東大英語 第4問B(英文和訳)2022年実況中継

【2022年東大英語4B英文和訳総括】おや?模試の時のように下線部だけ読んでも上手く訳せないぞ?

2022年度入試は、多くの大問で東大側が本気を出した年でありました。共通テスト数学の超難化にはじまり、二次試験でも全教科えげつない問題が出題されましたので合格最低点が数十点落ちた伝説の年だとも言われています。

東大足切りライン考察に役立つデータ集

2022年度入試の英文和訳にも、手こずった受験生は多くいたことでしょう。
少し前までは、下線部だけを読めば答えがわかる和訳問題が出されることも多かったので、面食らった受験生が続出したようです。
とはいえ、京大や阪大のような複雑な構文解釈が求められたわけではありませんし、語彙レベルもさほど高くはありません。
では、なぜに手こずったのかというと、問題と向き合う姿勢を東大側に強く咎められたためです。

 

ご存知のように東大英語は日本一時間制約の厳しい英語試験と言ってもよく、受験生は少しでも短時間で問題処理をしようと試みます。
その結果、4B英文和訳であれば、本文はたいして読まずに下線部だけ読んでも、ちゃちゃっと和訳しようとします。
読解総語数を減らすことで、時間を節約し、省エネしようとしているわけですね。

ですが、本年の東大英語試験問題作成部会は、そうした受験生の態度を咎め、本文全体をちゃんと読め!と強いメッセージを送ってきました。
本年度の4Bで手こずった方は、ぜひ本実況中継を通じて、東大教授の想いを汲み取ってください。

 

なお、4B英文和訳を解くに際しての諸原則や出題傾向につきましては、2023年度4B実況中継で詳述しておりますので、併せてご参照いただけると幸いです。

 

東大英語 第4問B(英文和訳)制覇の極意(2023年実況中継)【前編】

【下線部(ア)の和訳ポイントと和訳の工夫】
簡単な単語ばかりなのに訳しにくい。設問条件は見落とさないで!

構文レベル★☆☆  
語彙レベル★☆☆
訳出工夫度★★☆

(ア)He didn’t think so, as his teacher had told him to check out a book with a yellow label.

      (設問条件)soが指す内容を明らかにして訳すこと

何の変哲も無い文章で、中学生でも読めそうです。
ですが、正確に訳出するためにはsoの内容を明らかにし、check outを誤訳しないようにすることが求められます。
この2点で、点数差が生まれたと思われます。

その上で、下線部(ア)含む第一段落の日本語訳をご紹介したいと思います。

ある年、学校の図書館の監督者として、私はとある小学校に勤めていた。そこでは、新学期初日に本をcirculatingすることを始めていた。私はcirculation deskで手伝いをしていた。4年生の子が、ある特定の本をhaveしてもいいか尋ねてきた。「もちろん!」と私は答えた。

(ア)He didn’t think so, as his teacher had told him to check out a book with a yellow label. だから、私は図書館監督者の名詞を取り出して、裏面にその子の先生に宛てたメモを書き、その上で、その子にそれをcheck outした。

(敬天塾注)東大受験生が試験会場で上手く訳せず悩んだ部分は敢えて原文のまま掲載し、実際の試験会場における下線部との格闘を再現できるようにしました。

 

まず、下線部のsoを解き明かすには、下線部前の文章を読まなくてはいけません。
ただ、読んだからといって、さらっと答えられるかというと、意外にそうでもなかったようです。
soの中身を特定するには、下線部内のasにも着目しなければいけません。
asの後ろでは、黄色いlabel(ラベルのことです)が貼られた本をcheck outするように彼の担任が言ったとありますね。
このことから、He didn’t think soだと言っていますので、因果関係のasを示しているように思えます。

ちなみに、接続詞のasには多くの意味がありますが、becauseとwhenで言い換えられるものがほとんどです。
基本的には、この2つを疑うことから私は始めています。

ちなみに、時間の経過を表す内容が書かれていれば「〜につれて」という意味になるでしょうし、
命令文のあとにasが来ていたら(〜に従って)となるでしょうし、
名詞だけが後ろに来ていたら前置詞のas(〜として)を疑うべきだとは思います。
この辺りは、ぜひお手持ちの文法書や辞書などで代表的な例文を確認をしておきましょう。

 

話を戻します。
Heが登場するのは、緑色のゾーンですから、基本的にはここをチェックすれば良いです。
haveをどのように訳すべきか悩まれたかもしれませんが、主人公が小学校の図書館の監督者であること、図書館に子供が来る目的は「借りる・返却する・資料調べをする・自習する」くらいであり、haveの原義は所有することからして、「借りる」という意味と考えるのが文脈からみても合理的だと言えます。

 

そこで、次に問題となるのは、下線部内のcheck outです。
第1段落終わりにも登場します。ホテルを出発するときに、チェックアウトすると言いますが、そのイメージばかりに囚われて、本をチェックアウトするってどういうことなの?と悩んだ方も多かったようです。
もっとも、本を外(out)に持ち出す=本を借りる、と考えられた受験生も多くいましたが。
この点、下線部(ア)の直後に、checked it out the childとあり、このitが指す内容がthe bookを指していると分かれば、「借りる」「貸し出す」といった意味になると推測できるようにも思えます。
第1段落は、図書館のカウンターにおける司書と児童との会話を表したものなのですから。
仮に、ここでわからずとも、本文を読み進めると、第3段落の中盤で

 

Finding and borrowing books (or using other kinds of texts) should be fun, accessible, and free of barriers. We need to consider how our policies, procedures, and routines inspire children and encourage their engagement with text, as well as how they guarantee all learners’ rights to intellectual freedom.

と、本をborrowするという表現も出て来ます。
このあたりからも、check outは文脈上「借りる」とするのが良さそうだと推測できると思います。

 

以上の内容をもとに和訳作業に取りかかります。
その際に注意すべきことは、2023年度4B実況中継解説でも詳述した通り、
英文和訳は逐語訳が鉄則であり、訳していくなかで日本語として不明瞭な箇所を文構造を崩さずに部分的に意訳していくことにあります。
雰囲気で訳そうとすると、構文がわかっていないから誤魔化したんじゃないかと採点官に疑われます。
こなれた日本語にするにしても、構文をわかっていますよアピールはしなければいけません。

 

それでは、解答例と高得点合格者の再現答案をご紹介いたします。

【下線部(ア)の解答例と高得点合格者の再現答案】

(ア)He didn’t think so, as his teacher had told him to check out a book with a yellow label.

  • 敬天塾解答例

彼は、筆者に貸し出し可能か尋ねた本を実際に借りられるとは思っていなかった。なぜなら、彼の先生は黄色いラベルが貼ってある本を借りるよう彼に言っていたからだ。

 

  • 高得点合格者再現答案その1

彼は自分で選んだ本を借りられるとは思っていなかった。というのも、先生が黄色い札のついている本を借りるよう彼に言っていたからだ。

 

  • 高得点合格者再現答案その2

彼は特定の本を借りられるとは考えなかった、なぜなら教師が彼に黄色のラベルがついた本を借りるよう伝えていたからだ。

【2022年度4B(ア)を解くために下線部以外も読んでおくべきだったか】

soの説明を要求する設問条件を満たし、かつ、check outの適訳を考察するに際して、少なくとも第1段落にはひととおり目を通すべきでした
第3段落にもヒントはあり、上手く訳せずとも、いったん本文を読み進める勇気が大切だと実感できた受験生も多かったと思います。

【下線部(イ)の和訳ポイントと和訳の工夫】noble callingが鬼門!こんなの知らないよ・・でも、実は解くヒントが本文に散りばめられている!

文レベル★☆☆  
語彙レベル★★☆
訳出工夫度★★☆

(イ)There is a divide between the noble calling to teach children how to read and the equally noble calling to inspire a love of reading.

まず、文構造はいたってシンプルで、a divide between ■ and ▲という構造です。

■=the noble calling to teach children how to read

▲=the equally noble calling to inspire a love of reading

となっています。受験生が悩んだのは、やはりthe noble callingの訳出でしょう。
equallyの訳し方に戸惑った人も多かったようです。
nobleが「気高い、崇高な、立派な」といった+イメージの単語であることは東大受験生であれば知らねばなりません。もし、本番でド忘れしたならば、せめて+イメージの単語としてcallingに合った形容詞を考えることになるでしょう。問題は、callingです。多くの受験生は、「呼ぶこと、電話すること」くらいの訳しか思いつかなかったのではないでしょうか。東大側もそこは分かって出題して来ていると思います。つまり、上手く訳せないなら、本文をちゃんと読んで、意味を合理的に推察してくださいね、と言っているわけです。

 

さて、いつものように、下線部(イ)を含む第2段落全体を精査してみましょう。

子供達は教育上の優先事項に基づいた本と、自分たちがワクワクを求めて読みたいと思う本のいずれかを選択しなければならないという事態(scenario)が、学校の図書館や教室でしょっちゅう起こっているのだと、私は頭のなかで思い巡らしています。(イ)There is a divide between the noble calling to teach children how to read and the equally noble calling to inspire a love of reading.

私たち図書館スタッフは、日々、こうしたdivideの狭間でdanceしているのです。

(敬天塾注)東大受験生が試験会場で上手く訳せず悩んだ部分は敢えて原文のまま掲載し、実際の試験会場における下線部との格闘を再現できるようにしました。

ひとまず、下線部(イ)を含んだ第2段落を読み込んでみると、子供達が読みたい本と、先生たちが読ませたい本の乖離について、下線部(イ)の直前でも書かれています。
そうした乖離(divide)の狭間で揺れ動いている学校司書の心理を第2段落終わりで[dance]と形容し、それを受けて、第3段落の冒頭でも再び[dance]が登場しています。
つまり、第2段落と第3段落は密接に連関しているわけです。

 

そうして、第3段落中盤以降も読んでみると、we must surround our learners with opportunity and help them make connections between the school library’s resources and their interestsや、
第3段落末尾ではIf our goal is to help learners self-identify as readers, then we must help them make connections with text through practices that celebrate the reading lifeとの記述があり、
学校が図書館資源を利用して子供達に成長機会や自己充足を図る契機を与えようと奔走している様を読み取れます。

 

このことと、下線部(イ)のdivideで苛まれているのが学校図書館のスタッフであることから、
the noble callingは学校司書(図書館スタッフ)に課せられた何かだと言え、
callingの訳語として「役割」「達成すべき目標」「使命」「任務」あたりが適切かなと考えつきました。
そこにnoble(高尚な、崇高な、尊い)を修飾させるわけです。

 

一部の方は、東大側が受験生にcallingが「使命感」の意味を持っているという多義語知識を求めていると本問を論評していました。
ですが、私の見解では、上手く訳せなくても本文をちゃんと読み込んで、合理的に推察しなさいという意図を東大教授が込めていると感じました。
東大英語は日本語能力も高く問うていることを、2023年1A解説記事でもご案内しました。

東大英語 第1問A(英文要約)制覇の極意(2023年実況中継)【総論前半】

 

callingの訳語候補として、「役割」「達成すべき目標」「使命」「任務」あたりの日本語がサラッと出てこなかった方は、日本語の語彙力増強にも務めるようにしてください。
英語だけ出来ても、東大英語では高得点は望めません。
東大側は、英語の問題を通じて、優れた日本語で物事を考える知性をも問うて来ています。
早慶の問題がすらすら解ける帰国子女でも東大英語で苦戦する理由がそこにあります。

 

なお、equallyについては、to teach children how to readと同じくらい、to inspire a love of readingnobleなんだと言うために書き添えられたものですので、
「同じくらい」「それに等しく」といった具合に、両者の価値を同列に論じて比較していることを理解できていることをアピール出来ていれば、点数をいただけると思います。

 

それでは、解答例と高得点合格者の再現答案をご紹介いたします。

【下線部(イ)の解答例と高得点合格者の再現答案】

(イ)There is a divide between the noble calling to teach children how to read and the equally noble calling to inspire a love of reading.

  • 敬天塾解答例

子供達に本の読み方を教えるという崇高な使命と、それと同様に崇高な、読書への愛を目覚めさせるという使命との間には隔たりがある。

⚠︎ここでいう、本の読み方とは、本をどのように活かして調べ物をするのか、段落間の相互関係や、筆者の挨拶のところは大した情報が載っていないだとか、そうした実用的な読解技術を含めたものだと考えられます。

 

  • 高得点合格者再現答案その1

子どもたちに本の読み方を教える高貴な仕事と、読書への愛を触発して引き起こさせる、同様に高貴な仕事の間には違いがある。

 

  • 高得点合格者再現答案その2

子供達に読み方を教えるという気高い使命と、読書への愛を奮起させるという、それと等しく気高い使命との間には分断がある。

【2022年度4B(イ)を解くために下線部以外も読んでおくべきだったか】

callingの訳出のために、第2段落前半のinstructional proritiesや、第3段落冒頭〜中盤までのゾーンを読み込むことで、図書館スタッフが何のために存在しているのか、何のために図書館が学校の中にあるのかを考察することが求められたような気がいたします。
calling以外の部分は、下線部だけでも容易に訳出できたと思われます。

【下線部(ウ)の和訳ポイントと和訳の工夫】Reducing choiceとlabelingとrestrictive policesの訳出で若干手間取る?でも、確実に満点を狙いたい一問!

構文レベル★☆☆  
語彙レベル★★☆
訳出工夫度★★☆

(ウ)Reducing choice, whether through labeling, age-related rules, or restrictive policies, is not a strategy that makes children fall in love with books and reading.

いよいよ、4Bのラストです。
文章構造はいたってシンプルで、Reducing choiceがメインの主語で、
それをisが受け、strategyが文全体の補語になっています。
strategyの中身を関係代名詞that以下で説明し、
whether〜policiesまでは、reducing choice例示として挿入されている構造です。

 

本問の特徴としては、それほど訳出で窮する語彙がないことが挙げられます。
それゆえ、下線部だけ読んで訳そうと思えば訳せます。
ただ、reducing choiceを直訳調で「減っている選択」と訳したり、labelingを「ラベリング」と訳したり、restrictive policiesを「制限がかかった政策」と訳しても、日本語として何を言っているのかよくわからない文章になってしまいます。
果たして、そうした逐語訳を完全解と捉えて良いのかは疑問の残るところです。

 

このように考えますと、こなれた日本語訳にするためには、やはり、第1段落から第3段落までを通して、本文は何を読者に伝えようとしているのか、文全体の要旨を掴み取りませんと、下線部(ウ)をこなれた日本語にすることは困難だと言えます。
ここで、少し長いですが、下線部(ウ)を含んだ第3段落の訳を確認するとしましょう。

本を読む動機は、(他人から与えられるものではなく)たいていは自分で見出すべきものであり、(自分で)選ぶことは強力な原動力となる。子供に限らず、人々は楽しいことや自分にとってやりがいのあることや、苦じゃないことをするのを選択するものだ。ここから、danceが始まるのだ!もしも、学習者が自分の好奇心を育み満たすにあたり、様々な形式で広く深く読書をするというのであれば、私達は学習者に機会を与え、彼らが数々の図書館資源と彼らの興味関心とを結びつけられるよう手助けをしなければならない。本を見つけて借りること、(あるいは、他の種類の文章媒体を利用すること)は、楽しいことであり、気軽にできることであり、なんらの障壁もないスムーズなものでなければならない。私達は、私達の方針や手続き、所定の決まりがどのように子供達を奮起させて、子供達が文章と触れ合えるように促すのかを考える必要がある。それと同時に、そういったものがどのように知的自由に対する全ての学習者の権利を保障するのかも私達は考慮する必要がある。(ウ)Reducing choice, whether through labeling, age-related rules, or restrictive policies, is not a strategy that makes children fall in love with books and reading. もし私たちの目標が、学習者たちが本を読むなかで自らのアイデンティティを確立していく手助けにあるのであれば、私達は彼らが読書生活を最高だと思える(祝える)実践を通して、彼らが文章との関わり(つながり)を持てるよう手助けしなければならない。

いかがでしたでしょうか。上述したように、下線部(ウ)で厄介なのは、reducing choice・labeling・restrictice policiesを文脈に沿った日本語変換する作業だと思われます。
こなれた日本語にするヒントとなるのが下線部(ウ)を含んだ第3段落ではありますが、下線部(ア)を含んだ第1段落や、下線部(イ)を含んだ第2段落も読み込んでいると、reducing choicerestrictive policieslabelingが言わんとしていることを理解できると思います。

 

下線部(ア)で、黄色いラベルが貼られた本だけ借りるように先生に言われた児童が、借りたい本を気軽に借りられない(第2段落でいうthose they want to read for pleasureにあたる)例が示されました。
それは、図書館のあるべき姿(第3段落中盤のFinding and borrowing books…should be fun, accessible, and free of barriers.)とは相容れない現実でもあり、学びたいと思う人が何にも束縛されずに学べる権利を奪うことにもなります(下線部(ウ)の直前にあるlearners’ rights to intellectual freedomの話)。

 

よく「文脈に沿って適訳を考えよう」と言われると思います。
今回の例で言えば、restrictive policiesを「制限付き政策」と直訳したとしても違和感しかありません。
なぜなら、図書館のあり方の話をしているのに、「政策」という国会や議会レベルの話を持ち出すのは焦点がずれてしまうからです。
そこで、「政策」とは「方針」のことだなと言い換えていくのです。
さらには、restrictiveであれば、下線部(ア)での貸し出し制限の話をしているのかな、もっと広げて閲覧制限の話まで含んでいるのかなと本文の内容と関連づけていきます。

 

Reducing choiceであれば、直訳では、「choiceを減らすこと」「選択を減らすこと」となります。
これだけではわかりませんから、東大側は、whether through labeling, age-related rules, or restrictive pliciesと直後に補足説明を付け加えています。
つまり、これらが何をもたらすのかということです。

第3段落冒頭では、choice is a powerful driverと書かれ、その直後にはchoiceの動詞chooseを用いてPeople, including children, choose to do that which is fun, personally rewarding, or easyと書かれ文が続いていきます。
要は、好きな本や読みたい本を自分で自由に選べるようにするのが大事だと言っているわけです。

下線部(ア)でも4年生の男の子が借りたい本があるけれども黄色いラベルが貼られていないということで悩んでいましたね。
これは、子供のrights to intellectual freedomを保障する精神に悖る(もとる)ものと言わざるをえません。
だからこそ、Reducing choiceは良くないことだと下線部(ウ)で指摘しているのです。

 

labelingは、下線部(ア)を分析していない受験生には何が何だかわからなかったと思います。
黄色いラベルを貼られた本は借りられるといった制限(←これも下線部ウでいうrestrictive policiesの一つです)を設けていましたね。
ここでは、「ラベルを貼る」と逐語訳をすることが無難だとは思いますが、label=ラベルとローマ字読みできず、何言っているのか全然わからなければ、下線部(ア)でyellow labelがあるものが借りられる本だと書かれていたことをヒントに、「本の貸し出し可否を色分けで示して分類したり」と減点覚悟で説明を添えて誤魔化すのも試験会場では一手だと思います。

 

なお、下線部(ウ)は少し文が長いので、きちんと、文構造を意識した訳を心がけましょう。
だいたい、こんなことを言おうとしているんじゃないかとふわっと訳すと、この子は構文をわからずに誤魔化して書いたんじゃないかと採点官に誤認される恐れがあります。詳しくは、2023年実況中継の解説も熟読願います。

それでは、解答例と高得点合格者の再現答案をご紹介いたします。

【下線部(ウ)の解答例と高得点合格者の再現答案】

(ウ)Reducing choice, whether through labeling, age-related rules, or restrictive policies, is not a strategy that makes children fall in love with books and reading.

  • 敬天塾解答例

ラベルを貼ったり、年齢に関連した規則を設けたり、(貸し出し)制限を設けたりすることを通じて、選択肢を狭めることは、子供達が本や読書を大好きになるようにさせる戦略(方策)とは言えない。

 

  • 高得点合格者再現答案その1

札を貼ったり、年齢に合わせた制限や貸し出し制限を設けることで、選択肢を狭めることは、子どもたちを読書好きにさせる戦略とはならない。

 

  • 高得点合格者再現答案その1

ラベル付けを通じてであれ、年齢に関係する規則を通じてであれ、制限的な方針を通じてであれ、選択肢を減らすことは、子供達に、本と読書を大好きにさせる戦略ではない。

【2022年度4B(ウ)を解くために下線部以外も読んでおくべきだったか】

reducing choice・labeling・restrictive policiesを文脈に沿った日本語変換するには、下線部(ウ)を含む第3段落のみならず、第1段落の内容まで頭に入っていないとうまく訳出できなかったと思います。
下線部の直前だけさらっと読んで、理解不十分なまま下線部の直訳を実行した受験生の答案は、意図不明瞭な解答になってしまったと思います。

その一方、図書館の話だとわかっただけで、本文をろくに読まずに完全解を出した合格者もいました。
この方は、多読や多聴経験が豊富で、図書館にもよく通っていたらしく、手に取るように下線部の内容をイメージできたのだそうです。
こうした教養力とでも言うべきものがあれば、本文を熟読せずとも答えを出せたのかもしれませんが、万人受けする方法は「本文をちゃんと読め」となると思います。

 

なお、下線部を先読みしてから本文を熟読するのか、
本文を熟読してから下線部和訳に挑戦するのか、
下線部を含んだ段落ごとに区分けして分析検討するのか、
下線部だけ読んで不明瞭な時には本文を拾い読みしていくのかは、
残された時間や読解速度や設問文章との相性によっても変わってくると思いますので、一概にこれをやれとは言いづらいところがあります。

この4Bをリスニングの前と後のいずれでやるのか、何分で解くつもりなのか。
その時の精神状態などによっても変わってきます。

敬天塾の教材を活用しながら大問別対策が終わった段階で、年度別にフルセット演習を実施し、時間に追われるなかで頭をうまく切り替えられるかを分析してみるのも学びが大きいと思います。
一度解いたことのある問題でもです。以下の記事もご参照ください。

過去問はいつやるべきか?

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敬天塾では、さらに深く学びたい方、本格的に東大対策をしたい方のために、映像授業や、補足資料などをご購入いただけます。
ご興味頂いたかたは、以下のリンクからどうぞご利用下さい。

映像授業【東大英語 第4問B 英文和訳】

2023年東大英語(第4問B 英文和訳)入試問題の解答(答案例)・解説

東大英語 第4問B(英文和訳)制覇の極意(2023年実況中継)【前編】

2022年東大英語(第4問B 英文和訳)入試問題の解答(答案例)・解説

東大英語 第4問A(英文法正誤)2021年実況中継

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