予備校の活かし方 授業の活用法
予備校生活に入られて日も浅いと思いますが、講師目線から、そして受験生視点から、こういうことに意識していれば予備校を有意義な活かせられる重要視点を5つのカテゴリに分けて詳細にお伝えいたします。
他のブログや記事には載っていないマル秘情報が満載ですので、駿台や河合塾、東進ハイスクールや地方の予備校などに通われる方すべてに熟読をしていただきたいです! 東大受験生に限らず、きっと皆さんの充実した1年になる一助となる情報となることをお約束いたします!
目次
【極意 其の壱】予備校の「常識」「弱点」「ア・タ・リ・マ・エ」を知れ!
この世の中、理想と現実というものがある。それは、予備校とて例外ではない。ゆえに、予備校の現実、換言すれば、予備校の「弱点」や「ア・タ・リ・マ・エ」を事前に知った上で、問題への対処を事前に考えたなら動揺しなくて済むし、東大入試まで1年を切っている「いま」という時間を有効活用することも可能となるだろう。それでは、以下、入塾前には、なかなか知ることのできない予備校の問題点を列挙する。
①not 「生徒に合わせて」 but 「先生に合わせて」が予備校
→大多数の生徒を相手にしているので、生徒の理解度や学力や演習状況に配慮した授業は行われない。講師や塾のカリキュラムに生徒が合わせるのである。ついていけなければ切り捨てられるのみ。
② 質問に答えてくれるとは限らない。添削もしてくれるとは限らない。添削が正しいとは限らない。
→塾に通ったら丁寧に教えてくれるというイメージを強く持っていると初回から幻滅する。質問に行って「こんな簡単な問題もわからんのか!」と説教されることもあるし、「俺の授業で疑問点が出るだなんてありえない!」と怒鳴られることもある。添削してもらいたくても、「君にだけするのは不平等だからね」と断られることもある。また、テキトーな添削をされることもある。
③思考の整理箱は自分でつくるしかない。重要事項の一般化・抽象化まではやってくれない。
→ 多変数関数の最大最小問題では、○○のときは1文字固定で、文字が3つなら△△・・相加相乗はこういう場面でも応用できるといったように、具体的な問題から学んだことを他の問題に応用する着眼点を明瞭に示してくれたり、あるテーマで分野を横断した思考の整理箱を予備校側が提示してくれることはないと考えてほしい。だから、敬天塾では、予備校授業のそうした間隙を埋めるオープン講座を開くことにしたのだ。改めて後述する。
④ 復習テストや類題は自分で探すなり、つくるなりするのが原則
→ サピックスといった中学受験塾のように復習テストや数値替えの類題を予備校側が用意してくれることはない。復習テストをすると銘打っている予備校でも、ものすごい簡単な計算テストやどこぞの大学入試問題をそのまま持ってくるのがほとんどで、授業内容の復習とは違うベクトルの演習となっている。講師にリクエストを出しても、人によるが、たいていは「ぼくは、教材屋じゃないから、持っていません」と探す努力もしてくれないことが多い。
⑤ パンフレットに書かれているサービスが必ずなされるわけではない。
→質問はいつでも歓迎と書かれていても、お一人様1回何個まで、1回○○分以内、英作文や現代文添削など手間のかかるものはダメ、授業内容のみに限定・・といった諸制約が実際にはあるものなのだ。
⑥ 普通に放置される
→ 面倒見を謳う塾が昨今ちらほらと出てきたが、裏を返せば、面倒見をしない塾が多数派だということでもある。授業についていけなかろうが、無断欠席しようが、予備校には関係ない。しょせん、「お客様」でしかなく、お金を払ってくれさえすれば、あとは放置である。
⑦ 生徒側には、「どん欲さ・ずうずうしさ」が求められる。
→ 上述したような現実がある以上、生徒側から積極的に質問するなり行動を起こさなければ、ただのカモにされてしまう。詳細は、極意其の弐へ。
⑧ 「ジグゾーパズル」のバラ売りに注意せよ。
→ 受験を終えたばかりの人なら、入試直前に全範囲を復習して粗を一つ一つ潰していったことだろう。それゆえに、早くそうした粗を埋めたいと願って予備校に入った人も多いのではないだろうか。だが、残念ながら、それは難しい。どの科目も、夏期講習やオプションの単科講座や冬季講習や直前講習など、2月中旬までの全講座を受講してはじめてエッセンスの全てを知ることができるような授業構成となっていることが多い。いわば、ジグソーパズルのばら売りである。ゆえに、早期に合格に必要なエッセンスを吸収したい人ほど、もどかしさに駆られてしまうのである。詳細は、極意 其の参・其の四をご参照いただきたい。
⑨ 戦略は提示してくれない。
→ あなたはこういう状況だから、これをいついつまでに固めて、これくらいの問題を解いて、添削はこれくらいしてもらって・・・といった戦略案を提示されることはない。模試の結果が悪ければ、チューターさんから「たくさん講座を取ったほうがいいよ。去年の合格者も12講座くらい取っていたよ」と営業されることはたくさんあるが、戦略は提示されない。
⑩ 上位クラスと下位クラスで、やっている内容も配布されているプリントもテキストも違う。
→ 先月号の「駿台 VS 河合塾」の記事でも述べたが、クラスによって配布されているプリントやテキストは 異なる。在籍クラスが下である時点で、情報戦で負けているのである。そして、上のクラスに上がれたとして、それまでに配布されたプリントなどがシェアされるわけではない。
ひとまず、10点ほど、予備校の「常識」を示したが、これらの認識が不十分なまま予備校に入ると、理想と現実とのギャップで最初数ヶ月は戸惑うこととなる。
【極意 其の弐】 授業や塾サービスを使い倒せ!
「果報は寝て待て」ほど現代社会にそぐわない諺はない。上述の極意 其の壱でも述べたように、受け身の姿勢で予備校を利用していたのでは、良いお客様で終わってしまい、東大合格など夢のまた夢となる。そこで、予備校生には、こちらから授業や塾サービスを使い倒そう!という気概が高く求められるのだ。具体的には、
①質問回答サービスをしつこく利用せよ!
→納得がゆかなければ、何度でも同じ質問をしてみると良い。別のチューターにも同じ質問を聞いてみる図々しさがなければ、予備校での生き残りはできない。
② 担当講師に聞くのが筋という常識を捨てよ!
→ 担当講師が人格的にも能力的にも素晴らしければ良いが、「ハズレ」講師なら、その先生のいない日でもかまわないので、別の先生に片っ端から質問や添削依頼をしてみると良い。
③ 図々しさが大事
→ 時には、図々しさも大事である。文句を言われてもお願いする。「他の子とバランスが取れなくなる」といわれても質問する、それで拒否されるなら教務や本社に相談。トラブルを避けたい気持ちもわかるが、再び志望校に落ちる苦しみに比べたら軽いものである。
【極意 其の参】「己」を知り、「敵」を知れ!
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という孫子の名言がある。これは、受験にも当てはまることである。両者を知れば、予備校をより一層活用することができることをお約束しよう。では、受験における、「己」と「敵」とはなんだろうか。
- 「己」とは
自分自身を見つめ直すことに他ならない。こうした自己分析が、実は最も難しいことではあるのだが、成長に必要な最重要訓練でもある。ここで、いくつかの例を挙げてみたい。
(ダメな例) 英語が苦手です。 数学がきらいです。国語にアレルギーがあります。
(良い例)① 通過領域の手法整理ができていない。
② 相加相乗平均の使いどころの見極め訓練が足りていない。
③ 英検2級のリスニングは大丈夫だが、準1級の長文セクションがつらい(耳スタミナがない)
④ 南米の近現代史が弱い
⑤ 漢文の重要単語の知識が乏しい
⑥ 現代文の赤本解答例がどうしても納得いかない。採点基準を知りたい。
→このように具体的な課題を列挙できる子は、入試再挑戦で成功する確率が極めて高い。一方、漫然と板書をノートにまとめて、演習量も確保できていない子は、落ちる可能性が極めて高い。
- 「敵」とは
ここでの「敵」は、東京大学の入試問題である。東大に合格するために浪人を選択したり、コロナ禍の中でも予備校まで通学するのだから、そうした覚悟に見合う過去問分析があってもよい。だが、残念なことに、予備校の東大コースと冠のついているものでも、東大対策に特化した学習ができるわけではない。理由として、戦略を組んで授業体系を組むことは大変だからである。無論、大変だからこそ、皆さんは高い授業料を払って、お得にコツを知るべく予備校に通うわけだが、前述の通り戦略は提示されないことがほとんどである。仮に戦略提示から生徒のケアまで完璧になされる予備校があるのであれば、ここまで塾や予備校が乱立しているわけがない。では、どのように「敵」を分析してゆけばよいのだろうか。良い心構えと悪い心構えをいくつかご紹介したい。
(悪い心構え)① 東大の過去問をほとんど解いていない・みてもいない。
(一部、天才的な人で過去問を1年分しか解いていないのに受かりましたという方がいらっしゃるが、そうした人でないから予備校に入ったのであって、その人達のことを参考にするのはナンセンスである。また、過去問は過去のものだからやってもムダという人は竹槍で連合艦隊に挑むのと変わりない。)
② 赤本や予備校授業の解答例に納得していないけれど、ムリやり覚えてやり過ごしている。
→東大の教授は本当のプロなので、そうした理解が曖昧なところを突いてくる。東大教授の実力や問題作成能力を100とすれば、多くの予備校講師の実力10にも満たない印象がある。
(良い心構え) ① 2020年に新傾向の通過領域の問題が出たな。これは、対策をしておかなくては。
② 2018年に女性史をテーマにした大論述が出されたな。他にも、テーマ史を詰めたほうがいいな。予備校の授業では夏までテーマ史はないようだから、敬天塾の記事でも参照にしてみるとしよう。
③ 現代文の答案例が各社で異なっているな。採点基準や合格者の答案を見てみたいな。
④ 予備校のテキストには、ほとんど英文要約問題がないな。思考プロセスを別のところで学ぶ必要がありそうだ。
⑤ 2014年に線分の通過領域が出題されているけれども、2015年に出題された通過領域の問題とは何が違うんだろう。おや、包絡線が2015年では封じられているぞ? これって、どうやって現場判断するのか、先生達に聞いてみなきゃな。
【極意 其の四】 逃げ道をつくれ!
いきなり、すごいタイトルではあるが、とても大切な極意である。予備校を、あなたのポテンシャルを引き出す学び場とするのは良いが、あなたの合格可能性を潰す場にしてはいけない。必要に応じて、あなたは、いまの状況から「逃げる」ことも必要なのだ。以下、多くの予備校生にアンケートをとってまとめたtype別の危険回避マニュアルを提示したい。
(type-1) 講師との相性が最悪
対処法① その先生の授業を切る(受けないで自分で勉強する→スタサプ + 敬天塾の知恵の館+他塾併用等)
対処法② 別講師のクラスに変えてもらえるか交渉する
対処法③ 受講コースを難関国公立大などの別のものに変更できるか交渉する
対処法④ 別校舎へ転校できるか交渉する
対処法⑤ 塾を休む・やめる(→高卒生コースはクーリングオフ対象外としているところも多いので入塾前に事前確認を! 年間一括で授業料を払わないことも大切)
対処法⑥ 返金不可なら受講コースを単科講座など他コース変更・相殺できるか交渉する
対処法⑦ 敬天塾の東大対策特化型 映像授業コースを受講する(オススメ)
(type-2) 授業が東大対策になっていない
対処法① 特定教科だけなら、その授業を切る(自習+スタサプ + 敬天塾の知恵の館+他塾併用等)
対処法② 全教科的に東大対策とかけ離れているのであれば、タイムロスを最小限にすべく休む・やめる
(→高卒生コースはクーリングオフ対象外としているところも多いので入塾前に事前確認を!在校生から情報を集めを入塾前にしよう!年間一括で授業料を払わないことも大切)
対処法③ その塾は質問や添削してもらうためだけの存在と割り切る(ただし、添削不可の講師も多い)
対処法④ 返金不可なら受講コースを単科講座など他コース変更・相殺できるか交渉する
対処法⑤ 別校舎へ転校できるか交渉する
対処法⑥ 敬天塾の東大対策特化型 映像授業コースを受講する(オススメ)
(type-3) 授業ペースが遅い/速い
対処法① 予備校を1〜2週間お休みして、敬天塾のオープン講座などを短期集中で受講する。
対処法② 極意 其の参で述べた「己」と「敵」の分析がしっかりしているのなら、弱点部分のみをスポット的に家庭教師や個別指導塾で穴埋めをする。
対処法③ 担当講師だけの問題なら、その講師に相談して個別フォローをお願いしてみる。
対処法④ 自分にあった授業ペースの講座が、当該予備校にあるのなら、講座やコースの変更を願い出る。
対処法⑤ 別校舎へ転校できるか交渉する。
対処法⑥ 塾を休む・やめる(→高卒生コースはクーリングオフ対象外としているところも多いので入塾前に事前確認を! 年間一括で授業料を払わないことも大切)
(type-4) 質問に答えてくれない・添削をしてくれない
対処法① 教務や本部に相談 (ただし、担当講師から睨まれるなどの報復はありえる)
対処法② 別の講師や別のチューターに遠慮せず質問してみる
対処法③ 別校舎へ転校できるか交渉する。(ただし、別校舎の担当講師にも事前にコンタクトして相性確認)
対処法④ 質問回答のみのネットサービスや個別指導塾・家庭教師をスポット的に
対処法⑤ 高校の先生や勉強のできるお友達に質問をしてみる
(type-5) 学費が高くて後期の授業料や講習代を捻出できない
対処法① 敬天塾の知恵の館で東大合格に必要な科目別戦略や採点基準を学んで、参考書などで学習を進める。
対処法② 高校の先生にも添削や質問回答をお願いする。できれば、質問回答者は2人以上見つけよう。
対処法③ 模試の結果や東大入試の結果を持って、様々な予備校と特待生交渉をしてみる。
(type-6)教室がうるさい・自習室が混雑して使えない
対処法① 予備校の教務係に改善をお願いしてみる
対処法② 別のクラスやコースに変えてもらえるか交渉する
対処法③ 予備校の空き教室を使わせてもらえないか交渉する。
対処法④ 別校舎へ転校できるか交渉する。(ただし、別校舎の状況を事前にリサーチ)
対処法⑤ 代わりとなる自習室を探す(貸し自習室や図書館など)
【極意 其の伍】 戦略 + 本気度 = 合格
極意其の参でも述べたが、「己」を知り「敵」を知れば百戦危うからず、である。かような徹底した過去問分析と自己分析を最優先で行った上で、予備校授業を活かす科目別戦略を以下ご紹介したい。
(英語)
予備校では、英文法授業と英文解釈(予習してくる)がメインとなる。たいてい、上半期の授業構成は英文法に重きが置かれる傾向にある。時間計測しての長文演習は非常に少なく、その結果、長文を読み解く情報処理能力が衰える。
そのため、読んだことのある題材でもかまわないので、センター過去問を用いたり、1日に5000〜10000words規模の読み込みは毎日やってほしい。
次に、リスニングは予備校で対策が行われることはない。共通テスト対策のCDを配布されることはあるが、その程度である。自分で勉強をしなければならない。
しかも、厄介なことに一朝一夕では伸びない分、スタートダッシュが極めて重要である。
次に、英作文であるが、講師が美しい答案例を黒板に書いてノートに書き写したところで伸びはしない。自分の書いた答案を添削してもらわねば何も意味がない。
だが、添削については、そもそも受け付けてくれなかったり、雑な採点だったり、返却まで数週間以上要したりと、思い描いていたサービスを受けられないことが多い。
z会の通信添削や、モリテツチャンネルの英作文サービスなどをうまく利用されたい。物語文対策についても、ほぼ皆無であるから、過去問研究のほか、神戸大学・和歌山大学といった他大学の物語文なども活用しつつ、読み慣れをしてもらいたい。
(数学)
基礎に重きを置くコースや応用を謳うコースなど予備校によって様々であるが、まずは3月〜4月に基礎固めを全範囲高速で行うべきである。その際、薄手の問題集を用いることを強く勧めたい。基礎の基礎ということであれば、実教出版のExpress数学シリーズがおすすめである。ワンランク上ということであれば、河合塾の重要事項完全習得編(赤い本)を高速で終わらせることをおすすめしたい。数学や物理といった思考系は、直前期で一気に伸びる類の科目ではない。
それゆえに、なるべく、スタートダッシュで固めてゆくべきである。その際、全教科的に基礎固めをするよりは、「選択」と「集中」を決行し、「この4日間は数学だけやろう!」といったように集中特化するのが、手応えを感じやすく自信にも繋がりやすい。
その上で、東大対策に必要な分野を横断した思考整理について、敬天塾の映像授業コースを利用すると、予備校ではカバーしきれない東大対策を早期に完遂できる点、他のライバル達を早くもリードすることができる。
なお、予備校のテキストには数値替えの問題や類題が載っていないことが多い。そうした時には、安田亨先生の数学良問集をオススメしたい。
(国語)
現代文については敬天塾の国語に関する記事は必読である。
なぜなら、東大国語についてしっかりと研究をしている教員は全国に数えるくらいしかいないからである。そのような状況であるから、テキストも東大対策に則っているとは到底言えないものばかりで、添削の精度も目に余るものが多い。
東大対策には不足あるものの、z会の通信添削を活用することを強くオススメしたい。添削担当者の力量が毎回変わるところは否めないが、不服があればz会に再添削を依頼されたい。
また、東大現代文の解答例は赤本や青本の解答例に限らず、複数の予備校の解答例を比較検討するのがミソである。
なぜなら、あまりに稚拙な答案例がどの会社のものにも混ざっており、受験生が誤った思考プロセスを学んでしまう恐れが高い科目だからである。
古文漢文については、予備校では文法面の講義が上半期はメインとなる。だが、実戦感覚を鈍らせないようにするために、速読古文単語や634シリーズやセンター過去問を利用しながら長文に触れる訓練はぜひ4月から継続して行いたい。予備校側は演習サポートなどをしないと頭に入れておいてほしい。
苦手意識が強い人は、スタディサプリの岡本リナ先生の講義を高2〜高3まで高速で視聴すると良いだろう。気合を入れれば2日で終わらせられるし、終わらせた子もいる。苦手意識を持った科目は、ちまちまやるのではなく、一気に全体像を見通せるようにした方が良い。
また、鉄緑会の東大古典問題集を必ず購読し誤答例の講評を通じて実戦的な学びを進めてもらいたい。
その他、漢文単語については、無知な受験生が多いので、宮下先生の漢文単語本などを入手されると良いだろう。絶版ゆえ値がはることも多いが、タイミングが合えば安価に購入できることもある。
(世界史)
予備校では、古代〜中世〜近代〜現代と順々に進んでいくが、それに合わせていたのでは、入試には間に合わない。予備校の授業を良い復習機会と捉え、3月〜4月から定期的に全範囲を自分で復習することが高度に求められる。
具体的には、常に共通テストレヴェルで8割5分〜9割は取れるくらいに知識のメンテナンスを行うべきである。そして、東大大論述などに特化した授業はそれほどないのが実情であり、1年に1問だけ扱う塾もあった。
ゆえに、敬天塾の記事で東大世界史の極意については、必ず自分で勉強するように心がけたい。また、早慶を併願するのであれば、一問一答系の用語集も使用すべきであろう。
ただし、国公立受験生向けにマイルドな問題を出す慶應商学部や文学部あたりを受験する人は、枝葉末節な知識を叩き込む必要はない。
また、論述の添削は必ず力量ある講師に依頼をされたい。駿台の中谷臣先生がホームページで添削指導を安価になされていたので利用されるのも良いだろう。
(地理)
まずは、過去問分析を徹底すべきである。20年分くらいはやっておいて損はないだろう。予備校授業に、東大過去問を体系的に整理したようなテキストはほとんどないからである。
最近では、社会人向けに、『東大のクールな地理』(改訂新版)『経済は地理から学べ!』『統計・データの読み方が面白いほどわかる本』といった本も売り出されている。ぜひ参照されたい。
近年の共通テスト(センター試験)地理も思考系問題が多く盛り込まれているので、図表読み取り訓練用には悪くない題材である。
なお、予備校のマーク模試は思考訓練用には「まったく」役に立たない。
基礎に不安のある人は、村瀬の地理や宮路の地理シリーズを読むと良いだろう。
これら受験参考書のほかに、最新年度の資料集も数冊は揃えておきたい。
そこのコラムや時事トピックの記事がそのまま出題されることもある。
また、最新年度を含む、ここ数年の他の国公立大学の過去問もネタストック用には有益である。
(日本史)
基本は東大過去問読み込みと山川の日本史教科書+資料集の読み込みであろう。講義系ということであれば、野島 博之先生の講義をオススメしたい。過去問研究を徹底したテキストは珠玉である。学研プライムゼミのほか、朝日カルチャーセンターなどでも講義をされているようであるから野島先生のホームページにアクセスされると良いだろう。