東大合格のために2月にすべき勉強内容は?その①

合格者が共通して行ってる勉強内容は

共テが終わり、出願が終わった今、残すは(いくつかの私大入試と)東大入試のみ。そこで今回は、残り3週間弱で東大合格のために勉強すべき内容をご紹介しようと思います。

といっても、世間でよくある「〇〇の時期には、△△をしろ!」みたいな、受験生の個々の状況をガン無視して、「僕の成功談」を他人に押し付けようというようなものではありません。敬天塾の指導経験を踏まえ、合理的で、得点の直結しやすい方法を紹介します。

過去問の解きこみ

ベタですが、過去問の解きこみはマストです。
ですが、「過去問を解く」と一口にいっても、受け取り方は非常に多様。さて、どういう内容を想像しましたか?

突然、昔話をします。
その昔、過去問を手に入れるのが非常に難しい時代がありました。残念ながら、私が現役生だった18年ほど前は、「25か年」のような市販本はなく「赤本」しかメジャーではありません。

現在の30代後半以降の世代は、赤本と言っても「25か年」ではありません。赤本と言ったら、過去3~5年分の問題が掲載されていて、簡単な解説(しかも大学生のバイトが書いたという噂アリ)が付されているものです。(今も売ってますね。)
全国の受験生が高3になって新しく発行される「赤本」をたよりに、3~5年分の過去問を手に入れて解く、というのが通例でした。

しかし、今は赤本の「25か年」も簡単に手に入りますし、駿台予備校が出している「青色の25か年」も市販されています。ようするに過去問の入手が、非常に簡単になっているのです。

過去問の使い方が大事

さて、25年分の過去問が載っているのを初めて見て、どう思いましたか?
「多すぎる!」「そんなに解く時間はない」と思った人も多いと思いますが、そこが落とし穴。27年分の全てとは言いませんが、東大合格者の多くは過去問を10年分解くなんて当たり前で、20年分、30年分解く人も少なくありません。

しかし、ここにもう一つ落とし穴。単にたくさん解けばよい、というわけでもありません。これに気付いている人が少ないのです。
考えても見てください。同じ教室で同じ授業、同じ教材を利用して勉強していても、自分より成績が良い人がいます。つまり、同じ環境や、同じ道具を与えられても、違う成果になるのです。それを世間で「才能」と言います。しかし実態は才能というより「コツ」とか「ポイントを押さえる」の方が近いのです。特に勉強に関しては、量を強調されることが多いので、質に注目している人が少ないです。。

では、どうしたらよいのか。
カテゴリに分けて解説しましょう。

 

A、参考書の順番を変える

分かりやすく、今日は、理系にも文系にも共通する英語の要約問題で説明しましょう。
別の設問、別の科目にも通用する話なので、読むときには拡大解釈して理解してもらえると助かります。

英語は毎年「ほぼ」毎年同じ形式で出題されます。なので、設問別対策が可能です。参考書が、設問別に並んでない場合は、自分で設問別にページを飛ばしながら解くと良いでしょう。

代表例として、第1問の設問Aはいわゆる「要約問題」です。
短い年で50字、長い年で100字程度で英文を要約させる問題が出ます。この要約問題は、大雑把に言って、少なくともここ30年くらいは、あまり形式が変わっていません。
つまり自分が受ける東大入試のために、最低30回分ほどは過去問題に当たって傾向の分析が出来るということになります。

設問別対策をするときは、「毎日2問ずつ」みたいな解き方はおススメしません。「1日で一気に30年分」みたいな、短期集中型の勉強をしましょう。他の問題の記憶が残っているうちに、新しい問題を解かないと、共通点が見つかりません。なるべく複数年度の問題を短期間に解き、同じ傾向がないだろうか、共通する解法がないだろうかを探ってください。

 

B、「通説」をどこまで信じるか?

さて、東大英語の要約問題について、少し情報を集めたり、教わったことがる人は、「通説」に出会います。

・各段落ごとに短い要約文を作って、最後につなぎ合わせると全体の要約になる
・具体的な部分は全て省く。
・通説や譲歩部分、一般論などは全て省く。

これら、全て信じないでください。
通用する問題がゼロとは言いませんが、通用しない問題(数学で言うところの反例)がたくさんあります。東大入試と言えども、解法が全く同じではありません。
形式として「英文を読んで、要約せよ」と同じように見えても、求められている細かい解法は違います。
東大側が、過去に通用していた解法を、突然変更する可能性も十分存在します。

ここで言いたいのは、単純な対策法では不十分だということです。「こうすれば解けるぞ!」という方法を教えてもらうと、「良いことを知ったぞ!」とか「これで点数が取れるぞ!」という快感が得られますが、次の入試で例外が出る可能性はあります。

習った解法が通用しない問題が出ることまで想定して、より汎用性が高い解法や考え方を身につける努力をすべきです。

C、解法の掴み方

結局は「各年度の問題をしっかり解き、模範解答を読み込み、対策法を発見する」しかありません。
10年分、20年分と要約の問題だけ解きこんでください。今なら教学社「25か年」や、駿台の「25か年」のような参考書が簡単に手に入ります。

この際、出来ることならば、各社の解答を見比べると良いでしょう。参考に敬天塾のやり方を教えると、最低3つ、多い時は10くらいの答案を見比べて、どういう解法、解答があるかを、ゼミ形式で議論し合います。これを年間通して、20年分、30年分の過去問に対して行っていきます。
ただ問題を解いて解説を読んで納得したつもりになっている人と、同じ設問形式を数十年分解きこんだ上で、模範解答を読み比べて、解答方法を自分の頭で必死に検討した人で差が出るのは当たり前です。

なお、しっかりこの作業をやっていると、どの科目のどの設問でも「市販の答案より自分の方が良い答案だな」というのが書ける瞬間が訪れます。

D、時間短縮の基準を間違えるな

最後にダメ押しで書いておきましょう。
解法を見出して解けるようになっただけでは、まだ不十分です。解き終わるまでの時間も重要です。
何分くらいで解くと思いますか?
もし見たことない方は、良かったら書籍やネットで見て考えてみてください。

ここでも「通説」が大事です。
東大の要約問題は、「大体10分で解きなさい」というのが多いように思います。この通説は、私の分析結果とそれほどズレてませんが、もう少し細かく言いましょう。

まず受験生の心構えとして、「通説が10分だから、10分以内で解き終わろう」という時点で、軽く意識で負けています。英語が苦手な人が、目下の目標として10分を設定するのは構いませんが、「10分で解けるようになったら良い」と思っていたら甘いと思いましょう。

確かに平均を取ると10分くらいに収まりますが、得意な人は7分、遅い人でも12分くらいには収めているようです。東大英語の最大の敵は「時間」です。高得点を取る人でも、時間いっぱいかかって解く人が多いような試験です。

一方で、もっと時間がかかってしまう場合があります。上述した答案比較をしている時に、結局どの答案が良いのか分からないという場合も出てきます。つまり、10分はおろか、時間無制限でいくら考えても、答案例が1つに定まらない場合すらあるのです。
こういう場合、長く時間をかけるだけ無駄。5分か6分くらいで、あまり時間をかけずに質の低い答案を書いて、余った時間を別の設問に回すという作戦すら、有効になることもあるでしょう。

こういう目標設定の仕方が、最終的な成績に大きく作用します。10分でよいと思っている人は、たくさん勉強しても10分より短くなりませんが、7分を(本気で)目標にしている人は、7分に収まるまで気がすみません。そして、「10分かける」と決めている人は、難しくても簡単でも、同様の対処をするため、現場の柔軟な判断ができなくなります。
一事が万事、この調子で成績に差がついていくのです。

E、全科目、全設問に適用する

今回は、分かりやすく英語の要約問題でやりましたが、この方法をベースに、全科目、全設問、前分野で対策していくと、明らかに東大の求めるレベルを超えられます。

私も、何年もずっと、有名塾、有名予備校のテキストなどを拝見しながら研究していますが、なかなかここまでの基準で伝えてくれているモノには出会いません。

一部の学校や塾、予備校では採用している方法ですが、やはりごく少数。

過去問や解説が簡単に手に入る時代だからこそ、差がつくのはアタマの使い方の部分。道具を使うことだけではなく、どう使ったら最大限に得点が取れるようになるかを考えましょう。闇雲に過去問を解こうとしている人こそ、注意です。

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