【中学受験で決まる東大受験③】SAPIXと東大受験(続き)

前回の記事で、サピックスの優れたカリキュラムについてご紹介した。その中で、素晴らしい教材や授業プランが備わっているにもかかわらず、なぜ担当講師によりクラスの合格率が異なるのかという疑問点の存在も併せてご紹介した。

その理由は、主に3つあり、1つ目に講師の指導力が挙げられると述べたが、その核心について今回は迫りたい。

東京大学で、かつて加法定理を証明せよという問題が出題された。多くの受験生は、加法定理を「使いこなす」訓練はしてきているが、使いこなしていると(思い込んでいる)加法定理そのものの導出方法については無知なことが多い。

大阪大学では数年前、点と直線の距離の公式を証明せよという問題も出題された。見た目からして、あの気持ちの悪い公式を導出する方法を3つ瞬時に答えられたら、相当な数学力の持ち主と言って良い。

私が考える数学力の一つに、「分野横断能力」が挙げられる。たとえば、「最大値・最小値」と言った時に、反射的に平方完成・相加相乗・微分という手法を思いつくだろうか。思いつかなかった方は、当塾の平井先生のオープン授業の受講を強くオススメする。教科書的な縦割り学習ではなく、解法アプローチの視点で東大数学を鳥瞰している。ちなみに、私も東大受験指導は長いが、平井先生の数学レシピに惚れて、お仕事をご一緒した経緯がある。

上述した加法定理の証明に、ベクトルの内積と単位円の併せ技で最短10秒で証明できることがわかると、分野横断の面白さにも気づかされることだろう。別解が大切と生徒には日頃伝えているが、別解を紡ぎ出す能力とは、つまるところ分野横断力である。なお、内積を用いた加法定理の証明をご参考まで載せる。

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