場合の数・確率を体系的に学ぼう①基礎概念の習得

場合の数・確率は混乱しやすい
東大受験で必ず出ると言われているのが、「場合の数・確率」。
しかし、実はこの単元、他の範囲に比べ教科書があまり整理されて記述されてません。
そのため、教科書と教科書傍用の問題集(4STEPやサクシードなど)を使って演習しても、イマイチ頭が整理された感覚にならない人も多いはず。

「一つ一つの問題は解けるようになったけど、いつどのパターンの解法を使ったら良いかわからない」
となっていませんでしょうか?

例えば、P(順列)とC(組み合わせ)の使い分け。
よく、並べるのがPで、選ぶのがCと説明されますが、並べるのにCを使って計算することがあるのは、ご存知でしょうか?

重複順列と重複組み合わせの違いは?
区別をするとか、区別をしないとか、どういう違いがあるの?
条件付き確率ってどういう何?

などなど、疑問が多く残る単元でもあります。
しかし、この辺りの疑問を解決すれば、大きな得点源にもなるはず。
という事で、何回かに分けて、場合の数・確率についてのポイントを書いていこうと思います。

超基礎問題!自信を持って答えられますか?
突然ですが、問題です。

問、以下の場合の数を求めよ。
(1)5個のリンゴを並べる。
(2)5人を並べる。
(3)5個のリンゴのうち3個を並べる。
(4)5人のうち3人を並べる。
(5)5個のリンゴのうち3個を選ぶ。
(6)5人のうち3人を選ぶ。

さて、この6問に自信を持って答えられますでしょうか?
難しくない問題なのですが、各設問のパターンの違いを説明しろと言われたら、結構難しいかもしれません。
しかし、教科書には書かれていない「補助線」を足すと、明確に答えられるようになります。

基礎概念① 区別がある/ないのマトリックス
一本目の補助線は、なぜかちゃんと説明されない、区別がある/ないのルールです。
実は、場合の数・確率の単元では、暗黙のうちに次のルールの下で問題が作られています。

・人は無条件で区別するが、ものは区別しない
・名前があるものは区別するが、名前がないものは区別しない

これを表にするとこうなります。

要するに、名前のないものだけ区別がなくなり、他は全て区別します。
このルールに従って、いくつか例を挙げてみましょう。
例)
・5個のリンゴ ⇒区別しない(名前のないもの)
・5人 ⇒区別する(人なので区別する)
・3人組が2つ ⇒区別しない(組の中身は人なので区別がありそうだが、3人組同士は名前のないものとみなす)
・3人組と4人組 ⇒区別する(3人組と4人組は人数が違うため、同一視出来ない)
・3人組Aと3人組B ⇒区別する(名前が付いているので区別する)

となります。

基礎概念② 階乗、P、Cの意味
次に、階乗とP(順列)とC(組み合わせ)の違いです。
これまた教科書には丁寧に書かれていませんが、こういう定義があります。

区別のないものを、同じ場所に置く時は、どう並べても1通り。
n個の区別のあるものを、全て、区別のある行き先に置くのは、n!  通り
n個の区別のあるものを、r個、区別のある行き先に置くのは、nPr 通り
n個の区別のあるものを、r個、区別のない行き先に置くのは、nCr 通り

細かい違いですが大切です。
何を、どういう行き先に分けるか、でパターンが分かれます。

PとCの違いは、行き先に区別があるかどうかです。
Pの場合、左に置くかと右に置くかで違う場合とみなします。つまり、行き先に区別があるということです。
これを、数学用語で「並べる」と表現しているということです。

対して、Cの場合は、左に置こうが右に置こうが同じ場合と見なします。行先に区別がありません。
同様に、これを数学用語で「選ぶ」と表現して表すことになっています。

ちなみに、n個の区別のあるものを、全て、区別のない行き先に置くのは1通りです。(全部選ぶという1通り)

さっきの問の解答
では、2つの基礎概念を理解した所で、先ほどの解答へ行きましょう。
(1)は、リンゴを並べています。区別のないものを並べるので1通りが答えです。
ちなみに、全く同じ理由で(3)と(5)も1通りです。

(2)へ行きましょう。
5人を並べると言う事は、区別のあるものを、全て、区別のある行き先に置くということです。
よって、5!通りが解答です。(120通り)

(4)は、5人中3人を並べます。
これは、区別のあるものを、一部、区別のある行き先に置くことになるので、5P3通りになります。(60通り)

(6)は、5人中3個を選ぶということで、
区別のあるものを、一部、区別のない行き先に置くので、5C3通りです。(10通り)

まとめ
どうでしょうか。
解けた人も多いと思いますが、その背景にこういう定義があったのをご存知でしょうか。
場合の数・確率では、こうして区別のある/ないで問題のパターンが分かれていきます。つまり、区別のある/ないと、その問題のパターンを把握すれば、どんな問題にも対応できるようになるということです。

なぜか教科書で語られない基礎概念を押さえると、場合の数・確率は怖くなくなります。
私の主催する東大合格塾の数学の授業は、毎回こんなことを意識的にたくさん話しています。
問題を解くだけでは絶対に到達出来ない領域に辿り着きたい方は、問い合わせフォームからご相談下さい。
次回は、今回の続きから行きましょう。

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