2026年東大地理(第1問B)入試問題の解答(答案例)・解説
(編集部注1)難易度の評価など、当日解いた所感はこちらをご覧ください。
(編集部注2)実際の入試問題入手先
本解説記事を読むにあたって、事前に入試問題を入手なさることを推奨します。
※入試直後は新聞社のページから入手できます。
しばらくすると、新聞社からは入手できず、東大HPからは入手できるようになります。
・産経新聞解答速報 https://www.sankei.com/article/20260226-7GXVJBPYIBC6TDSA7ZNXH27TQQ/?outputType=theme_nyushi
・東京大学HP https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_04.html
はじめに
いま正に注目を集めているブルーカーボンを主題とした問題です。
例年であれば、1Bで少しマイルドな問題が来るはずですが、今年は一味違います。
1Aで問われた「サンゴ礁」以上に話題性抜群のテーマを1Bで問うてきました。
教科書や資料集にも2026年3月現在載っていない(当然、改訂スピードの遅い参考書や塾テキストの類にも載っていないはずです)論点ではありましたが、政府系白書や省庁のホームページでは2020年以降、頻繁に登場するようになっています。
つまり、何を使ってどのような学習を日頃から心がけているかによって、本問の体感難易度は大幅に変わってきたはずです。
2024年くらいまでは、メジャーな参考書などで勉強していた東大受験生がわりと報われる問題セットを出していた東大地理でしたが、2025年以降は状況が一変しました。
ちなみに塾生にオススメしているサイトをいくつかご紹介いたしますと、
- 環境省 ecojin(エコジン) https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/
- 環境省 サステナブルファッション https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/
- 資源エネルギー庁 エネこれ https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/
- 国土地理技術センター「意外と知らない日本の国土」https://www.jice.or.jp/knowledge/japan
- 国土地理院 地理教育の道具箱 https://www.gsi.go.jp/CHIRIKYOUIKU/
- SDGs Action キーワード解説 https://www.asahi.com/sdgs/keywords/
あたりは非常に有益です。
私が生徒のために予想問題を作るときには、政府系白書や東大の論文なども勿論チェックしていますが、その他にこれらのサイトを隅々まで読み込み最新の動向を必ずチェックしています。
受験生の皆様におかれましても、ぜひ隙間時間で覗いてみてください。
市販の参考書やテキストからは得られない新しい視点を得られるはずです。
近年の共通テストや東大入試を見る限り、穴埋めドリルで用語や地名を覚えて、主たる貿易統計や生産ランキングを丸覚えして満足する昭和時代の地理学習法では通用しなくなってきています。
これは決して基礎を蔑ろにして良いと言っているのではなく、基礎の捉え方を根本的に変えなければならない時代が到来したことを意味しています。
従前、世界史-日本史のペアだと暗記量が多くなるからといった消極的な理由で、地理を選択される方が数多くいらっしゃいましたが、そうした受験生にとっては受難の時代がやってきたと言って良いでしょう。
敬天塾の東大地理鉄則集や過去問解説記事などを通じて、東大地理の本質に迫る学習を心がけるようにしてください。
さて、イントロダクションが少し長くなりましたが、まずはブルーカーボンとは何かについて、ご説明いたします。
まずは、こちらの画像をご覧ください。

国土交通省ブルーカーボン関連資料https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001742416.pdf
このようにビジュアルに捉えるとわかりやすいですね。
PDF資料はこちらからダンロード(https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001742416.pdf)が可能ですので、ぜひお役立てください。
さて、本問ではブルーカーボン(海洋生態系に取り込まれる炭素)を隔離・貯留する生態系をブルーカーボン生態系と呼び、その代表例として海草藻場(もば)、塩性湿地(塩分と水分に富む湿地)、マングローブ林が挙げられています。

環境省エコじんホームページより https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/feature1/20240828.html
ただし、ブルーカーボン生態系として一まとまりにされてはいますが、アマモ場やマングローブ林などの植生が実際に炭素を貯留するメカニズムには「個性」があります。
今年度はここが問われることはありませんでしたが、今後、別の切り口からブルーカーボンが問われることも十分に考えられますので、しっかりと論点整理をしておきましょう。

国土交通省ブルーカーボン関連資料 https://www.mlit.go.jp/kowan/content/001742416.pdf
以上がブルーカーボン生態系の概略です。
ちなみに、マングローブ林については、近年、多くの大学で問われるようになってきています。
今後、マングローブ林にフォーカスをあてて、環境破壊や脱炭素関連のトピックを織り交ぜて出題してくる可能性もありますので、何題か敬天塾オリジナル論述問題集より学習効果の高い問題をご紹介したいと思います。
是非、しっかり読み込んで、周辺知識を固めていきましょう。

さて、ブルーカーボンについて、だんだんと理解が深まったところで、確認問題を1つご紹介するとしましょう。
数学と似ていて、頭でわかっていても、うまく言語化できないのが地理の特徴です。
必ず、理解した内容を端的に要約することを心がけましょう。
自分一人で全てまかなうことができない方は、敬天塾の東大地理対策問題集も是非ご活用ください。


敬天塾最新ワード集より抜粋
さて、ブルーカーボンに関する理解も深まったと思いますので、早速個別の設問についてみていくとしましょう。
設問(1)
問題
上記3つのブルーカーボン生態系(敬天塾注:海草藻場・塩性湿地・マングローブ林)の合計の分布面積は海洋面積の0.5%以下に過ぎないが、その年間炭素貯留量は海洋全体の堆積物中の年間炭素貯留量の50%以上を占める。小さい面積ながら炭素の年間貯留量が多い理由を2行以内で説明せよ。
解説
1Bの鬼門は、間違いなく本問です。
後続の設問(2)と(3)はサービス問題でしたから、(1)で焦ったら一旦トバして後から余った時間で拾い直す姿勢を貫くべきだったと言えましょう。
さて、本問は一見すると難度の高い問題に思えるかもしれませんが、1A(3)と同様、「見たことがない問題=難問」ではないことを示す好例だと言えます。
約8行にわたって説明がなされているリード文にありがたいヒントが散りばめられていることにお気づきでしょうか。
則ち、地球温暖化を軽減するためには、
① 二酸化炭素の排出量を削減すること、吸収量を増やすことに加え
② 隔離・貯留された炭素が二酸化炭素として再び大気中へ排出されることを防ぐ必要がある。
とリード文で示されています。
要するに、取り込む量を増やすと同時に、出ていく量を減らせば、相乗効果でかなり多くの二酸化炭素を海底に貯蔵できるよねと言っているわけです。
収入を増やして、支出も増えるとプラスマイナスゼロになってしまいますが、収入を増やして(入ってくるお金が増えて)、かつ支出を抑えれば(節約してなるべくお金を使わない)、たくさんお金が貯まりますよね。
それと一緒です。
海洋全体のわずか0.5%にしか、ブルーカーボン生態系は分布していないにもかかわらず、効率的に有機炭素が貯留するということは、この①と②の両面が優れているということです。
東大教授陣としては、なぜ①に優れ、なぜ②に優れているのか考えろと設問要求しているわけですね。
この論点を知っていれば、もちろん瞬殺だとは思うのですが、そうでなかったとしても、過去問探究をしっかり行なっていた受験生にとって少なくとも①に関しては解答の方向性が見えてきたはずです。
則ち、植物が二酸化炭素を吸収する営みは何ですか、ということです。
小学生でも知っている「光合成」ですよね。
このワードは是非思いついて欲しかったです。
もうひと押しするなら、なぜ、光合成が盛んなのかにまで考えが及ぶとパーフェクトでした。
今回取り上げられた3つのブルーカーボン生態系は、海洋全体ににおいてランダムに存在しているのではなく、いずれも浅い海域にありませんか?
湿地もマングローブも藻場も、沿岸部(陸に近いところ)に存在していたはずです。
光合成には日光や二酸化炭素のほか、植物の成長を支える窒素やリンといった栄養塩類も不可欠です。
浅い海域であれば、日光が届きやすいですし、前問の1A(3)で見たように陸域に近ければ河川が上流から土砂やら栄養塩やらを運んできます。
もちろん、何事も過ぎたるは及ばざるがごとしで、あまりに多くの栄養塩類が流入すれば水域が富栄養化しますから、赤潮や青潮が発生しています。
このことにフォーカスをあてたのが次の設問(2)番です。
以上より、光合成が活発に行われるわけですから、大気中の二酸化炭素を多く取り入れ、有機炭素として植物体に蓄積することが可能となるわけです。
河川から離れ日光が海水奥深くまで届きにくい外洋や深海ではこのような光合成による有機炭素の隔離・貯留は難しいですから、浅海域に分布する恩恵をブルーカーボン生態系は享受できるわけです。
ちなみに、この論点は、以下の問題に取り組んだことのある受験生には特に連想しやすかったことでしょう。

もっとも、運良く大量の二酸化炭素を取り入れたところで、再び大気中に放出されてしまっては元も子もありません。
そこで、有機炭素が再び二酸化炭素に戻されるメカニズムを何というか考えろと東大は受験生に問うているわけです。
いきなりですが、皆さん、中学の頃に「炭素循環」を学ばれたことを覚えていらっしゃいますでしょうか。

地球環境研究センターホームページより https://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/26/26-1/qa_26-1-j.html
お気づきですか?有機物を分解する「微生物」の存在がカギとなってきます。
過去の入試問題を例にしますと、


このように「分解」という視点がよく問われていることがわかります。
なお、炭素循環のほかにも窒素循環や水の循環についてもググるなりして調べておきましょう。
特に窒素循環については、2007年2Bや2019年2Aで問うてきています。
必ず人間活動と絡めた窒素フローやプラネタリーバウンダリーについてググるなりして調べておきましょう。
なお、近年では、ロシアのウクライナ侵攻を受け、世界的に肥料価格が高騰していますが、窒素は肥料の原料でもあるのです。
厄介なことに、主な輸入元が中国ですから、資源の安定供給に不安があります。
まさしくチャイナリスク(詳しくは映像授業の実戦編もご参照ください)の話ですね。
また、石油にせよレアアースにせよ窒素にせよ、偏在性の高い資源の場合、たいてい価格高騰の憂き目に遭います。
それゆえに、リサイクルの推進、代替資源や省エネ技術の開発、輸入元の新規開拓といった策を講じるわけです。
このあたりの解法レシピは敬天塾の東大地理鉄則集や講習会配布資料なども活用しながら、ぜひ積極的に構築するようにしましょう。
少し脱線してしまいましたが、本問の解答例を示したいと思います。
解答例
栄養塩や日光が十分な浅海底に分布するため一次生産速度がはやく、海底泥は無酸素状態のため有機物が微生物分解されにくいから。(60文字)
(一次生産速度とは光合成による有機物生産速度のこと)
十分な栄養塩や日光が届く浅海底に分布し光合成が盛んでCO2吸収力が高く、海底泥は無酸素で有機物が微生物分解されにくいから。(60文字:CO2は2文字)
栄養塩や日光が豊富な浅海域では光合成が盛んで有機物の供給速度が速いうえ、有機物は無酸素の海底泥では分解されにくいから。(59文字)
設問(2)
問題
ブルーカーボン生態系は消失しやすい生態系でもある。日本では、世界的にブルーカーボン生態系が注目される前から分布面積の減少が問題になってきた。表1ー1は、日本の瀬戸内海における、海草藻場の1つであるアマモ場の面積の変化を示している。1960〜1970年代にアマモ場の面積が大きく減少した理由を2行以内で答えよ。
解説
せっかく日本には世界的に類をみないほど豊かなブルーカーボン生態系があるにもかかわらず、1960〜70年代にかけてアマモ場を大きく失ってきたと本問では示されています。
自然環境がらみで何らかの変化が生じた場合、初手で考えていただきたいのは、①天変地異といった自然災害 ②人為的理由、の2点です。
本問では、1960〜70年代という20年スパンの話をしていますから、①は除外して良いでしょう(20年間地震や台風が毎日起き続けるというのは、もはや終末世界の話になってしまいます)。
ともなれば、②の人為的理由を考えるわけですが、ここで大切な視点は3つあります。
(1)1960〜70年代という年号を見た瞬間に「高度経済成長期」の話だと思い出せるか
(2)アマモ場が陸域からの影響が大きい沿岸部に生息していることに着目できたか
(3)設問文で示された「瀬戸内海」を目にした瞬間、閉鎖性海域の論点を思い出せたか
以上の3点です。
このうち絶対に外せないのは(1)の「高度経済成長期」というキーワードです。
もちろん、答案に高度経済成長期と書いたら終わりではなく、この時代、どのような環境問題が深刻化していたのかを瞬時に思い起こせなければいけません。
過去問でも繰り返し問われている重要論点です。
なお、東大地理で問われる頻出年号の知識整理が出来ていない方は、敬天塾 東大対策問題集 歴史編をご検討ください。
次に(2)については、前の設問(1A(3)や1B(1))とも関係しますが、沿岸部(浅海域)に生息しているわけです。
ということは、陸域からの影響を大きく受けるということです。
ここで生活排水や工場廃水の話、青潮や赤潮あたりのキーワードがパッと出てきた受験生は自信をもって良いでしょう。
そして、最後に(3)についてですが、答案に盛り込むかどうかはさておき、瀬戸内海や東京湾と聞いた瞬間に閉鎖性海域の諸問題について想起できるようにしなければなりません。
東大は過去に何度も問うてきています。
外海との水交換が円滑に進まない海域ですから、汚染物質が滞留しやすいわけです。
せっかくですから、敬天塾オリジナル論述問題集から何問か東大過去問をご紹介するとしましょう。

いかがでしょうか。繰り返し、繰り返し、同じ論点を出してきていますよね。
それにもかかわらず、間違えてしまう受験生が相当数いるというのは、憂慮すべき事態だとも言えます。
何のために過去問が公開されているのか、東大側の意図を汲み取ったうえで学習戦略を打ち立てることが重要なのです。
なお、2025年の東大地理 過去問 解説記事でも申し上げたように、こうした問題を知って終わりではなく、必ず問題の解決策にも目を向けるようにしてください。
せっかくですから、学習効果の高い問題を1つご紹介したいと思います。

さて、ここでアマモ場の果たす役割についてお話ししたいと思います。
まずは、こちらの図をご覧ください。

水産庁ホームページより https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/tamenteki/kaisetu/moba/moba_genjou/
アマモ場は、炭素を固定する機能のみならず、
- 地下茎と根で底泥を固定して安定を図るとともに、沖からの波浪を弱めることで海岸侵食を抑制
- 水質の浄化(窒素やリンの吸収による富栄養化の防止)
- 多様な生物の生息場や産卵場を提供し、生物多様性の保全に寄与
といった役割をも果たしています。
ここで、「おや?」と思われたかもしれません。
水質の浄化機能があるのであれば、なぜ、高度経済成長期に流入した生活排水や工業廃水に耐えられなかったのかと。
とても素晴らしい疑問点だと思います。
お答えいたしますと、何事にも限度というものがあるということです。
どれだけ過剰に流入しても捌き切れる(さばききれる)わけではありません。
さて、これ程までに重要な役割を担うアマモ場が消失してしまうのは、日本のみならず、世界にとっても大きな損失です。
そこで、アマモ場の再生プロジェクトが各地で積極的に行われるようになりました。
昨年末には、東京のお台場海浜公園でアマモの種まきキャンペーンが行われていた様子を筆者は実際に目にしました。
こうした改善に向けた取り組みが近年では功を奏するようになったと聞きます。
岡山県備前市日生町では、1億粒のアマモ種をまいて、アマモ場再生に成功したそうです。
実にめでたい話ですね。

BLUE CARBON.jpホームページより https://bluecarbon.jp/initiatives/000948.html
さて、このアマモの話にせよ、1Aのサンゴ礁の話にせよ、グローバルな要因(地球温暖化)とローカルな要因(工業廃水や土砂の流入など)の2つの観点から問題を分析する視点は極めて重要です。
経済学の言葉を借りるなら、マクロの視点とミクロの視点となりましょう。
そして、今回はアマモ場にフォーカスがあてられていましたが、これがマングローブ林ならどうなるのか、塩性湿地に目を向けたらどうなるのかまで考察を深めるようにしてください。
マングローブについては、設問(1)で類題をご案内しましたのでご参照いただくとして、せっかくですから塩性湿地に絡めて干潟関連の良問を2題挙げたいと思います。
なお、解答例を読んで終わりではなく、必ず教科書や資料集などで周辺知識を固めるようにしましょう。
諸知識が有機的に結びついていくことが実感できるようになりますと、東大地理制覇までそう遠くはありません。

なお、プラスαの知識にはなりますが、上述した東大1998年3Cでも示されているように、高度経済成長期にはアマモの生息域である浅場の埋立てや護岸工事がなされました。
これによって物理的にアマモの生息域が破壊されたのです。
その上で、仮に生息域が破壊されずとも、生活排水やら工業廃水やらが大量に垂れ流され、アマモの浄化作用を遥かに上回る水質汚濁が発生し死滅することとなりました。
アマモからしたら、ふんだり蹴ったりです。
それでは、設問(2)の解答例を申し上げたいと思います。
解答例
高度経済成長期に浅場の埋立てや護岸工事が進んだうえ、生活排水や工業廃水の垂れ流しで生息水域の汚濁負荷量が急増したから。(59文字)
高度経済成長期に浅場の埋立てや護岸工事で生息環境が壊されたうえ、閉鎖性海域へ工業廃水等が流入し水質が顕著に悪化したから。(60文字)
高度経済成長期に沿岸の埋立てや護岸工事で生息環境が物理的に破壊されたほか、家庭や工場の廃水で水質の富栄養化が進んだから。(60文字)
設問(3)
問題
日本の現在の二酸化炭素の年間排出量を10億トンとし、その0.1%を国内のブルーカーボン生態系により吸収できているとする。2030年に二酸化炭素の年間排出量を現在の70%にし、そのうち1%をブルーカーボン生態系で吸収するという目標を立てた場合、2030年にはブルーカーボン生態系の面積を現在の何倍にする必要があるか答えよ。ただし、単位面積あたりの二酸化炭素の吸収量はブルーカーボン生態系による差はないものとする。
解説
所感記事でも申し上げたように本問は単なる算数の問題です。
小学校4年生でも解けます。
数年前までは足切り点が非常に低い科類がありましたから、数学どころか算数が一切できなくても東京大学の二次試験を「一応」受けることはできました。
ですが、2025年に東京大学が足切りの基準を厳しくしたことで、共通テストで7割以上を取らなければならなくなり、数学が0点では東大の二次試験を受けることが極めて難しくなりました。
そうした篩(ふるい)にかけられた上で二次試験を迎えたわけですから、本来なら本問は全受験生にとってサービス問題に思えなければならなかったはずなのですが、不思議なことに白紙で出した受験生がそこそこいたようです。
計算問題と言っても、別にマクローリン展開や複雑な積分計算を解けと言われているわけではありません。
共通テストや二次試験で数学を必須で受験せねばならないはずなのに、なぜに「ケイサン モンダイ コワイ・・」となるのかが分かりません。
東大地理では2019〜2020年にかけ連続で計算問題が登場しましたので、お手持ちの赤本や青本でチェックをしましょう。
なお、社会科目なのに計算問題を出すとは何事かとお怒りの方が時々いらっしゃいます。
その点について申し上げると、地理は純然たる文系教科ではありません。
東京都立大学では理系向けの地理問題が用意されてもいます。
つまり、文系科目でもあり理系科目でもあります。
とは言いつつも、東大教授は数学嫌いな文系受験生にも配慮して、相当マイルドな計算問題を出しています。
1点足りずに落ちる人が100人いるとも言われる東大入試にあって、本問が仮に配点2点の問題であれば、安易に捨てることで200人に抜かれることとなります。
もちろん、パニックが起きたなら、一旦トバすことも重要ですが、そうでもないのにパッと見て「難しそうだからトバそう」と性急に判断することは厳に慎まなければなりません。
さて、少し説教くさくなってしまいましたが、本問に絡む割合計算に苦手意識のある方は、タテに情報整理することをオススメいたします。
たとえば、「1Lあたり100円の牛乳があります。おかべぇさんは480円分の牛乳を買いました。さて、何Lの牛乳を買うこととなりましたか。」という問題があったとします。
もちろん一瞬にして暗算で解ける方もいらっしゃるのですが、なかには小学校の頃の算数指導が良くなかったためか、割合の公式を覚えていないので解けませんと仰る高校生もいます。
ですが、公式なんかに頼らず(割合の公式なんて私は一切覚えていませんし、覚える気もありません笑)、図式化してみようと私はお伝えしています。

いかがでしょうか。こんな風にタテに配置すると対応関係が一目瞭然になって理解がしやすいのではないでしょうか。
このコンセプトで本問を解説いたしますと、下記のようになります。

解答例
以上より、7倍 が答えとなります。
なお、今年度の東大地理第1問は「海洋」にフォーカスがあてられています。
実は、今から17年前の大阪大学でも「海洋」にフォーカスがあてられた良問が出題されていました。
塾生に注意喚起をしておりました2問を本稿でもご紹介したいと思います。
非常に学習効果の高い問題です。
ぜひ、これらの問題を起点に周辺知識を固めていってください。

【さらに深く学びたい方のために】
敬天塾では、さらに深く学びたい方、本格的に東大対策をしたい方のために、映像授業や、補足資料などをご購入いただけます。
上記の地理の記事は敬天塾の塾長とおかべぇ先生が執筆しています。
おかべえ先生は、東大地理で60点中59点を取得した先生です!
どなたでも受講可能な、おかべぇ先生の授業はこちら ↓
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