1992年 東大国語 文科第6問(古文)『源氏物語』(手習)解答(答案例)
目次
はじめに
主語把握が難しいことで有名な『源氏物語』。
敬語の有無を意識して解きましょうね。
なお、「尼上」の「上」は敬称です。
「尼上」には敬語を使っています。
解答例(答案例)とプチアドバイス
(一)「我はと思ひて」(傍線部ア)とあるが、だれが、どう思ったのか、説明せよ。【1行】
答案例:少将の尼が、自分は浮舟より碁が上手だろうと思った。
プチアドバイス:省略のヒントはどこかにあるはずなので、探しましょう。特に直前・直後が多いです。
なお、解答は「碁が上手」と言い切るより、推量を加えた方が適切でしょう。
(二)「尼上、とう帰らせたまはなむ」(傍線部イ)を現代語に訳せ。【1行】
答案例:尼上、早くお帰りになってほしい。
プチアドバイス:尊敬の「せ」と他者願望の「なむ」を漏らさず訳す必要があります。
(三)「けしうはあらず」 (傍線部ウ) を、何が、どうであるのかが分かるように、現代語に訳せ。【1行】
答案例:自分の碁の腕前が、悪くはない。
プチアドバイス:「自分の」の部分は「私僧都の」ならOKだが、「僧都の」とすると減点になりそうです。
なぜなら、僧都自身の心内文の「現代語訳問題」だからです。
<僧都以外の心内文だと解釈している>という誤解を受けてしまいます。
説明問題であれば、「僧都の」でOK。
(四)「むつかしきこともしそめてけるかな」(傍線部エ) とあるが、だれが、どう思ったのか、説明せよ。【1行】
答案例:浮舟が、少将の尼の物好きな態度を不快に感じ、碁を始めたことを後悔した。
プチアドバイス:まずは傍線部を現代語訳して、省略されていることを補足しましょう。
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