2025年東大文系数学(第3問)入試問題の解答(答案例)・解説

2025年 東京大学数学 文系第3問

久しぶりの確率漸化式

なんと確率漸化式の問題が出ました!
確率漸化式の問題は2015年を最後に出題されていませんでしたので、10年ぶりの出題!
2015年までは確率漸化式「ばかり」が出題されていました。
東大数学では、頻出していた分野が突然終了するということが、よくあります。そしてこのように突然復活することもあります。

久しぶりの出題でしたが、東大らしかったと思いました。

(1)樹形図書いて終わり

まずは(1)を見ていきましょう。
この問題は見ればすぐわかる通り確率漸化式の問題です。

東大の確率漸化式の(1)は、樹形図を書くと解けます。恐らく100%です。
ということで、今回もほぼ何も考えず樹形図を書くと、5/8と分かります。

※白はW、黒はBで表現しています。(White,Blackの頭文字)

スタンダードな解法をすると、(2)より(3)が先に解ける

では、本題へ。
この問題は変わった構成をしていて、(2)と(3)のうち、スタンダードな解法を採ると、(3)の方が先に解けます。
普通は(2)を解いたあとに(3)を解きますから、順番が逆転しているということでして、非常に珍しいです。

順番が逆転していなんて、解く前から分からないじゃないか、と思うかもしれませんが、分かります。どうすればわかるかというと、やはり確率漸化式のスタンダードな解法を知っておくことです。

スタンダードな解法1:確率を定義する

本問で問われているのは、右から1番目の玉と、2番目の玉の色です。
このような場合、右から1番目と2番目の色によって生じる場合を全て列挙するところから始まります。

玉の色は白(W)と黒(B)しかないので、生じるのは、一番右の2つの玉が、WW、BB、WB、BWの4通りのみです。
この4通りに対して、確率を定義します。
すなわち、一番右の2つの玉がWWとなる確率をpn、BBとなる確率をqn、WBとなる確率をrn、BWとなる確率をsnなどと定義するわけです。

こうすると、(3)で求めるのはWWの確率ですからpnを答えればよく、(2)では右から2番目が白となる確率ですからWWかWBのどちらかになる確率を求めるわけで、pn+rnを計算すればよいことになります。
確率漸化式は様々な解法や計算方法が生まれるのですが、スタンダードな解法は以上のようなものでしょう。
なお、2015年まえに出題されていた過去問についても、以上の解法が通用します。

スタンダードな解法2:遷移図を書く

次に、確率の遷移図を書きます。

遷移図とは、pnやqnなど添え字がnの確率と、pn+1やqn+1など添え字がn+1の確率との関係性を図で表したものです。

例えば、一番上の右向きの赤い矢印は、WWの状態のときにコインの表が出たあと、WWの状態になる、ということを表しています。

もしすぐに作れないようなら、下記のようなものを一度作って、本問のルールによって生じる場合を具体的に書いてみるのもよいでしょう。

スタンダードな解法3:確率漸化式を立てる

次にこの遷移図を元にして、実際に確率漸化式を立てます。

遷移図のpn+1には、pnとrnとsnから赤い矢印が伸びていますよね。赤い矢印はコインで表が出る確率なので全て1/2です。
よって、pn+1=1/2pn+1/2rn+1/2snとなるわけです。

スタンダードな解法4:初項を確認する

漸化式を立てたら、初項も必ず確認しておきましょう。

今回は、一度も手順を行っていない場合(つまり、スタート時が)WWなので、P0=1で、それ以外は0です。
これが初項ではあるのですが、普通、初項を用いた計算では、p0ではなくp1を用いますので、調べておきましょう。

1度だけ手順を行うと、右にWかBがくっつくので、p1とr1が1/2で、それ以外が0です。

スタンダードな解法5:確率の対称性を考える

次に、確率の対称性を考えます。
もしかしたら、あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、端的にいえば、全く同じ確率になるかどうかを確かめるというものです。解法2の遷移図と、解法3の初項の値を踏まえて、全ての項が同じ値になる確率があるかどうかを調べます。

この問題では、コインの裏表で状態が変わっていくので、右にWがくっつく確率とBがくっつく確率が等しいですよね。このような場合、確率の対称性が生じる可能性があります。

しかし、本問でははじめ、WWの状態から手順が開始されます。この時点で、一番右がWWの確率pnとBBの確率qnが等しい可能性がなくなります。
また、一度手順を実行したあと、WBとなる可能性はありますが、BWとなる可能性はないので、rnとsnも等しくなりません。

ということで、今回は確率の対称性は成り立ちません。ということで、解法4はスルーです。

スタンダードな解法6:合計が1になるかどうかを確かめる

そして、合計が1になるかどうかを確かめます。
今回の問題では、コインを投げて玉をならべた後、かならずpnかqnかrnかsnのどれかになりますよね。
ということで、pn+qn+rn+sn=1がどんなnであっても成り立ちます。この等式を、確率漸化式を解く際に用いてください。

なお、どのような時に合計が1にならなくなるかというと、問題の設定に「一番右の2つがBBになったらゲームが終了する」というようなものが含まれているときです。
このようにゲームが終了してしまう設定があると、手順をn回実施する前にゲームが終了してしまう可能性が生じてしまいます。ということは、そもそもn回目の手順を実施しない可能性があるわけなので、pn+qn+rn+snは1未満となってしまいます。

スタンダードな解法7:漸化式を解く

あとは、得られた漸化式を解くだけです。
今回は、使うのは3つです。
まずはメインの漸化式4本

 

そして、確率の合計が1になるという等式

最後に、初項の値です。

具体的な計算の仕方は、手書きの解説に書いてあるので、ご覧ください。

なお、この漸化式の計算は結構面倒くさいです。時間がかかりますので、本番で出たとき、どこまで計算を進めるのかの判断は人によって変わるでしょう。

手書きの解説

2025(3)文数 解説

 

解説の本文は後でアップします。

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