いきなりBBCニュースを聴いて心折れたり、東大過去問に挑戦するもうまくいかず自分にはリスニングの才能がないと勝手に諦めたりと、多くの東大受験生にとってリスニングは鬼門となっているのです。

そこで、本稿では、独りで勉強していると気付きにくい諸点についてプチ解説したいと思います。
ぜひ、敬天塾オリジナルの解説記事で合格力を上げてください!

❶ リスニングが聴き取れない原因を分析せよ

→ リスニング音声が聴き取れないという事実ばかりに注目する受験生が非常に多いのですが、その要因は人それぞれだということに気付いていません。
ここで、1A解説記事でもご案内している大問別分析シートをご覧ください。

各項目についての詳細な説明は、右記のリンクをご参照ください。

東大英語 第1問A(英文要約)制覇の極意(2023年実況中継)【総論前半】

 

ここで大切なことは、
ただ漫然と聞き流していれば、ある朝、突然に聴き取れるようになることはないという事実です。

・文法力がない人がいくら聴いたところで点数は伸びません。

選択肢の下読みにすら手こずる程度の読解力の人が、
リスニングでいきなり高得点を取ることは難しいです。

スクリプトを速読速解できない人が、早く聴き取れるわけがありません。

・英単語を正しい発音で覚えていない人が正確に聴き取れるはずはないのです。

リスニング力が低いと嘆いている人の大半は、語彙力や文法力に問題があります

それら基礎をすっ飛ばして、リスニング力だけがいきなり身につくことは、基本的にないと考えましょう。

土台がしっかりしているからこそ、その上に積み上げることができるのです。

共通テストリスニングの第5問〜第6問で苦戦している人は、
下読みの工夫や耳スタミナの醸成に努めねばなりません。

このように、一人一人に合った戦略を考えることではじめて、得点率は上昇するのです。

ただ漫然と流し聴きする学習は今すぐやめましょう。

 

❷ スクリプトのような段落分けを耳はできない

→ スクリプトを読んでいると、綺麗に段落分けされていますから、非常に理解がしやすいですよね。

ですが、音声で流れる時には、ここが第3段落で、ここが第5段落で・・なんていうのは説明もなされませんし、耳で把握することも困難です。

ただひたすらに英文が流れ続けてくるなかで、情報処理をせねばならないわけです。
もちろん、聴き取りの力が増してくると、放送英文における起承転結を即座に理解できるようにもなりますが、初学者がいきなりそのレベルに達することは不可能に近いと言っても過言ではありません。

ただ、攻略法もいくつかあります。

その1つが、設問の順序と放送英文の順序は概ね一致しているという事実です。

後程、2023年度過去問の設問別分析をいたしますが、パートAからパートCに至る15問全てが、放送英文の順序で並んでいました。
つまり、設問文が段落分けのヒントにもなっているわけです。

段落分け(意味でゾーン分類)のメリットとして、区切りが明確化することが挙げられます。
どこから集中して聴き取ればいいのか方針が定まりやすくなります。

下読みの段階で、どういうストーリー展開がなされるかまで想像力を膨らませられると、安心して長文音声を聴き取ることに資するでしょう。

 

❸ リード文や注釈はヒントの宝庫

→2023年度入試では、パートA・パートB・パートCのいずれにおいても、放送英文の概略についてリード文で説明が日本語でなされていました。
伝書鳩の帰巣や大気中の二酸化炭素濃度を減らす試みをテーマとしている旨が冒頭で明示されていたのです。
こうした時に、背景知識があれば放送内容を合理的に推測することもできたでしょう。

また、語句注釈もすべてのパートで用意されており、リード文の概略紹介と合わせれば、議論の方向性をおおよそ推測できました。

古典では、よくリード文と注釈を読むよう指導されるものですが、リスニングでも今後は同様に読み込む必要性が高まるものと思われます。

 

❹ 教養力を高めよ

→上述した大問別分析シートでもご覧いただいたように、リスニング力を上げたくば、日頃の学習で背景知識を拡充することも怠ってはいけません。

たとえば、本年度のパートAで出題された伝書鳩の帰巣本能でいえば、体内時計があることや地上の目印を参考にしていることは、よく知られているところです。

もちろん、常識力だけで解こうとすると痛い目に遭うことも読解問題では多くありますが、リスニング問題に関しては意外にシンプルな論理展開になっています。

それゆえ、背景知識を持っていた方には、聴き取りやすい問題だとも言えます。

これは、何も英語リスニングに限ったことではありません。
たとえば、私は小さい頃にニュース番組を見ても、何を言っているのかぜんぜんわからず、すぐにチャンネルをアニメに変えていたものです(笑)。
ですが、大人になった今なら、ニュース番組をみても「ストレスなく」理解できます。
それは、政治や経済などについての背景知識が頭の中に入っているからです。
だからこそ、たいていの情報は既視感のあるものばかりで、報道内容も概ね予測ができ、たいして脳に負荷がかからないから「ストレスなく」視聴できるのです。

これと同じことが英語にも言えます。
本年度のパートBやパートCは若干複雑な内容が扱われていましたが、広く多読多聴していれば、見聞きしたことのあるものばかりでした。
リスニング力の正体が何たるかを説明するのは難しいところですが、その一つに、豊かな教養力(背景知識力)がもたらす予測力は挙げられると思います。
リスニングの得点を伸ばしたくば、リスニングばかり漫然とやっていてはダメだということですね。

 

❺ その他

→東大リスニング制覇に資するその他のコツは、映像授業コースのスクショをご参照ください。
タイトルからだけでも学べることは多いと思います。

2023年 問題A 総論

まずは、こちらをご覧ください。

上図のように、説問(6)〜(10)の解答根拠は、放送順に並んでいることがわかります。

注目すべきは設問(6)と(7)です。
近接した箇所に解答根拠が集中していました。

設問(6)に関連する箇所の聴き取りがうまくいかず、
「あれ、今なんて言ってたんだろう・・」といった具合に4〜5秒考え込んだとしましょう。

ですが、考え込んだところで答えが出るわけでもなく、それどころかリスニングに集中できなかった4〜5秒の間に10〜15words近くが新たに放送されてしまった結果、
設問(7)の解答根拠箇所をも聴き逃すことになってしまいます。

となると、精神的に動揺してしまい、後続の放送英文を冷静に聴き取れなくなることよくあります。

リスニング問題における極意は、常に意識を「次」に向けることにあります。

次の単語、次のフレーズ、次の文といった具合にです。
1問を取りに行こうとして全問を取りこぼすことは絶対に犯してはならない禁忌です。
以下の表の赤丸箇所をご覧ください。

たとえ、各パートの最初の設問や放送英文の冒頭が難しかったとしても、そこで心折れるのではなく、取れる問題は必ずあるんだ!と強く信じて、最後まで放送の聞き取りに全集中することが大事なのです。

なぜなら、赤丸箇所で示したように後半に易問(サービス問題)が用意されていることも多いからです。
諦めるのは0.1秒でできます。
2回目の放送が終わるまで、いや、午後4時の試験終了の鐘が鳴り終わるまで、決して諦めないようにしましょう。

 

次に、各設問の選択肢群ですが、パートAに関しては上図の通り、似通った単語や内容を並べています。
ですので、下読みはしやすいのですが、似ているがゆえに間違えてしまうこともありますのでご注意ください。

なお、正解の選択肢の文章内容とほぼ同じフレーズの言葉がパートAでは流れています。
ですので、下読み段階で選択肢群の内容を事前把握し、
かつ、各選択肢群のキーフレーズを一目瞭然化できた受験生は反射的に答えを出せたことでしょう。

そんな器用なことは出来ないと嘆かれる方は、下読み時に後々思い出しやすいようメモや印を残すなど工夫をしてみましょう。

もっとも、選択肢群に目を通すと逆に混乱するから、純粋に放送英文の全てに集中し、意味を完全に把握することに注力なさる方もいらっしゃいます。
合うやり方は人それぞれですが、最初から決めつけずに色々と試行錯誤してみましょう。

2023年 問題A 各論

設問(6)易

How often are animals required to use the information stored several years before, according to Dora Biro?

a) Almost every day.
b) Hardly ever.
c) Once a month.
d) Once a year.
e) Once in four years.

【プチ解説】

本問は、易問の部類に入ると評価したが、受験生の「思い込み」によって難問にも化けうる一問です。
共通テストや模試で選択肢を絞る「小手先の」テクニックを学んだ人ですと、選択肢の中で大きく浮いているものはすぐに斬るといった変なクセがついています。
共通テストや模試程度であれば、そうした技術で点数を稼ぐこともできるかもしれませんが、本問は日本最高峰の東京大学の精鋭が1年かけて作った問題です。
そんな小手先のテクニックをもって、選択肢b「Hardly  ever」は変な選択肢だなと思って最初から検討対象外にしてしまうと、沼にハマります。

ここでは、やはり正攻法で設問文で示されている情報に着目すべきです。
Dora Biroという固有名詞は聴き取りのポイントになるでしょうし、the information stored several years beforeというカタマリにも要注意です。
東大リスニングは意外に設問文や選択肢群の表現をそのまま放送しているので、聴き取り時のヒントになるからです。
概ね設問順に放送されますから、冒頭が大きな鍵となります。

すると、放送開始から少しして、Dora Biroが流れ、そこからすぐにan animal is rarely required to retrieve the information it stored in its memory several years before. と放送がされます。
放送文では選択肢bのhardlyのまんまではなくrarelyと言い換えられていますが、
hardly, rarely, scarcely, seldom, few, littleといった準否定の語句は、
4Aや4Bなど他の大問でも重要な語句ですから、
この程度は反射的に脳内で言い換えできてほしいです。

なお、ここでうまく聴き取れなかっったってからといって動揺してはいけません。
この直後に設問(7)の解答根拠が放送されるのです。
次に意識を向けることが大切です。
ちなみに、rarelyを聴き取れなかった人の中には、設問(7)の解答根拠部分で流れるthree or four yearsという単語を拾い聴きして、選択肢eを選んでしまった人もいるかもしれません。
やはりちゃんと文脈を把握した聴き取りを心がけたいものです。

設問(7)並

 The study by Biro and her colleagues examined if domestic homing pigeons would take the same route from

a) a farm 8.6 kilometers away, after an interval of three or four years.
b) a farm built in 2016, without GPS devices attached to the pigeons’ backs.
c) a hill located as far as 8.6 kilometers away, after a gap of ten years.
d) a house three or four kilometers away, after several years.
e) three or four different places, which are located 8.6 kilometers away from one another.

【プチ解説】

Biro氏の名前は、設問(6)でも出ていましたから、本問ではさほど情報価値は無さそうです。
下読み段階では、domestic home pigeonsやsame routeというカタマリをマルで囲みました。
その後、選択肢に目を移したわけですが、「8.6」や 「three or four」という数値が頻繁に登場しており、kilometersを修飾している選択肢やplacesを修飾している選択肢まで様々です。
主要な単語だけ拾い聴きしている受験生を蹴落とそうとする東大側の意図が強くあらわれた設問となっています。

本問で驚くべきことは、問題A総論のチャートで図示した通り、設問(6)の根拠部分の直後に設問(7)の関連箇所が来ています。
連続的に流れてくる分、動揺せず、しっかりと頭を切り替えられた人が報われる設問だとも言えます。
実際の放送では、domestic homing pigeons’ routes three or four years after they established routes back to their loft from a farm 8.6 kilometres awayと発音されていますから、なんのヒネリもなく選択肢aを選べます。

ただ、選択肢群がまどろっこしいので、それぞれを吟味検討する負担が大きい点を斟酌し、難易度を「易」ではなく「並」と評価しました。
なお、消去法で解こうとすると相当な負担がのしかかります。
たとえば、選択肢bのGPSに関しては、第3段落まで待たないと情報がそもそも出てきません。
単語単位で拾い聴きしている受験生が、消去法で各選択肢の正誤を1つずつ判定しようとすると相当骨が折れる問題になったと思います。
そうした意味で、正解の根拠となる場所をピンポイントで的確に聴きとり、一発で正解の選択肢を選び出すことが合格ポイントだと思います。

設問(8)易

The flight paths which a group of pigeons took in 2016

a) proved to be similar when they were escorted by the pigeons which knew the route.
b) varied as many pigeons lost their way.
c) were surprisingly similar to their routes in 2019 or 2020.
d) were never followed by the other pigeons which did not know their way.
e) were significantly different from those taken by pigeons flying in 2019 or 2020.

【プチ解説】

下読み段階では、設問文のflight pathsやa group of pigeonsあたりが丸ごと出たらいいなあと思いました、ありがたいことに、放送ではthe flight paths a group of pigeons took in 2016と、そのまんま読まれましたのでラッキーだと思いました。
その少し後には、strikingly similar routesと放送されますので、単語拾い読みでも選択肢aとcには絞れたと思います。
ただ、選択肢aにはエスコートといった本文にはない情報が付加されていますし、
the flight paths a group of pigeons took in 2016を目的語とするcompareが、
many of the same birds’ routes in 2019 or 2020withで受けていることをきちんと聴き取れれば一発で選択肢cを出せたと思います。
安易な消去法を封じているのが東大リスニングの特徴でもあります。

なお、設問文の「2016」に着目して解答根拠を探そうとした受験生は相当苦労したと思います。
なぜなら、本文で2016が登場するのは4箇所あり、うち3箇所は異なる段落内にありました。
数値情報だけを拾い聴きして根拠箇所を絞り込もうとすると、痛い目に遭った一問だとも言えましょう。

設問(9)並

The research confirms that homing pigeons depend on

a) the information which they memorize only when they fly alone.
b) the memory of landmarks which they store only while flying incompany.
c) their internal compasses and sense of smell.
d) their memory of landmarks as well as their internal compasses.
e) visual signs as well as their peers.

【プチ解説】

下読み時に、homing pigeonsにマルを囲みました。
選択肢には目を通しましたが、なんだかいろんな単語が出てきているので少し整理が難しかったです。
ただ、伝書鳩の帰巣本能に関しては、理科のテレビ番組や英文多読で読んだことがありましたから、選択肢dがあやしいとは踏んでいました。
そうして放送英文を聴いてみると、Homing pigeonsが読み上げられ、その少し後にuse accurate internal compassesが登場しました。
ただ、ここだけで終わらせてはいけません。
internal  compassesに触れているのは選択肢cとdですが、いずれも2つの情報(cならsense of smelldならmemory of landmarks)を提示しています。
なので、他にももう一つ探さなきゃという気持ちに受験生は駆られますから後続の文も聴かなきゃと思うはずです。
もし、選択肢にonly internal compassesなんていうものがあれば、これに飛びついた受験生はかなり多くいたと思います。
そうした選択肢を作らなかったのは、東大英語部会の優しさのようにも思えました。
さて、そうして2〜3秒経つと、but the research showed that they also memorize landmarks to retrace a route back to their loftsと放送されます。
ここから選択肢dが正解だとわかるわけです。

設問(10)並

According to Vermer Bingman, the research shows that animals’ capacity is

a) almost equal to humans’, just as we tend to think it should be.
b) closer to what we thought of as humans’ capacity.
c) equal to humans’ in terms of memory capacity.
d) much more developed than humans’ in comparing the lengths of different routes.
e) only slightly inferior to humans’, just as we imagine it should be.

【プチ解説】

いつものように設問文の下読みです。
まず初出のVermer Bingmanは当然のようにマルで囲みます。
あとは、animal’s abilityにもチェックですが、capacityabilityなどに言い換えている可能性も懸念はしました。
また、パートA最後の設問ですから、放送の終盤で登場するのだろうと心づもりはしていました。
最後らへんで話されることなわけですから、研究結果の総括や何か高尚なことが話されているのかなと予測立てしました。
そうして放送文を聴いていると、予想通り最終局面でVermer Bingmanが登場したのです。
これまでの設問(6)〜(9)なら、すぐさまanimal’s capacityというフレーズが読み上げられそうなのですが、human abilitiesが代わりに放送されました。
当該箇所では、It closes the distance a little bit between our self-centered sense of human abilities and what animals can actually doと放送されたわけです。
ここから選択肢bが導けるわけですが、選択肢cには気をつけなくてはいけません。
伝書鳩の起草本に関する話だったから、記憶力に限定した話かなと思ってcにするのは危険です。
確かにhoming pigeons’ remarkable memoryとも読み上げられているのですが、この設問(10)の選択肢ではanimal’s capacityと書かれているはずです。
鳩さんに限定していませんから、性急にcと決めるのは読解不足となります。こうしたワナが仕組まれている点で、難易度を「易」ではなく「並」とました。

(補足) 以上でパートAが終わり、次のパートB開始まで60秒があります。この60秒で、再度パートBの設問文チェックをせねばなりません。東大リスニング制覇の極意は、「次に意識を向ける・頭を切り替える」なのですから。

2023年 問題B 総論

まずは、こちらをご覧ください。

2023年度東大リスニングの鬼門は、このパートBでしょう。
放送音源が不明瞭だったため、多くの受験生が激しく動揺したとのこと。

ただ、扱われている話題は比較的シンプルですし、難易度の高かった設問(11)以外は解答根拠も明確なものばかりでしたから、なんとか聴き取れる範囲ででも食らい付きたかった問題でした。

なお、パートAとは異なり、本文の複数箇所に解答根拠が点在している設問もパートB2は見受けられました。
このあたりが、それから、2023年度入試では、NOT問題(正しくない選択肢を選べ問題)が3問出されましたが、うち2問がパートBから出されています。
消去法で解くのも手ですが(本年度の設問12番)、一発で仕留めること(本年度の設問15番)も肝要です。
また、上述したようにパートBの音声が不明瞭で全然解けなかったとしても、パートCで挽回することもできます。東大英語は時間制約が厳しい試験であることは有名です。

上の図のように、東大英語の出題形式は8種類と多く、読解語数も5000wordsを超えています。
それゆえ、1つにこだわりすぎず、取れる問題をどんどん拾っていくくらいの気持ちで臨みましょう。
時間制約が厳しいということは、冷静さを失った場合、リカバリするだけの時間的なゆとりがないということなのです。
頭が真っ白になろうものなら、総崩れすることもあり得ます。
頭がいいから東大に受かるわけではありません。
終始冷静に対処できるから東大に合格できるのです。
ぜひ、合格の呼吸シリーズなど敬天塾の記事を通して、合格者の心構えも学ばれてください。

2023年 問題B 各論

設問(11)難

(11) The “buoys” designed by Running Tide are intended to

a) be boiled in water and eaten.
b) float away into the atmosphere.
c) release carbon into the atmosphere.
d) sink to the bottom of the sea.
e) warn ships of shallow waters.

【プチ解説】

キーワード拾い聴きの受験生にとって、本問は難しく感じられたかもしれません。
設問文のキーワードを事前にチェックし、そのキーワードの初出箇所あたりを注意深く聞けば、答えをらくらく導けると勝手に黄金ルールをつくった受験生には酷であったでしょう。
その一方、きちんと本文全体の理解に努めることができた受験生にとっては易問であった。
本問は受験生の学習姿勢を問える良問だとも言えます。

まず、下読み段階で、buoysRunning Tideにチェックを入れました。
さらには、リード文と語句註釈から何やら二酸化炭素削減に向けた新たな取り組みがなされていることをうかがい知ることができたでしょう。
その上で、放送英文に耳を澄ましました。
すると、冒頭でいきなりbuoysが登場する。

蛇足だが、buoyは2022年度入試でも登場している。
東大教授のお気に入りなのかもしれませんね。

その後、しばらくして、They had one role: to go away and never be seen again.と流れるが、コロンの後ろが少し抽象的で、ここで答えを定められた受験生は少なかったでしょう。
そのすぐ後に、float awayと出てくるが、ここでいきなり選択肢bに飛びついてはいけません。
東大教授のワナです。
そもそも、選択肢bのfloat away into the atmosphereでは、ブイが大気中を漂うという意味不明な文になってしまいます。
話を戻すと、そのすぐ後に、then sink to the bottom of the seafloorと来ますから、ここまで辛抱できた人は選択肢dを選べたでしょう。
仮にここで答えが出せず一旦保留にしても、
実のところ、設問(12)の解答根拠あたりでdrift to the bottom of the oceanとあることから、
別の設問を解いている時に(11)の方向性が見えてくることもあり得ました。

なお、Running Tideの語句に集中した人は、本問ではそれほど報われなかったかもしれません。
buoysが初めて登場してから、かなり離れたところでRunning Tideが登場しますから、用語拾い聴きの人には酷だったでしょう。
また、Running Tideの初出箇所直後に、remove carbon dioxide from the ocean and atmosphereとありますが、
このremoveを聴き取り間違えたり、intoの意味をテキトーに捉えた受験生は選択肢cを選んでしまったかもしれません。

設問(12)並

Which of the following is NOT a reason for Running Tide to use kelp as its material of choice?

a) It can be allowed to sink to the ocean floor.
b) It can be easily discarded.
c) It can be harvested.
d) It can be used as a building material.
e) It can grow fast and absorb a lot of carbon.

【プチ解説】

本問はNOT問題です。
正しい選択肢が4つあり、誤った選択肢が1つあります。
焦って解いていると、NOT問題であることをド忘れしてしまうこともありますので、しっかりグリグリとマルで囲むなど一目瞭然化しましょう。
さて、NOT問題では、正解の選択肢群が特定の放送箇所に集中している場合は難度が低くなり、バラバラの段落で話されていることを情報統合せねばならない時には難度が上がります。
本問は、結果論から言えば前者だったわけですが、そんなことは下読み段階ではわかりません。
本年度のパートBは多くの教室で音声がモゴモゴした聴き取りづらいものだったため、聴き取りが出来ないなら選択肢分析で絞り込もうとした受験生も多かったようです。
そうした意味で、この選択肢群の中でひとつだけ仲間外れに見えるのはdですから、当て勘で答えた人も一定数いました。
ただ、このやり方は好ましくはない解き方ですし、変なテクニックで東大の肢を絞れないことは、設問(6)でも申し上げた通りです。

さて、下読み段階で、Running Tidekelpmaterial of choiceにマルをつけましたが、
Running Tideは設問(11)でも出てきていましたし、
本問はNOT問題であることから、設問文のキーワードからだけで絞り込むのは困難だと考えました。
ただ、NOT問題であるということは、正解の選択肢が4つあるということですから、
選択肢群のharvested(選択肢c)やabsorb a lot of carbon(選択肢e)といった語句が放送されるはずだと検討をつけました。
すると、Running Tide’s focus is kelp. Kelp grows as fast as two feet a day, which means it absorbs a huge amount of carbon. That kelp could then be harvested, disposed of, or allowed to naturally  drift to the bottom of the ocean.と流れてきました。
この時点で、選択肢a,b,c,eは正解だとわかりましたから、消去法でdを誤答と判断しました。

なお、Running Tidekelpが集中して出てくる段落は2つあり、これら設問文にあるキーワードだけ拾い聴きしようとした受験生にとっては難しく感じ取れたかもしれません。
設問文の意味を考え、reasonと言っている部分を探そうと考えた受験生もいたようです。
本文ではfocusで言い換えていますね。
個人的には選択肢群の語句や、放送順序と設問順が概ね一致していることをヒントに聴き取りにメリハリをつけました。

設問(13)易

According to Marty Odlin, how much carbon produced by fossil fuels do we need to remove in order to effectively combat climate change?

a) Gigatons.
b) Hundreds of gigatons.
c) Hundreds of tons.
d) Megatons.
e) Thousands of tons.

【プチ解説】

本問はキーワード拾い聴きの受験生にとって至福の一問だったと思います。
設問文のMarty Odlinが登場した、少し後にhundreds of gigatons of carbon released by fossil fuelsと放送されますので、選択肢bを瞬殺で選べたと思います。
ここで注意すべきは、そのすぐ後に設問(14)の解答根拠も流れるということです。
パートAの設問(5)と(6)でも似たようなことがありましたね。
常に意識を次の音に向けることがいかに大切かを肝に銘じましょう。

なお、数量表現については盲点とする受験生も多いので、関連表現を参考書などで固めましょう。

① 年号はどのように読まれるか

 750  seven fifty
1066 ten sixty-six
1492 fourteen ninety-two
1903 nineteen oh three / nineteen three
2008 two thousand and eight
2020 twenty twenty

② 時刻で注意すべき読まれ方

5:45 をfive fourth-fiveと読むのは中1でもわかりますが、a quarter to six (15分が6時に向かっている=6時15分前)

7:01 をa minute past seven (1分が7時ジャストから過ぎ去った) 10:30をhalf past ten (30分が10時ジャストから過ぎ去った)といった言い方もあるので要注意です。

③長文などで時々出てくる単位

1 inch は 約 2.54cm
1 foot=12 inches は約30cm
1 yard は約91cm
1 mile は 約 1.6km (約1600m)
1 pound = 16 ounces は約 0.45kg
1 ounce は 約28g
1 acre は 約 4000㎡

Celsius→https://hugkum.sho.jp/179221

④分数表現

3 one-third
1/5 one-fifth
2/3 two-thirds
4/5 four-fifths
7/10 seven-tenths
1/2 a half / one half
1/4 one- fourth または a quarter ( one quarter)
3/4 three-fourths または three quarters

④ その他

人口絡みではbillion、国家予算絡みではtrillionといった巨大な数量を表す単語も出てきますので、貪欲に知識を仕入れましょう!

設問(14)易

What happens in the “fast cycle”?

a) Carbon becomes neutral.
b) Carbon is pumped deep into the ocean.
c) Carbon is transferred to fossil fuels.
d) Carbon moves from fossil fuels to the air to plant matter.
e) Carbon remains locked away in the earth.

【プチ解説】

設問(13)に続いて、サービス問題です。
下読み段階で、fast cycleにマルをつけました。
設問(13)の解答根拠が放送された直後に、” fast cycle” where carbon moves from fossil fuels to the air to plant matter.が放送されましたので、ストレスフリーに選択肢dを選べました。
このように、最後まで聴き取り続けようとしたならば、思わぬ幸せが転がっているのです。

最後まで諦めないこと。
次の音に意識を向けること。
これらが東大リスニング制覇の極意です。

設問(15)並

Which of the following statements about Odlin is NOT correct?

a) He founded Running Tide in 2017.
b) He is CEO of Running Tide.
c) He lives in Maine.
d) He taught robotics in college.
e) He was born into a fishing family.

【プチ解説】

設問(12)に続いてNOT問題です。
焦って解いていると、NOT問題であることをド忘れしてしまうこともありますので、しっかりグリグリとマルで囲むなど一目瞭然化しましょう。
さて、NOT問題では、正解の選択肢群が特定の放送箇所に集中している場合は難度が低くなり、バラバラの段落で話されていることを情報統合せねばならない時には難度が上がります。
本問は、結果論から言えば後者だったわけですが、前者で攻めても答えは出せました。

まず、東大リスニングは設問の内容順に放送が概ねなされます。
本問はパートBの最終問題ですから、放送の最後らへんにエッセンスがあることを想定できます。
設問(15)の選択肢には、それほど目新しい固有名詞などはないのですが、Odlinという単語には下読み段階でマルをつけました。
ただ、それでは、あまりに情報が少ないので選択肢群にも目を向けました。
2017(選択肢a)やMaine(選択肢c)やcollege(選択肢d)やfishing family(選択肢e)あたりに注意を払おうと思いました。

すると、最終段落(英文放送時は段落などわかりませんが、ここでは便宜上このように書いています)で、Odlin, who comes from a Maine fishing family and studied robotics at college, founded Running Tide in 2017と説明がなされています。
ここから大学で学んでいるに過ぎず教えてはいないのだから選択肢dはおかしいと私は瞬殺しました。
その意味で易問ではあるのですが、選択肢bのCEOについては、第4段落で言及されていますから、一つ一つの選択肢の正誤を正確に判定しようとすると広範囲に聞き取らなければならず労力も増したように思えます。
ここは、解き方によって若干難易度が変化する設問だとも思えましたので、難易度を「並」としました。

補足) 以上でパートBが終わり、次のパートC開始まで60秒があります。
このパートBでは音声が不明瞭で心理的に動揺した受験生が多くいました。
リスニングを得点源とする受験生ほどショックが大きかったと思います。
ですが切り替えなくてはいけません。
憂いても点数は上がりません。
この60秒で、再度パートCの設問文チェックをせねばならないのです。
東大リスニング制覇の極意は、「次に意識を向ける・頭を切り替える」なのですから。

2023年 問題C 総論

まずは、こちらをご覧ください。

パートCは、会話文形式でdegrowth(脱成長)について議論しています。
会話部形式で注意すべきことは、男性と女性が交互に話すパターンなら発話者が明瞭で良いのですが、男性と男性同士の会話で両者の声が似ている場合、「今のは誰の発言?」となる場合があることです。
過去の東大入試や共通テストでもありましたので、なんとなく男性の声と考えるのではなく、声質にも注目し、文脈把握も怠らないようにしてください。

さて、2023年度のパートCでは、インタビューワーとヒッケル氏による質疑応答が放送されました。
インタビューワーが端的に質問していることから、質問箇所でゾーンを区切って聴くのが良さそうです。

扱われている文章内容は、パートAやパートBと比べ格段に難しく、こうしたお堅い文章を読み聴きしたことがない人はアレルギー反応を起こしたかもしれません。
こうした時には、いつも以上に設問文と選択肢の読み込みをしっかりしましょう
そして、以下の表の赤マル箇所で示したように、難しい文章内容だからといって全設問が難しいわけではないことに意識を向けるべきです。
難しい内容の文章であっても、シンプルに答えられる問題も多く配されています。
ぜひ、1問でも多く正解してやる!という気持ちを失わないようにしてください。

2023年 問題C 各論

設問(16)並

According to Hickel, the aim of “degrowth” is

a) combining traditional economics with indigenous philosophies.
b) holding high-income countries accountable for environmental destruction.
c) promoting capitalism at the expense of environmental protection.
d) providing good lives for all through technological innovation.
e) reducing inequality and resource use to stay within planetary boundaries.

【プチ解説】

パートCに入り、選択肢群の文量が増え、読み取り難度が総じて重量級に跳ね上がっています。
共通テストの長文読解でも苦労するような受験生には酷なパートでもあります。
やはりリスニング力のベースには常に読解力があることを理解しなくてはいけません。

下読み段階では、いつものように設問文のdegrowthにマルをつけました。
ただ、選択肢群の内容は濃いので、さらっと読んだだけでは頭に入ってきませんでした。
ところが、放送箇所はわかりやすく、interviewer❷でdegrowthが登場した次のHickel❷の冒頭でいきなり、reduction of resourceと流れてきました。
選択肢eのreduceの名詞ですね。品詞理解については、4A正誤問題や5物語文の空所補充、1Bや5の並べ替え問題でも重要な判断材料になりますので、ぜひ貪欲に知識拡充に努めてください。

さて、話を戻しますと、パートAやパートBとは異なり、選択肢eはHickel❷の最後に登場します。
キーワードの直前直後だけ拾い聴きしてきた受験生にとっては酷な一問だったとも言えます。
選択肢cのように常識的におかしいものもありますが、消去法で選択しようとすると、聴き取らねばならない情報が散財している分、苦しかったと思います。
ここは一発で選択肢eを選びたいところでした。

設問(17)難

According to Hickel, the idea of “growth”

a) has been sold by countries in the Global South to high-income countries.
b) is a fundamental concept in the emerging field of ecological economics.
c) is a natural phenomenon in nature, but is unnatural in the discipline of economics.
d) is essential for economists, but needs to be redefined.
e) is generally accepted on both sides of the political spectrum.

【プチ解説】

これは難しかったと思います。
結果論から言えば、Hickel❹でgrowthが登場したのち、
very difficult to find a political party on either side of the spectrum, as it were, that has any kind of strong criticism of economic growth.と流れますので、
選択肢eが答えにはなるのですが、そこに至るまでが長かったのです。

Hickel❸でcapitalism(資本主義)を批判していること、
それを受けてInterviewer❹でcapitalismの欠点を粗探ししていることから、
growthがcapitalismを意味しているのかと捉えられた人には良かったでしょうが、
単語だけ広い聴きしている人には酷な一問でした。

Hickel❹がとてつもなく長いパートで、そのラストにようやく選択肢eに直結するpolitical spectrumなる言葉が登場しますので忍耐が求められました。
パートBの音声が不明瞭で心折れ、設問(16)と(17)でさらに心折れてしまった受験生は、後半の設問(19)と(20)にサービス問題が隠されていることを知る由もありませんので、
戦意喪失に陥る可能性すらあります。
時間制約の厳しい東大英語で冷静さを失ったならば、リスニング終了後にも悪影響を及ぼしてしまいます。
それだけは絶対に回避せねばなりませんから、敬天塾の映像授業や知恵の館記事でしっかりと合格者の心構えを学ばれてください。

設問(18)並

Which of the following statements about “the steady-state” in ecological economics is NOT consistent with what Hickel says in the interview?

a) It is important to maintain a balance with the ecosystem that you live with.
b) It is similar to indigenous thoughts about economies and exchange.
c) You should never extract more from the environment than can be replaced on a yearly basis.
d) You should never extract natural resources from indigenous communities.
e) You should never produce more waste than the environment can safely absorb.

【プチ解説】

パートBの設問(12)と設問(15)に続いてNOT問題です。
焦って解いていると、NOT問題であることをド忘れしてしまうこともありますので、しっかりグリグリとマルで囲むなど一目瞭然化しましょう。
さて、NOT問題では、正解の選択肢群が特定の放送箇所に集中している場合は難度が低くなり、バラバラの段落で話されていることを情報統合せねばならない時には難度が上がります。
本問は、前者でしたし、各選択肢群のフレーズをほぼそのまんま読み上げてくれていますので、人によってはサービス問題に思えたことでしょう。
選択肢a・b・c・eが正解だと判定し、消去法からdを誤答と判断するのが楽だったと思われます。

なお、下読み段階では、the  steady-stateにマルをつけ、Hickel❻で登場したことから、その前後を最大集中で聴き取りました。
また、選択肢群の長さや、本文で扱われているテーマの難しさを勘案し、難易度を「並」と評価しました。

設問(19)易

The interviewer suggests that ecological economics

a) has rebranded ideas from indigenous knowledge for the Global North.
b) is fundamentally different from indigenous knowledge.
c) is highly critical of ideas from indigenous knowledge.
d) is just catching up with indigenous knowledge that has been around for thousands of years.
e) is just copying ideas from indigenous knowledge that has been around for thousands of years.

【プチ解説】

下読み段階では、設問文の主語がInterviewerになっていることとに着目し、さらにはecological  economicsにもマルをつけました。
そうして辛抱強く待っていると、Interviewer❼で、So in a way ecological economics is sort of just catching up with a lot of this indigenous knowledge that has been around for thousands of yearsと流れましたので選択肢dを一瞬で選べました。
これは、最後まで諦めずに聴き取りを頑張れた受験生へのご褒美問題でした。
こういう設問を確実に拾っていける受験生が合格者となります。

設問(20)易

According to Hickel, people who live close to the land interact with the living world

a) in a variety of ways.
b) in similar ways.
c) in the same ways as rich economies do.
d) in ways which have remained the same for thousands of years.
e) with respect for their ancestors.

【プチ解説】

いよいよラストです。
まず、下読み段階では、設問文情報からHickelのパートに注目すればよいこと、そして、interact  with the living worldをマルでで囲みました。
幸い、選択肢群が短い語数のものばかりでしたので、少し安堵しました。
最後の設問ですから、今までの流れから言って、一番最後に解答の根拠が来ると踏んで音声聴き取りに集中しました。
すると、Hickel❼でvariety of different ways of interacting in meaningful ways with the living world と流れてきたのです。
もう、これは選択肢aで瞬時に決まりました。
設問(19)に続いて、ご褒美をいただけたので良い気持ちでリスニングを終えられました。
東大入試は模試とは異なり難易度順に並んでいるわけではないことを示す好例だとも言えましょう。

最後に

日本一(?)詳しく実況中継を書いたつもりですが、学びはありましたでしょうか。
私は受験生の時にリスニングでなかなか点数が取れず毎日毎晩悩んでいました。
リスニングが得意な人や先生達にアドバイスを求めても、「本質が分かっていれば自然と答えがわかる」というなんの役にも立たない助言ばかりで落ち込む毎日でした。

ですが、そこから諦めずに過去問探究や耳トレを進めるなかで、東大はなぜ設問文と選択肢をご丁寧に問題冊子に載せてくれているんだろうかと思い始めたのです。
英語資格試験の中には、設問文や選択肢をも放送で行い問題冊子には何も書かれていないこともあります。
これは、東大側からのメッセージなのではないかと思い始めたのです。
そもそも、大学が過去問を公開しているのは、受験対策のために「うまく活用してくれ」という想いが込められているからだと私は考えています。

単に解いて、何問正解した、何点だったといった情報はどうでもよく、
現時点で解けない問題や時間内に解き終わらない科目をマスターするために何をすべきかを考えるヒントを過去問に求めるべきなのです。
一度出されたことのある問題は二度と出されないからやる価値はないと言う人がいますが、それは過去問の意義を捉えられていないのです。
過去問こそ、最強かつ最高のバイブルだということを強くお伝えし、
本稿を終えたいと思います。

ぜひ、敬天塾の過去問解析講座で合格力を上げていってください。
皆様の東京大学合格を心からお祈り申し上げます。

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