2026年東大英語(第1問B 文挿入)入試問題の解答(答案例)・解説
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(編集部注1)難易度の評価など、当日解いた所感はこちらをご覧ください。
(編集部注2)実際の入試問題入手先
本解説記事を読むにあたって、事前に入試問題を入手なさることを推奨します。
※入試直後は新聞社のページから入手できます。
しばらくすると、新聞社からは入手できず、東大HPからは入手できるようになります。
・産経新聞解答速報 https://www.sankei.com/article/20260226-7GXVJBPYIBC6TDSA7ZNXH27TQQ/?outputType=theme_nyushi
・東京大学HP https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_04.html
東京大学英語の陣頭を飾る英文要約とともに第1問の双璧をなす1B文挿入は、得意不得意が大きく分かれる大問の一つだと言われています。
その理由には幾つか考えられますが、1Bに対するアプローチが確立できていないことが大きいのではないかと感じています。
この点、「1Bにはセンスがいる」「パズルのように解けばいい」等とアドバイスをされる合格者の方も巷には多くいらっしゃいますが、お気になさらないでください。
東大教授がなぜ1Bを要約と同じ第1問に配置しているのか、
なぜ文挿入の問題を出題するのかようになったのか、
それらの意図に気付き、正しい訓練を施せば必ず点数は取れるようになります。
人間に解ける問題であれば、あなたにも必ず解けますし、解けるように出来ています。
この際に大切なことは、必ず東大過去問を用いて訓練することです。
模試は設問数と出題形式だけを似せたものに過ぎません。
コピーは決してオリジナルには勝てません。
なお、2022年〜2023年の東大過去問については、世にも珍しい訓練ドリルと復習ドリルをご提供しております。
解説につきましても、日本一詳しく書いたつもりです。
ぜひエッセンスを貪欲に学ばれてください。
(ドリルは映像授業に入っています) ↑ まずは目次と無料部分だけでもどうぞ
本稿で扱う2026年度につきましては、要点解説ということでライバル達に差をつけられるポイントに絞って解説をいたします。
汎用性の高い解法や、東大英語を絶対的得意科目にするための訓練プログラムをお知りになられたい方は、敬天塾の映像授業と過去問実況中継解説をぜひご活用ください。
それでは、2026年度1B文挿入の要点解説を始めたいと思います。
目次
- 所感
- 思考プロセスの概略
- 思考プロセスの詳細
- 空所(1)よく考えもせずthe external worldに飛びついて正解した受験生もいたかもしれません。
- 空所(2)空所の前後を読むだけで答えを定めることはできました。ただ、文章内容が少し抽象的ですので、何が言いたいのかよくわからず精読をうまく試みることができなかった受験生もいたことでしょう。
- 空所(3)空所の後ろに書かれているsuch mattersに注目できると即答できたかもしれません。
- 空所(4)こちらは比較的解きやすかったです。対比構造をきちんと把握できれば即答できる1問でした。
- 空所(5)う〜ん、締めの1問も空所(1)と同様に何らかのワナが隠されているのではないかと悩みました。
- 【さらに深く学びたい方のために】
所感
2026東大英語に関しましては、1Aや5の難化が世間で話題になっていますが、実のところ1Bの文章も若干読みづらく必ずしも平易だとは言えませんでした。
正直、これはサービス問題だと言えるような大問はなく、あくまで他の大問との相対評価の上でしか語れないのが実情です。
第1問から順当に解いていくスタンスの受験生にとって、今年度の1A英文要約は過去最高レベルで難しかったですから、そうしたなか1Bの文章までもが小難しくなっていた現実を前に、序盤で心が折れてしまった方も相当数いたはずです。
ただ、過去問探究をしっかりなさった方であれば、抽象度の高い文章が出されたとしても、1Bでは即答できる空所が2〜3個は必ずあることや、抽象度の高い問題の時ほど紛らわしい選択肢が少ないことが多いことは経験しているはずです。
今年度で言えば、ダミーの選択肢が例年より1つ多くはなっていますが、並べ替え問題の難易度もここ数年では比較的マイルドなものに収まっていましたし、わりと即答できる空所も例年通り3箇所はありました。
東大教授としては、あまり平均点が下がってもらっても困るということで、随所に「やさしい問題」を盛り込んでくださっているのでしょう。
今年度の東大英語の難度を考えますと、やはり1Bで確実に点数を取らねばなりませんでした。
どの大問に救われるか分からないのが東大英語の特徴ですので、最初から捨て問をつくることなく、各大問の制覇に向けた対策を早期に実施するよう心がけてください。
思考プロセスの概略
2026年度の1Bは6段落構成となっており、モノという概念に関する人間の認知特性について述べられています。
空所の数は5つで、選択肢は7つありますのでダミーは2つとなっています。
これは、例年より多い数です。
ご参考まで、現行の文挿入形式が始まってからのダミーの選択肢数や長文語数などの推移を列挙しますと、

このようになります。
扱われる題材は概ね社会科学系と自然科学系の文章が半々で、長文語数は800words前後が主流(選択肢も含めますと1000wordsを超えることも多いです)だと言えます。
空所補充のほかには、並べ替え問題が主流となっていますが、第5問の並べ替えが2025〜2026年と2年連続で出題されなくなりましたから、もしかしますと1Bから消えるのも時間の問題かもしれません。
それでは2026年1Bの中身に目を向けるとしましょう。
まずはじめに、どういう内容の文章かを見定める必要がありますから、第1〜第3段落までは少し丁寧に読みました。
ただ、時間がなければ、映像授業の中でご紹介しているスキミング解法で攻め落とすことも有効打となりえましょう。
そうして読み進めていったわけですが、どの選択肢も瞬殺できるようなものではありませんでした。
抽象-具体の関係から絞ったのが(2)(3)(5)で、対比関係から絞ったのが(4)、呼応表現やキーワードに着目してアプローチしたのが(1)(5)ではありました。
ただ、(1)や(5)につきましては、空所前後のキーワードがそのまま入っている選択肢を安易に選んでいいのだろうか、これは東大教授が仕掛けた「罠」ではないのだろうかと最後まで不安な気持ちでした。
講師の私でも、このような心境に陥るわけですから、受験生の皆さんは試験会場でかなり焦ったことでしょう。
頭に血がのぼってしまうと冷静に解けなくなってしまいますから、パニックを起こした時には、一旦捨てて、後から余った時間で再度吟味検討する勇気も大切です。
思考プロセスの詳細
まず、東大側が作成した選択肢から見ていくとしましょう。
a) but people can hardly avoid pondering the relations between things.
しかし人々は物事の間にある関係について考えずにはいられない。
b) it is certainly true that such a fundamental relationship is essential for human society.
確かに、そのような根本的な関係が人間社会にとって重要だというのは事実である。
c) more than ever in the internet age, the human mind must be prepared to deal with unexpected relations between things
インターネット時代において、これまで以上に、物事の間にある思いがけない関係に人間の心は対処できるように備えなければいけない。
d) of course, we have good reasons to believe the external world is “real“
もちろん、外の世界が実際に存在することを信じるに足る理由が私達にはある。
e) there is always a physical base that unites things and makes a relation possible
物事を結びつけ、関係を可能にする物理的な基礎部分は常に存在している。
f) we can talk about the latest fashion trend, or post–capitalist society, as if that were something we could potentially point to or hold in our hand
私達は、最新の流行ファッションや、ポスト資本主義社会について、あたかもそれが実際に指差したり、手に取ったりできる何かのように語ることができるのである。
g) we love to talk about things that have no real names, and the vaguest of boundaries
私達は、実際の名前がなく、境界も極めて曖昧な物事について、語ることを好んでいる。
以上、7つの選択肢が与えられ、本文中の空所が5つですから、2つがダミーだということになります。
さて、私はまず各選択肢をざっくりと斜め読みすることから始めるのですが、やたらthings(物事)というワードが出てきますので、本文のテーマなんだろうなとは思いました。
ただ、ダミーの選択肢のせいもあって、選択肢先読みだけでは本文の概略をうまくつかめませんでしたので、順当に第1〜第3段落のうち、特に段落の冒頭と末尾や、それに疑問文やディスコースマーカー(howeverやthereforeといった論理を紡ぐキーワード)を重点的に拾いながら読み進めていきました。
それでは、各空所に対して、どのようなアプローチをしたのか申し上げたいと思います。
空所(1)よく考えもせずthe external worldに飛びついて正解した受験生もいたかもしれません。
空所(1)は第3段落に位置しています。
空所の直前では、観測者の頭の中に、物事の関係が存在していると述べられています。
そして、空所(1)がくるわけですが、この空所(1)だけで文が完結しているわけではなく、but we know it through our mental representations of it.までが一文となっています。
当然注目すべきはbutですよね。
but以下では空所(1)の直前の内容と同様に、頭(mental)の中で理解しているとありますから、空所(1)には頭の外の世界、則ち、実際の世界の話が来ることが推測できます。
仮にわからずとも、第3段落の最後にも、but以下の内容と似たような表現が登場しています。
Seeing an analogy won’t change the external worldーit will just change your mental representation of itと来ています。
この対比関係から、おそらく、選択肢d)が来るのかなと思いましたが、d)のなかに第3段落最後のthe external worldが書かれている点が気になりました。
則ち、よく考えもせず、キーワードに飛びつこうとする受験生を蹴落そうとする罠なのではないかと心配になったのです。
念のため、他の選択肢も読んでみますと、頭の外の世界なのだから、物理的な世界のことを指すとも言え、e)の可能性を疑いもしましたが、e)でいうところのmakes a relation possible(関係を可能にする)とは一体何の話をしているのか、いまいちよくわからなかったところでした。
ひとまず、暫定的にd)を仮解答と定めて、次の空所まで読み進めることにしました。
なお、d)の決め手としては、of course〜butという譲歩構文における呼応関係にも注目しました。
この点、選択肢b)にもcertainlyはあるのですが、human societyに絡む内容が第3段落には書かれていませんでしたので、いったんハジくことにしました。
空所(2)空所の前後を読むだけで答えを定めることはできました。ただ、文章内容が少し抽象的ですので、何が言いたいのかよくわからず精読をうまく試みることができなかった受験生もいたことでしょう。
第4段落の中盤に位置する空所(2)は直前に、But beyond physical objects(物理的な物体という枠を超えて)〜の内容が書かれています。
その内容を受けて(2)があり、さらには、直後から延々と具体例が書き連ねられています。
(2)の直後に逆接関係を示すディスコースマーカーもありませんから、おそらく(2)と後続の文章との間には同格関係、抽象具体の関係(抽象的な内容を空所で挙げ、その中身を後ろの部分で説明する関係)があるのではないかと踏んで、分析をしました。
空所(2)の後ろでは、しきりにthingという単語が登場し、最後にはWhy is that even a thing?(なぜ、それも物事だと言えるのか)と来ています。
空所(2)の前にbeyond physical objectsと補足がなされていますので、物理的な物体じゃないのに、なんでもかんでも[thing]と言ってしまうことに疑問提起をしているのかなと考えられれば、選択肢g)が筆頭候補に上がってくるのではないでしょうか。
まどろっこしいのは、選択肢f)ではありますが、最新の流行ファッションやポスト資本主義社会について、第4段落では言及されていませんので、ハジきました。
空所(3)空所の後ろに書かれているsuch mattersに注目できると即答できたかもしれません。
いよいよ、第5段落に進みます。
冒頭のhumans have extended the notion of an object to encompass all kinds of thingsは、第4段落の内容を端的に要約してますので、第4段落と第5段落は内容的に連関しているのだろうと予測ができます。
その流れで空所(3)がくるわけですが、注目すべきは、直後にくるThis isn’t thinking by analogyから始まる一文です。
その中でも、discussing such matters(そのような問題を議論する)という複数形で書かれた部分に着目できると、選択肢を一気に絞ることができたでしょう。
議論をするようなsuch mattersにあたる何らかの具体的なテーマについて、第5段落には書かれていないのです。
第4段落の末尾にはいろいろと具体例が書かれていますが、such mattersまでは距離がありますので、それを受けていると考えるのは尚早です。
となれば、空所(3)に2つ以上の具体例がくるのではないかと予測を立てて選択肢をチェックしてみると、選択肢f)がありました。
空所(4)こちらは比較的解きやすかったです。対比構造をきちんと把握できれば即答できる1問でした。
空所(4)は最終段落の前半に位置しています。
(4)の直前には、no individual thing would have anything to do with any other thing(個々の物事は、他のものとなんら関係がない)と来ています。
ただ、(4)の後ろではwe tend to consider how these things are related(物事がどのように関係しあっているのか考える傾向に私達はある)と真逆の内容が来ていますから、この空所(4)には前文を否定する内容が来なくてはいけないと推測できます。
となれば、butで始まる選択肢a)が筆頭候補になり、内容面でも空所(4)の後ろの文と矛盾しませんから、a)を確定して良いと判断しました。
これは、一番自信をもって選べた選択肢でした。
空所(5)う〜ん、締めの1問も空所(1)と同様に何らかのワナが隠されているのではないかと悩みました。
ラストは最終段落の最終行に位置する空所(5)です。
インターネット(the internet)やらミシシッピ(Mississippi)やらワニ(alligator)やら、急にいろいろ名詞が登場するのが第6段落の後半です。
空所(5)が第6段落の末尾に位置していることからしますと、直前部の具体例に対する総括が来そうです(要するに抽象具体関係にあるということです)。
第6段落の冒頭にconsider the relations between thingsとあり、中盤の空所(イ)の直前にも同内容が書かれ、そののち、これを大きく覆すようなことは書かれていませんでしたから、となれば、空所(5)にも物事の関係を考えるといった内容が来るべきことはわかります。
ただ、ワニやらインターネットやらが何のために挙げられた例なのは判然とせず、選択肢を読むことで把握するしかないと思いました。
まず目にとまったのは、選択肢のc)です。
intetnet ageという表現もそうですが、deal with〜relations between thingsという内容も第6段落全体の核心と外れてはいません。
目新しいものとしてはunexpctedという表現でしょう。
確かに、女の子がワニとお散歩したり、ミシシッピ川をカボチャボートで旅するというのは普通ではありません(笑)から、unexpected(想定外/思いもしない)といって良さそうです。
ただ、空所(1)の時もそうでしたが、空所近くにinternetという空所の中にあるキーワードと同じものがあり、しかも、これが正解の選択肢だというのは、あまりにサービスしすぎなのではないかと思いました。
東大英語部会としては、本文を少し読みづらくした分、選択肢のつくりを雑に(当て勘でもあたるように)したのかもしれません。
本文を全く読まずキーワード拾い読みで答えを出した受験生は、空所(1)と(5)の答えをらくらく選べたでしょう。
ただ、どの年でも、このやり方が通用するわけではありませんので、変に定式化しないようにしてください。
以上より、(1) d) (2) g) (3) f) (4) a) (5) c) が正解となります。
なお、並べ替えについては
noticing that two things are unrelated creates a kind of relation
が正解となります。
例年よりだいぶ簡単だったと思います。
Even ( イ ) between them.が一文となっています。
まず、この手の問題で真っ先に注目すべきは語群の動詞です。
メインの動詞は、creates とareになっていますね。
createsに三単現のsがついていますから、主語は単数形の名詞や動名詞がくることがわかります。
となりますと、noticing thatしかありません。
noticing that( )createsという大きな構造がまずは出来上がります。
次に、that節のなかにもSV関係ができますから、まだ使っていない動詞を探します。
すると、areが見つかります。
areを受ける複数形の名詞を探しますと、two thingsが見つかります。
noticing that two things are ( ① ) creates ( ② ) between themという構造が浮かび上がってきました。
残る語句はa kind of / relation /unrelatedとなります。
まず①には名詞か形容詞を入れたいところです。
さらに、a kind ofの後ろには名詞が必要です。
となりますと、①にunrelatedを、②にa kind of relationとするのが良さそうです。
between themとの繋がりを考えても、②にrelationを入れて間違いはないでしょう。
このように、無機質に並ぶ語群を、まずはグループ分けすることから始めるのが並べ替えの鉄則です。
その際、文構造や品詞から絞り込む思考は4Aや5でも求められている能力ですので、基礎の復習を徹底しましょう。
いかがでしたでしょうか。
市販されている過去問集とかなり違った切り口に驚かられた方も多いと思います。
なお、冒頭でも申し上げましたが、2022年〜2024年度の過去問に関しては、より詳細な思考プロセスをご案内しておりますので、ぜひ併せてご参照ください。
《東大英語 第1問B 文挿入(段落整序)の記事一覧はこちら》
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