2018年夏 河合東大オープン 文系数学 第3問

さて、今日は続きの第3問です。
まずは問題からどうぞ。

(1)教科書例題レベルの軌跡の問題
点PとQを取って、折れ線の線分の長さが一定の軌跡を求めよ、という問題。
なんだ、この折れ線!! 変な設定だな、と思いますが、問題としてはシンプル。
軌跡の問題の常套手段と同じで、点Pの座標を(x、y)とおき、条件式を立式すれば出てしまいます。

ただし、東大入試レベルの軌跡の問題ならば、ほとんどの場合、範囲の限定

今回の問題の場合、求める方程式は放物線になるのですが、放物線全体ではなく、x軸の上側だけになります。
範囲の限定を忘れる人が多いので、気をつけましょう。

と、これで解説が終わりなんですが、これではつまらないので、いくつか補足しておきます。

軌跡の問題3種類
僕は普段、軌跡の問題には、3種類あると教えております。

この3種類っていうのは、主観で分けただけですから、別に4種類でも5種類でも良いんですが、とにかく解法が異なるタイプがいくつかあるということです。

まず、1種類目は立式して整理すれば、答えが出てきてしまうタイプ。

例えば、

このような問題。
他のタイプのように、パラメータを消去する必要がありません。

 

タイプ2は、連動型。つまり他の図形に連動して軌跡が動くというものです。

例えば、

というような問題。
円に連動して、点が動くと、小さな円が描けるという問題です。

 

最後にタイプ3は、それ以外全部。

このタイプに共通する解法としては、求める軌跡の動点の座標を(x、y)とおいて、条件式を立式し、パラメータを消去するというものです。

以上、簡単ではありますが軌跡の3種類でした。
それぞれ基本問題の解法を確認しておいてくださいね。

 

(2)面積計算
(2)は面積計算です。しかし、x軸対称になっている2つの放物線が囲んだ面積ですから、6分の1公式を使えば1発。

βーαの計算も簡単ですし、それほど難易度は高くありません。正確に計算すれば解けるでしょう。
xの2次の係数が1ではないのに注意です。

(3)最大値なので、微分→増減表→グラフ
最後は最大値の問題。
最大最小問題は、グラフを書く問題です。グラフを書かなくても解ける問題がいくつかあるのですが、まずはグラフが書けるかどうかを確かめましょう。

しかし、微分すべき式が、ルートの中にも外にもaの関数が登場しています。この式の微分で悩む方が多いかもしれませんね。
簡単です。
ルートが登場する式の最大最小は、ルートの中に全部入れてしまう
というポイントを一つ覚えておけば、事足ります。

ルートの中に入れてみると、4次関数が登場。

珍しくはありますが、ビビる必要はありません。微分してやりましょう。
すると、きれいに因数分解出来ますし、増減表も簡単。ありきたりな、a=1/2という値も出てきます。

ということで、解説終了。
細かいところは、手書きの解説をご覧くださいませ。

軌跡を求め→面積を求め→その最大値を求める
という、非常にシンプルですが、色々問われる良い問題。しかし、変なヒネリもないですし、シンプルで良い練習問題ですね。
出来れば、15点以上取りたい問題。計算が少し煩雑ですが、これくらいは問題なくこなしたいところです。

では、明日は第4問です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)