2022年東大地理(第三問A)入試問題の解答(答案例)と解説

東京大学柏キャンパス周辺の地図の読み取り問題でした。
本年の最難関と言って良い問題でしょう。
実際の試験会場では、いったん飛ばして、他の大問を片付けてから、最後落ち着いた気持ちで取り組むべきようにも思えます。

とはいえ、本問は実のところ、難問だとはいえません
受験生平均点は大幅に低くなる設問群だったと思いますが、日頃の情報収集姿勢の「差」が東大入試での得点の「差」に繋がったと思います。

たとえば、3A(4)では スマートシティについての言及がなされています。
市販の参考書や予備校の授業では触れられてすらいないと思いますが、敬天塾が強く推奨している帝国書院系の資料集には巻頭記事にバッチリ解説がなされています。

帝国書院の『地理の研究』は東大対策で有名ですが、意外に資料集をお持ちの方は少ないのではないでしょうか。
必ず最新年版をご購入ください。

とはいえ、仮にそうした資料集を持っていなくとも、他の大問で申し上げたように合理的な推論を以ってして、合格者平均レベルの答案をつくることは難しくはありません。
知ってる知らないの単純な知識問題と片付けることなく推論を以って解くことはできないのか過去問を通じて必ず考察する様に心がけてください。

設問(1)の解説 

それでは、個別の設問を見ていくとしましょう。

先ず(1)です。
1975年当時の地図を読み取り、「地形と土地利用との対応関係」を30文字で説明せよという問題です。
地形図読み取りに苦手意識のある方は、資料集にはたいてい別冊付録で白地図ワークも付いていますので、是非鍛錬に励まれてください。

とはいえ、ものすごくマイナーな知識を東大が問うことは滅多にありません
本問であれば、リード文における「従来からの地形」という条件が設問では削ぎ落とされていますので、まともにリード文を読まない受験生はかえってタイムロスをしたことでしょう。

「従来からの地形」ということは、山や川や谷といったものが観念できます。
そして、「土地利用」といった場合、畑や水田、工場や住宅地を反射的に思い浮かべるべきですから、等高線にも留意しながら地形図を読み取れば、瞬時に答えは定まります。
30文字という字数制約ですから、シンプルに書けば良いのです。
そもそも、リード文に「台地」と書かれています。
河川の氾濫などを恐れ、高台に住宅や工場を建てるのは自然災害の多い日本では鉄則ですので、2002東大第3問・1999東大第3問・1998東大第3問・1988東大第2問あたりは駿台の『東大入試詳解25年』などで解説の読み込みをしてみると良いでしょう。

設問(1)の答案例と記述のポイント

Aさん 取水しにくい台地で森林や集落、低湿な河沿いに水田がある。

Bさん 台地上は住宅地、低湿地は水田に利用されている。

高燥な台地上には集落の他に畑や森林も広がっていますが、1行以内で書かねばなりませんから両名とも良い評価を得られると思います。
ここは合格者の意地を見せてくれましたね。
※2022年東大地理の記事でご紹介している答案は、合格者の再現答案です。

設問(2)の解説 

次に(2)です。予備校評価では難問と評されています。
ただ、私の評価では、問い方が「悪問」なだけです。

これは、一見して、2つの地図の比較読み取り問題に見えて、実はそうではありません。
多くの方が、解答速報を見て、「物流センター」なんて地図で読み取れるわけがないと嘆かれたようですが、東大側は読み取れとは一言も述べていません

(1)では読み取れと要求していますが、(2)では「どのような施設が建設されてきているか、そうした変化の理由とともに、2行以内で述べよ」としか要求していないのです。

では、どう考えれば良いかですが、皆さんは工業立地論を教科書や資料集で学ばれたと思います。
帝国書院が刊行する『地理の研究』の2021年版ではp126に書かれています。
原料指向型・労働力指向型・市場指向型・交通指向型・ 集積指向型といった言葉を聞いたことがあるはずです。
今回の設問では、リード文で「高速道路のインターチェンジ付近」にフォーカスがあてられていることがわかります。
つまり、交通指向型という観点から工場立地論を考察せよということです。
交通指向型というと仰々しい響きですが、小学生の頃、ICチップは高価だから飛行機で輸送しても利益が出ると学ばれたと思います。
そのため、空港近くに工場を建設した方が輸送費を節約できるわけですから、利益率も上がるわけです。
これと同じで、高速道路のインターチェンジ付近に新たな施設を建設したわけですか ら、「輸送」「物流」に絡む建物をつくったと受験生に考えて欲しかったのでしょう。

ちなみに、近年、ロジスティクスと呼ばれる物流がらみの話は、非常にブームになってきています。
これは、 なにも難しい話ではありません
日本は災害大国です。
地震や台風があったとき、食糧支援やオムツといった必要物資が枯渇するニュースをご覧になられたことはありませんか。
工場がめちゃくちゃに壊れたけれども、 他の地域から物資をまわして復興支援したというニュースも見かけたことが1度や2度ではないと思います。

地震研究所を併設している東大は地理の作問にあたり、災害大国の実情や対処について多く出題してきていま す。
政府刊行の『災害史に学ぶ』シリーズ(火山編・内陸直下型地震編・海溝型地震津波編・風水害火災編。
いずれもpdf無料ダウンロード可能)の各章最後に書かれている「災害への対応」「災害からの教訓」は一読の価値があるでしょう。

また、敬天塾の映像授業コースでもロジスティクスをテーマとした講義をアップしておりますのでぜひご活用ください(宣伝すみません)。

話を戻しますと、未曾有のコロナ禍で宅配業者やデリバリーサービスの利用が激増している関係で、物流拠点戦略はますます重要になってきています。
物流拠点を集約するメリット・デメリットについても各自まとめておきましょう。
2023年4月に刊行する地理探究の教科書や資料集でも特集記事が掲載される予定ですので、非受験学年の方は要チェックです。

設問(2)の答案例と記述のポイント

Aさん 交通の便が技術向上・整備でよくなり、大都市の東京圏等消費地へ小口輸送され、倉庫等が多く設けられている。

Bさん 高速道路の建設により遠隔地との交通の便が良くなったため、園芸農業を行うための温室が建設された。

Aさんの答案要素はとても良いと思います。
ただ、「大都市の東京圏等消費地へ小口輸送され」とありますが、何が小口輸送されるのでしょうか。
柏地区で作られたものがでしょうか?
また、そのことと「倉庫等が多く設けられた」こととどのように関係するのでしょうか。
全体的に日本語の論理関係が明瞭でなく、エッセンスは良かっただけに惜しかったです。

一方、Bさんのご答案ですが、前半は良いと思います。
ただ、後半ですが、高速道路のインターチェンジ付近に温室が建設されていると、どのように読み取られたのでしょうか。
一応、細かく確認はしてみましたが、そのような情報は得られませんでしたし、「工業団地の敷地内」で園芸農業をやる意味を見出せません。
おそらく、とりあえず答案を埋めようと思ったのでしょう。
何も書かないよりは良いかもしれませんが、分析が甘かったと思います。

設問(3)の解説 

それでは(3)です。
東大地理においては、客観式問題を必ず取るのが鉄則だと言われていますが、ここ数年、難易度が上がってきています。

少なくとも東大世界史第3問のような数秒で答えが出るレベルの問題ではありません。
実際、合格者でも本問を間違えています
問われているのは、東大柏キャンパス周辺の3つのエリアにおける年齢階層別人口構成を与えられたものから選べというものです。

このような図表読み取り問題では、「ぶっ飛んだ」ものから攻めるのが鉄則です。
すると、C地区において65歳以上の割合が極端に少なく、かつ、10年経っても年齢構成 が変わっていないことに気づかされます。
A地区とB地区は、年々65歳以上の人口比率が増えていることから、 若者が出ていっていない限りは、定住しているお年寄りがそのまま高齢になったことによるものだと考えるのが合理的です。
次に、1〜3の地区について考えてみましょう。
1は地図を比較するにどうやらニュータウンのようです。
ニュータウンには若い世代が多く集まる傾向があるのは東大受験生なら必須知識です。
2は東大柏キャンパスを中心に、柏の葉と書かれている住宅街が新たにたくさんできたことがわかります。
そして、3は 古くからの集落がさらに開発されています。

せっかくですから、東大柏キャンパスのホームページリンクもご案内いたします。
東大生があまり赴くことのないキャンパスではありますが。

https://www.kashiwa.u-tokyo.ac.jp/

さて、一部の受験生は、東大柏キャンパスには若い学生がたくさんいるから、お年寄りが少ないと判断し、2 がCと判断した人もいたようです。
ですが、仮にそう考えたなら、0~14歳の層がAとBに比べC地区に多くいるというのもおかしな話になります。
東大のキャンパスの中に子供がたくさんいるというのもおかしな話ですよね。
ただ、判断が難しいのが2の東大横に柏の葉と書かれた住宅街があります。
これもニュータウンです。
そして、1の小青田もニュータウンです。
ここで迷いました。

そこで、私はお年寄りに着目し、1〜3で最も多くお年寄りがいるのは従来からの集落が新たに造成された3だろうからB地区だと確定させました。
とはいえ、思考が袋小路にはまったなら、この小問を敢えて捨てるのも入試本番では得策に思えます。

なぜなら、入試では冷静さを維持できた人が合格するからです。

さて、B地区が③だとして、A地区とC地区はどうなるのでしょうか。

A地区とC地区のいずれが①なのかについては、予備校の解答でも割れていました。
私がどのように考えたのか、ここでは少し詳し目にお話ししたいと思います。まず、図3-2を一部拡大した図をご覧いただくとしましょう。

まず私が目をつけたのは、東大のキャンパスが広がる②でした。
大学も揃っているし、柏の葉キャンパス駅の前には「ららぽーと」といった大型商業施設もあるから、きっと高層マンションも多く建設されているのだろうと思ったのです。
ということは、若者世代がたくさん流入しているはずだから、高齢者は少ないはずと考えました。

そのほか、税関研修所にある柏の葉6丁目付近は、特に勤労世代が多いだろうと考えました。
若い職員を研修するための施設なのですから。

ただ、気になる点として、②で図示されている住宅街(柏の葉1丁目〜3丁目)が、駅から離れている点です。
図3-2で示された500m線を参考にすると、駅から1〜2kmは離れています。
通常、駅周辺に新しい住宅街をどんどん作っていくのが都市開発の鉄則であるところ、なぜ駅から離れたところに住宅街を設置したのか謎だったのです。

こうした不安を抱えながら、今度は①に目を向けました。
こちらでは、柏たなか駅から500m圏内に住宅街やら病院がつくられています。
ただ、1975年の地図にもちらほらと住宅街はありましたので、きっとお年寄りも多いのだろうと考えました。

 

以上のような初期考察を終えたのち、次に図3-3に目を向けました。

図3-3のA地区とC地区を比較してみますと、A地区は高齢者が2010〜2020年にかけて増加傾向にありますが、C地区には驚くくらい高齢者がいません。
勤労世代が中心です。
となりますと、税関研修所のある②がC地区のように思えてしまうかもしれませんが、正解は①がC地区なのです。

なぜ、このような混乱が生じるのかと言いますと、「柏の葉キャンパス駅」という名称に思考が引っ張られてしまったからです。
駅ができてから街づくりが進んでいくのが一般的ですが、東大キャンパスの周辺は駅ができる前から建っていたのです。
沿革を確認しますと、1999年に東京大学の柏キャンパスが稼働し始め、その6年後の2005年につくばエクスプレスという鉄道網が敷かれました。
駅周辺の開発は現在も続いていますが、下の図を見る限り、②の住宅地は開発地域に含まれてはいません。
ということは、古くから存在していた住宅地の可能性があります。

文部科学省ホームページより
https://www.mext.go.jp/content/20211118-mxt_keikaku-000019065-4.pdf

それに対して、柏たなか駅の前にある小青田地区はまさに開発途中の新興住宅街だとわかります。
ただ、このような事実を知っている受験生は地元民でもない限り皆無でしょうから、東京大学らしくない悪問のように私は思えました。
そんななかでも、私が答えを出した最後の決め手は、やはり駅です。

なぜ、②では柏の葉キャンパス駅や駅前の商業施設などが立ち並ぶエリアを範囲に含めなかったのか。
そして、なぜ、それとは対照的に①では柏たなか駅を含めたのか考えたのです。
リード文にもあるように、「鉄道の新線が開通し、新たな駅が設けられたことも大きな変化」とあるわけです。
上述のように、都市開発は鉄道網に沿って行われるのが鉄則ですから、②が駅から離れたところに存在していることに東大側は着目させようとしたのではないかと考えました。

もちろん、モヤモヤが残る1問ではあります。このままでは皆さんも後味が悪いでしょうから、実際に千葉県柏市の人口統計をもとに、柏の葉地区と小青田地区の年齢別住民構成をご確認いただくとしましょう。
今回の東大入試問題が2022年の問題ということもあり、2021年4月の住民基本台帳人口をご覧いただきたいと思います。

千葉県柏市住民基本台帳より https://www.city.kashiwa.lg.jp/documents/3707/3_r310.xlsx

これだけでは、イメージしづらいので円グラフで表してみます。

 

確かに、小青田地区の方が勤労世代が多いことがわかりますね!
図3-3と見比べてみると、見事に一致しています。

もっとも、先程申し上げた疑問点はまだ解決していません。
たとえば、柏の葉6丁目にある税関研修所のあたりでは勤労世代が多いのではないか、小青田3丁目あたりは1975年頃にも集落があったはずなのに、なぜ高齢者の割合が小さいと判断されるのかという点です。

せっかくですから、もう少し細かく人口統計をみていくとしましょう。

このようになりました。
予想通り、税関研修所のある柏の葉6丁目は勤労世代がメインで高齢者は4人しか住んでいませんでした。

かたや、柏の葉2丁目では高齢者が4人に1人とかなり多いですから、やはり新駅ができる前からあったのかもしれません。
Googleで色々調べてみると、1990年代には区画整理がなされていたようです。
その頃にお引越ししてきたファミリー世代のお父さんお母さんが30〜40代だったと考えれば、2020年に65歳以上の高齢者になっているというのはごく自然なことのように思えます。
何丁目に注目したかで帰結が変わってしまうというのは正直良い問題ではありません。

では、もう片方の小青田地区はいかがでしょうか。

こちらは、小青田2丁目も3丁目も共に高齢者が少ないです。
1975年当時に住んでいた方々はどうなってしまったのでしょうか。
東大の地図には載っていませんでしたが、実は●●丁目のつかない「小青田」地区があるようでして、そこは高齢者率が11%程度となっていました。
ただ、Googleマップでもうまく見つけられませんでした。

ということで、いろいろ考察をして参りましたが、ちょっと雑な設問のつくりだったように思います。
間違えた方も、それほどお気になさらないで良いと思います。

 

なお、本問を分析したのち、ちょっと柏の葉キャンパス駅に行ってきました。

駅前には、巨大なショッピングセンターが立ち並んでいましたが、数分歩くと、空き地ばかりが広がり、まだまだ発展途上な感じはしました。
建築資材の高騰もあり、マンション建設などが全国的に中断していますから、柏の葉地区の再開発もこれからなのでしょう。

東京大学柏キャンパスには駅からバスで15分くらい乗って到着しました。
広大な土地を贅沢に使っている印象でした。
東大の学生証があれば、柏図書館にも入れますので、東大進学後にぜひ立ち寄ってみてください。

設問(3)の答案例と記述のポイント

Aさん A―② B―③ C―①

Bさん A―① B―③ C―②

これは先にも申し上げた通り、なかなか歯応えのある客観式問題でした。
Aさんはきっちり正解されていますが、Bさんは残念でしたね。
ただ、この設問の正答率は低かったようですので、気落ちすることはありません。

設問(4)の解説 

最後に(4)です。傍線部で「スマートシティ」なる聞きなれない言葉が出てきて動揺した人も多かったことでしょう。
ですが、冒頭でも申し上げた通り、帝国書院の資料集にはバッチリと特集記事が組まれていました
数年遅れた情報が掲載される市販の参考書だけでは東大入試に太刀打ちが難しい理由の一つに、こうした最新の時事ネタが盛り込まれていないということにもあります。
導入本としては優れているとは思いますが・・とはいえ、資料集を読んだことがなくとも、指定語句から推論をすることは可能です。

指定語句では、

  • 情報通信技術
  • 新規創業
  • 高齢化社会

の3つが挙げられています。

一番わかりやすいのは「高齢化社会」でしょう。
高齢化社会と言われた時に、反射的に連想できる関連ワードはいくつあるでしょうか

「8050問題・社会保障費増・買い物難民・後継者不足・医療難民・ 介護ヘルパー不足・バリアフリー」などパッと思いつけ方は、自信を持って良いでしょう。

こうした問題点に対し、「情報通信技術」と「新規創業」(要はベンチャー企業)をどのように活かすかです。
ここが頭の使い所で、東大地理の難しさでもあり面白さでもあります。

さて、せっかくですから柏の葉スマートシティに関連した記事をいくつかご紹介するとしましょう。私達の知らないところで着実に社会は発展しているんだなと感動することでしょう。

https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z0205_00137.html

https://www.mext.go.jp/content/20211118-mxt_keikaku-000019065-4.pdf

ちなみに、東京大学ではスマートシティ研究の大学院を創設したようです。

https://smartcity-school.k.u-tokyo.ac.jp

設問(4)の答案例と記述のポイント

ラストの(4)です。まずは問題文を確認してみましょう。

【設問】

鉄道の新線が開通し、新たに駅が設けられたことも大きな変化で、(3)X市では、図 3―1 の大規模改変とは異なる新しい空間が出現し、これまでのX市の産業構造を変えるような動きや「スマートシティ」をめざす新たな街づくりが進められてきている。

下線部(3)に関して,こうした新たな動きの特徴として考えられることを、以下の語句をすべて用いて、3行以内で述べよ。語句は繰り返し用いてもよいが,使用した箇所には下線を引くこと。

      情報通信技術          新規創業            高齢化社会

先程も申し上げましたが、このような見たことも聞いたこともないワードが出された場合、決まってリード文や指定語句そのものがヒントになっていると頭に理解させることが重要です。
その上でですが、本問のような出題は今後増えていくものと思います。
その理由につきましては、以下の敬天塾記事も是非ご覧ください。

地理を巡る入試制度改革について

さて、その上で、御二方のご答案について見ていきましょう。

Aさん 高齢化社会による後継者不足や人材育成等の諸課題を、情報通信技術を用いて新規創業を付加価値貼付型で行ったり需要にあった供給や教育、環境への配慮などを行いつつ維持しようとしている。

Bさん 大学や官公庁を誘致して、情報通信技術を持つ人材を呼び込んだほか、高齢化社会に対応するために老人ホームを建設した。また、移住者を増やすために新規創業者に補助金を出す制度を築いている。

まずはAさんです。前半は悪くはないのですが中盤以降、日本語と論理性が崩れ始めています。
「付加価値貼付型」という珍しい日本語も気になるところですが、「行ったり需要にあった供給や教育、環境への配慮などを行いつつ維持しようとしている」の部分に至っては、「需要にあった供給」の対象が漠然不明確ですし、「教育、環境への配慮などを行いつつ」、何を維持しようとしているのか目的語が抜けてしまっています
東大現代文でなかなか点数が取れないと嘆かれる受験生が多いですが、その理由がわかる気がします。

次に、Bさんですが、「新規創業者に補助金」という指摘はナイスですね!
老人ホームについては、本問でいう新たな動きの「特徴」と言えるか不安ですが、その他は悪くはありません。
ただし、現在進行形で進んでいる新たな街づくりのあり方を論じるときに、「〜呼び込んだ」「建設した」と全て過去形で表している点には若干違和感を覚えました。

 

以上、御二方のご答案についてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。
是非、皆様にはAさんやBさんを上回る優れた答案を書けるようになっていただきたいです。

なお、本問に関して東大教授が発表したメッセージを最後にお伝えしたいと思います。

(東大教授のメッセージ)

新旧の地形図を読み解き、基本的な知識と組み合わせて、地形と土地利用との関係、交通体系の変化に対応した新しい施設の建設、地域の産業構造やまちづくりの変化について論じる力を問いました。また、人口に関する統計データから、住宅地の特徴を把握する力を問いました。事象の変化を捉えるだけではなく、変化の要因を説明することを求めています。

【さらに深く学びたい方のために】

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