2026年(令和8年)東大英語を当日解いたので、所感を書いてみた。〔難易度・講評・プチ解説など〕
敬天塾の塾長と講師が東京大学の二次試験当日(2026年の2月25日・26日)に入試問題を解いて、速報で所感を記した記事です。他の科目については、こちらにございます。
※当日の所感なので、今後の研究によって難易度などを変更する可能性もございます。
目次
【東大英語総論】
【科目全体の所感】
総合難易度 難化
とにかく重たい問題セットでした。
体感ではありますが、過去最高難度の問題セットだったような気がいたします。
新傾向の問題が1Aや2Bでもみられました。
1Bや3は他の大問に比べますと比較的マイルドでしたから、総取りを狙いたかったところでしょう。
マーク式の設問数も昨年より1問多い34問でした。
なお、東大英語では、しばしば傾向変化が見られます。
- 2025年リスニングのpartCでTRUE/FALSE問題が激増
- 2024年2Aで選択式の英作文問題が初登場
- 2022年リスニングでpartAとpartBが無関係に
- 2021年リスニングでインド訛りの音声
- 2018年リスニングで選択肢5つに増量
- 2018年2Bで和文英訳が20年ぶりに復活
- 2018年1Bで英語要約問題登場
- 2017年1Bで文挿入形式登場
- 2013年2Aで写真描写問題登場
- 2011年第1問のCが登場
といった具合に、出題形式をちょこちょこいじってきます。
直近の過去問や模試ばかりやっていた受験生は急な傾向変化に面食らうわけです。
脳内がヒートアップして冷静に解けなくなってしまいます。
全てが難しく思えたりもします。
だからこそ、想定「外」を想定「内」にするシミュレーションが重要なのです。
また、自由英作文について、苦戦された方が多かったと思います。
東大2020-2Aの「言語が人を操るのか。人が言語を操るのか」の解説でも申し上げたように、抽象的なお題に対して抽象的に答えようとすると思考整理が難しくなることがあります。
そういった時には、具体例攻めをする、自分がストックしたネタに結びつけられないか考察することを心がけてください。
そのほか、リスニングについては、明瞭なアメリカ英語ばかり聞くのではなく、イギリス英語など他地域の発音にも触れるようにしましょう。
戦略的なところは敬天塾東大英語2023〜2025実況中継解説シリーズも熟読されると学びが大きいと思われます。
第1問A 英文要約
難易度 難化(昨年比のみならず東大1A史上5本指に入る難しさ)
東京大学英語部会の本気を垣間見た一問でした。
昨年比のみならず、東大1A史上3本指に入る難しさです。要約の問題を難しくしようとする場合、幾つかの作問手法があります。
則ち、
① 語彙レベルをあげて、なんの話をしているのかわかりにくくする。
② 抽象的な内容を取り上げて、受験生の焦りや動揺を誘う
③ 言いたいことはわかるけれども、うまくまとめられない
④ 書かれていることを表面的に捉えると、核心部分(=要旨)を掴めない
⑤ 多くの具体例を盛り込み、一番言いたいことがなんなのかを不明瞭にする
あたりが考えられる作問手法です。
この点、非常に難度が高いと解説記事でも申し上げた2024年(プロパガンダ)は④の難しさがあり、同じく難度の高いとされる2018年や2016年では②や③の難しさがありました。
2021年以降、東大1A英文要約の難度はインフレ傾向にあり、出題傾向にあきらかな変化が見られています。
各段落の内容を繋ぎ合わせて字数を削れば「はい、出来上がり!」となるような紋切り型の解法でアプローチしようものなら、うまくまとめられない問題となったのです。
文章が読めても、結局何を言いたいのかよくわからない歯応えのある問題をつくれてしまう東大英語部会の作問能力の高さにここ数年驚かされ続けてきました。
2025年度に少しマイルドになりましたが、ここに来て再び難度をあげてきたのです。
則ち、2026年度の1Aでは上の分類でいう①②⑤を組み合わせた難しさがみられ、見慣れぬ設問条件や注釈の多さに度肝を抜かれた受験生も多かったはずです。
一文一文を正確に構文解析して本文の要旨を理解しようとすると、大混乱に陥ったことでしょう。
第1段落の中盤に書かれたWhen people don’t like Freud, they can’t stop both reading him and not reading him, and expressing an opinion about him や、第2段落の第1文(What is so haunting about Freud’s writing?)あたりから、フロイトの精神分析に関する著作の中毒性について書かれた文章なんだなと把握することは容易だったと思いますが、注釈の重厚感や文章の硬さもあって、正確に要点を答案に盛り込めた受験生は少なかったのではないでしょうか。
こうした問題では、いったん捨てるなり、重要ポイントを敬天塾流に一言要約して対処するのが実践的でした。
東大側も受験生が大混乱することを想定して、解答にあたっては「フロイトの著作」から記述を開始せよと指示することで解答の方向性を見誤らないように注意喚起したのでしょうが、本年度は4Bや5でも難化していますから、時間制約の厳しさから試験最中に頭が真っ白になった受験生も多かったはずです。
いかに早く見切りをつけて別の大問に移れたかが勝負の鍵になったことでしょう。
なお、2024年にはノーム・チョムスキー氏の著作が挙げられ、本年度はフロイト博士の精神分析が取り上げられました。
共通テストのように読みやすい文章を大量に解くばかりではなく、幅広いジャンルの文章に日頃から触れ、重厚な英文と格闘する知的鍛錬も怠ってはいけないと東大英語部会は受験生に求めているのかもしれません。
英検やらTOEICといった実用英語の類が重視されるようになるなか、帰国子女であってもスラスラ解けないよう思考力重視の問題を出し続ける東大英語には心からの敬意を表したいと思います。
(編集部より)以下のリンク先にある解説記事もご参照ください。
第1問B 文挿入(段落整序)
難易度 標準
その上で、2026年度1Bに話をうつします。
一昨年は、非常に読み取りづらい文章がお題に出され、1Bをスムーズに解けずに冷静さを失った受験生が続出しました。
昨年度はやや読み取りやすい文章が出されましたので安心した受験生も多かったことでしょう。
そして、いよいよ本年です。
本2026年度の1Bは例年通りの難易度で標準的な内容が問われました。
様々な実験を紹介するなか人間の認知特性について考察を試みています。
形式面では、空所の数は昨年と変わらず5つ、並べ替え問題が1つで変わりありませんでしたが、ダミーの選択肢は2つに増加していました。
なお、ダミーの選択肢については、2025年が1つ、2024年が1つ、2023年が2つ、2022年が1つ、2021年が3つでしたので、2026年は昨年よりも誤った答えを選んでしまうリスクが高い年でした。
とはいえ、今年度の問題セットのなかでは比較的容易に答えを紡ぎ出すことのできる問題でしたので、満点を狙いにいきたかったところです。
仮に長文全体の内容を隈なく理解できずとも、答えを出すことはできます。
本年度に関しては、1問を除いてシンプルに答えを定めることができました。
悩ましい空所にあたったら、いったん飛ばして他の空所から攻め落とすことが1B制覇の極意なのだと、本年の問題でも改めて痛感しました。
なお、長文が少し長くなっただけで拒否反応を示す方は、読解スタミナをつけるべく多読訓練を行うとともに、z会の名著『ディスコースマーカー英文読解』を読み込むなどして、要所要所で英文を深く読むかさらっと読むかのリズムを掴めるようにしましょう。
加えて、復習するに際して、一文一文を精読しようとしている受験生も一定数いるようですが、本問は構文解釈の題材ではありません。
そこを勘違いして、一文一文を完璧に理解しようと試みると泥沼にハマることになります。
東京大学がなぜに文挿入の問題を第4問ではなく第1問に配しているのかを考えてみると糸口が見えてくるでしょう、
この1B文挿入(段落整序)ほど戦略が有効な大問はありません。
宣伝にはなりますが、過去問分析の方法や着眼点などを効率的に学ばれたい方は、ぜひ敬天塾の映像授業や過去問実況中継もご活用ください。
その上で、この2026年の1Bに再挑戦したとき、きっと、これまでとは比べものにならない視野の広がりを実感できることでしょう。
解答
(ア) (1) d (2) g (3) f (4) a (5)c
(イ) noticing that two things are unrelated creates a kind of relation
(編集部より)以下のリンク先にある解説記事もご参照ください。
第2問A 自由英作文
難易度 標準
本年度は、次のような設問が出題されました。
以下の問いに、60〜80語の英語で答えよ。
What does it mean to be strong?
「強さとは何か」という非常にシンプルな問題です。
ただし、シンプルだからと言って簡単に解けるとは限りません。
東大は近年、2018年(抽象的テーマ)→2019年(日常的テーマ)→2020年(抽象的テーマ)→2021年(日常的テーマ)→2022年(抽象的テーマ)→2023年(日常的テーマ)といった具合に、偶数年に抽象的なテーマを取り上げる傾向にありましたが、2024年には抽象的とも具体的とも言える設問を出し(しかも2問のうちから1つを選べという一橋大学のような選択式)、2025年にも抽象的とも具体的とも解釈しうるテーマが問われました。
そうした流れのなか迎えた2026年は、どちらかというと抽象的なお題でしょうか。
強さとは何か、愛とは何か、正義とは何か・・こういった根源的な問いに対しては無数に答えが思い浮かびそうですよね。
ですが、時間制約の厳しい東大英語ですから、凝った内容を書こうとしてはいけません。
書きやすいネタでサクッと答案を仕上げることが合格ポイントです。
このあたりは一朝一夕では身につきませんから、敬天塾流の起案訓練を毎日実践し、頻出テーマのネタストックを地道にやることが重要です。
つまり、事前準備の「差」が、得点の「差」、ひいては合否の「差」になるのです。
せっかくですから、ここで、東大英作文の出題内容を概観してみましょう。

いかがでしょうか。
2026は特定年度の単純焼き直しではありませんでしたが、塾生のなかには2025-2Aで学んだ論理構成を活かして「言いたくて仕方がないことがあっても、相手のことを思ってグッとこらえる例のように、相手のために我慢できることが強さだと思う」という内容をサクッと5分で書き上げた方もいらっしゃいました。
うまい切り返しですよね。
抽象度の高い問題では、何か身近な具体例をあげながら、語数と時間を稼ぐことが鉄則です。
時間制約の厳しい東大英語にあって、英作文だけが唯一、事前準備によって大幅に時間短縮を図ることのできる大問です。
120分で120点、則ち、単純計算ですが、1分で1点を稼ぐことが合格を引き寄せるのです。
敬天塾の過去問解説実況中継や映像授業を通じてノウハウを貪欲に学んでいただけると幸いです。
(編集部より)以下のリンク先にある解説記事もご参照ください。
第2問B 和文英訳
難易度 標準
2018年に20年ぶりの復活を遂げた和文英訳ですが、2025年度も変わらず出題されました。
ただし、出題形式が異質なものでしたので試験会場で動揺した受験生も多かったのではないでしょうか。
英語の文章の一部分を自由に創作する形式の問題であれば90年代から2000年代初期によくみられましたが、英語文章の一部分が日本語になっているパターンは記憶の限り初めてです。
私大入試のような単語穴埋め問題がミックスされたことにも驚きました。
来年以降もこの形式が踏襲されるのか注視せねばなりません。
それでは、問題文をご覧いただくとしましょう。
(B) 以下の文章は, 18世紀イギリスの作家アディソンが『スペクテイター』誌に寄稿したエッセイからの抜粋である(一部改変)。 “The pleasures of the imagination”について考察した次の一節を読み、(ア)(イ) の問いに答えよ。
なお、本文中の括弧内の内容は原文の日本語訳である。
Everything that is new or uncommon raises a pleasure in the imagination, because it fills the soul with an agreeable surprise, gratifies its curiosity, and gives it an idea of which it was not before possessed.
(実際に我々は, 同じ物事が何度も繰り返し現れるのに飽き飽きしているので, 新しく一般的でないものならば何でも,その外見の奇妙さによって, しばらくのあいだ人間の生活を変え, 我々の心を楽しませてくれるものだ。)
It serves us for a kind of refreshment, and takes off from that satiety we are apt to complain of in our usual and ordinary entertainments It is this that bestows charms on a ( ⅰ ), and makes even the ( ⅱ ) of nature please us.
注
gratify : satisfy
satiety : the condition of feeling that you have had enough of something
bestow : give(ア) 文脈を考慮しながら, 本文中の括弧内の内容を英語で表現せよ。
(イ) 本文中の空所 (i) と (ii) に入る単語の組み合わせとして最も適切なものはどれか。 以下の a) ~ f) より一つ選び, マークシートの (6) にその記号をマークせよ。
a) daily life / beauty
b) daily life / imperfections
c) monster / imperfections
d) monster / patterns
e) statue / beauty
f) statue / patterns
まずは(ア)から見ていくとしましょう。
2024〜2025年と社会風刺にも受け取れるメッセージ性の強い文章が出された2Bでしたが、本年度はわりと一般的な内容に落ち着きました。
取り入って訳しにくい言葉があるわけではありませんが、直訳をしようとすると趣旨が不明瞭な英文になるリスクもありますので、東大側は設問で「内容を英語で表現せよ」と示しています。
これは初めての問い方だと思います。
敬天塾の映像授業や過去問解説記事で和作文の重要性について学んでこられた方にとっては何の変哲ない設問条件に思えたでしょうが、和文英訳問題は直訳で書かなければいけないと指導されてきた受験生にとっては大きな形式変更に感じられ動揺されたかもしれません。
和文英訳のレベルでは、2026年の京都大学と大阪大学の問題の方が遥かに難度が高いものでした。
まずは京都大学です。
進むべき道を決めるには, 事前に入念に検討し, 最も満足のいく選択をしたいものだ。ただ,その道が本当に当人に実りをもたらしてくれるかどうかを知るには,ある程度の時間をかけて実際に経験するほかない。ここに避けがたい試練がある。 岐路に立った時, その選択の先には想像もつかない世界が待つに違いないと腹をくくることも時には必要だろう。
(京都大学2026)
いやあ、実に深みのある文章でした。
一世一代の勝負をしている受験生にあてたメッセージにも思えます。
「岐路」や「腹をくくる」あたりは、しっかりと言い換える必要がありそうです。
続けて、大阪大学の問題をみていくとしましょう。
実験科学の世界では, 仮説にぴたりと合致するような結果が得られることはまずないといってよい。 その際, ほとんどの研究者はこう考える。 自分の仮説は間違っていない。 ただ, 実験の方法がよくないから, よいデータが出ないのだと。 そこで条件を少しずつ変えて,繰り返し実験を行うことになる。しかし, ほとんどの場合, 実験がうまくいかないのは, 実は, 仮説そのものが間違っているからなのだ。だが, 研究者は頑迷なので自説に固執してしまう。 かくして膨大な時間と試行錯誤が浪費される。 なので, 科学研究にほんとうに必要な才能は,天才性やひらめきというよりは、むしろ, 自己懐疑, (失望に対する) 耐性, 潔い諦め,といったものとなる。
(大阪大学2026)
「個人差が大きい」や「自己懐疑」「潔い諦め」を直訳しようものなら、ペンが止まってしまうでしょう。
英訳しやすいように日本語文を加工する和作文の技術が東大以上に強く求められています。
和文英訳の極意は、一字一句バカ正直に訳そうとしないことにあります。
強引に直訳するのではなく、英訳しやすいように言い換えたり、敢えて訳出をしなかったりすることで、なるべく無理のないシンプルな英文づくりを心がけるべきです。
とはいえ、本年に限って言えば、さほど和作文を試みずともストレートに英訳できたでしょうから、スペルミスや語法ミスなどを犯しさえしなければ容易に高得点を奪取できる問題だったと言えます。
なお、世間の解答例を読んでみると、なんとも美しい文で、こんなの一生書ける気がしないと思うようなものもありますが、限られた試験時間の中で、そんな答案は書けやしませんし、書く必要はありません。
高得点合格者の方の答案例をご覧いただければ一目瞭然ですが、ものすごくシンプルにまとめているのです。
ミスのない文をスピーディに書き上げる。
これが、時間制約の厳しい東大英語を制覇する極意だと言えましょう。
次に(イ)についてみていくとしましょう。
第2問は本来、受験生の「英作文力」を問うための大問のはずなのですが、なぜか私大英語を思わせるような穴埋め問題が今年度は混じりました。
客観式の問題であり、選択肢の単語も中学レベルではあるのですが、意外に迷われた方も多かったはずです。
詳細な思考プロセスは後日作成する過去問解説記事に譲りますが、こういう見慣れぬ問題で時間を食わないように出来たどうかは後続の問題にも大きな影響を及ぼしたはずです。
混乱したら、いったん捨てる勇気も東大英語では大切です。
なぜなら、東大英語は事務処理能力テストの様相を強く帯びた試験だからです。
解答 c
(編集部より)以下のリンク先にある解説記事もご参照ください。
第3問 リスニング
難易度 標準
まず、東大リスニングの出題形式について見ていくとしましょう。
(放送時間)30分程度
(放送開始)2月26日午後2時45分〜(変更可能性あり。必ず受験要項や問題冊子の注意事項で確認を!)
(設問総数)15問←A・B・Cの3つのパートに分かれており、各パートに5問ずつ割り当てられています。
(予想配点)2点×15問=30点
(選択肢数)5つ ←2018年入試より各設問の選択肢数が5つに増量した。
(解答方式)マークシート
このようになっています。
出題内容としては、

このようなテーマと語数で出されています。
その上でですが、2026年度のリスニングでは2025年度入試と変わらず、(A)(B)(C)の3つのパートに分かれており、それぞれが独立した内容となりました。
設問数は例年通り15問となっており、選択肢の数も5つで変わりはありませんでした。
音声の中身については、
(A)ドイツの教育制度
(B)イギリスの刑務所
(C)樹皮や岩石に着生する地衣類
となっています。
NOT問題がなくなり、TRUE or FALSE問題が6問も出されました。
昨年のpartCでTRUE/FALSE問題が多く出されたことが話題を呼びましたが、今年度の傾向変化に対する布石だったのかもしれません。
全体的にわりと聞き取りやすかったようで、選択肢も読みやすかったとの生徒の報告がありました。
設問Cだけが鬼門だったとのこと。
下読みにもっと時間をかけていればとの声も聞かれました。
流れてくる音声自体は確認できておりませんが、2021年度入試のようなインド訛りの音声ほどではなくとも、アメリカ英語とは違った訛りの音声が聞かれたとのこと。
そのほか、相変わらず、試験教室によっては音量が小さい、スピーカーの音割れが激しいといった感想も聞かれており、気になる方は昼休みの試験放送の際に挙手をするなどすべきだったように思われます。
もっとも、大きい教室ならハズレかというと必ずしもそうではなく、小さい教室だからといって当たりというわけでもなさそうです。
雑音のある教室でも高得点を取っている人もいる以上、クリアーな音声ばかりではなく、音割れのような状況下でも聴き取れる訓練を早い段階から行うべきでしょう。
東進さんの東大レベル別模試では雑音入りリスニングが話題になったことがありましたが、それとはまた違った種類の雑音が東大入試では起こりえます。
音の反響対策ということでは、お風呂場で音声を流してみたり、音声にノイズを入れるアプリを使ってみたり、スピーカーの上にタオルをかぶせてみたりする訓練も有効かもしれません。
スピードについては、それほど早いと感じた人はいなかったようで、東大模試や過去問CDくらいのスピードだとお考えいただければ良さそうです。
難易度としては、Cに手こずって受験生が多かったとはいえ、ABがマイルドだったことからトータルで見て「標準」としました。
東大側が意図的に設問間で難易度バランスを変えてきていることが今年の問題でもよくわかりました。
なお、今年度は2Bの客観式問題が1問付け加わりましたので、それを受けてリスニングの解答欄は(7)から始まることとなりました。
昨年は(6)スタートでしたから、マーク箇所を思い込みで間違えてしまい、総崩れされた受験生もいたようです。
急な形式変更があり得ることを常に念頭に置いて、問題に取り組むことが重要です。
学力以外の要素でも合否は決せられることを心に留めてください。
解答
partA (7) d (8) c (9) d (10) d (11) b
partB (12) c (13) c (14) e (15) b (16) d
partC (17) b (18) b (19) d (20) b (21) b
(編集部より)以下のリンク先にある解説記事もご参照ください。
第4問A 英文法正誤
難易度 やや難化
東大4A正誤問題というと、多くの東大受験生が「捨て問」にされています。
年々文章量が増え、予備校講師でも間違えるような難解な設問を1問程度盛り込んでくることもあります。
ですが、高得点合格者の多くは、この4Aに割り当てられている10点をきっちり取りに行っています。
満点を取れる受験生がいる一方で、いくら時間をかけても点数が取れない受験生もいます。
両者の分水嶺はどこにあるのでしょうか。
それは、目の付け所の差異にあります。
その詳細については、敬天塾の映像授業や過去問解説記事でも詳述しておりますので是非読み込んでみてください。
年々合否の分水嶺となりつつある東大英語を制覇するためにも、安易に捨て問にしないことが合格ポイントです。
さて、今年度の4Aですが、昨年に比べますとやや難化したセットだったといえます。
文章そのもののレベルが上がったこともありますが、文脈を把握しなければ解けない設問が2問出され、受験生は動揺したことでしょう。
昨年比で申し上げるなら、明らかに難しくなっています。
とはいえ、文法的に瞬殺できる問題も3つありましたから、ここは是が非でも取りにいきたいところでした。
詳しい解説は後日改めてアップいたしますが、ここでは簡易解説を載せたいと思います。
(22) (b) in whichに修正(これは是が非でも取りに行きたい1問)
(23) (e) in complete harmonyに修正(文脈把握型の設問で難度も高め)
(24) (e) that whichをthoseに修正(wornの前にbe動詞がないことなどから一発で答えだと見抜きたい)
(25) (a) butを削除 (下線部を含む一文を必ずチェックするクセをつけたい)
(26) (e) muchをlittleに修正(文脈把握型の設問で難度も高め)
いかがでしたでしょうか。最後に、直近12年分の4A分析表をご紹介するとしましょう。
東大英語4A直近13年分析チャート by敬天塾(編集部より)以下のリンク先にある解説記事もご参照ください。
第4問B 英文和訳
難易度 標準
さて、2026年度は以下のような問題が出されました。
下線部(ア)
Capitalism has cornered us in such a way that we can only imagine two options: work at a machine level, from a disconnected place; or make space for rest while fearing how we will eat and live.
下線部(イ) ⚠️unweavingの内容を補って訳せ
Resting as a form of resistance will be part of a lifelong unweaving. A mind shift, a slow and consistent practice filled with grace.
下線部(ウ)
All of culture is working in collaboration for us not to rest,and when we do listen to our bodies and take rest, many feel extreme guilt and shame. Embrace knowing that you have been manipulated and cheated by a violent system as powerful evidence.
いかがでしょうか。
近年の4Bでは、下線部だけ読んでも「よくわからない」文を、東大側が意図的に選んできていましたが、本年度に関しては昨年に引き続き下線部だけでもわりと読み取りやすい文章だとは思います。
とはいえ、下線部(イ)に対しては、unweavingの内容を補って訳せと設問要求されていますから、やはり前後の文章を読まなければいけません。
本文の意図をつかめないまま訳そうものなら、訳のわからない日本語が出来上がってしまいます。
日本語として体(てい)をなさない文では、そもそも英文を和訳したことにはならないはずです。
2025年の4Bでは非常に難度の高い設問が登場したことで話題を呼びました。
今年度はあそこまで凝った問題はありませんでしたが、文章内容が重厚になりましたので、堅い文章に慣れていない受験生にとっては酷な問題に感じられたはずです。
4Bから解くことを習慣化している受験生にとっては、うまく文意をつかめず時間ばかりが過ぎ去り、パニックを起こしたかもしれません。
こういう時は、いったん捨てて取れる問題から取りにいく姿勢が合格を引き寄せます。
なお、敬天塾では、2022〜2025の4B過去問について、このあたりを詳しく解説していますので、ホームページのトップより過去問データベースをぜひチェックしてみてください。
さて、4B過去問分析表をご覧ください。

いかがでしたでしょうか。
昨年よりは文章量が増えましたが例年並みではあります。
ただ、5年ぶりに設けられた設問条件を見落とした受験生は一定数いたことでしょうし、全体的に単語の意味はわかっても、漫然と直訳すると日本語としておかしな文章が出来上がってしまう、国語力も問われているという点では、東大4Bらしさも垣間見えました。
単語レベルでは、下線部(ウ)のcornerの訳出に苦慮された方もいたと思います。
また、下線部(ウ)の語数は2000年代に入ってからは最も多いものでした。
なお、下線部を先読みしてから本文を熟読するのか、
本文を熟読してから下線部和訳に挑戦するのか、
下線部を含んだ段落ごとに区分けして分析検討するのか、
下線部だけ読んで不明瞭な時には本文を拾い読みしていくのかは、残された時間や読解速度や設問文章との相性によっても変わってくると思いますので、一概にこれをやれとは言いづらいところがあります。
この4Bをリスニングの前と後のいずれでやるのか、何分で解くつもりなのか。
その時の精神状態などによっても変わってきます。
敬天塾の教材を活用しながら大問別対策が終わった段階で、年度別にフルセット演習を実施し、時間に追われるなかで頭をうまく切り替えられるかを分析してみるのも学びが大きいと思います。
一度解いたことのある問題でもです。
以下の記事もぜひご参照ください。
(編集部より)以下のリンク先にある解説記事もご参照ください。
第5問 エッセイ(物語読解)
難易度 難化
出題形式は記述式3問、並びに内容一致などの択一式8問の計11問構成でした。
記述量が増えたことに加え、設問難度も大幅に上がりましたので全体として難化と言ってよい問題セットでした。
特に設問(C)に和訳問題は、使われている単語そのものは平易なのですが、うまく訳すことができない東大らしい問題でした。
長文そのものについて概観しますと、
2022年度はジェンダーをテーマにした物語文が出題され、
2023年度では刑務所の必要性について子供たちとの対話に関する文章が出され、
2024年度にはアメリカの人種差別を主題とする長文が登場し、
2025年には脳性麻痺を患う筆者がイスラム教徒としてラマダーンと向き合う話が取り上げられました。
いずれもメッセージの強い内容ばかりでした。
しかし、2026年度は久々に本格的な小説が登場しました。まわりくどい表現が多く、小説を読み慣れていない受験生にとっては極めて酷な1問だったはずです。第5問から解き始めた受験生は頭が真っ白になったのではないでしょうか。客観式の設問に関しても例年以上に頭を使うものが多く、客観式問題の安易な総取りを阻止してやろうとする東大側の意思すら感じました。
本文そのものにつきましては、冒頭で何言っているのかわからずとも、中盤以降で論旨が見えて来ることが東大第5問の特徴でもありますから、細部にこだわらず全体像を早くに掴み取ることを意識するようにしましょう。
取れるところをきっちり取りに行くことが東大英語制覇の極意です。
もし本番でパニックが起きて全然文章内容が頭に入ってこなければ、いったん捨てて他の大問に移る勇気も大事です。
東大英語は120分で120点分の問題と向き合わなければならない試験であるところ、単純計算で言えば、1分で1点を稼ぐスタンスで臨まなければなりませんので、一つの問題に執着するあまり冷静さを失うのは極めて危険です。
事務処理能力テストと揶揄されることの多い東大英語にあっては、取れる問題を取りに行くスタンスが重要です。
解答例
(客観式のみ掲載。記述の解答は後日アップいたします詳細な解説記事をご参照ください)
(27) c (28) c (29) e (30) c (31) b (32) d (33) b (34) a
(編集部より)以下のリンク先にある解説記事もご参照ください。
最後に
上記の記事は、敬天塾の講師が執筆しています。
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