2026年東大文系数学(第3問)入試問題の解答(答案例)・解説

2026年 東京大学数学 文系第3問

下に凸の放物線と、ギザギザ

2つの関数が与えられて、大小関係と共有点を求めろと言われています。問題自体はシンプルな設定ですが、全てはg(x)が複雑にしています。直感的に理解できないと思いますので、そういうときは分かる情報から積み重ねて、徐々に全体像をつかみましょう。

まずは次数。xの1次関数です。場合分けがどれだけ複雑でも、1次関数であることには変わりません。こういうのが大事。
次に傾きを見ると、2n≦x≦2n+1のときは1で、2n+1≦x≦2n+2のときはー1です。ということは、傾き1の直線と、傾きー1の直線が登場するということです。

場合分けを見てみると、2n≦x≦2n+1と、2n+1≦x≦2n+2です。要するに、「整数nに対し」とありますが、これは「すべての整数nに対し」というのと同じ意味です。「すべての」はよく省略されるので注意しましょう。これを踏まえて、2n≦x≦2n+1と、2n+1≦x≦2n+2を解釈していきましょう。2nは偶数で2n+1は奇数ですから、「偶数から奇数のxでは」と「奇数から偶数のxでは」という意味になります。
これらを組み合わせると、「偶数から奇数のxでは、傾き1の直線」で「奇数から偶数のxでは、傾きー1の直線」という意味に解釈できますね。

最後に、端点を調べてみましょう。g(2n)=0で、g(2n+1)=1で、g(2n+2)=0となります。
よって、g(x)のグラフはy座標の0と1の間をギザギザしている関数だということになります。

f(x)も複雑そうに見えますが、下に凸の関数で、軸がx=1であることがわかれば、とりあえずOKだと思います。

(1)

x≧5は調べなくてもよい

グラフの形もわかったところで、(1)に行きましょう。
(1)は「x≧4においてf(x)>gx)であることを示せ」というものです。最初の「x≧4において」も「すべてのx≧4において」という意味です。つまり、x軸の4より右側では必ずf(x)が上にあって、g(x)が下にあることを示す問題です。

ここでグラフの形を思い出してください。
f(x)は放物線ですから、軸であるx=1より右側で単調増加です。一方g(x)はy座標が0と1の間をギザギザ動くだけで、大して増えもしなければ減りもしません。
ということは、ある程度右の方では、fとgの差は開くばかりです。具体的にグラフを描いてみると、4≦x≦5でf>gを調べれば、5≦xでは調べなくても一言書けば済むということが分かります。

ということで、4≦x≦5に限定して、f(x)>g(x)を調べます。不等式の証明は、(大きい方)ー(小さい方)とするのが基本です。ということで、h(x)=f(x)ーg(x)とおいてしまいましょう。

fーgの最小値を調べるように論理を展開

また、4≦x≦5の範囲で、常にh(x)>0となっていることを調べますが、常に不等式を満たす問題の場合、最大最小問題に置き換わります。4≦x≦5を満たす全てのxでh(x)>0となることを調べるのではなく、「4≦x≦5の範囲のh(x)の最小値>0」を示せばよいのです。(クラス全員が赤点を回避していることを調べる代わりに、クラス最下位のヤツが赤点を回避していることを調べてもOK)

ここまでくれば、h(x)という2次関数の最小値の問題です。つまり平方完成して、範囲を調べて終わり、ということになります。

軸の位置、相加相乗、等号成立しない証明・・と手数が多い

平方完成してみると、軸の場所に文字定数aが入ってしまいます。
仕方がないので、与えられたaの範囲である0<a<1を使ってみると、軸は5<xにあることが分かります。よって最小値はh(5)に決定!
h(5)を計算してみると相加相乗の形が登場するので使って、ああ面倒くさいと思ってやってみると、やっとh(5)≧0が証明完了・・・かと思いきや等号が邪魔です。求めるのはh(5)>0であって、等号が付いていてはいけません。
ということで、いつもやっている「等号成立条件」ではなく「等号が成立しないこと」を示す必要があります。等号になるのはa=±1のときであるので範囲外です。ここまで調べてやっと証明完了でした。

設定はシンプルながら、手数が多いですね。色々やってやっと(1)が終わりました。
論理の展開もおおく、数学に慣れていない人は途中で混乱したことでしょう。文系にしては難しい(1)なのかなと思います。

(2)

またまた、初めにグラフを確認

(2)は共有点の個数を数える問題です。
範囲はx≧0と指定がありますが、(1)でx≧4ではf(x)>g(x)となること(つまりf(x)=g(x)の共有点はない)が示されています。

ということは、調べる範囲は0≦x≦4のみです。

さらに、f(x)もg(x)もx=1で線対称なので、0≦x≦1と1≦x≦2では同じです。ということは、1≦x≦4で調べればOKです。かなり絞り込めました。

f(1)を調べる

では共有点を調べていきましょう。
g(x)はギザギザで、各点の座標を調べるまでもないので、f(x)の座標を調べることで共有点が分かります。

まずf(1)を計算してみると、またaが分母の式になります。面倒ですが、与えられたaの範囲で調べてみると、なんと0<(x)<1が出てきます。(というより、こうなるようにaの範囲を設定したのでしょう)これで、x=1の時に、0<f<g=1となっていることが分かりました。

f(2)を調べる

次にx=2ではどうなっているかというと、これは計算する必要はありません。

x=1でf<gとなり、x=2でf>gとなるので、必ず共有点があります。(厳密にいうと、fが単調増加でgが単調減少であることを指摘して、初めて共有点が1個だと言えますが、グラフが描いてあれば、そこまで言わなくても大丈夫でしょう。)

f(3)を調べる

ということで、f(3)を調べます。

まずf(3)>0は明らかです。単調増加なのでf(1)より大きいですからね。f(1)>0はさっき調べています。

問題なのは、f(3)が1より大きいのかどうかです。
計算してみるとまたまたaが分母にある式になるので調べてみると、aの値によって変わりそうです。面倒ですがaで場合分けをしてf(3)が1より大きいのかどうか調べます。

これで共有点の個数が分かりました。
グラフを描いてみて場所を確認しながら、答えましょう。

2026(3)文数 解説

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