2008年 東大英語 1-A要約【ちょっと難問、抽象of抽象を探せ、長い具体例の扱い】

東大英語 要約1-A 2008年の解説

中々更新頻度が上がらなくてすみませんが、とても好評なので、東大英語要約の続編です。

今回は、2008年の問題でございます。

 

はい、プレーンな問題文はこちら。

 

これまでで、一番難しい!

さて、英語要約の解説も三回目。

今回の問題は、過去の2回のものより、難しい問題を選んでみました。

 

過去記事はこちら

2012年 東大英語 1-A要約 【段落の要約をまとめる、フリ→ボケ、筆者の心理、コロン】

 

2013年 東大英語 1-A要約【抽象と具体、理系実験の処理、注目表現】

 

 

その理由を説明するためにいつも通り、色付きの画像をどうぞ

 

赤い所は、比較的重要度が高いポイント

青い所は、注目すべき表現

緑の所は、具体例

水色の所は、キーフレーズ

 

文章全体は2段落構成。

1段落目は、抽象→具体→抽象。

2段落目が、抽象→具体。

という、シンプル構成。

これまでの問題と同じで、抽象の部分を要約するのが、基本路線になります。

 

但し、今回は抽象部分の範囲がやや広く、どこをまとめるか分かりにくい。

また、特に第一段落は具体的な話がないため、少々分かりにくい。

と言う事で、これまでに解説した2問、2013年と2012年に比べて分かりにくい問題だと思います。

 

ではどうするかを、例のように、一段落ずつ見ていきましょう。

 

第一段落:より抽象度の高い部分を探そう

では、第一段落です。

 

冒頭に、One serious question(ある重要な問題) と、問題提起する表現があるので、チェック。これが、文章全体のテーマになります。

これが、フリになっていまして、その重要な問題の正体は何なのかと探すと、直後にあります。

 

ここが抽象部分だなと判断して、赤くグルッと囲みます。

 

但し、直後の文では、「好ましく思えない人を、魅力的だとか、あるいは見ていて気分が良いとさ思えるかどうか」が問題だと言っていまして、やや具体的な表現。

(画像では、緑にしていませんが)

あまり解答に使えるような内容ではなさそうで、少し困った事が起こります。

 

2012年や、2013年は、抽象部分と具体部分を見つければ、ある程度まとめるだけで解答が作れたのですが、

今回扱っている2008年は、それだけでは済みません。

抽象部分の中でも、より抽象度が高い部分を探さなければならないのが、難しいポイントです。

 

では、その部分はどこかと言うと、もう少し読み進めると、次の文がバッチリ。

generally と一般化した法則を登場させる表現があり、その直後。

 

moral judgements than to judgements about how people look (どのように見えるかに関する判断よりも、道徳的な判断の方を重視する)

という、かなり抽象度の高いフレーズが登場します。

 

今回の問題では、単に具体と抽象の分類だけではなくて、抽象の中でもより重要な部分を指摘しなければならないので、いつもより1つ色を足して、4色の使い分けをしています。(新色登場!)

 

 

第一段落後半:普通に抽象部分を探す

続きですが、when という、具体例に入る合図が登場し、その直後に抽象部分が復活。

ここは一文だけですから、丸ごと要約しても良いのですが、折角、新しい色を登場させたので、キーフレーズを水色にしておきました。

 

より抽象度の高い部分を探すと、reading backward, from knowledge of a person’s past behavior(背景、つまりその人の過去の振舞いの知識から、読み取る)という部分が見つかりますね。

 

と言う事で、第一段落の要約としては、

「人は外見よりも、道徳的な判断を優先する。相手の過去の振舞いを見ている」

というような感じでしょうか。

 

第二段落:抽象の中の抽象を探そう

続きまして、第二段落。

またもや冒頭に、フリを発見。

we need to be cautious(我々は気を付けなければならない)とあるので、気を付けるべき内容がその直後に抽象部分として登場します。

 

しかしここも、比較的長い抽象部分。3~4行ずっと続くので、やはりより抽象度が高い部分を探します。

すると、extremely difficult to ~ appearance alone(人の外見だけで下した判断から信用できる何らかの結論を引き出す事は極めて難しい)の部分が見つかるでしょう。

 

そして、この直後には、非常に長い具体部分が登場します。

なんたって、文章の最後まで全部具体例

内容としては、よくある、ヒトラーとチャップリンの内容。見た目は同じでも、やってることは違いますよ、ということです。

 

この具体例の部分を、全体の要約に含めるかどうかは、判断が難しいところですね。

こんなに長い部分をバッサリ切ってしまって良いものか。。。

 

東大受験生が良く使っている、教学社の25か年では、「過去にはそれを裏付ける事例もある」とうまく抽象化していますが。。。

要らないような気もします。

字数が足りなければ、同じように抽象化をして入れれば良いでしょう。

 

と言う事で、第二段落の要約は、さきほどの水色の部分。

全体の要約も、第一段落のものと統合して、

「人は外見よりも相手の過去の振舞いから見える道徳観を基準に判断する。人の外見だけでは信用できる結論を引き出せない。」

のような感じになります。

ちなみに、上の赤字の文は58文字でして、指定された字数に大きく足りないので、ヒトラーとチャップリンの部分を抽象化して足しても良いでしょうね。

 

もしくは、第二段落の水色の部分の直後、

and often , as we gain more ~initial judgements were.(その人がもっと分かってくるにつれて、最初の判断がいかに間違っていたかわかることも多い)

の部分を盛り込んでも良し。

 

以上が解説でした。

ちなみに、前にも書いたかもしれませんが、私の作っている要約は、予備校が発表するような、非の打ちどころのない模範解答ではありません。

 

受験生が試験当日に、10分程度で、合格点以上の解答を作れるようになるための解説を心がけています。

 

各社比較

と言う事で、いかがでしょう。

私の解説も、これまでの2年分に比べて、フワッとしているように思いませんか?

実際、各社の模範解答もバラバラでして、難しい問題だったという証拠にもなっています

 

河合塾

顔に対する評価は、相手の人格に関する知識に基づいている。見る側の認識に応じて相手の外見の印象が変わることも多いが、本来、人の外見と内面に直接の関係はない

 

東進

多くの人はある人物の行動を知ってから、それ容貌に現れていると考え、また逆に外見から人格を判断するが、外見と人格に直接の関係があると考えるのは危険なことである。

 

東進別解

我々は人の行動に対する精神的判断の根拠をその人の外見に求めるが、外見から信頼に足る結論を導き出すのは困難であり、最初の判断が誤っていることも多い。

 

教学社

一般に人物の評価は中身によって決まるもので、外見から人を評価するのは危険である。事実、外見のみによる判断には間違いも多く、過去にはそれを裏付ける事例もある。

 

ヒトラーとチャップリンの部分に触れているのは教学社だけですね。

話の構成もバラバラ。各社、触れている所と、触れていない所がばらついています。

こういう問題もあるということを、是非知っておいてください。

 

 

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