「各段落の要約をつなげれば、全体の要約になる」はウソ

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日本の英語教育を受けていても、要約問題は解けない

東大英語を勉強する上で誰しも困るのが、第1問の設問A、いわゆる「要約問題」です。
現在の学校の英語教育は、単純に言うと
・単語(熟語)を覚えろ!
・文法を理解しろ!
・一文ずつ和訳できるようにしろ!
の3つのみ。
これに、英作文とかリスニングとか、会話表現などを少し加えれば、ハイ、日本の英語教育の出来上がり♪
こんな授業をしていて、要約問題ができるようになるわけありません。

要約問題の解法の「通説」

そんなあなたが東大を目指すようになり、過去問を見た瞬間、背筋が凍ります。
「要約ってどうすれば解けるの・・・?」

そこへ、甘い声が聞こえてきます。
「各段落をそれぞれ要約して、全部つなげればよいんだよ」
「具体例は全部省けばよいんだよ。」
「譲歩の部分や一般論、通説の部分は、解答に書かないんだよ。」

「え?そうなの。なんだ、そうすればよかったんだ♪」

こうしてあなたは、要約問題の解き方が「わかった気」になりましたとさ。
これが全国の東大受験生の作り方です。

聞いた話は疑え

はっきり言ってですね、誰かから聞いた話や、ネットで調べた情報をそのまま鵜呑みにして信じるような人は、学問が出来ません。
東大に行きたいなら、せめて受験に関することくらい、自分で調べて、正しいかどうか、どのくらい通用するのかを検証しましょう。
これを「リテラシー」と言います。

私も一応、受験の業界にいるのですが、信じたくないことに「聞きかじったことを言って満足する先生」がたくさんいます。
そして、それを聞いて「なるほど!」と思った先生が、ドヤ顔をして生徒に指導する。大雑把に言って、これがひたすら繰り返されているのが、受験業界です。

こういう、受験業界にながれる適当発言、適当な情報を正すために、noteで情報発信を始めたわけですが、このマガジンを購読している人はそうなってほしくないと切に願います。

前置きが長くなりましたが、東大の要約問題に関しては、「通説」が通用しないことを証明していきましょう。

このラインより上のエリアが無料で表示されます。

A、通説をどこまで信じるか

と言っても、通説が100%通じないかというと、そういうわけではありません。世の中、100点も0点もないのです。だから騙される人がいるわけですが。

例えば、直近の2019年の問題なんかは
「各段落をそれぞれ要約して、全部つなげれば全体の要約になる」
がまあまあ通用する問題でした。
自分の解法を確立するためにも、まずは通説を踏まえて勉強することは大切です。

B、2013年の検証

一番わかりやすいのは、2013年の要約問題です。著作権の問題で掲載できませんが、皆さんお手持ちがあればご覧ください。
ない方は、東進の過去問データベースからご覧いただけます。(無料登録とログインが必要)

見れば小学生でもわかりますが、段落が7つもあります。
通説に従えば、段落ごとに要約文が1つできますから、7文を組み合わせて答案(全体の要約文)を作ることになります。
これで、どうやって指定字数(70~80字)に収めるのでしょう。

まさか、「今日パンを食べました。(11字)」並みの短文で各段落を要約しろと言いたいのでしょうか。

ちなみに、「具体例は全て省け」の通説も否定できます。
確認してみると分かりますが、各予備校や書籍などで発表している模範解答では、後半に登場する earthquake-resistant buildings や、the design of networked system という2つの具体例を答案に載せてます。

「いや、それは具体例ではないんだ!」というツッコミは受け付けません。何しろ earthquake-resistant buildings の直前は For example ですので。

C、2017年の検証

2017年の問題も、字数制限70~80字に対して、全5段落構成。これも、段落ごとの要約を繋げても、全体の要約になりません。

D、2009年の検証

偽の証明は反例を一つ示せば事足りるところ、既に2つ示してますが、もっと例を挙げましょう。次は、2009年の問題です。
2013年の問題とは違い、2段落の構成です。2段落であれば、2文をつなげて70~80字にするのは簡単そうです。

しかし、これも予備校や書籍の発表している模範解答を見ると、第1段落の内容はほとんど含まれてません。

それもそのはず。この文章の第1段落は非常に具体的な内容、というか小説の一部のような体験談だからです。
「朝7時に起きました。カーテンを開けると晴れでした。その後、洗面所で顔を洗い、朝ご飯を食べて、学校に行きました。1時間目は・・・」
のような文章をどうやって要約すればよいでしょう。不可能です。

ということで、これも通説に分かりやすく当てはまらない文章です。

E、2001年の検証

最後に、2001年の問題です。
これは、なんと全部で一段落しかありません。ということで、各段落を繋げることはできません。

また、全体の要約をするかと思いきや、そんなことはありません。最後の数行に、全体の要約のような部分があるので、この部分の和訳を中心に記述する問題です。

F、2015年の検証

ダメ押しで、2015年も見てみましょう。
この問題は字数制限が70~80字に対して、4段落構成ですから、一見「通説」が使えそうな気がします。

しかし、文章全体の構成を見ると、第3~4段落の重要性が下がります。
なぜなら、第2段落の最後の文で文章全体で最も重要な結論が書かれており、第3~4段落はその具体例に過ぎないからです。

よって、「全ての段落の要約を書いてつなぎ合わせる」はここでも通用しません。

結局、要約問題はどうやって解けばよいのか

どうすればよいか。
これは、簡単に書ける話ではありません。しかし、ある程度のパターンは見えてきます。
私の中で一定の解法は見いだせているのですが、ぜひ皆さんの手で解いたり分析した上で、考察してほしいと思います。

が、それでは放置した感じになってしまうので、要約問題の解法について、今度もう少し詳しく書こうと思います。

お楽しみに。

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