おかべぇ先生の「勇者に贈ることば」 VOL.5【毎月20日掲載】

E判定に踊らされるな

この時期、TwitterやInstagramではA判定評価のツイートが大量に流れてくるが、その陰で数多くの受験生がはE判定ないし合格可能性20%を突きつけられ涙している。

だが、ここに「罠」がある。注目すべきは判定評価や合格可能パーセンテージではない。非常に多くの受験生がこの点を誤解をしており、性急な志望校変更をなす人が例年後を絶たない。これは「非常に」もったいないことである。

中学受験においても大学受験においても、E判定からの逆転合格や、A判定からの不合格の話はよく聞くところであろう。なぜこのような現象が生じるのかについては、以下の記事もご参照いただきたい。

(番外編)落ちるA判定と受かるE判定

仮に、同じ学校、同じ授業、同じ参考書やテキスト、同じ先生や塾、同じ学習時間、同じモチベーションといった具合に全てが均一条件のもとで皆が受験をしたならば、その評定には価値があるだろう。

だが、現実にそのようなことはあり得ない。ともなれば、うわべだけの判定評価に右往左往される必要はなく、むしろ以下の諸点に注目すべきなのである。

① 科目別の偏差値

→ 算数や数学の偏差値が高い子は総合偏差値も高くなりやすい。だが、一科目入試でない限りは総合点勝負である。見かけの偏差値に騙され慢心する子があまりに多い。ぜひ科目別の偏差値を注視されたい。

また、特定教科の出来が悪すぎることで全体の偏差値が下振れしているケースでは逆転合格の可能性が極めて高い。元凶が明らかだからである。

未修分野の多い科目の偏差値が低ければ、伸び代が多くあるとポジティブに捉えられもする。

② 大問別の解いた時の手応えと得点状況

→解いた時の手応えがなかったケースから考えるとしよう。

● 例えば数学の通過領域や確率漸化式をまともに学んだことOR解いたことのない人が、その分野の問題を模試で0点取ったとしよう。習っていないOR訓練していないのだから得点できる方がおかしいのである。習いさえすれば、訓練しさえすれば、その大問の点数はまるまる上がるわけであり、それに伴い科目偏差値も一気に10以上はUPするであろう。

● 既習範囲だったにもかかわらず、復習を疎かにしていたために失点したなら、猛省し、次の模試までに完璧化を目指せば良いだけのことである。確認の不徹底が命取りになる以上、すぐに点検項目を一覧化するなど「できるもの」と「できないもの」を仕分けられたい。

● 時間が足りずにまともに考察できなかったのであれば、大問別の時間配分が適正だったのか脳内でシミュレーションをするべきである。これは試験当日に考察(せめて思考プロセスや各大問への投下時間・解答順序だけでも)をした方が良い。1〜2日経つと思い出すことが困難になるからである。

→では、解いた時の手応えがあったのに得点できなかった場合はどうか。

これにはいくつかの要素が絡むであろう。計算ミスやスペルミスなどの類、設題条件の見落とし、解答欄の取り違い、そもそもの採点ミスなどが考えうるが、いずれにしても事を矮小化することなく、しっかりと受け止めることが肝要である。

特に、ケアレスミスは徹底的に分析をしていただきたい。実のところ、「偶然」ではなく、「必然」的にミスを犯したケースが圧倒的に多いのである。拙稿、『ケアレスミスを科学する』も併せてご参照いただきたい。

【中学受験で決まる東大受験⑦】ケアレスミスを科学する (SAPIX生・鉄緑会生推奨)

③ あと何点あればの分析

最近の模試では、あと何点あればB判定といった情報を明示してくれるものも多い。また、採点答案とともに各科目の詳細なデータブックを配布される。それらを活用している人は案外少ない。

たとえば、世界史はあと3点あれば偏差値60越えだった、数学はあと1点足りなければ偏差値がかなり下がっていたといった分析も必要であろう。人は心であるから模試で一喜一憂すること自体は構わない。だが、一喜一憂「だけ」で終わらせてはいけないのである。

以上の3点をぜひ徹底分析をしていただきたい。その上で、次なる合格戦略を打ち出せる人は逆転合格を果たすことができる。模試をとりあえず受けた、まともに復習も分析もしていないような人は、「危険」である。

なお、判定評価や合格可能パーセンテージに右往左往される必要はないと冒頭で申し上げたが、だからと言って、突きつけられた結果を軽んじて良いわけではない。東大模試や志望校別模試の問題はしばしば過去問の焼き直し・数値替え問題によって構成されることが多い。

そうしたハイレベルな問題をきっちり時間内に解ききりA判定を得た人がいるという厳然たる事実から目をそらしてはいけない。次こそはA判定を取るぞ!と意気込まねばならない。そして、以下の項目を徹底して点検し、紙にまとめるなどされたい。

□各科目何問といたのか(アウトプット量は適切だったのか)
□覚えるべきものをしっかり覚えたのか(インプット量は適切だったのか)
□何回まわしたのか
□思考整理・知識整理をしたか
□疑問点は解消したのか
□本気で取り組んでいるのか(だらだら勉強していないか。)
□短期目標をしっかり打ち立てているか
□過去問分析を徹底しているか(漫然とコアプラスやプラチカを解いて志望校に受かるのなら、これだけ世の中に塾が乱立しているわけがないであろう)

こうした臥薪嘗胆の精神があなたの合格可能性を「飛躍的に」底上げしてくれるのだ。

夏はまだ終わっていない。終わらせてはいけない。

臥薪嘗胆せよ。

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