2026年東大英語(第2問B 和文英訳)入試問題の解答(答案例)・解説

《東大英語 第2問B 和文英訳 の記事一覧はこちら》

(編集部注1)難易度の評価など、当日解いた所感はこちらをご覧ください。

(編集部注2)実際の入試問題入手先
本解説記事を読むにあたって、事前に入試問題を入手なさることを推奨します。
・産経新聞解答速報 https://www.sankei.com/article/20260226-7GXVJBPYIBC6TDSA7ZNXH27TQQ/?outputType=theme_nyushi
・東京大学HP https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_04.html

2026年東京大学 英語 2B和文英訳 問題

 文脈を考慮しながら、本文中の括弧内の内容を英語で表現せよ。

  Everything is new or uncommon raises a pleasure in the imagination, because it fills the soul with an agreeable surprise, gratifies its curiosity, and gives it an idea of which it  was not before possessed.
(実際に我々は,同じ物事が何度も繰り返し現れるのに飽き飽きしているので,新しく一般的でないものならば何でも,その外見の奇妙さによって,しばらくのあいだ人間の生活を変え,我々の心を楽しませてくれるものだ。) It serves us for a kind of refreshment, and takes off from that satiety we are apt to complain of in our usual and ordinary entertainments. It is this that bestows charms on a (   ⅰ   ), and makes even the (   ⅱ   ) of nature please us.

 (アディソン “The pleasures of the imagination” を一部改変)


gratify  : satisfy
satiety  : the condition of feeling that you have had enough of something
bestow : give

【東大英語2B和文英訳総括】

2018年に20年ぶりに復活した和文英訳問題ですが、本年度も2Bで登場しました。
皆さんは、和文英訳と聞いた時に、どのようなスキルが求められるとお考えですか。

つづきを読む

基本構文の駆使、正確な文法力、豊富な語彙力、スペルミスや句読点の付け忘れなどへの注意力といったものが、とっさに思い浮かぶでしょう。

また、中学高校で和文英訳の授業は自由英作文に比べれば頻繁に実施されていますから馴染みのある出題形式ですし、並べ替えや穴埋め問題と並んでオーソドックスな問題形式として和文英訳は知られています。

ですが、なぜか東大2B和文英訳では全然点数が取れないと嘆かれる方が毎年多くいらっしゃいます。
学校や塾の和文英訳では、いつも満点を取る子でもです。

なぜに同じ和文英訳なのに、こうも違うのでしょうか。

それは、英訳目的が異なるからです。
学校でやる和文英訳は、基礎構文力を身につけることに重きが置かれ、扱われる題材も学習効果を高める観点から作られた短文ですから非常に取り組みやすいのです。

その一方、東大入試で課される和文は、受験生を選抜することを目的とし、書籍から一部抜粋したもので英訳されることを前提とした文ではありませんから分かりづらく、逐語訳でもしようものなら文意が崩れてしまう特性があります。

東大教授は、受験生に構文力を身につけてもらうために出題しているわけではないということですね。

東大側がどのような点を受験生に問うているかというと、
① 基礎構文力(文法力)
② 語彙力
③ 言い換え力(文意把握力)

の3点だと私は考えます。

多くの受験生は①と②に主眼を置きますが、実のところ、この③が東大英作文で求められる最重要項目だと言っても過言ではありません。

たとえば、「猫の手も借りたい」を英訳する時に、字義通りにI want to borrow a cat’s hand.と訳しても意味不明ですよね。
そうではなく、ここで伝えたいニュアンスは助けが欲しいということですからI need your help.と訳さなくてはいけないわけです。

これに似た問題を東大は2003年2Bで問うています。
以下、問題文を掲載します。
これは自由英作文の問題ではありましたが、言葉を字義通りに捉えても適切に英訳はできないことを示す好例です。

次の文章は、あるアマチュア・スポーツチームの監督の訓話の一部である。この中の、「雨降って地固まる」という表現について、それが字義通りにはどういう意味か、諺としては一般的にどのような意味で用いられるか、さらにこの特定の文脈の中でどのような状況を言い表しているのかの3点を盛り込んだ形で、60語程度の英語で説明しなさい。

昨年は、マネージャーを採用すべきであるとかないとか、補欠にも出場の機会を与えるべきだとか、いやあくまで実力主義で行くべきであるとか、チームの運営の仕方をめぐってずいぶん色々とやり合いましたけれども、「雨降って地固まる」と申しまして、それで逆にチームの結束が固まったと思います。今年もみんなで力を合わせて頑張りましょう。
(東大2003年)

皆さんは、東大2B英文和訳の解答例を参考書などで確認すると思います。
プロの先生方が時間無制限で調べながら書き上げた英文ですから、非常に優れた英文ばかりですよね。
私が受験生だった頃は、こんなの一生書ける気がしないと思ったものです(笑)。

もちろん、こういったプロの解答例がスラスラ書けたら、こんなにも素敵なことはありませんが、大多数の東大受験生は塾講師のようには書き上げることはできません。
ルノワールやピカソの名画を芸術鑑賞したところで、巨匠と同じような絵を描けないのと同様に、模範答案を呆然と眺めるだけで、ある日目覚めたら、突然にすらすらと英文が書けるようになることはないのです。

では、諦めるしかないのかというと、決してそんなことはありません。
本稿では、エレガントな解答例を示すというより、満点でなくとも、泥臭く点数を取る思考プロセスを詳述していきたいと思います。

2Bに苦手意識のある方にこそ、是非熟読していただきたいと思います。
きっと、表現することが楽しくなってくるでしょう。

2026-2B和文英訳 所感

速報記事(https://exam-strategy.jp/archives/413750)でも申し上げたように、2Bの出題形式が大きく変更されました。
則ち、
① 日本語の文章の一部を英訳させる設問から、英語長文の一部が日本語訳されたものを英訳させる形に変更
②「英訳せよ」という設問要求から、「文脈を考慮しながら、本文中の括弧内の内容を英語で表現せよ」に変更
③ 穴埋め問題が登場
の3点がみられました。

近年の東大英語ではちょこちょこと出題形式の変化がみられますので、心の準備をした上で試験に臨むようにしましょう。

さて、こうした3つの変化のうち、一番注目すべきは②だと思います。
これまでも、敬天塾では、東大の和文英訳は直訳させるものではなく、文脈を踏まえた上で、英訳しやすいように日本語文を加工する「和作文」を実行すべきだとお伝えしてきました。
この2026年度入試では、なんと、東京大学が自ら「和作文」を行えと設問要求しているのです。
和文英訳は直訳さえすれば良いと教え込まれてきた受験生にとっては、どうしたら良いのか戸惑われたのではないでしょうか。

これとの絡みでは①の変化は受験生にとっては追い風となりました。
括弧以外の箇所は英文で示されており、内容も一貫していますから、括弧内の日本語を英語に直すときにそのまま流用できるフレーズがヒントとして与えられているようなものです。
たとえば、everything that is new or uncommonや、usual and ordinaryplease usあたりの表現は援用できました。ここまでが英訳に絡む話題ではありますが、③の穴埋め問題に手こずった方も多かったと聞きます。
サービス問題かと思いきや、確信をもって答えを出せない難問でした。
もっとも、配点は大きくはないでしょうから、あまり時間をかけることなく、別の大問にすばやく移る勇気が求められた1問でもありました。

さて、今年度の2Bに限らずですが、和文英訳と言いますと、エレガントな解答例ばかりを追い求める方が一定数いらっしゃいます。
ですが、泥臭く1点でも多くもぎ取る姿勢が2B和文英訳制覇の極意だと私は考えます。
「和作文」の具体的なノウハウをご存知ない方は、ぜひ敬天塾の過去問解説や映像授業で学ばれてください。
1Aや5が大幅に難化し、1Bや4Bの文章も例年以上に読みづらくなった2026年度の問題セットを考えますと、この2Bを落とすわけにはいきませんでした。
2Bが合否を決するファクターに今年はなり得ました。
8種類の大問で構成される東大英語では安易に特定の大問を捨て問にすることなく、しっかりと対策を講じて点数を取りに行く姿勢を貫くことが合格を引き寄せるのです。

2026年東大英語 2B和文英訳 思考プロセス

問題文を再掲します。

 文脈を考慮しながら、本文中の括弧内の内容を英語で表現せよ。

  Everything is new or uncommon raises a pleasure in the imagination, because it fills the soul with an agreeable surprise, gratifies its curiosity, and gives it an idea of which it  was not before possessed.
(実際に我々は,同じ物事が何度も繰り返し現れるのに飽き飽きしているので,新しく一般的でないものならば何でも,その外見の奇妙さによって,しばらくのあいだ人間の生活を変え,我々の心を楽しませてくれるものだ。) It serves us for a kind of refreshment, and takes off from that satiety we are apt to complain of in our usual and ordinary entertainments. It is this that bestows charms on a (   ⅰ   ), and makes even the (   ⅱ   ) of nature please us.

 (アディソン “The pleasures of the imagination” を一部改変)


gratify  : satisfy
satiety  : the condition of feeling that you have had enough of something
bestow : give

下線部を句読点などでざっくり区切ってみますと、主に4つのパートに分けられましょう。

① 実際に我々は、同じ物事が何度も繰り返し現れるのに飽き飽きしているので、
② 新しく一般的でないものなら何でも、
③ その外見の奇妙さによって
④ しばらくのあいだ人間の生活を変え、我々の心を楽しませてくれるものだ。
とあります。

設問文では、1文で①〜④が示されていますが、①+(②+③+④)の2文構成にしたほうが読みやすいと思いますので、本解説ではその方針で解説を進めていきたいと思います。
また、②と③はまとめることもできそうですが、本稿では敢えて分けて考察を試みたいと思います。

なお、多くの受験生は下線部だけ読んで英訳を試みるわけですが、なぜに東大側が下線部前後の文章を載せているのか考えてみてください。
それは、訳しづらい箇所が出てきた時にヒントにして欲しいという思いを込めているからです。
4A正誤でも、4B英文和訳でも、5の物語文でも下線の所だけ拾い読みする受験生が多くいますが、東大教授も作問にあたり、そうした受験生の存在を想定してワナを仕掛けています。
2Bについては、確かに下線部だけ読めば何とかなることも多いのですが、2020年2Bの「まゆつばもの」のように、下線部以外のワードから適切な訳語を類推しなければならない設問も出されますので臨機応変に問題文を活用しましょう。
おそらく、そうした工夫ができない受験生があまりに多かったのでしょう。
それゆえに、今年度は「文脈を考慮しながら」「内容を英語で表現せよ」という設問要求をしてきたのだと拝察しています。

要するに、字面だけ追って機械翻訳をするなよ、そんなのは劣化版のAIがすることだぞ、自分の頭を使って考えろと言っているわけです。
それでは、①〜の順に見て行くとしましょう。

実際に我々は、同じ物事が何度も繰り返し現れるのに飽き飽きしているので、の英訳を泥くさく考察してみた

このパートはそれほど難しくはなかったですから、さらっと、Actually we are tired of the same things happening again and againと訳せたか方も多かったでしょう。

ただ、その一方で、「同じ物事が何度も繰り返し現れる」の適訳を本番の緊張などからスムーズに思いつけなかった受験生だって一定数はいたはずです。
その時に、「ああ、もう無理だ」と諦めるのは早いです。
白紙で出すことなく、文脈から解釈したことを泥臭く表現する姿勢を忘れないでください。
そうして得られた1点が、合否の分水嶺になることもあります。

まず、そもそも、「同じ物事が何度も繰り返し現れる」というのは、文脈上、何を意味しているのでしょうか。everything that is new or uncommonを➕のものとして捉えている本文の趣旨に鑑みれば、この反対を意味するものを指していることは自明です。

ただし、uncommonの反対はcommonで良いですが、newの反対でoldと書くのはちょっとピントが外れます。
古いものというよりは、日常のありふれたものというニュアンスのほうが適していますので、文章後半にあるusualordinaryあたりが適訳だと思います。

そのほか、少し高度な言い換えにはなりますが、the same routineを使って端的に表現することもできたでしょう。
このように、字面を目で追うばかりではなく、要するになにが言いたいのか?と自問自答することで、解答指針は浮かび上がってくるのです。

自由英作文とは別にわざわざ和文英訳を東大が復活させたのは、受験生の文法力もそうですが、文脈把握力(国語力)の低下が著しいことを東大英語部会が憂慮したこともあると言われています。

英語の点数を上げたければ、国語力を上げろと授業では口を酸っぱく申しておりますが、まさに今年度の東大英語によく表れていると思います。

なお、「飽き飽きしている」については、
be tired of
be sick of
be fed up with
get bored with (またはget bored because~) 
feel disgusted with
あたりが適訳だと思います。
熟語を盲点とされる受験生が近年増えていると言われていますので、早いうちから英熟語や前置詞を固めるようにしましょう。
いまは、良質な参考書も多く出版されていますので、以前に比べて選択肢も増えています。
東大第5問でも熟語知識は頻繁に問われていますので、熟語を制する者が東大英語を制すると言っても過言ではありません。

なお、英熟語の覚え方につきましては、こちらの記事もご参照ください。(https://examstrategy.jp/archives/10930

以上をもとに、英訳を試みると

Actually, we are tired of the same things happening repeatedly

Actually, we are fed up with the same things happening again and again

In fact, we get bored because the same things appear again and again

Indeed, we are tired of everything that is familiar and ordinary

We are actually sick of everything usual and common.

We really feel disgusted with the same routine.

のように表現できそうです。
いかがでしたか。
これほどまでに代案を紡ぎ出すことができるんです。
先生が黒板に書いた美しい解答例をノートに取っただけでは、美術館で芸術鑑賞に浸ったのと変わりはありません。
「すごいな〜。いつか、こんな英文を書いてみたいな〜」で終わりです。
大切なのは、自分の頭の中に入っている知識を総動員させて、1点でも多くもぎ取るガッツです。

正直、あまりエレガントではない表現もあったかと思います。
ですが、試験会場でパニックを起こしている時に何も思いつかないのであれば、中学レベルの英単語を組み合わせてみたり、下線部を思いっきり意訳して、もっとも主張したい「核」のところだけ端的かつ明瞭に書いたりして1点でも多く稼ぐスタンスは重要です。

これまで模範答案を眺めて「すごいね!こんなの書けたらいいね!」という感想だけで学習を終えられていた方は、ぜひ、頭の中に入っている知識を駆使できるように、与えられた日本語文を英訳しやすいように別の日本語に言い換える和作文を実践してください。

言い換えに際しては、小難しく考えるのではなく、5歳児に説明するくらいの気持ちで、日本語の語彙レベルを落として言い換えてみると良いでしょう。
我々の脳内にストックされている日本語の語彙数に比べ、英語の語彙数は微々たるものなわけですから、ストレートに英訳できないことは多々あります。
そうした問題を解決するのが、与えられた日本語文を英訳しやすいように加工する技術なのです。
和文英訳というと、日本語→英語にダイレクトに訳されることをイメージされる方が多いと思いますが、日本語→日本語→英語というプロセスを経ることで難易度の高い英文にも怖気つくことなく冷静に英訳を試みる勇気が芽生えてきます。
この手法は、第一線でご活躍されている翻訳家や同時通訳者の方も多用されているようです。
ぜひお試しください。

新しく一般的でないものならば何でも、の英訳を泥くさく考察してみた

このパートは様々な訳し方が考えられそうです。
設問文を順当に読む限り、パート④の主語にあたると言えますが、③の「その外見の奇妙さによって」とセットで訳出することもできそうですし、無生物主語を敬遠して、敢えて④とはダイレクトに繋げないで表現することもできそうです。

具体的に申し上げると、このパートを本文の表現も援用しつつ直訳するなら

whatever is new or uncommon

anything new or uncommon

あたりが考えられそうですが、③とセットで捉えて

everything that is new or uncommon looks strange, so

anything new or uncommon looks strange, so

として④につなげることもできます。

 

本パートをダイレクトに④の主語としないならば、weを主語にして

When we see something new and uncommon, we can change our lives and become excited for a while

Whenever we see something new and uncommon, we can enrich our lives and we feel happy

のように表現することも可能でしょう。

 

しばらくのあいだ人間の生活を変え、我々の心を楽しませてくれるものだ、の英訳を泥くさく考察してみた

まず日本語の解釈からですが、「我々の」心を楽しませてくれるとありますので、「人間の生活」を「我々の生活」に言い換えたほうが分かりやすいと思います。
また、「人間の生活を変え」にもう少し言葉を添えて、「私達の生活を充実したものにしてくれ」とし、make our lives fulfillingやenrich our livesとすることもできたでしょう。
「我々の心を楽しませてくれる」については、please us(文章後半にplease usとありますね)やdelight our mindsといった表現もあれば、fill our heart with joyのような訳し方も考えられそうです。

なお、このパートの主語は②の「新しく一般的でないものならば何でも」と文面上は読み取れますが、必ずしも無生物主語で訳出しなくてもよいでしょう。

パート②でも申し上げた通り、weを主語にして
we can change our lives and become excited for a while

we can enrich our lives and become happy for a while
のように訳してみるのも良いと思います。

ちなみに、受験生のなかには「しばらくのあいだ」を文脈上訳す必要があるのか悩まれた方もいたかもしれません。
正直、「内容を英語で表現」する設問要求からすれば、絶対に書かなければならない要素には思いませんので書かなくても良いとは思いますが、その判断が難しければfor a whileを添えるのが無難だと思います。

例年よりあっさりした解説になりましたが、各パートに関する説明は以上です。

いかがでしたでしょうか。
日頃から多くのフレーズに触れ、語彙力増強に努めていただきたいところではありますが、それでもやはり緊張や焦りでド忘れすることはあります。
本稿を通じて、泥くさく考察することで別の切り口からも答案を紡ぎ出すことができるんだということを実感していただけたなら、こんなにも嬉しいことはありません。
英作文は数学に似ていると映像授業のなかで申し上げましたが、試行錯誤のなかで格闘する過程は、まさに数学そのものだと私は感じております。
一昨年の東大文系数学第2問では対数が出題されましたが、あれをエレガントな式変形なしに全部小数に直して気合いで答えを出しきった猛者がいるそうです。
本人曰く「数弱をなめるなよ」だそうですが、それで20点を稼ぎ出せたわけですから、すごいですよね。
この姿勢が合格を引き寄せるのだと改めて思いました。

 

さて、以上、4つのパートに分けて分析考察を重ねてきましたが、各パートで申し上げた表現を組み合わせれば答案骨格は出来上がります。
その上で、英作文7つの大罪や映像授業のなかでもお伝えしたように、時制や三単現のsなどに注意しつつ、スペルミスやピリオド付け忘れといったポカミスを犯さないように最後の仕上げを細心の注意を払ってしていきましょう。
決して最後の最後まで油断はしないでください。
人はミスを犯す動物だという認識のもと、何度も何度も見返しましょう。

 

それでは、ここで、いくつかの答案例を示したいと思います。

これなら私にも書けるかもと思わせてくれる答案例

① Actually, we are tired of everything that is usual and common. Therefore, everything that is new or uncommon changes our lives and makes us happy.

② In fact, we get bored because the same things appear again and again, so everything that is new or uncommon changes our lives and pleases us because it looks unusual.

 

こんなのを書いてみたいと思わせてくれる答案例

 ① We are really tired of the same routine. Therefore, anything new and uncommon makes our lives fulfilling and we become excited for a while.

 ② We are actually fed up with everything usual and ordinary. When we see something new and uncommon,  we can change our lives and become happy for a while.

 

ちなみに、本問の原典をあたってみたところ、実際の英文は以下のものでした。

We are indeed, so often conversant with one set of objects, and tired out with so many repeated shows of the same things, that whatever is new or uncommon contributes a little to vary human life, and to divert our minds, for a while, with the strangeness of its appearance.

https://philosophy.lander.edu/intro/articles/addisonart-a.pdf

いやあ、今から300年前の英文ということもあって、なんとも難解な英文です。こんなの書ける受験生はいませんので、ご安心ください(笑)

chatGTPが考えた答案例

① In fact, we are tired of seeing the same things appear again and again, so anything new and uncommon, by the strangeness of its appearance, can for a while change human life and entertain our minds.

② In fact, we grow weary of seeing the same things appear over and over again; therefore anything new and unusual, by the strangeness of its appearance, can for a time alter human life and delight our minds.

なお、chatGTPに関しては、以下の記事もよろしければご覧ください。

いま話題のAI学習システム chatGTPは東大対策に有効!?

 

選択肢問題について

今年度初登場の穴埋め問題についても、ポイントをお伝えしたいと思います。
問題文を再掲します。

 文脈を考慮しながら、本文中の括弧内の内容を英語で表現せよ。

  Everything is new or uncommon raises a pleasure in the imagination, because it fills the soul with an agreeable surprise, gratifies its curiosity, and gives it an idea of which it  was not before possessed.
(実際に我々は,同じ物事が何度も繰り返し現れるのに飽き飽きしているので,新しく一般的でないものならば何でも,その外見の奇妙さによって,しばらくのあいだ人間の生活を変え,我々の心を楽しませてくれるものだ。) It serves us for a kind of refreshment, and takes off from that satiety we are apt to complain of in our usual and ordinary entertainments. It is this that bestows charms on a (   ⅰ   ), and makes even the (   ⅱ   ) of nature please us.

 (アディソン “The pleasures of the imagination” を一部改変)


gratify  : satisfy
satiety  : the condition of feeling that you have had enough of something
bestow : give

難しいのは(ⅰ)に入る語句の特定でしょう。
(ⅱ)に関しては、自然の何が私たちを喜ばせるのかと問われています。
文脈上、とにかく、new or uncommonであることが重要だと言っているわけです。
予測不可能なものが良いわけですね。
となると、imperfectionsになるのではないでしょうか。
人の顔をした大根のように完璧ではない自然界の一面が、新鮮に思えるわけです。
自然には確かにbeautyはあるのですが、それですと本文でいう「意外性」「斬新性」を説明しきれてはいません。
patternsに関しては、パターンに当てはまるものだと、「同じ物事が繰り返し現れる」の例になってしまいますから、私達はpleaseしないはずです。
(ⅱ)がimperfectionsで決まると、(ⅰ)の候補はdaily lifeかmonsterとなります。
bestow charmsというのが不明瞭ではあるのですが、おそらく多くの受験生が陳腐な日常生活に華を添えられたと考えdaily lifeを選んだはずです。

ただ、本文にある「外見の奇妙さによって」「一般的でないものなら」の例として(ⅰ)が与えられていると考えるなら、monster(化け物)が適しているとも言えそうです。
どちらにも取れる問題を出すなんて酷いと思われたかもしれませんが、やはりc)が正解にすべきです。

なぜなら、(ⅰ)と(ⅱ)を含む一文の構造を考えて見ますと、強調構文がとられthisというものが(ⅰ)を魅力的ものとし、(ⅱ)でさえ私たちを喜ばせるものにしていると言っていますから、ⅰとⅱには同種のものを並列させた関係を見出せます。
imperfections(不完全なもの/良くないと一般的に考えられているもの)と同種なものはmonsterではないでしょうか。
daily lifeが完全か不完全かは人によりますが、monsterは間違いなくマイナスイメージの単語として考えられているはずです。
以上より、正解はc)となります。

 

解きっぱなしで終わらせない。2026東大英語2Bの復習用重要表現集。

せっかくですから有益な表現を皆様に吸収していただければと願っております。

同じ物事が繰り返される日常 (a daily life in which the same things are repeated day after day) は、一見すると安心かつ安定したもののように思える (may seem safe and stable at first)。
多くの人は、変化の少ない生活を送ることで心の安定を得ようとするものだ (many people try to feel secure by living a life with little change)。
だが、そのような生活が長く続くと (if such a life continues for a long time)、しだいに刺激を失い (it gradually loses excitement and stimulation)、人は新しいことに対する興味を感じにくくなってしまう (people begin to lose interest in new things)。
毎日のように同じ場所へ行き (go to the same places every day)、同じ人と話し (talk with the same people)、同じことを繰り返していると (repeat the same activities)、生活は単調なものになり (our lives become dull and monotonous)、ただ時間がむげに過ぎていくだけのように感じることがある (we may feel that time is simply passing by)。

 

その結果、私たちは自分の生活に意味を見出せなくなり (we may no longer find meaning in our daily lives)、何のために努力しているのか分からなくなることさえある (and may even wonder what we are working for)。このような状態が続くと (if this situation continues)、人は生きる意欲や目標を失ってしまう可能性もある (people may even lose their motivation and goals in life)。同じことだけを繰り返す生活には、知らないうちに私たちの心を弱くしてしまう危険があるのだ (there is a danger that such a routine life can weaken our minds without us noticing)。

 

その一方、見慣れぬ新しいもの (something new and unfamiliar) や、ありふれてはいないもの (things that are uncommon) に触れると (when we experience such things)、私たちの心は強く刺激される (our minds are strongly stimulated)。
たとえば、新しい場所を訪れたり (visit a new place) や、今まで知らなかった文化や習慣と巡り会ったり (encounter cultures and customs we have never known before) することで、私たちは多くの気づきを与えられる (give us many discoveries)。
世界の広さを実感し (we realize how wide the world is)、自分が知らないことがまだたくさんあると気付く (notice that there are still many things we do not know)。

 

新しい経験は私たちの視野を広げ (new experiences broaden our perspectives)、物事をさまざまな角度から考える力を育ててくれる (help us think about things from different points of view)。それだけではなく、未知のことに挑戦することで (by challenging ourselves with unfamiliar things)、自分のまだ知らぬ可能性を発見することもある (we sometimes discover our own potential)。こうした経験は、私たちに自信を与え (such experiences give us confidence)、新しいことに挑戦する勇気を持たせてくれる (give us the courage to try new things)。新しい経験は私たちの心を喜びや驚きで満たし (fill our hearts with joy and surprise)、毎日の生活に新しい意味を与えてくれもする (give new meaning to our everyday lives)。たとえ小さな経験であっても (even if the experience is limited)、それが私たちの考え方や感じ方を変えることがある (it can change the way we think and feel)。そうした積み重ねによって (through such experiences)、私たちは少しずつ成長していくのである (we gradually grow as individuals)。

 

このように、見慣れぬものや新しい経験に触れること (experiencing something new and uncommon) は、私たちの人生をより豊かで意味のあるものにしてくれる (make our lives richer and more meaningful)。
だからこそ、私たちは時としてありふれた生活から一歩外に飛び出し (step outside our usual routine)、新しい世界に目を向けることが大切なのである (turn our eyes to a new world)。
そうすることで、私たちは人生の楽しさや価値をより深く感じることができるのである (we can feel the joy and value of life more deeply)。

 

東大和文英訳対策 類題演習題材のご紹介〜入試問題良問選〜

本稿の冒頭でも申し上げた通り、世の中には和文英訳の問題は腐るほどあるも、東大の和文英訳に類似した問題はなかなか入手できません

そこで、東大受験生の皆様が少しでも和作文の訓練ができるよう、他大学の過去問をピックアップしてご紹介したいと思います。

次の文章を英訳しなさい。

むべき道を決めるには,事前に入念に検討し, 最も満足のいく選択をしたいものだ。ただ,その道が本当に当人に実りをもたらしてくれるかどうかを知るには、ある程度の時間をかけて実際に経験するほかない。 ここに避けがたい試練がある。 岐路に立った時,その選択の先には想像もつかない世界が待つに違いないと腹をくくることも時には必要だろう。

京都大学2026

(敬天塾コメント)

いやあ、さすが京都大学です。
まるで、受験会場で試験に臨む受験生への応援メッセージのようにも読み取れました。
中身の面でも「岐路」や「腹をくくる」といった表現は、まさに和作文しなければ英訳できないですね。

ちなみに、2021年の英訳問題も、受験生の心を温めてくれるメッセージでしたので、せっかくですからご紹介したいと思います。

次の文章を英訳しなさい。

言うまでもなく、転ばぬ先の杖は大切である。しかし、たまには結果をあれこれ心配する前に一歩踏み出す勇気が必要だ。痛い目を見るかもしれないが、失敗を重ねることで人としての円熟味が増すこともあるだろう。あきらめずに何度も立ち上がった体験が、とんでもない困難に直面した時に、それを乗り越える大きな武器となるにちがいない。                                                    

京都大学2021

いかがでしょうか。歴史に残る名文だと思いました。
京大はリスニングや物語文や正誤問題といった問題がない分、一題一題がとてつもなく歯ごたえのある問題で構成されており、その分、学びも多いと言えます。

ちなみに、東京大学が自由英作文の出題数を減らして20年ぶりに和文英訳を復活させた2018年に、京都大学はその反対に和文英訳の代わりに自由英作文をいきなり2題構成で出題しました(翌2019年には早々に和文英訳を復活させましたが)。
両大学は入試問題づくりにおいても実に興味深い共通点や相違点がありますので、時間が許す限り5年分くらいは各教科で目を通しても良いと思います。
なお、東大2022〜2025過去問実況中継のなかでも、良質な類題をご紹介しておりますので、併せてご参照ください。

 

では、引き続き、大阪大学の問題をご覧いただくとしましょう。

次の下線部を訳せ。

ヒトが感じる音は, 「耳でとらえられた音波が脳に送られ, 脳内での処理を経ることで知覚される感覚」 と定義できる。 ここで注意したいのは, 「脳で生じる音の感覚」には個人差が大きいということだ。 同じ音が, 人によって高く感じられることもあれば、 別の人にとっては低く感じられることもある。 同一個人でも音の感じ方は状況によってことなることがある。

大阪大学2025

 

実験科学の世界では,仮説にぴたりと合致するような結果が得られることはまずないといってよい。 その際、ほとんどの研究者はこう考える。 自分の仮説は間違っていない。 ただ, 実験の方法がよくないから、よいデータが出ないのだと。 そこで条件を少しずつ変えて、 繰り返し実験を行うことになる。 しかし, ほとんどの場合, 実験がうまくいかないのは、実は, 仮説そのものが間違っているからなのだ。だが, 研究者は頑迷なので自説に固執してしまう。 かくして膨大な時間と試行錯誤が浪費される。 なので,科学研究にほんとうに必要な才能は,天才性やひらめきというよりは、むしろ, 自己懐疑, (失望に対する) 耐性、潔い諦め、といったものとなる。

(敬天塾コメント)

こちらも、なかなか歯ごたえがありそうです。
「個人差が大きい」「ひらめき」「潔い諦め」・・このあたりは、直に英訳することはできません。
日本語と英語が1対1対応していないことがよくわかる問題ですね。
余力のある方は、ぜひ京大や阪大の和文英訳にもチャレンジされると良いでしょう。

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