今年(2022年)の東大前期試験に関して、留意すべき点について
コロナ禍で現役生に配慮した出題をした大学が多かった2021年とは打って変わり傾向変化が見られる可能性が東京大学にも大いにあると思われます。
たとえば、世界史であれば2022年から歴史総合という科目が新設されます。東大や阪大はそのことを見越して2020年入試では大幅な出題形式の変更を行いましたが、2021年には従来型の出題に戻しました。これがコロナ禍による一時的な揺れ戻しであるとすれば、皆様がご受験される2022年入試では劇的な変化が見られるやもしれません。このあたり、以下の記事もご参照ください。
その他にも、敬天塾では想定しうる事態について、検討を行い、一部ここに記そうと思います。
なお、以下全て「想定事項」であり、予測ではありません。そのため、実際の入試において、下記の内容とは違う出題がなされば場合も、敬天塾は一切の責任を負いません。
受験生は合格率を高めるために、あらゆるシミュレーションをすべきと考えていますが、そのシミュレーションの一つとして考慮すべき事項としてお読みください。
想定1 2022年度入試 出題傾向の変化予想
昨年度の入試ではコロナ禍を受けた特別措置として追試験が3月に実施されましたが2022年度には実施されません。
また、現役生に配慮せよというような風潮も世間にはありましたが、今年はありません。
これによって、入試問題の作成担当教官は、「のびのび」と制約なく問題を作成することができるとも言えます。
上述した通り、世界史なら2021年度には1995年のリメイク版の問題(現役生の既習範囲である古代地中海世界をテーマ)を出すなど一定の配慮にあった科目もありました。
とはいえ、国語の第4問では新傾向の問題が出題されましたし、数学では完答の難しいセットが出されました。
現役生に配慮せよという同調圧力に屈しない東大スピリットは流石だなと敬意の念を抱いた程です。
国語の第4問の出題形式は2022年度にも踏襲される可能性が高いので、しっかりと知恵の館解説記事も読み込んでください。ライバル達に差をつけることができます!
(東大文系国語2021年第4問解説記事はこちら)
また、数学に関しては、近年、通過領域をよく出してきています。どのような思考プロセスで解いていけば良いか明示された参考書はありませんので、敬天塾では皆様の東大合格力向上のために、通過領域の特集記事をアップいたしました!ぜひお役立てください!
東大文系で毎年出題されている通過領域の解法パターンをすべて紹介した決定版(逆像法・順像法・包絡線・線形計画法など)【個別の有料販売】
英作文であれば近年、偶数年には抽象度の高いお題も出題されます。リスニング対策の記事でもご紹介したTedのオススメ動画も参照するようにしましょう!
センター試験が廃止され共通テストに移行した一連の入試制度改革の波は確実に東大入試にも影響を与えています。2021年度は傾向変化が比較的マイルドにおさまりましたが、2022年度入試では、どでかい傾向変化が危惧されます。とはいえ、東大の過去問から抽出されるエッセンスを身につけていれば見た目の変化に動じることなく合格は掴み取れますので過去問対策を敬天塾の解説記事で万全なものにしましょう!
(2021年度入試の詳細な分析はこちら)
想定2 英語試験の傾向について
2021年7月に東京大学から発表された「令和4年度東京大学入学者選抜要項」において、リスニング試験の変化を匂わせる表現が登場しました。
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400166393.pdf
この選抜要項の7ページの英語試験の説明を閲覧すると、太字で
「また、聞き取り試験(20~30分程度)を行います。」
とあります。
この部分は、例年だと「30分程度」という記述であるため、「20~30分程度」と幅を持たせることにより、二次試験の英語の時間が短くなる可能性を示唆しているわけです。
ですが、2021年11月に発表された最新版の「令和4年度東京大学入学者募集要項」のp23では太字で
「また,聞き取り試験(30 分程度)を行います。」と修正されていますので、例年通りの試験時間と考えて良いでしょう。
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400173968.pdf
ただし、出題形式が変更されることは十分にあり得ます。放送1回に変わる、問題数がさらに増える、選択肢がさらに増えるといった事態にも想定して、しっかりと訓練をしていきましょう。
なお、昨年度も同様の記述がありましたが、11月の募集要項ではリスニングの時間は例年通り30分に戻されました。その背景につき、東大新聞によるとコロナウイルスの換気対策があったようです。