映像授業【東大世界史 大論述対策講座4】2006年第1問〜戦争の助長と抑制〜
皆さん、こんにちは!
本講義では、戦争の助長と抑制をテーマにした2006大論述を扱います。
昨今、ロシアのウクライナ侵攻やシリア内戦、中国による台湾への恫喝や北朝鮮のミサイル発射など、世界各地で戦争や戦争前夜を思わせる不穏な動きが多発しています。
国連も機能不全に陥っているなか、世界は昔と変わらず大国に翻弄され続けています。
ただ、全く変わっていないわけではありません。
ウクライナ問題を例に取りますと、これが17世紀や18世紀であれば、とっくにウクライナ国民は一方的に虐殺され、国土全域が蹂躙されていたことでしょう。
今の時代だからこそ、NATO諸国による軍事支援にはじまり、ドローンや通信衛星といった最新技術を駆使するなどして、ウクライナもロシアを抑えつけることに成功しているのです。
国際法というルールがあるからこそ、ロシアも建前の顔を維持せねばならず、卑劣な侵略行為に一定の歯止めをかけているのです。
このように、ルールや技術の発展には、戦争被害を抑制する働きもあるのです。
もちろん、宗教や国民感情など、戦争被害をより苛烈なものにする要素もたくさんあります。
戦争が新たな戦争を招く復讐の連鎖も多く見られます。
新たな技術は戦争を助長する要因にもなります。
構築したルールや約束が反故にされることも多々あります。
そうして、結局は、戦争当事者双方が、互いに「正義」を声高に叫び、殺し合ってきました。
しかし、未曾有の戦争で、敵味方問わず多数の死傷者が出る惨状を前にして、為政者や市民たちには復讐心を通り越した厭戦ムードが広がることもあります。
そうした反省を一過性のものにしないために、人類はさまざまな仕組みづくりや工夫をしてきました。
少しずつではありますが、進歩してきたのです。
こうした人類の歩みを問うた大論述が2006年の第1問です。
本講義では過去問解説に留まらない発展的な内容も扱っておりますので、世界史が大好きな方にもご満足いただけると思います。
なお、授業動画のご視聴に先立ち、以下のイントロダクションをご覧ください。効果的な予習復習方法などをご案内しております。
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