1998年 東大国語 文科第6問(古文)『源氏物語』(椎本)解答(答案例)

はじめに

主語把握が難しいことで有名な『源氏物語』。

今回は特に、リード文をしっかり読むことが重要です。
「~場面」と「~場面」とありますね。
段落ごとに、その場面になっています。

解答例(答案例)とプチアドバイス

(一)傍線ア・ウを現代語訳せよ。【各1行】

ア 対面心もとなきを

答案例:お前たちと会うのが待ち遠しいのに

プチアドバイス:「心もとなし」は〈➊ぼんやりしている ➋待ち遠しい ❸気がかりだ〉。
➊は何かの状態、➋❸は心情。今回は対面の状態がぼんやり(➊)は変だし、
対面すること自体は気がかり・不安(❸)ではないので➋。

 

ウ 限りのたび

答案例:最期〔臨終・死出の旅〕

プチアドバイス:婉曲表現はしっかり覚えましょう。多く覚えておくと応用された婉曲表現でも、語感と文脈でわかるようになります。

 

(二)「いかにいかにと人奉りたまへど」(傍線部イ) とあるが、誰のどんな気持から出た、どのような行為か、説明せよ。【1行】

答案例:姫君たちの、父の病状を心配する気持から出た、父のいる山寺に使者を送る行為。

プチアドバイス「いかに」は2行前の「いかなるにか」とよく似ていますし、「奉り」も2行前の「奉れ」と同じなので、主語は姫君たちです。
※同じキーワードは同じ人が主語である可能性が高いです。

 

(三)「思し離るべきこと」(傍線部エ)とはどんなことか、説明せよ。【1行】

答案例:父は姫君たちのことなど現世への執着を捨てなければならないということ。

プチアドバイス:傍線部の前に「~と、」とあると、直前が解答に関わる可能性が高いと思ってよく読みましょう。

 

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