【世界一早い東大模試解説】2017夏 河合オープン 文系第3問
最難問!?領域図示は点数が取り辛い
それでは今日も行きましょう。
今日は、文系4問の中でも一番難しかったかもしれない問題です。
何も分からなくとも、領域図示の問題だということは、分かるでしょう。
何度かこのブログでも書いてますが、領域図示の問題は点数が取り辛いです。
場合分けが面倒で、細かいところまで神経を使うし、図を描こうとしたら交点をイチイチ調べなきゃいけないし、全部クリアしたら「境界を含む」って書き忘れたり(笑)。
僕は試験の時に、条件式まで出して、図示せずに飛ばすことが良くあります。
最後の数点を取るために、異常な時間がかかりますので。ということで、扱いが難しいのです。本番で、領域を本当に図示するかどうかは悩みどころですね。
一手目の付け方を考えよう!
この問題の難しいのは、一手目の付け方に迷うところでしょうね。
東大入試だと、一手目をどうしてよいかわからない問題が出ますので、対策を取らなければなりません。
「一手目の付け方はセンスだ!!」
と言うと元も子もないのですが、ある程度の直観は大事です。しかし、直観に頼る領域を限りなく少なくすることも可能。
僕は「連想をしよう!」と教えています。
問題文をご覧ください。
キーワードは何でしょうか?
①領域図示
②2点までの長さが等しい
③点が存在する
辺りが、方針を決めるキーワードになりそうです。
領域図示には、大きく2つの方針がある
キーワードの①を見てみましょう。
領域図示には大きく分けて2つの方針があります。
一つは、解の配置の問題として解く問題。
登場する文字の座標を文字で置き、その文字が存在する条件を立てていくという方針です。
この問題は、座標を設定して、解の配置で解こうとすると、最後の方になって複雑すぎて挫折します(確かそういう問題だったはず)
この問題に関しては、こちらのリンクから解説が見れますので、良かったらどうぞ。
多分、河合塾はこの問題を参考に作ったんじゃないでしょうか?
対称性で計算を半分に
では、各点の座標を文字で置き、計算を進めてみましょう。
今回の問題は、OP=PQ=PRとなる点Pの存在領域ですね。
y=xに関して対称性のある図形ですから、OP=PQかOP=PRの片方だけ計算すれば良いです。
この辺りは、ナチュラルに発想して進みたい所です。
僕の手書きの解答では、都合上OP=PQで進めています。
解の配置の場合分けは、統一した方法がない!
Rの座標を(t、1)かなんかに置いてOP=PRの計算を進めると、tに関する二次方程式が出てきます。
ということは、「やった!!」となる流れです。
だって、tの解が存在する条件(つまり、解の配置)を丁寧に計算すれば、問題が解けたも同然なのですから。
今回は、tが全ての実数を取れるわけではなくて、0≦t≦1と限定されています。
だから、ただ単に判別式を取れば良いわけではなくて、軸の条件とか、境界線のy座標の値を気にしなければならない問題です。
ただ、場合分けが非常に面倒臭い!!
今回、0≦t≦1なわけですが、不等号の下に=が付いてると、途端に計算が面倒臭くなります。
しかもこの場合分け、問題集によって色々な解法が書かれていて、先生によって色々な場合分けを考えて説明されますので、統一した解法が存在しません。
つまり、先生によって、または問題集によって、別々の場合分けで説明されてしまうので、勉強する側は混乱してしまいます。
ということで、僕は(もちろん親切のつもりで)、このように分けて説明しています。
解の配置の基本解法を3種類覚えよう!
教科書や、教科書傍用の問題集を見ていると、主に3種類の基本解法が登場します。
この3種類を抑えると、途端にスッキリ場合分けが出来るようになると思います。
①正に2解を持つ場合(ある場所に2解)
②正と負の解を持つ場合(ある境界の両側)
③0と1の間に1回を持つ場合(ある場所に1解)
それぞれ、すぐに解法が思いつくでしょうか?
①が、よく勉強させられるパターンですね。判別式と軸と境界の3種類の条件を求めます。
それぞれ頭文字をとって「はじき」と覚えたりしますね。
判別式と、軸と、端点のy座標ということで「ハンジュクタマゴ」と覚えさせている先生もいました。
一昨日の記事でも書いたような気がしますが、このパターンは、解と係数の関係でも求めることが出来ます。知らなかった方は、今すぐ数Ⅱの教科書を見直しましょう。
②はf(0)<0とすれば終わり。簡単です。
③はf(0)×f(1)<0という1式を立てれば終わり。これも簡単ですね。f(0)とf(1)の符号が逆になるということです。
ちなみに、数Ⅲでは「中間値の定理」という名前で登場する条件式です。
基本解法を使って場合分け
さて、基本解法のポイントは、「全て不等号の下に=が付かない条件だった」という点です。
だから、手書きの解答では、まず初めにt=0で解を持つ条件と、t=1で解を持つ条件を調べておいて、=を除外しています。
=を除外した後は、基本解法の3種類を使って残りを調べれば良いので、混乱しなくて良いと思います。
あとは、手書きの解答で流れを確認してみて下さい。
領域図示が難しい
さて、解の配置で条件を求めた後なんですが、忘れてませんか?
OP=PQの条件も立式しなければなりません。
ただ、対称性がありますから、計算はしなくてもOK。x座標をy座標をひっくり返せば良いんですが、このとき放物線がひっくり返って登場しますね。
これ、数Ⅲだと普通に登場するんですが、文系の模試で出しても良いんだろうか。。。
いや、対称性とか、逆関数の話で処理出来るんですが、面食らった受験生も多いのではないでしょうか。
でも出てしまったから仕方ない。
手書きの解答では、色分けをかなり丁寧に行い、なるべく見やすく工夫して書いていますので、どうぞご覧くださいませ。
まとめ
ということで、点数が取る辛いポイントがいくつもありましたね。
一手目が思いつかない、場合分けが正確に出来ない、領域図示が出来ない・・・。
などなど、かなり重たい問題でした。
10点いったら、結構凄いんじゃないでしょうか。うーん、25分でこれを正確に解くのは厳しいような気がしますね。
ということで、3問目は以上です。