年間計画の落とし穴~年間計画が作りたくなくなる話~
結論から言いましょう。
受験において年間計画なんて、ほぼ無意味です。年間計画を立てようとか、立ててもらおうとか思っているとしたら、すぐにやめてください。
どうせ失敗します。
と、これだけ言われても納得できないでしょうから、いくつか理由を添えましょう。
①何をすれば東大に合格するか分からないまま作る。
ほとんどの人が、計画と言うとスケジュール帳を埋めることだと思っています。
1年を12個に区切り、1か月を1週間に区切り、「月曜日は○○をする、火曜日は○○をする」などと決めていき、
出来上がったスケジュール帳を見て「これだけやれば合格しそうだぞ!」とやる気が出ます。
しかし、スケジュールを埋める前に「何をすれば合格するか」を分析しているでしょうか。
東大の過去問を徹底的に分析し、受験者や合格者の情報をかき集めて、答案や採点基準を分析して、
その研究成果をもとにプランを立てている人はいません。
なぜなら、そんな研究をしていたら一年や二年なんて、あっという間に過ぎ去ってしまうからです。
要するに、「何となく、これだけやれば受かりそうだ」というフワッとしたイメージで、必要そうなことを列挙しているにすぎません。
②勉強量を目安にするしかない
先ほど言った通り、年間計画というと「今日はこれをやる」とか「来月はこれをやる」のように、タスクをスケジュール帳に書きこんでいく人ばかりなのですが、
これの何がダメかというと、「量」ばかりに注目していて「質」に注目していないことです。
「大学の合格」というのは、能力が合格レベルに達しているかどうかが大事なので、「質」の問題です。
だから、計画を立てる際も
「今日は、〇〇が出来るようになる」とか
「今週は、東大レベルの数学が解けるようになる」
のように、どのくらいの能力が身につくかで計画を立てるべきなのですが、残念ながら能力を客観的に数値化することは極めて難しいです。
覚えた単語数とか、1分間に何語の英文が読めるか(WPM)などの一部の細かい能力はは数値化できますが、「読解力」や「記述力」などは数値化できません。
よって、計画を立てる際に「今月の目標」や「今週の目標」などが明確に立てられなくなってしまうのです。
さらに、「読解力」や「記述力」のような抽象的な力を身につけるのに、どれくらいの時間とどのような訓練メニューが必要かなんて、誰にも分かりません。
だから、完璧にスケジュールに落とし込むことが出来ません。
これが、企業の売り上げ目標なんかであればお金の話ですから数値化が簡単なので、計画も機能するでしょう。
しかしながら、大学受験ではそんなにうまくいきません。