共通テストで大成功を収めるための戦略的アドバイス集
共通テストまで1ヶ月を切りました。
2024年1月13日・14日に本試験が実施される共通テストは、今回で4回目となります。
2年前の2022年度入試では、数学の比類なき難化に多くの受験生が動揺し、平均点も今までで1番低い点数(数学1Aの平均が37.96、数2Bの平均が43.06)にまで落ち込み新聞報道されるところとなりました。
この異常事態を前に、東大受験生の多くは出願先を急遽変更したり、私大の併願先を増やしたりと1月末に慌てふためきました。
この点、2022年6月30日に、大学入試センターは以下のような報告書を発表しました。抜粋いたしますと
今年度の本試験では、総じて共通テストが志向する思考力・判断力・表現力等を問う内容であったが、その一方で次の二つの課題も見られた。
第一は時間配分である。 思考力・判断力・表現力等を問う試験において、 今回は、その考えるための時間が受験者にとって十分にはなかったと推察される。
1問あたりの配点を高くして問題量を削減することや、知識 技能と思考力・判断力・表現力等をバランスよく問うこと等、共通テストの趣旨が十分に実現される試験となるよう引き続き検討していきたい。
第二の課題は計算量の多さである。 一定程度の計算は、技能面の評価という点から必要であり、数学の性格上、思考力・判断力・表現力等を問う問題であっても不可欠である。
しかし、桁数の多い四則演算の繰り返しは、高校数学の本質的な内容ではなく、さらに現在のテクノロジーの普及を考えればより検討の必要がある。 今後も、知識の理解の質を問う問題や思考力・判断力・表現力等を発揮して解く問題に、受験者が十分な時間をかけて取り組むことができるよう検討していきたい。
と記載しています。
(以下のリンクの数学Ⅰ、数学Ⅰ・A自己評価p4から引用)
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/hyouka/r4_hyouka/r4_hyoukahoukokusyo_honshiken.html
このことから、2023年度の共通テスト数学は多少なりとも易化するのではないかと言われていした。実際にかなり易化しました。
また、2021年6月22日には共通テストにおる記述式問題の導入を 「断念」 すると発表されました。
こうなってはセンター試験のままで良かったのではないかということにもなり、2022年度入試の異常難化も相まって、多くの受験生が不安を強いられています。
さらには、再来年度の2025年度から共通テストは国語の大幅な出題形式変更や数Cの導入、情報Ⅰの新設など、大改変されることが公言されています。
つまり、2024年度の共通テストは現行方式の最終年となりますから、最後の最後で何かどでかりものを投入してくるのではと警戒しています。
このように混迷を極める共通テストに対して、
どのような点に留意して戦略を打ち立て、これからの1ヶ月を乗り切れば良いでしょうか。
本稿では戦略的なアドバイスを幾つかの項目に分けて行いたいと思います。
目次
① 共通テストで大失敗する東大受験生の典型
共通テスト(旧センター試験)であるが、東大入試の第一次試験であるにもかかわらず、例年、適切な対策を怠り、1月下旬に志望校変更を強いられる東大受験生が1000人単位でいます。
そこで、共通テストで大失敗する東大受験生について類型化を試みたいと思います。
先ず何と言っても、過去問や試行調査の分析を怠るタイプの受験生でしょう。
以下、代表的な具体例を5つあげます。
(ⅰ) 数学は本質がつかめればどんな問題にも対応できるはずといった具合に、マーク式特有の条件制約や時間制約を過小評価するケース。
1月に入ってからも二次試験対策に多くの時間資源を投下した結果、共通テスト特有のイヤラシイ誘導に対処できず、慌てることとなります。
東大模試でA判定をとるなど、学力の高い人に散見されます。
その結果、1月末に志望校変更を強いられた受験戦士達は数知れず。
(ⅱ) 予想問題集だけに取り組むケース。
過去問をなめてはいないが、予想問題集であれば、きっと過去問の傾向を全て反映してくれていると性善説的に取り組むタイプの子に多い印象です。
ただし、ここで気をつけねばならないことがあります。
たとえば、学校配布のものであればレベルが抑え気味になっているものも多いのです。
それゆえ、これだけで満足をすると本試験との「乖離」に驚き予想外に失点をしかねません。
また、三大予備校やz会の予想問題集系で一喜一憂することにも気をつけねばなりません。
難易度や出題傾向に差があることが多いからです。
あくまで過去問あっての予想問題集だということを肝に銘じましょう。
(ⅲ)過去問をなめているケース。
上記の(ⅱ)と類似していますが、こちらは考え方からして重症なケースです。
過去問は過去の遺物でしかなく、共通テストも東大過去問もたいして触れる必要がないと考え、市販の参考書や問題集にばかり手を出しまくるタイプ。
過去問を分析を怠った状況で参考書に辺り構わず手をつけることは極めて危険です。
たとえば、地理であれば、共通テストでは図表の読み取りやデータ分析が重要であるところ、市販の参考書や問題集では、やたら細かい地名や統計の暗記を勧めるようなものもあります。
地学基礎や現代社会などクセの少ない科目ならまだしも、地理や国語といった共通テスト特有の「クセ」のある科目においては、時に予想問題集系は使用法に留意せねば害悪になることさえあるのです。
(ⅳ) 予備校の直前講座を大量に受講してしまい、暗記や過去問演習のための時間を十分に割けないケース。
真面目系の子が陥りがちなジレンマです。
不必要な講座は切るなりして、きちんと、過去問を解いて自己分析ができるくらいの時間を残してほしいです。
(ⅴ)共通テスト:二次試験の比率が1:4であることから、共通テストをなめているケース。
確かに、二次試験で逆転合格できるのは事実ですが、だからと言って共通テストを軽視してよいことにはなりません。
足切り点の高い文科三類や理科一類の受験生が例年、志望校変更を強いられている事実があります。
また、0.01点足りずに落ちた東大受験生のことが話題になることがあるが、3月10日に後悔をしないためにも取れる問題はキッチリ取りましょう。
さらには、2月に行われる私大入試の受験先を減らす意味合いでも、共通テストでの成功は共テ利用入試での成功に繋がり、2月の最も貴重な時間を東大対策に充てられる点、極めて重要なのです。
なお、2月の早慶一般入試日程をまとめてみましたのでご参照ください。念のため、必ず願書で日程は再確認をお願い申し上げます。2月の最も貴重な時間を東大対策に充てられないのは戦略的に不利です。
カレンダー 4(ⅵ)共通テスト対策のスタート時期が遅い。これには、いくつかのパターンが考えられます。