2026年東大英語(第2問A 自由英作文)入試問題の解答(答案例)・解説
(編集部注1)難易度の評価など、当日解いた所感はこちらをご覧ください。
(編集部注2)実際の入試問題入手先
本解説記事を読むにあたって、事前に入試問題を入手なさることを推奨します。
・産経新聞解答速報 https://www.sankei.com/article/20260226-7GXVJBPYIBC6TDSA7ZNXH27TQQ/?outputType=theme_nyushi
・東京大学HP https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_04.html
以下の問いに、60~80語の英語で答えよ。
What does it mean to be strong?
東京大学2026年
目次
【2026年東大自由英作文総括】
「強さとは何か」という非常にシンプルな問題が問われました。
この問題を目にした瞬間、私は宮沢賢治さんの雨ニモマケズを反射的に思い出しました。
ちょっとした英訳例を後述いたしますので、ご笑覧いただけますと幸いです。
さて、偶数年に抽象度の高い問題が出題されることが多い東大英作文の傾向は今年も健在のようです。直近の偶数年の問題を概観しますと、
- (2018年) 人は誰かを通してでしか自分を知ることはできないのか。
- (2020年) 私達は言葉を操っているのか。それとも、言語に操られているのか。
- (2022年) 芸術は社会の役に立つべきか
- (2024年) 自転車OR紙は人類の最も偉大な発明の一つと言えるか
と問われました。
2024年だけイレギュラーではありますが、その他は概ね抽象度の高い話題だと言えそうです。
ちなみに、他大学の入試問題をご紹介いたしますと、
- 人として最も恥ずべき行為とは何か (阪大2026)
- 今の世の中で最も不足しているものは何か(阪大2025)
- “An education changes your mirrors into windows.” Explain what this quote means.(一橋2015)
- 知識は力なりとはどういうことか(阪大2016)
あたりが抽象度の高い問題のように思えます。
強さとは何か、愛とは何か、正義とは何か…こういった根源的な問いに対しては無数に答えが思い浮かびますから、考え込もうものならいくらでも時間が過ぎ去ってしまいます。
ですが、120分で8種類もの大問を解かなければならない東大入試において、哲学的なお題に対し根源的な答えを示す力が求められているのでしょうか。
そもそも、答えが出ないから「哲学」なのです。
先にも申し上げた通り、1つの問題に執着することなく、取れる問題を確実に取りに行くことで総合得点の最大化を図るべきが東大英語の本髄ですので、シンプルかつミスのない答えを紡ぎ出せたら十分なのです。
具体例を多めに盛り込んで語数を稼いだり、「強さ」を自分に都合よく解釈したり(=頭の中に入っているストックネタをベースに答案骨格を考える)することが合格ポイントでした。
今年度は第1問A(英文要約)と第5問(物語文)が超絶に難化し、1B文挿入や第4問ABにおいても文章が例年より難解になり、かなり苦戦されたはずです。
その反面、2A自由英作文、2B和文英訳、3リスニングあたりは他の大問に比べれば比較的と解きやすかったですから、これらをガッツリ取れたかで勝負は決まるように思えました。
つまり、この2A自由英作文は、合格者と不合格者の間で大きく差がついた可能性が高い1問となったわけです。
総括の最後にちょっとしたアドバイスをいたします。
受験生のなかには、わりかしすぐに書く内容のアイディアが浮かんだ方も多いと聞きます。
ですが、スピーディーにアイディアが思い浮かぶことと、確実に点数が取れることは同義ではありません。
小難しい表現を用いて語法やスペルのミスを犯したり、素晴らしい論理構成を考えようとするあまり他の大問に時間を回せなかったり、あれもこれも書きたいと欲するあまり問いに「正確に」答えることを忘れたりと、解きやすい問題が出されたからと言って必ずしも良いこと尽くしではないのです。
TOEFLのライティングや秋田国際教養大学の自由英作文入試のように300words以上の英文を書くわけではありません。
あくまで60〜80語で端的にお題に答えて点数を確実に奪取することが勝者の戦略です。
3年前の東大英語105点取得者の話では、東大英作文は単なる文法問題だと考えているとのこと。
つまり、凝った内容を書く創作コンクールではなく、あくまで、文法ミスのないようシンプルかつ無難に問いに答えさえすれば良いという思考です。
また、111点合格者の方が言うには、自分なりの論証ブロック(あるお題に対して、自分がベストだと考える英語答案を事前に作りテンプレ化したもの)を数十本以上作成した上で、入試ではそれらのストックから使えそうなものを援用して問題に対処していたとのこと。
もちろん、人それぞれに合うやり方はありますので、結局は個々人で模索しなければいけないところではあるのですが、共通して言えることは、小難しい表現や複雑な論理構成を用いてはいないということです。
書きたいことより、確実に点数が取れることを書く「妥協」も、東大2A自由英作文では求められます。
その他、英作文において注意すべき点については、「英作文7つの大罪」と題する記事でも述べているところですので、併せてご参照いただけると幸いです。
【本問の戦略的な位置づけ】
東京大学は各大問の配点を公表していませんのでハッキリしたことは言えませんが、受験生の再現答案と開示成績をみるにおそらく20〜25点前後は第2問に割り当てられていると思います。
東大英語は120分で120点分の問題と向き合わなければならない試験であるところ、単純計算で言えば、1分で1点を稼ぐスタンスで臨まなければなりませんので、英作文には20分近く割けることになります。
【東大英語2A自由英作文が苦手な人向けのプチアドバイス】
先にお伝えした通り、東大第2問は重要な大問であるにもかかわらず、多くの受験生は英作文に苦手意識を持っています。
それはなぜでしょうか。才能がないからでしょうか。
いいえ、訓練が足りないからです。
【ポカミスデータベースづくりのすすめ】
〜ポカミスを軽んじる者、入試で涙する〜
【東大自由英作文出題トピックリスト(テーマ一覧)1995年~2026年32年分】
それでは、ここで、過去に東京大学で出題された自由英作文リストをご覧いただくとしましょう。

今年度とまったく同じ問題はありませんでしたが、
2011年2B「他人の痛みは理解できない」のネタを応用して「他人の痛みを自分の痛みのように感じ取り、相手に寄り添うことが強さだ」と表現することもできたでしょうし、
2001年2A「死に対して抱く人間と動物の相違点」のネタを応用して「死ぬことがわかっていても堂々と自分の人生を生き続けようとする姿勢こそ強さだ」と表現することもできたように思えます。
仮に使えそうなテーマが思いつなかったとしたなら、自分にとって都合がいいように設問文を変えたうえで、具体的なエピソードを書くことで語数を稼げば良いのです。
そのためにも、「強さ」を「優しさ」と置き換えたり、「強さ」を「信念を貫く姿勢」と置き換えたりすることが重要です。
2B和文英訳の実況中継解説でもご案内している「和作文(英訳しやすいように与えられた日本語を別の日本語に言い換えたうえで、英訳を試みる作業のこと)」スキルが本問でも活かせそうです。
2020年や2022年に抽象度の高い問題が実際に出されているわけですから、この手の問題に対するアプローチをレシピ化できていた受験生にとってはサービス問題とも言える問題だったのではないでしょうか。
東大英作文は、事前準備の「差」が、点数の「差」に繋がるのだと今年度も証明されました。
それでは実際に、受験生が試験会場でどのような答案構成を考えたのかご覧いただくとしましょう。
【受験生の答案骨格比較】
(Aさん)
強さとは、自分がつらい境遇にいたとしても、相手のことを思って優しく寄り添えることを意味すると思います。私の両親は、どんなにか生活が苦しくても、どんなにか仕事のことで思い悩んでいても、いつも私の前では笑顔を絶やさず、私に寄り添ってくれました。私もいつの日か両親のような「強い」人になりたいと心から願っています。
→ 非常に素晴らしい内容ですね。親御さんも泣いてしまうのではないでしょうか。
このようにシンプルな内容に落とし込んで書くことが抽象度の高い問題に対しては重要です。
哲学的なお題に対して、哲学的に答えようとしようものなら10年あってもたりません。
先程も申し上げた通り、答えが出ない問題だから「哲学」なのです。
それゆえに時間制約の厳しい東大入試にあっては、とにかくシンプルで、ミスのない、論理矛盾を起こしていない答案を心がけてください。
ちなみに、この方はネタストックをしていたこともあり4分程度でサクッと書き上げられたそうです。
今年度のように多くの大問が難化した年に、英作文を高速で仕上げられるというのは凄まじいアドバンテージになることは言わずもがなです。
(Bさん)
強さとは、重たいものでも容易に持ち上げられる体力や力強さを意味すると考える。私はいつもジムに行って、筋肉をムキムキにすることをモットーにしている。体力さえあれば、たいていのことは成し遂げられる。私は充実した体力のおかげで、これまでの人生を実り多きものにできた。体力がなければ何事も始まらない。アグレッシブに生きるためには、何よりもまず体力が不可欠なのである。
→思わず笑ってしまいましたが、お題にはちゃんと答えられています。
変に深追いして考えるより、これくらいシンプルなほうが明瞭で良いかもしれません。
文法ミスもありませんでしたから、高得点を奪取することができそうです。
(Cさん)
強さとは一意的に定められるものではない。状況に応じて、強さの意味は変わってくる。たとえば、信念を貫くというのは強さの象徴だと考えられがちだが、時としてそれは頑固で偏屈なことを意味することもある。相手のことを思って色々なサポートをしたつもりでも、相手が嫌がれば、それは単なるハラスメントにもなる。強さとは明確に定められないものなのであり、相手や状況次第で変化していくものだと私は考える。
→これまた、面白い切り口ですね。かなり語彙レベルが高いですから、不慣れな単語を用いてスペルミスや語法ミスを犯すリスクは高まりますが、よく書けていると思います。
ただし、この答案を考えるのに15分も練ったそうなのですが、これはいけません。
今年の問題セットを考えますと、英作文に多くの時間を割くのは賢明ではないからです。
起案に15分を要したということは、答案を実際に書く時間も含めますと20分は要していることになります。
リスニングの前に解いたのか後に解いたのかは定かではありませんが、他の大問とのバランスを考えますと、起案は5分以内に終わらせたかったところです。
いかがでしたか。3名の答案骨格をご紹介いたしましたが、東大教授は9000人分の答案を精査するのですから、きっと様々な切り口を目にされていることでしょう。
とにかく大事なのは、お題に答える姿勢を貫くことと、ポカミスのないシンプルな答案を心がけることの2点です。
過去の敬天塾過去問実況中継解説も併せてお読みいただけますと、このあたりの塩梅が見えてくると思います。
【東大2026自由英作文で役立つフレーズ集】
2026自由英作文を解きっぱなしで終わらせないためにも、「強さ」に関連した重要表現をご紹介したいと思います。
ぜひお役立てください!
この世の中、他人を蹴落として(push others down / step over others)でも強くなければ生きていくことは出来ない(Strength is necessary to survive)のかもしれません。ですが、そこに優しさ(kindness / gentleness)がなければ生きる資格はない、人生の価値そのものが失われる(life has no worth)と私は思います。
真の強さ(true strength)とは、肉体的な力(physical power / physical strength)を持っていることではありません。富や名声(wealth and fame)を持っていることでもありません。困難を前にしても(face challenges / face difficulties)、決して諦めることなく(never give up / without giving up)、何度も何度も立ち上がり(stand up again and again)、挑戦し続ける(keep trying)ことこそが、真の強さ(true strength)なのではないでしょうか。
困っている人(someone in trouble / someone in need)がいたら、たとえ自分が苦しい状況にあっても(even in hard times / even when you are struggling)、見て見ぬふり(ignore / turn a blind eye to / pretend not to see)をせず、救いの手を差し伸べ(offer a helping hand)、自分の食べ物を分け与える(share your food)など、相手に親切にできる(be kind to others)、強い心を持っている(have a strong heart)ことが強さの意味するところだと信じています。
今年の東大英作文を前にしたとき、私は反射的に宮沢賢治さんの雨ニモマケズを思い出しました。
せっかくですから、一部を抜粋して英訳を試みたいと思います。
雨にも負けず Move forward even in the rain
風にも負けず Move forward even in strong winds
雪にも夏の暑さにも負けず Move forward even in the snow and even in the summer heat
欲はなく Free from greed and not ruled by desire
決して怒らず Never lose my temper
いつも静かに笑っている Always smile
東に病気の子供があれば If a child becomes ill in the east,
行って看病してやり I rush there to nurse him
西に疲れた母があれば If a mother becomes exhausted in the west,
行ってその稲の束を負い I rush there to carry a bundle of rice stalks
南に死にそうな人あれば If a man are about to die in the south,
行って怖がらなくてもいいと言い I rush there to soothe his fears
北にケンカや訴訟があれば If someone suffers from quarrels or lawsuits
つまらないからやめろと言い I encourage him to live in peace
みなに木偶の坊と呼ばれ people call me a fool.
褒められもせず苦にもされず Though no one praises me, no one dislikes me either.
そういう者に私はなりたい。These are my life goals. I want to become the person who lives by these mottos.
いかがでしたでしょうか。
拙い訳ではありますが、お役立ていただけますと幸いです。
なお、2025年2Aで問われました沈黙も「強さ」の一つかもしれません。
敬天塾の実況中継解説で有益な表現をご紹介しておりますので、併せてお役立てください。
【chatGPTに聞いてみた!〜強さとは何か〜】
さて、ここまで、「強さ」ついて、有益な表現をご紹介してきましたが、せっかくですから、いま話題のchatGPTにも答案例を尋ねてみるとしましょう。
なお、英語表現が不自然な箇所は原文を崩さない範囲で微修正しております。
① True strength is not just about having big muscles. It is about mental fortitude when facing tough times. It means having the resilience to stand up again after failing. However, strength alone is not enough. To be truly strong, you must be kind to others. You must be gentle. Real strength is combining a strong heart with a gentle spirit. This balance brings true integrity to your life.(68 words)
② Many people think strength means never crying or showing fear. But that is wrong. True strength is having the courage to be kind to others, especially when they are weak. It means helping people without expecting anything back. Also, it is the ability to say “I am sorry” when you are wrong. Real strength is gentle, not hard. (72 words
③ Strength is not about never falling down. It is about getting up every time you fall. It means trying again even if you are afraid. True strength is doing the right thing when it is difficult. It is keeping your promises and staying true to your friends. A strong person uses their power to protect people, not to control them. (73 words)
④ Strength is not only physical power. When we think of strength, we often imagine someone who wins or never loses. However, true strength is deeper than that. It is easy to defeat others, but it is harder to face our own fears and mistakes. A strong person does not give up in difficult times and keeps trying even after failure. At the same time, real strength includes kindness. Without kindness, strength loses its true value.(75 words)
⑤ To me, strength means not giving up. Life is not always easy. We fail, we lose, and we feel sad. Anyone can quit when things get hard. But strong people choose to keep going. They try one more time, even when they are afraid. Strength is not about being perfect. It is about doing your best again and again, no matter how many times you fall.(66 words)
なお、chatGTPについては、以下の記事も是非ご参照ください。
【2026年度入試で出題された良質な自由英作文問題リスト一部抜粋】
次に、来年以降、東京大学で出されうる英作文問題について、2026年度入試問題から幾つかの良問をご紹介したいと思います。
練習に際しては、シンプルな答案構成を目指すようにしてください。本番では何十分も時間をかけられないからです。
- 大阪大学2026
あなたは人として最も恥ずべき行為とは何だと思いますか。
- 大阪大学2026
客観的な事実よりも、 個人の感情や信念に訴えかける情報の方が人々の意見形成や行動に大きな影響を与える「ポスト真実」 (post-truth) の時代が到来したと言われています。このような時代を生きる上で, 物事のありようを見極める力を養うために、学問の探究を通してどのような知性や技能を磨くことが求められると考えますか。 具体例を挙げて, 80語程度の英語で述べなさい。
(敬天塾コメント)
いやあ、相変わらず大阪大学さんは非常に良質な問題を出します。
東大よりも遥かにレベルが高いです。
特に「あなたは人として最も恥ずべき行為とは何だと思いますか」については、抽象的なお題の良い例ですので東大英作文対策にも有益です。
- 九州大学2026
良い教師に求められる3つの資質は何か。
- 京都大学2026
世界をより良くするためにできることは何か。
- 慶應 文学部2026
外国語を学ぶことによって得た、他の文化に関する最も重要な気づきは何か。
- 慶應 医学部2026
あまりに忙しいとき、あなたはどのように対処するか。
(敬天塾コメント)
メジャーな論点もあれば、意外に答えにくい論点もありました。
ぜひ起案訓練の題材にお役立てください。
【さらに深く学びたい方のために】
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映像授業【東大英語 第2問A 自由英作文】
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