2026年東大国語 第3問(漢文)白居易『白氏文集』解答(答案例)・解説・現代語訳
このページは東大受験生のための図書館「知恵の館」の記事です。 知恵の館とは | 東大過去問データベース
こちらもご参照ください。
2025年(令和7年)東大国語を当日解いたので、所感を書いてみた。
答案例とプチアドバイス
(一)傍線部b・d・eを平易な現代語に訳せ。【各0.5行】
a ⑦万古 b遺ニ水浜一 ⑧一朝 入ニ吾手一

答案例:湖の水辺に残されていた
プチアドバイス:「遺」は多義語で〈❶のこス・のこル 遺産 ❷わすル 遺忘 ❸うしなフ・おトス 遺失物 ❹すツ 遺棄 ❺おくル 遺贈〉などがありいます。
※漢字はその意味の熟語。
ここでは「入」との対比から、❶です。
d ㉕人皆 有レ所レ好 ㉖物各 d求ニ其偶一

答案例:自分に合う友を求める
プチアドバイス:対が「一方がわかりやすく、他方が難しい」になっている典型パターンです。
㉕と㉖は似た意味で、㉕がヒントとなっています。
「其」に該当するのは㉕では省略されているが「自分の・本人の」なので、㉖だと「自分の・その物の」となります。
(参考)映像授業【東大漢文】読解法編では、「対」が読解のヒントとなることを詳しく説明しています。
e ㉗漸 恐 少年場 ㉘e不レ容ニ 垂白叟一

答案例:受け入れてくれないことを
プチアドバイス:他の句は奇数句と偶数句で独立してますが、ここだけ動詞「恐ル」の目的節が偶数句まで含まれます。
なので、「ヲ」の部分(ことを)まで書けることが望ましいです。
(二)「俗用無所堪 時人嫌不取」(傍線部a)とはどういうことか、簡潔に説明せよ。【1行】

答案例:二つの石は世俗の用途では役に立たず、世の人は疎んじて放っておいたということ。
プチアドバイス:時人は「当時の人」と訳したくなりますが、白居易の時代でも他の人は活用していないので「世の人」くらいに訳します。
(三)「不似人間有」(傍線部c)とはどういうことか、わかりやすく説明せよ。【1行】

答案例:二つの石が人間世界のものとは思えないほど神秘的であるということ。
プチアドバイス:冒頭では「怪 且 醜」と言ってますが、持ち帰って洗った後は石への評価がかなりプラスに変わっています。
しかも「天上 落」なので、貶す表現(醜怪・異様・怪異・奇怪)はお勧めしません。
もし褒める表現が答案として攻めすぎていると感じるなら、せめて「不思議」などのプラスでもマイナスでもない表現の方が適切だと私は考えます。
(四)「能伴老夫否」(傍線部f)について、「老夫」の指すところを明らかにして、平易な現代語に訳せ。【1行】

答案例:二つの石よ、この老いた私、白居易を友人にできるか、それとも、できないか。
プチアドバイス:現代語訳なので「否ヤ」の部分も忘れずに訳しましょう。
32句目に「許シテ」とあるので、能(よク)は「~してくれるか」でも良いでしょう。
対・対句の分析
「対」に注目することは読解において非常に重要です。

本文と現代語訳の併記(JPEG)



本文と現代語訳の併記(ダウンロード可能PDF)
2026年『白氏文集』現代語訳
現代語訳
①古びている。二つの石。
②その形状は奇怪で、そのうえ醜悪だ。
③世俗の実用には役立つことができないので
④世の人々は(その石を)嫌って手に取ろうともしない。
⑤(石は)天地創造の初めから凝結しており、
⑥(私は)太湖に浮かぶ洞庭の水際から手に入れた。
⑦(この石は)大昔から(長期間)、水辺に取り残されており、
⑧ある朝、(短期間で)私の手に入った。
⑨力を合わせて担いで、(石を私の)公舎に運び入れ、
⑩こすって洗い、泥や汚れを落とした。
⑪(石にある)穴は黒く、深くまで煤けているようで、
⑫(石にある)ひびは青く、厚く苔が生えているようだ。
⑬(石の下部は)老いた竜がとぐろを巻いて台座を作り、
⑭(石の上部は)古剣が突き刺さって頭の形となっている。
⑮ふと疑ったのは、(この石は)天上から落ちてきたのではないかと
⑯(この)人間世界にあるものとは思えない。
⑰一つ(の石)は私の琴を立て掛けることができ、
⑱もう一つ(の石)は私の酒を入れることができる。
⑲(琴の台にする石は)切り立っていて、高さは数尺あり、
⑳(酒の樽にする石は)くぼみが深く、一斗(もの酒が)入る。
㉑五弦の琴を、その左(の石)に立てかけ、
㉒一杯の盃を、その右(の石)に置いた。
㉓(大きな石の窪みを利用した)酒樽からは、いくら(酒を)汲んでも、まだ空にならず、
㉔(私は)酔いつぶれても風格を保ちつつ、もう長い時が経った。
㉕人は皆(それぞれに)好みがあり、
㉖物(つまりこの二つの石)もそれぞれ自分の(好みの)友を求めるものだ。
㉗だんだんと、(私は)恐れるようになった。若者たちの集まる場で、
㉘白髪の老人(である私)を受け入れてくれないのではないかと。
㉙頭(の向きを)を(石の方に)回して、二つの石に尋ねる。
㉚「(石よ、お前たちは私という)老人を友にできるか、どうか」と。
㉛石は(何も)言うことができないけれども、
㉜私を(二つの石とで)三人の友となることを許可してくれた。
【東大入試を設問別に攻略する】
ここまでの学習、お疲れさまでした。
解説は理解できても、「本番で初見の問題を自力で解けるかな?」という不安はありませんか?
東大合格には、入試本番を見据えた”実戦で通用する力”が不可欠です。
敬天塾では、東大入試を専門に研究してきた講師陣が、設問別の攻略法を映像授業で詳しく解説しています。
長年の過去問分析にもとづく「設問別の思考プロセス」や「得点につながる答案作成」を体系的に学べます。
東大を本気で目指すなら、遠回りを減らし、もう一歩先まで学びましょう。
知恵の館をもっと読む
[過去問データベース] [今月の記事]

解説2026.jpg)



