ベクトルの外積をマスターしよう
ベクトルを学ぶとき、誰もが思う疑問。
「内積ってなに!?」
・cosはどこから出てきたの?
・「内積」てことは「外積」もあるの?
色々思うところはあるでしょうが、今回はベクトルの外積について、1本の記事にまとめて書いてみようと思います。
外積は便利!!
ベクトルの外積は、普通は高校で習いません。
しかし、使いこなせると、時々信じられないくらいに楽に問題が解けるため「受験テクニック」として塾や予備校などで教えられる事があります。
では、何が便利かと言うと、
直交するベクトルが簡単に求められる
ことです。
厳密に言うと、空間の中に2本のベクトルがあったとき、両方に直交するベクトルを1本求めることが出来る技術です。
普通に求めると面倒
例えば、こちらの問題をご覧ください。
問、ベクトルx(1,2,3)とベクトルy(4,5,6)に対して、両方に直交するベクトルを求めなさい。
この問題に対して、普通に解くとこんな感じ。
面白くもない計算がダラダラ続いて、面倒です。
この作業を非常に短縮出来て、なおかつ便利な性質がいくつかくっ付いてくるのが、ベクトルの外積にメリットです。
外積の定義
ベクトルの外積の定義は少し複雑。
2本のベクトルの成分を何回か足したり、引いたり、かけたりして求めます。
しかし、一見複雑そうな計算に見えて、実は覚えると大したことがありません。
普通の数字を用いたものなら、ものの10~30秒もあれば求められるようになるでしょう。
詳しい求め方はこちらの画像をご覧ください。
外積の性質
次に性質ですが、3つご紹介しましょう。
まず1つ目は、先ほども書いたとおり、元々の2本のベクトルに直交するというものです。
内積を計算してみれば確認できます。
2つ目は、その向きです。
理科を勉強していると「右ねじの法則」や「フレミング左手の法則」が登場しますが、その正体が「ベクトルの外積」だったと確認できます。
xからyに向けて、右手を握ろうとした時に、親指が立っている向きが外積です。
そして最後に3つ目は、大きさです。
これが面白い結果になります。
なんと、元々の2本のベクトルが作る平行四辺形の面積になるのです!!
外積を使った入試問題の例
では、これを使うとどのように便利なのか。
実際の入試問題でも確認できます。
例えばこの問題。
東京大学2014年 理系第1問
図を見れば分かりますが、空間内に2本のベクトルで作られる平行四辺形がマンマあります。
この問題の解説は、下のリンク先にありますので、どうぞ参考にご覧くださいね。
2014年 東大数学 理系第1問の解説(三角関数・ベクトル・外積・解と係数の関係)
ベクトルの外積は、非常に便利なツールなので、ぜひ使いこなせるようにして下さいね。