2018年夏 河合東大オープン 理系第6問(複素数平面)
今日も更新できました!
目次
これで、河合の東大オープンは揃いましたね。
では、いつも通りやっていきましょう!
【複素数平面は難しい!!】
東大でも頻出の複素数平面!
一つ前の過程では行列が代わりに入り、複素数平面がありませんでしたが、僕が現役の頃は数Bにありましたね。
そのころから、難しい単元だなと思っていましたが、こうやって先生になってから見ても難しい単元だと思いますわ。
なんたって、いろんな単元が絡みますもの。
方程式としての要素(方程式の虚数解)
関数としての要素(直交座標に落とす)
図形としての要素(円や直線、角度や回転など)
と、色々な要素があるわけです。
当然、色々な単元が絡めば、それだけ応用の幅が広がりますし、解法の1手目に迷うもの。
それだけ数学的には面白いってことなんですけど、、、受験生的にはつらい。
さらにもう1点述べるとすれば、必ず解法が3択生じるっていうのも難しい原因。
①複素数のまま計算
②x+yiとおいて計算
③極形式において計算
※手書きの解答では、3種類すべて載せていますので、どうぞご覧くださいませ。
3択どれを選んでも解けるなら良いんですけど、そういう問題ばかりじゃないですからね。
③を選ばなければ解けないとか、②だと計算がものすごく面倒くさいとか、選択を間違えると時間を食うしと。
と、そんな理由でつい後回しにしがちな人も多いと思います。
少し腰を据えて取り組まなければならないので、ご注意を。
【誘導に気付こう!】
では、問題の解説に行きましょう。
問題の条件は、αが除外する点が描いてあることが1点、
2本の2次方程式が与えられて、解がZ1からZ4だと書かれています。
上の条件はあまり気にしなくて良いと思いますので、主に見るのは下の条件。
超基本事項ですが、2次方程式と解が与えられた時には解の公式か、解と係数の関係の2択があります。
しかし、解の公式を使う場合は比較的珍しく、ほとんどが解と係数の関係でしょうね。解の公式は形が面倒ですし。
そして、(1)の問題を見ると、(Z2-Z1)^2が見えます。
これは対称式と見れば、解と係数の関係がそっくりそのまま使えます。ということで、代入して終わり。
ん???
これ、簡単すぎないか!?
と思ったあなた。
正解です。
そう、これ、東大模試にしては簡単すぎる問題。
こういう問題は、明らかに問題作成者がヒントとして出しているということです。つまり、受験生側の視点に立てば、誘導。
怪しい、、、と思ったら、誘導だと思う癖をつけましょう。
【角度の定義について】
では、(2)の問題ですが、直線ABと直線CDのなす角度が45°だそうですね。
細かいですが、角度の定義について少し触れましょう。
画像のように、x軸が登場した場合、角度は反時計回りに測るというルールがあるため、Θの場所は1か所に定まります。
だから、他の場所をΘに定義してはいけません。
一方・・・
直線と直線のなす角度には、場所の定義がありません。
なので、4か所の全てがΘの定義になり得ます。
ちなみに、2ベクトルのなす角は、始点をそろえるという定義がありますね。だからこれも1か所に定まります。
話を戻して、今回の問題は、例②のように、直線と直線のなす角です。
よって、45°だといわれても、135°になるかもしれません。
【(2)は3種類で解ける】
これを踏まえて、(2)を解いていきましょう。
直線ABと直線CDのなす角を複素数平面で立式するのは、簡単ですね。引き算して、分数にすればよいです。
しかし、ここでちょっと詰まるかもしれません。45°と言われてもどうしたらよいのだろう??
となって気付くのが(1)。
(1)では、2乗の計算をさせられましたよね。これが効いてきます。
そうです。2乗をすれば、(1)の誘導にのれるのです。
さらに、2乗してみると角度が2倍になって、45°か135°という条件が、90°か270°に変わります。
すると、結局、純虚数ではないかと!!これでかなり見通しが良くなりました。
さて、ここから先程書いた通り、3択の解法が生まれます。
①複素数のまま計算
②x+yiとおいて計算
③極形式において計算
河合塾の解答冊子には、①と②の解法しか載ってませんでしたが、③でも解けました。
手書きの解答には、すべて載せておきましたので、あとは比較しながら解いてみて下さい。
ちなみに、どれで解いても大差ありませんし、簡単です。
【まとめ】
さて、この問題の全体の難易度ですが、複素数平面にしては、かなり簡単。
東大の本番で出たとしたら、絶対に取りたい問題でしょう。
誘導も分かりやすいし、丁寧。計算量も少ないです。
これで、河合オープンの解説が全て揃いましたね。時間がかかってすみませんでした。
次は、駿台の解答の続きを上げていきたいと思います。