【世界一早い東大模試解説】2017秋 東大オープン 文系第4問
自由度の高い問題に気を付けろ!
だいぶ遅れてしまいましたが、河合の東大模試の最後の問題です。
まずはいつも通り、問題からどうぞ
与えられているのは、放物線の式と、その内部に正方形があるということだけ。
文字変数をどのようにおけば良いのか、分かりません。
こういう自由度の高い問題は、初手が大切!
初手で失敗すると、その後の計算が全て狂います。
例えば、辺の長さを文字で置くか、角度を文字で置くかで、天と地ほど計算量が減る問題なんて、山のようにあります。
だから、ちょっと計算してみて、解答出来そうだったらそのまま、計算量が増えそうだったら、もう一つの方法でやってみるのがオススメ。
ということで、少し時間のかかる問題ではあります。
文字の置き方の例
といっても、この問題はそこまで困らないかもしれません。
というのは、点Aと点Bが軸の乗っかっているからです。
軸の上に点があるときは、その座標を文字でおくのが、定石。
まず、点Aを(0、a) 点Bを(b、0)とおいて計算を進めて大丈夫でしょう。
しかし、軸の上の点(つまり切片)を後で求める場合もあります。
例えば、直線の方程式を求めてから、x=0やy=0をだいにゅうして求める場合。
この場合、直線の傾きを(mかなんかの)文字でおいて、直交条件を使うことになりますが、面倒そうな気配がプンプン。
あまりやる人はいないでしょう。
別解として、放物線の上の点をtでおくものも載せておきました。
これでもOK。
手書きの解答を見てもらえばわかりますが、結局点Aと点Bを文字でおいた場合と、全く同じ結論が得られます。
正方形の条件
つぎに、正方形の条件を考えます。
と言っても、実は正方形の条件は、教科書で習いません。
近いものとして、平行四辺形の条件があります。
四角形ABCDが平行四辺形ならば、ベクトルAB=ベクトルDC
正方形は、「平行四辺形」かつ「長方形」かつ「ひし形」ですから、
これに長方形の条件と、ひし形の条件を加えても求められるかもしれません。
が、そんなことより、座標を書いて、図形的に処理したほうが楽です。
xy座標はそもそも直交した軸で構成されていますが、正方形も同様。
実は、とても相性の良いもの同士です。
よって、「あまり難しいことを考えず、絵を描いてみたら出来ちゃった」となると思います。
とりうる範囲の問題は、グラフを描こう
次は、正方形の面積を求めますが、これも簡単。別に困らないと思うのでスルーします。
面積を求めたら、その取りうる値を求めるのが、最後の手順ですね。
「取りうる値を求めよ」と言われたら、基本的にはグラフを描きます。
グラフを描かずに答える問題もありますが、グラフを描く手順を省略していることがほとんど。
出来れば、グラフを必ず書いて答えたい所です。
今回は、Sがaの4次関数になります。
なので、必然的に微分するしかなくなるので、あまり困らないかもしれませんが、一応まとめておきましょう。
とりうる値を求めよ、最大値(最小値)を求めよ、と言われたら、グラフを描こう
※グラフを描かずに、相加相乗やコーシーシュワルツの不等式などを使うこともあります。
ちなみに、取りうる値の範囲や、最大値最小値だけならば、グラフの代わりに増減表で代用出来ます。
次数下げの方法
定義域の右端が、やや面倒な値になります。
無理数を4次式に代入するのですが、この方法は超基本ですが、いくつか解法があるので、手書きの解答には3パターン載せておきました。
①本当に代入して計算する
②2次式=1次式の形を作って、何度も代入する。
③割り算をして、余りの部分だけ計算
もちろん、①の方法は計算量が膨大になるので、あまりオススメされません。
②や③の方法を習得しておきましょう。
ということで、手書きの解答です。
解ければ早いし、解けなければ0点に近い、差がつく問題ですね。
こういう問題を解けるようになると、一気に合格に近づきます。
よく復習をしましょう。
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