2013年 東大英語 1-A要約【抽象と具体、理系実験の処理、注目表現】

受験生の皆様。

いかがお過ごしでしょうか?

今回も、私の主宰する東大合格塾の実施内容をご紹介しようと思います。

ここでご紹介できるのも、ほんの一部なんですが、何しろブログに書こうとすると手間がかかりすぎて、選ばないと書けないのです。

本当は書きたい事がたくさんあるのですが、時間は有限ですねぇ。センター試験まであと4ヶ月です。

どうぞ、悔いの残らないよう。

 

英語要約は難しい!?

東大英語の初っ端。

受験生の多くが苦手とする、要約問題ですが、満を持して書こうと思います。

こちらのページでも書きましたが、私の主宰する塾では、過去問分析を非常に重視しています。日本中探しても、ここまで特化して行う塾は他にはないだろうと思うほど。

 

そもそも、英語の要約問題が難しいことは分かってました。

読解をしようシリーズでも書いているのですが、要約というのは、レベル4の話です。

しかも、日本語ではなく、英語で。

普通の英語の授業では、レベル1や2で終わっている所、レベル4の領域をいきなり求められるので、訓練不足になるのは当然。

文全体の構造を読み取るのも、段落の構造を読み取るのも、ほとんど教わりませんから、仕方ないのです。

 

但し、分析することで、解答の手順は限りなく集約出来ます。

今回は、最も典型的であろう、2013年の英語要約の問題を取り上げてみましょう。

 

英文全体の構造を掴もう

では、英文の紹介です。

これが、2013年の東大英語の要約問題の英文本体です。

 

文章は、パット見で濃淡が分かりません。

どこが大事な文章なのか、読んでみなければ分からない。

そこが面白いと言えば面白いんですけど、受験生としてはスピーディに知りたい所。

 

ということで、私が提唱しているのが、レベル3やレベル4の把握の話です。

言い換えれば、段落構造の把握と、文章構造の把握です。

わかり易く色分けしてみました。

 

赤い所は、比較的重要度が高いポイント

青い所は、注目すべき表現

緑の所は、具体例です。

 

文章っていうのは、意味もなく文字を並べるのではなくて、筆者が意図的に並べるものです。

ルールもあるし、典型パターンもあります。

そのパターンをいくつか知っているだけで、文章の予測も出来ますし、論理展開も簡単。

一本の記事ですから、全て語ることは出来ませんが、簡単に解説していきましょう。

 

抽象と具体

読解をしようシリーズでも登場予定なのですが、先にこちらで。

論理的な文章は、抽象表現と具体表現が交互に登場しながら進みます。

 

抽象表現には、筆者の主張や意図が含まれることが多く、

具体表現は、説得力を持たせ、読者にイメージさせることを目的に用います。つまり、

要約の場合は、具体表現は捨てて、抽象表現を拾うことが、主な方針になります。

 

先ほどの図をもう一度ご覧ください。

文章の真ん中に、大きな緑の枠(具体表現)があると思います。

今回の話は、理系の実験の話です。

実験というのは、何か法則や結論を導くために行われるものですから、具体例に当たります。

大切なのは、その前後の抽象表現。

つまり赤い所です。

 

今回は、の枠のすぐ直後に、い枠で、This suggest that とありますね。実験の結果を要約してくれているので、ここが最も大切な部分になります。

直後の抽象表現(赤い枠)を見てみると、これまでの実験内容をまとめたcomplexという単語が見えます。

これが最重要単語です。

 

要するに、「蜘蛛の糸は複雑(complex)だから強い」と言いたい文章だと分かります。

 

序盤のnot just に注目

どこが抽象表現で、どこが具体表現なのかを見極めるのに、注目すると良い表現があります。

今回は青枠で囲んでおきましたのでご覧ください。

まず初めの段落に、not just が見えます。

表論文は、通説とは違う事を言うのが目的なので、序盤で登場するnot just は非常に重要です。

「通説ではこうだけど、じつはそれだけじゃないよ」

と言いたいわけですから、当たり前ですね。

じゃあ何が言いたいのか??と考えて、読み進めると、すぐに実験の話が始まりますので、しばらく結論はお預けです。

〇〇saysに注目

実験が始まったら、手順と結果が書かれます。

手順は、細かい実験の進め方ですから、読み込んだ方が理解は増しますが、大切なのは結果の方

しかし英語では単純に「結果は~だった」と書かずに、教授の言葉を引用することが多いですね。

 

今回も、He now says や、they found that Buehler says などが登場します。

この直後には文章の主題に近いことが登場しがちです。

 

今回の文章は、そもそも実験の中身の話なので、具体例の一部の扱いになり、重要度は低くなりますが、指定の字数が余りそうなら、盛り込みたい部分。

但し、単に発言しただけの場合と、確信めいたことを言っている場合がありますので、少し注意しておいた方が良いですね。

文章末のFor exampleは注意

文書の最後の方に、For example が登場します。

先ほど書いたとおり、具体例は重要度が低く解答に使わないことが普通なのですが、今回は事情が違います。

 

この文章は、具体例で終了している文章だからです。

文章の最後には、耐震構造の話と、ネットワークの安全性の話が登場します。

 

文章全体では、蜘蛛の巣の構造の話をしていたように見えますが、実は筆者の主張は耐震構造やネットワークの安全性を訴える方に力点が置かれていると考える方が良いでしょう。

 

いや、むしろ、耐震構造やネットワークへ応用が出来ると言いたいがために、蜘蛛の巣の例を引っ張って来た可能性すら、ある程度高いと思います。

 

また理系の実験というのは、理論の発展だけでなく、実生活への応用も大切な要素です。基礎科学と応用科学という言葉がありますが、今はどのゆに実生活に応用するかも大切な科学の要素になっています。

 

解答の作り方

ということで、解答の作り方です。

先ほどから何度か貼り付けている、この画像の赤い部分をまとめるのが、主な方針です。

但し、最も大切なのは、大きな緑枠の直後の赤い枠の中のcomplexです。

緑枠の中の赤い枠は、字数に余りがあれば入れたいですが、時間がなければ入れなくても構わない。

最後の耐震構造とネットワークの安全性は盛り込みたい所ですね。

 

各社の解答比較

最後に贅沢に、各社の解答比較をしてみましょう。

我が東大塾では、これを恒例にしています。理系科目ならまだしも、文系科目は別解が存在するのが普通。

だから、一社に偏ったり、一人の先生に偏ったりして、解答を考察するのを避けています。

 

私の解答や指示も、絶対視してはならないし、誰がどういう事を言っているかを把握するのが文章を読むという事です。

ということで、なるべく多くの解答に触れましょう。

予備校各社の解答例はこちらです。

 

河合塾

クモの巣は丈夫で複雑な性質の素材からなり、局所的に破損しても全体は機能し続けるという強靭な構造を持つ。この原理は耐震建築や通信網の安全性向上に応用しうる。

東進

蜘蛛の巣は強靭だが、これはクモの糸の構造や性質が複雑で巣に力が加わっても損傷が部分的で済むからだ。この原理は構造物設計やネットワークシステム設計に利用出来る。

教学社(25か年)

クモの巣が丈夫なのは、素材の硬さが変化することで破損が局所に限定されるからである。この原理は耐震建築や、情報通信網の安全性向上にも応用可能であろう。

 

 

各社へのコメントまで書くとキリがないので控えますが、こうして比較してみると、見えてくるものが広がりますね。

ということで、皆さんの勉強の参考にして下さい。

 

要約の解説、好評なら続けようと思います。

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