2026年東大英語(第4問B 英文和訳)入試問題の解答(答案例)・解説
(編集部注1)難易度の評価など、当日解いた所感はこちらをご覧ください。
(編集部注2)実際の入試問題入手先
本解説記事を読むにあたって、事前に入試問題を入手なさることを推奨します。
※入試直後は新聞社のページから入手できます。
しばらくすると、新聞社からは入手できず、東大HPからは入手できるようになります。
・産経新聞解答速報 https://www.sankei.com/article/20260226-7GXVJBPYIBC6TDSA7ZNXH27TQQ/?outputType=theme_nyushi
・東京大学HP https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_04.html
目次
- 【2026年東大 英語4B 英文和訳総括】4Bの文章としては近年稀に見る重厚感。昨年に引き続き(イ)が鬼門。
- 東大英語4B英文和訳 2020〜2026分析シート
- 【下線部(ア)の和訳ポイントと和訳の工夫】 Capitalism has cornered usって何?うまく訳せない時は文脈から推測せよ!
- 下線部(ア)の解答例
- 2026年度4B(ア)を解くために下線部以外も読んでおくべきだったか
- 【下線部(イ)の和訳ポイントと和訳の工夫】昨年に引き続き、下線部(イ)が鬼門に!
- 下線部(イ)の解答例
- 2026年度4B(イ)を解くために下線部以外も読んでおくべきだったか
- 【下線部(ウ)の和訳ポイントと和訳の工夫】下線部だけで読んで一発で訳せた人も多いと思います。他の大問の難度を考えると取りに行きたい1問です。
- 下線部(ウ)の解答例
- 2026年度4B(ウ)を解くために下線部以外も読んでおくべきだったか
- 【さらに深く学びたい方のために】
【2026年東大 英語4B 英文和訳総括】4Bの文章としては近年稀に見る重厚感。昨年に引き続き(イ)が鬼門。
伝説級の名問と評価された2025年度入試の4B英文和訳が一世を風靡してからはや一年が経ちました。今年はいったいどんな問題が出るのだろうかとワクワクしていましたが、昨年ほどの感動はありませんでした。
文章は全体を通して資本主義の「負の側面」が触れられており、この手の内容の文章に触れたことのある人にとっては何の変哲もない内容で物凄く簡単に思えたと思いますが、こうしたお硬い内容の文章を読み慣れていない受験生はだいぶ苦戦されたと思います。
2025年の2B和文英訳で、高い土地や不動産を買うために、多くの人は何十年とかけてがむしゃらに働いて借金返済を強いられているという内容の問題が出されました。
その問題をしっかり過去問探究されていた受験生にとって本問の文章はだいぶイメージしやすかったのではないでしょうか。
下線部そのものに目を向けますと、下線部(ア)のcorneredやdisconnected place、下線部(イ)のunweavingは若干訳しづらかったかもしれませんが、過去の東大4Bと比べるとそれほど重たくはありませんでした。
下線部(イ)に少し意地悪な文法は見られましたが、下線部(ア)と(ウ)は下線部だけ読んでもほぼ正確な和訳が可能でしたので、この4Bでしっかり点数を取りたかったところです。
さて、少し話は変わりますが、2026年度の東大英語は4Bに限らず、全大問で受験生の教養力や国語力を問うてきたように思います。
共通テストやTEAP、英検、TOEIC、GTECといった多様な英語試験を受けまくる高校生が増えてきた昨今、東京大学がわざわざ二次試験で英語を課す意義はどこにあるのか、東大英語のあるべき姿は何なのか、それらの資格試験で測れない受験生の能力を調べるにはどうしたら良いのかを東大英語部会は相当議論してきたのでしょう。
その集大成が、この2026年の東大英語のように私は感じました。
おそらく、来年以降も劇的に易化することはないものと思います。
進化した東大英語を前に、私達はこれまで以上に教養力を身につける必要性があります。
2026年度は早稲田大学国際教養学部入試の英語長文でも、大学入試史上5本指に入るレベルの最高難度の問題が出されたことが話題を呼びました。
いま、大学入試は変革期の真っ只中にあると言えましょう。
過去問や模試を解いてA判定を貰えたら安心という昭和や平成時代の価値観では太刀打ちできなくなってきています。
2026年度入試に込められた東大英語部会の強烈なメッセージを真摯に受け止め、対策を講じる必要が東大受験生にはあります。
昨年の実況中継解説でも申し上げましたが、皆さんがもし、「東大英語は1Aや4Bが簡単だからサクッと終わらせよう」という指導を未だに受けているのだとしたら、そうした考えは今すぐ捨ててください。
今年度の4Bに関しましては、背景知識が頭に入っていれば下線部だけでも正確に訳せましたが、昨年のように文脈をちゃんと追わないと正確には訳せないような問題を今後も多く出してくると私は思います。
ご存知のように東大英語は日本一時間制約の厳しい英語試験と言ってもよく、受験生は少しでも短時間で問題処理をしようと試みます。
その結果、4B英文和訳であれば、本文をたいして読まずに下線部だけ読んでも、ちゃちゃっと和訳しようとします。
読解総語数を減らすことで、時間を節約し、省エネしようとしているわけですね。
ですが、ここ数年、東大英語試験問題作成部会は、そうした受験生の態度を咎め、本文全体をちゃんと読め!と強いメッセージを送り続けています。
昨年に引き続き本年度の4Bで手こずられた方は、ぜひ本解説を通じて、東大教授の想いを汲み取ってください。
なお、4B英文和訳を解くに際しての諸原則や出題傾向につきましては、映像授業でも詳述しておりますので、あわせてご参照ください。
東大英語4B英文和訳 2020〜2026分析シート

いかがでしょうか。これを見る限り、長文語数はここ20年で増加傾向にありますが、下線部語数自体はそれほど大きく変わっていないようにも思えます。
ですが、2026年の4Bでは下線部総語数が過去最多になり、受験生の負担は相当大きくなったはずです。
読む文章量も多いし、書くことも多いしで、いっぱいいっぱいになった方は相当数いたはずです。
もし本番でパニックを起こしたら、一呼吸置いて、別の大問に移ることを心がけてください。ゲームはクールにと申しますが、頭に血がのぼって冷静さを失えば解ける問題も解けなくなってしまいます。
このあたりの駆け引きも合格力の要だと言えましょう。
少し脱線してしまいましたので、早速、各下線部の解説をしたいと思います。
【下線部(ア)の和訳ポイントと和訳の工夫】 Capitalism has cornered usって何?うまく訳せない時は文脈から推測せよ!
構文レベル★☆☆
語彙レベル★☆☆
訳出工夫度★★☆
(ア)Capitalism has cornered us in such a way that we can only imagine two options: work at a machine level, from a disconnected place; or make space for rest while fearing how we will eat and live .
この4Bの最初の設問が本問となります。
Capitalismが「資本主義」を意味することは、もちろん知っておかなければいけません。
『鉄壁』などメジャーな英単語帳には概ね載っています。
リード文には、本文が「休息」に関する英文だと明示されていますが、一見無関係に思える休息と資本主義とがどのように関係しているのでしょうか。
注釈に書かれているgrind cultureの説明も後々大きなヒントになってきます。
下線部の文構造自体はいたってシンプルです。
such~that構文が使われていること、そして、two optionsの中身をコロン以下で詳述しています。
うまく一文で訳そうとする必要はありませんので、適宜2文に分けて訳しましょう。
訳出で少し厄介な語句は、corneredとmake spaceだと思います。
cornerは、日本語のコーナー(角っこ)を指す単語ですが、その動詞形がどういう意味になるのかを知っている受験生はほとんどいないと思います。
ですが、これは知識問題ではありません。
私達(us)を角っこに●●するわけで、この●●に当てはまる日本語を考えれば「追いやる」が自然と思い浮かぶのではないでしょうか。ボクシングでコーナーに追い詰めると言いますが、そのことを思い出せるとより鮮明に情景をイメージしやすかったことでしょう。
なお、ここでイメージができなければ、第1段落の最後あたりまで読み進めてみるとよいでしょう。
英語の情報構造的に段落の冒頭と末尾にはエッセンスが集中しやすかったですね。
資本主義システムのもとでは、あらゆるものが足りてないとあなた達は誤認させられるとあります。
実際にはそんなことないのに、お金も、時間も、人との繋がりも、全てが足りていないように思わせられると述べられています。
そのことが、下線部(ア)にあるCapitalism has cornered usの話につながってきます。
ただし、cornerの正確な訳を思いつくのに必ずしも寄与するわけではなさそうですので、やはりcorner(角っこ)という原義から推測して、訳を紡ぎ出すことは必要なように思えます。
次に、make spaceについてですが、rest(休息)のスペースを作る=休憩場所を作るだなんて考えてはいけません。
直前にdisconnected [place]とあるので、場所の話をしているのかなと勝手に思い込んでしまうと、東大教授陣が用意したワナにかかってしまいます。
from a disconnected placeとmake spaceとを対比しているわけではありません。
V.S.
make space for rest while fearing how we will eat and live
(直訳)「機械のレベルで働く、disconnectedな場所から」
↔︎
「休むspaceを作る、食べて生きていけるのかを恐れながら」
このような構造ですから、make space for restはwork at a machine levelと対応関係にあるはずです。
下線部(ア)の後の文章を読んで意味を推測しようとした受験生もいたと思いますが、第1段落は少し読みづらい文章になっていますので、かえって混乱したかもしれません。
下線部前後だけちょろっと読んだら明快に訳せるとは思うなよと東大英語部会が警鐘を鳴らしているようにも思いました。
どうしてもわからなければ、spaceを敢えて訳さないというのも一案ではありますが、work at a machine levelと対比していることを考えれば、休む「場所」をつくるというより、休む余地をつくる(つまり、詰め詰めギュウギュウな暮らしをするのではなく、休憩タイムを設けろと言っているわけです)と考えた方がシックリきます。
そのほか、disconnectedなる単語がわからなかったという声が聞かれますが、connectがつなげるという意味ですよね。
その単語にdisをつけているわけですから反対の意味になることは推測できます。
しかもplaceを修飾する形容詞の役割を果たしていますから、つながらない場所を意味するとわかります。
じゃ、誰と繋がらないのかというと、直前で機械(=感情を持たないロボット)のように働くと書かれていることが書かていることからも「人間」だと考えるのが自然です。
よって、「孤立した場所」「人との繋がりがない場所」「人と交流することができない場所」などと訳すのが文脈的に良さそうです。
ちなみに第1段落の終わりにもconnectionが登場していますね。
以上の内容をもとに和訳作業に取りかかります。
その際に注意すべきことは、2023年度4B実況中継解説でも詳述した通り、英文和訳は逐語訳が鉄則であり、訳していくなかで日本語として不明瞭な箇所を文構造を崩さずに部分的に意訳していくことが合格ポイントです。
雰囲気で訳そうとすると、構文がわかっていないから誤魔化したんじゃないかと採点官に疑われます。
こなれた日本語にするにしても、構文をわかっていますよアピールはしなければいけません。
それでは、解答例をご紹介いたします。
下線部(ア)の解答例
(ア)Capitalism has cornered us in such a way that we can only imagine two options: work at a machine level, from a disconnected place; or make space for rest while fearing how we will eat and live .
敬天塾 解答例1
「資本主義は、私達が2つの選択肢しか思いつけない程に、私達を追い詰めてしまった。則ち、人との繋がりを断たれた場所で、機械のように働くか、或いは、どうやって食べて生きていけば良いのかを不安に思いながら休憩時間を確保するか、の2つである。
敬天塾 解答例2
資本主義は、私達が2つの選択肢しか想像できないくらい、私達を窮地に追い込んだ。その2つの選択肢とは、孤立した環境下で機械のようなレベルで働くか、はたまた、どのように食べ、どのように暮らしていけば良いのかを心配しながら休憩の余地をつくるか、である。
2026年度4B(ア)を解くために下線部以外も読んでおくべきだったか
逐語訳をする分には、下線部だけでも十分だったでしょう。
たとえ第1段落の後半部分を拾い読みしても、劇的に論旨が見えてくるわけではありません。
資本主義が人々を搾取するシステムだということを世界史なり政治経済なりの科目で学んでいた人にとっては鮮明に情景を思い浮かべやすかったかもしれませんが、そうでない方は第2段落や第3段落まで読み進めることで、ようやく資本主義と休息の関係が見えてきたように思います。
混乱した時は、いったん先に読み進めるスタンスは貫くようにしてください。
英語は情報構造的に文章の後ろにエッセンスを持ってくることが多い言語です。長文読解でもリスニングでも、常に後の方に宝が埋まっていると考えるようにしましょう。
【下線部(イ)の和訳ポイントと和訳の工夫】昨年に引き続き、下線部(イ)が鬼門に!
構文レベル★★☆
語彙レベル★★☆
訳出工夫度★★☆
(イ)Resting as a form of resistance will be part of a lifelong unweaving. A mind shift, a slow and consistent practice filled with grace.
昨年の4Bに引き続き、下線部(イ)が一番難度の高い設問でした。
ただ、昨年とは異なり、訳すこと自体にはそれほど苦労はなかったように思えます(あくまで最高難度と評される昨年の下線部(イ)と比べてではありますが)。
本問で忘れてはならないのは、文章冒頭で「” unweaving “の内容を補って訳すこと」という設問条件です。
このような設問条件は2022年以来4年ぶりでしたし、本番の緊張のなか読み落としてしまった受験生も多かったのではないでしょうか。
問いに答えるスタンスを徹底することが東大合格の要であることを日頃の学習でも心に刻みましょう。
勝利の女神は細部に宿るものです。
さて、語彙のレベルに目を向けますとunweavingについてはweave(織りなす)という単語が過去にも東大で出されていますし、鉄壁・ターゲット1900・システム英単語・LEAPといったメジャーな単語帳にもバッチリ載っていました(2026年3月3日時点で発売されている版で確認)。
unをつけることで織りなすの反対を意味するわけですから、「織り成されたものをほどく」ことになります。
その内容についても示すよう設問要求されているわけですが、ここで重要なのはリード文で本文が「休息に関する」文章だと示され、注釈で「成功のための絶え間ない努力や仕事を称揚する文化」と説明されたgrind cultureをrepair(直していき)し、生涯にわたって争いつづける(disturbing and pushing back against grind culture)ことが第2段落の最後に書かれていることです。
また、下線部(イ)の直前には、そうしたgrind cltureによって、私達はお金の工面を気にして休むことなんて出来はしない(How can I rest, if I have to pay bills?)というトラウマ(trauma)を植え付けられているいると示されており、だからこそ、休む必要がある(our need to reimagine rest)と書かれています。
つまり、grind cultureの呪縛から解放されるべきだと言っているわけです。
第2段落だけでイメージできなければ下線部(ウ)を含め第3段落まで読んでみるとイメージしやすかったでしょう。
後ろの段落に行くに従って読みやすくなってくるあたり、東大英語部会が文章をちゃんと最後まで読んだ受験生が報われるようにしようとしている証なのかもしれません。
そのほか、consistent、graceあたりが若干難度の高い単語ではありますが、要するに、一瞬だけ休んで終わりというのではなく、もっと長い視点で、継続的に休養をとるべきだと言っているわけです。
何かに追われた状態で休むのではなく、パリの貴婦人のように優雅に安らかな気持ちで休むべきだと言っているわけですね。
下線部(ア)でmake space for rest while fearing how we will eat and liveと書かれ、下線部(イ)の直前でも”How can I rest, if I have to pay bills?” とありましたが、そうした欠乏に対する恐怖心をいったん横に置いてくださいというニュアンスをfilled with graceで言い表しているわけです。
なお、resistanceは、世界史選択者であればレジスタンスで覚えているでしょうから既視感があったでしょうが、仮に世界史選択ではない理系などの受験生だったとしても下線部(イ)の後にある第2段落最後あたりでdisturbing and pushing back against grind cultureと言い換えされていますので、イメージはしやすかったでしょう。ここまで語彙についてプチ解説をして参りましたが、本問で一番厄介なのは語彙ではなく、構文です。
A mind shift, a slow and consistent filled with graceの一文を読んだときに、違和感を覚えませんでしたか?文を成り立たせるメインの動詞がないのです。
つまり、文として完結していません。
単なる名詞句の羅列になっています。
要するに、unweavingの内容を言い換えているわけですね。
ただ、コロンなりセミコロンなりつけて欲しかった気もします。
東大教授陣は、文脈を読めていれば、unweavingの内容だってことは自明だよねとお考えなのだとは思いますが、物語文ではなく論説文なのですから、きちんと英語のお約束(1つの文にはメインの動詞を必ず1つ入れる)を守って欲しかった気もします。
そうした不親切さが下線部(イ)を少し難しくしているように思いました。
それでは、ここで敬天塾の解答例を示したいと思います。
下線部(イ)の解答例
(イ)Resting as a form of resistance will be part of a lifelong unweaving. A mind shift, a slow and consistent practice filled with grace.
敬天塾 解答例1
抵抗の一形態としての休息は、成功のための絶え間ない努力や仕事を称揚する文化に植え付けられた、とにかく働かなきゃいけないという強迫観念から生涯にわたって自分自身を解放する取り組みの一部となるだろう。則ち、意識の転換であり、ゆっくりと継続的に行う、優雅さに満ちあふれた実践である。
敬天塾 解答例2
抵抗の一形態としての休息は、資本主義の世界に広がる、とにかく生きるためには働き続けなければいけないという呪縛から私達を解放する生涯にわたる営みの一部となるだろう。そうした営みとは、意識の変革を意味するのであり、ゆっくりと着実に慈悲の念を以て実践されるものなのである。
2026年度4B(イ)を解くために下線部以外も読んでおくべきだったか
はい、unweavingの内容を明らかにしなければなりませんから、少なくとも第2段落全体と、grind cultureの注釈を読まなくてはいけませんでした。
小手先のテクニックが使えない設問を出したい、そして、受験生になんとしても本文全体を読んでほしいという、東大教授の強い想いを感じ取れました。
第1段落の文章でつまずいたとしても、後続の段落できっとわかりやすい内容が来るはずだと信じて読み進める勇気も英文読解では重要です。
【下線部(ウ)の和訳ポイントと和訳の工夫】下線部だけで読んで一発で訳せた人も多いと思います。他の大問の難度を考えると取りに行きたい1問です。
構文レベル★★☆
語彙レベル★★☆
訳出工夫度★★☆
(ウ)All of culture is working in collaboration for us not to rest, and when we do listen to our bodies and take rest, many feel extreme guilt and shame. Embrace knowing that you have been manipulated and cheated by a violent system as powerful evidence.
いよいよ、4Bのラストです。
下線部の語数が、2000年代の4Bの中では最多となりました。
京大や阪大と比べると、サービス問題と言えるレベルの短さではありますが、年々増え続けてきていることは事実です。
4Bはお手軽にサクッと解き終わると思い込んでいる方は考えを改めなければなりません。
さて、中身について目を向けるとしましょう。
文章構造はいたってシンプルですが、embrace ■ as ▲の構造は若干気付きにくかったかもしれません。
この手の構文解釈で手こずる方は、スタディサプリなどで体系的に英文解釈の極意を学ばれることをオススメいたします。
語彙の面では、manipulateが若干難度の高い単語ではありますが、2020年2Aの「私たちは言葉を操っているのか。それとも、言葉に操られているのか。」をしっかり過去問探究していたならばmanipulateをネタストックできていたはずです。
訳出面では、少し詰まるとしたら、[knowing that you have been manipulated and cheated by a violent system] を [powerful evidence]として受け入れるという意味が理解しづらかったかもしれません。
「知ること」を証拠として受け入れるとはどういうことなのか?、意図を掴めなかった方は多そうです。
この点、下線部(ウ)の直後では、Now with this knowledge you can grieve, repair, rest, and healと書かれていますから、知ることそのものが重要なのだと筆者が強調していることがわかります。
何も知らないまま酷使され続けるよりも、資本主義下のgrind cultureによって視野を狭められている現実に気付いた方が、新しい人生を切り拓けると言っているわけですね。
なお、下線部(ウ)の前半に書かれているand when〜の[and]は、単なる「そして」ではなく、「その結果」のように因果関係を含んでいるように思いました。
もっとも、試験時間の最中には気にせず「そして」と訳したり、「〜て、」と訳して誤魔化せば十分でしょう。
それでは、解答例をご紹介いたします。
下線部(ウ)の解答例
(ウ)All of culture is working in collaboration for us not to rest, and when we do listen to our bodies and take rest, many feel extreme guilt and shame. Embrace knowing that you have been manipulated and cheated by a violent system as powerful evidence.
敬天塾 解答例1
文化のすべてが結託して私達が休まないように働きかけており、私達が自分の身体の声に耳を傾けようものなら、多くの人は極度の罪悪感や恥ずかしさを覚えるのだ。あなたが暴力的なシステムによって操られ騙されていることを強力な証拠として受け入れなさい。
敬天塾 解答例2
文化の全てが連携して私達が休息を取れないように作用し、その結果、私達は自分の身体の訴えに耳を傾けようものなら、多くの人はとてつもない罪悪感を覚え、恥にすら感じてしまう。あなたが暴力的な仕組みによって操られ騙されていると知ることを確固たる根拠として受け入れなさい。
2026年度4B(ウ)を解くために下線部以外も読んでおくべきだったか
下線部のみで十分に訳すことはできたでしょう。
ただし、第1段落や第2段落までの流れを知った上でないと、文化の全てが連携して私達を休めないようにしているという部分が、いったい何を意味しているのかサッパリわからなかったと思います。
以上をもって4Bの解説を終えたいと思います。
なお、下線部を先読みしてから本文を熟読するのか、
本文を熟読してから下線部和訳に挑戦するのか、
下線部を含んだ段落ごとに区分けして分析検討するのか、
下線部だけ読んで不明瞭な時には本文を拾い読みしていくのかは、
残された時間や読解速度や設問文章との相性によっても変わってくると思いますので、一概にこれをやれとは言いづらいところがあります。
この4Bをリスニングの前と後のいずれでやるのか、何分で解くつもりなのか。
その時の精神状態などによっても変わってきます。
敬天塾の教材を活用しながら大問別対策が終わった段階で、年度別にフルセット演習を実施し、時間に追われるなかで頭をうまく切り替えられるかを分析してみるのも学びが大きいと思います。
一度解いたことのある問題でもです。
【さらに深く学びたい方のために】
敬天塾では、さらに深く学びたい方、本格的に東大対策をしたい方のために、映像授業や、補足資料などをご購入いただけます。
ご興味頂いたかたは、以下のリンクからどうぞご利用下さい。
映像授業【東大英語 第4問B 英文和訳】
他年度の過去問に対して、これでもかと噛み砕いて説明した《実況中継》の解説もございます。
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