2018年東大入試1日目を解いてみたコメントや感想、難易度など。

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昨日は国公立大学の前期試験でしたね。
私も早速、東大入試を解いてみました。
昨年も当日に解いて、即アップしたのですが、好評だったので今年も。
以下、1問ずつコメントです。

文系第1問:2次関数、点と直線の距離、最小値、領域図示

東大文系数学にしては、標準的な難易度でしょうか。
(1)はlとmの直線の方程式を出すのは非常に簡単。ここは部分点もらいでしょう。
点Aを何かの文字でおき、lとmまでの距離を「点と直線の距離」の公式で出す。
これらの√を取って絶対値の計算と流れますが、割とパッと見の印象通り。
しっかり勉強していれば、手を動かしていくだけで点数が取れる問題だと思います。

(2)は少し悩むでしょうか。
拙ブログでは領域図示の問題の解説に力を入れてましたが、これまでと少し変わった領域図示の問題でした。
領域Dが直線の不等式にスッポリ含まれてしまう条件なのですが、その直線に文字が二つついていて自由度が高く動きます。
また、qの符号で場合わけが必要だったりと、少しやり辛さがあります。
(1)は解けても、(2)は手が出せない受験生が多かったのではないでしょうか?
あ、そうそう、さっき確認したら、東進さんの解答速報に誤植がありましたね。
q=0の条件とq≠0の条件が逆になっていたような気がします。
既に直ったかどうかは未確認ですが、ご注意を。

文系第2問:整数、コンビネーション、誘導

今回、4問の中で最も簡単だったと思われる問題。
誘導が丁寧で、意図も分かりやすい。計算ミスがなければ満点が狙える問題でしょう。
(1)は計算するだけ。これは点数を取らなければならない問題。
(2)も、コンビネーションや階乗の計算を丁寧にするだけ。時間をかけても解く価値があるでしょう。最後に2次不等式が出ますが、あまり大したことはないでしょう。
(3)は一見みたことがない問題。しかし(1)と(2)が誘導だと気付けば、答えまであと少し。
(1)では、a7が1より小さいという結論が得られ、(2)ではa4からは小さくなり続けるという結論が得られます。
ということは、1より大きくなるのは、a1からa6だけ。
あとはその6個を全て計算してしまえば、OKです。

理系第2問:整数、コンビネーション

文系第2問と共通問題とは言えないまでも、類題だったのがこちらの理系第2問です。
違は、anの定義が複雑になっているのと、小問の誘導がやや「不親切」なことです。
文系では、1より大きいかどうかを調べさせてますが、理系ではそれがない。
また、「既約分数」の証明がポイントですね。これも頭をひねるポイント。
そういう意味で、文系より難しい問題です。
(言い換えれば、問題文の書き方次第で、問題の難易度が調節できるということですね。)
ということで、理系の受験生にとっては、an/an‐1が1より大きいかどうか調べる発想になれば、最後まで完答出来るわけですが、これを連想するにはどうしたら良いでしょう。
(これは、今日か明日から書き始める、1問ずつの解説ブログで書きますね。)

文系第3問&理系第4問:3次関数、領域図示、解の配置

文系第2問と、理系第2問が似てるけど似てない問題だったのに対し、文系第3問と理系第4問は非常に似てる問題。
文系は(1)がありますが、理系は小問構成になっておらず、いきなり結論を求めさせます。
といっても、解いてみると分かりますが、文系の(1)が直接的な誘導になっておらず、逆に混乱しそうなフリになってしまってますね。
さて、問題の難易度としては、標準的でしょうか。文系にしては(1)は取れても、(2)は難しく感じる人の方が多いような気がします。
理系なら、取りたい問題でしょうね。
しかし、いわゆる解の配置の問題とは少し毛色が違う問題。
そうそう、今回の東大入試、文系も理系も領域図示の問題が3問ずつ出てるんですよね。
多過ぎ!!
しかし、これまで頻出だった2次関数の解の配置を利用した領域図示ではなく、変化球を投げてきているような気がします。
今後はこういう領域図示の問題がトレンドになるのでしょうか。非常に注目すべきでしょう。

文系第4問:ベクトル、領域図示、面積、1文字固定

文系最後の問題も、領域図示の問題(とその面積を求める問題)でした。
さっきも書きましたが、解の配置を利用した領域図示の問題ではなく、「変化球」の問題のような気がします。
しかし、実は去年も同じような問題がでていたんですよね。
それがこの問題。
どうですか?そっくりでしょう。
受験生にたいして
「ちゃんと過去問を解いてるか?」
というメッセージともとれるくらい似ています。
ベクトルを利用する、領域を図示する、面積を求めるというところまで同じです。
去年の問題の方が、ややベクトルを使う発想が得にくく難しい印象もありますが、今年の問題は複数の文字が登場して固定するところが難しいでしょうか。
ということで、昨年と同じ難易度くらいなのかなぁと思います。

理系第3問:ベクトル、領域の面積、極限

そして、文系第4問に似ているのが、理系第3問。
登場する関数や、文字などは同じなのですが、結論が違う。
ベクトルの係数にkが登場して、文字の数が増えていることと、面積計算させたあとに(しかも文字式で)極限を取らせるという問題。
まあ、文系と比べて、かなり難易度がアップしてますね。
面積をkの式で出すので、kを定数と見なし、動点pや動点qに使った文字を動かして様子を探るのが王道。
しかし、文字がおおくてややこしい計算が続きます。
S(k)自体が求められれば、極限をとるのは難しくないのでしょうが、そこまで辿り着くかどうかが問題。
頭が混乱する問題です。

理系第5問:複素数平面

やはり出題されましたね、複素数平面。
一度指導要綱から削除され、最近復活した単元ですが、その昔も頻出単元でした。
また、複素数平面はどうしても難易度が上がりがちです。
座標平面に対して、図形の概念を持ち出すと、条件が複雑になり易く、処理が面倒だからです。
今回も、複素数として線対称や接線の方程式を求めると、やや面倒で、xy平面に変換して考えるとやりやすい問題でした。
xy平面なら、単位円や、その接線の公式は簡単ですからね。
(2)でも同様。
複雑すぎるわけではないですが、正確に計算したり、軌跡を求めて、範囲の限定する条件を正確に求めるのは大変。
やや難しいと感じた方が多いかもしれません。

理系第6問:空間図形、体積

これも、東大では定番の空間図形。
今年は、領域図示の問題が多すぎるのが変なところですが、それ以外は東大らしい問題のラインナップが続いたような気がします。
問題の設定自体は、やや複雑。
3種類の通過領域があり、その共通部分の体積を求めたり、残り一つが含まれる条件を求めたりと、手間がかかる問題です。
小問も4つ構成ですし、時間がかかるのは必至でしょう。
積分は計算が面倒になりがちでしょうし、第6問ですし、受験生はなかなか手が付かなかったのではないかと思います。

2018年東大入試(数学)、難化か易化か?

ということで、明日からは1問ずつ解説をしていきます。
世間では、難化か易化かが話題になっていますね。
文系は易しくなったが、理系は難化したという意見が多いように思いますが、その意見も分かります。
しかし、今回は非常に特徴のある問題構成でした。
何度も書いていますが、
・領域図示ばかりが出題されたこと。
・その領域図示の問題が、少し変化球だったこと。
・小問が設定されている問題が少ないこと。(理系)
などなど。
領域図示の問題が出ると、どうしても高得点が取り辛くなってしまいます。
問題自体が簡単だったとしても、図示をする時点で減点対象のポイントがたくさん生じてしまうからです。(軸の書き忘れ、点の書き忘れ、境界を含むかどうかの書き忘れなど)
ということを踏まえて、意外に高得点が来ない可能性もあるのではないかと睨んでいます。
もちろん、ふたを開けてみないと分からないんですけどね。
ということで、明日からの1問ずつの解説をお楽しみに。

 

 

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