絶対に失敗したくない方へ 東大に受かるための共通テスト対策
かつては、東大受験生なら 12 月から共通テスト(旧センター試験)対策を始めても問題はないと言われていました。
ですが、難化傾向にある共通テストの実情や東京大学の入試制度改革、あるいは私大における共通テスト利用入試の拡大にみて、早いうちから共テ対策を始めることが戦略的に極めて重要になってきています。
親世代の方にとっては、センター試験時代の感覚が鮮明に残っているかもしれませんが、現行の共通テストとは全くの別物だとお考えいただきたいです。
さて、マーク式の共通テストは1月中頃に行われ、受験生は自己採点結果に基づき、1月末〜2月初めにかけて出願先を決めます。
ただ、志願者全員が東京大学を受験できるわけではなく、通称「足切り」と言われる第一次段階選抜に引っかかる受験生が数百人はいます。
それゆえに、共通テストで思うように得点できなかった受験生は、一橋大学や東京科学大(旧東工大+東京医科歯科)に志望変更したり、私大専願にスライドしたりするわけですが、二次試験の問題傾向が東大や共テとはまるで違う以上、一朝一夕に対策ができるわけもなく、入試直前での進路変更はかなりのリスクを伴います。
殊に、2025年度入試では、東京大学が足切り倍率を多くの科類で厳しくしました。その結果、多くの東大受験生が足切りを喰らって、二次試験を受けることができませんでした。
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そればかりか、足切りを恐れて他大学に志望変更を行なう受験生が急増し、合格難度が例年よりも飛躍的に上がった国公立大学もありました。
そうしたシビアな状況を受けてか、私大の共通テスト利用の出願者も増え、東大受験生なら余裕で受かるような大学学部でも今年は補欠止まりになることが多く、進学先が決まらないまま浪人する羽目になったケースも散見されました。
受験直前になると、浪人したくない、
苦しい受験勉強から一刻も早く解放されたい、
どこでもいいから合格が欲しいと、
多くの人が思うものです。
そうした心理が冷静な判断を鈍らせ、本丸である東大攻めに悪影響を及ぼすことはよくあります。
そんななか共通テストで失敗しようものなら、精神が極限にまで追い詰められ、学力増進にとって最も貴重な直前期を無為に過ごすリスクが高まってしまうのです。
こうした事態に陥ろうものなら、受かるものも受からなくなってしまいます。
それゆえに、共通テストで高得点を奪取することは、足切り突破の意味合い以上の価値を帯びるように近年なってきているのです。
次に、以下のデータをご覧いただくとしましょう。
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【最新】2025年度(令和7年度)東大入試 二次試験の日程・試験時間(時間割)と配点
こちらの表をご覧いただければわかるように、東京大学は二次試験での逆転合格を果たせられるよう、共通テスト:二次試験の配点比率を 1:4 としています。
これ程までに二次試験の割合が高いのは東京大学と京都大学など最上位大学に限られるでしょう。
ともなれば、それほど共通テスト対策に神経質にならなくても良さそうにも思えますよね。
ここで、二つの考えをご紹介いたします。
① 東京大学は共通テストの点数を 110 点に圧縮し、二次試験の 440 点と合わせて 550 点満点で最終的に合格判定を行う。
これが意味するは、共通テストの 100 点は二次試験の 12点分程度ということである。
記述力さえあれば、いくらでも挽回できるので、共通テストで怯えることなく、大志の実現に向け猛進すべきである。
共通テスト対策は 12 月からやれば良いのであり、それまでは、あくまで二次重視で攻めるべきなのである。
② 二次試験で逆転できるといっても、全国の猛者たる東大受験生のなかで、共通テストでのビハインドをはねのけるのは困難である。
それゆえに、共通テスト対策をしっかり行い、思うような得点が取れなかった場合には、潔く志望校を下げるべきである。
さて、この二つの意見を前に、みなさんなら、どのように判断されるでしょうか。
筆者は、どちらも正しく、どちらも誤っていると考えます。
0.001 点足りずに落ちた東大受験生の話を聞いたことはありますか。
共通テスト 1000 点満点を 110 点に圧縮する際に端数が生まれるために、このような現象が起きるわけですが、繰り上げがない以上、不合格であるという事実に変わりはありません。
こうした現実を考えたならば、共通テストをきっちり取るべきであり、対策をしっかりと講じるべきだと思います。
また、併願校をお考えの方は共通テスト利用で早大政経や上智を狙えます(詳しくはこちらhttps://exam-strategy.jp/archives/7387)。
それらの過去問を 1 年度分解くのに 4 時間はかかります。
THE 私大といった重箱の隅をつつくような問題も多くあります。
過去問演習の復習にも最低 1 時間はかかるでしょうか。
3 年分やれば 15 時間かかるということです。
併願校を 2 校 3 校受ければ 40 時間、50 時間と時間がどんどんなくなります。
これだけの時間が東大入試直前期においてどれだけ重たいかは受験を経験された方ならご想像できると思います。
さらには、私大入試を受けに行くとなれば、丸一日つぶれます。
体力も精神力も大幅に損耗します。
ですが、共通テストで成功すれば、1 月末からの約 40 日を東大対策に充てられます!
しかも、東大が出願期間中の平日夕方に発表する出願者数速報をビクビクしながら確認する必要もありませんし、後期日程も一橋など攻めの選択肢を採れます。
医学部も国公立の後期は、共通テストの点数が占めるウェートは極めて高くなりますから、後期で足切りを喰らわないためにも共通テストの重要性は飛躍的に高まります。
以上のように考えたなら、②の考えが有力にも思えますが、その一方で、共通テストを失敗したから直ちに一橋や京大に進路変更するというのも性急です。
殊に、文系の場合は、大学によってかなり大きく問題傾向が変わってくるからです。
東大世界史で満点を取った人でも、一橋の世界史は手がつけられないといいます。
各大学にはプライドがありますので、独自の切り口で出題することが多く、侮ることはできません。
そうした現実を鑑みますと、敬天塾の授業や知恵の館の記事で、しっかりと東大対策を講じてこられたのなら、共通テストでの多少のビハインドは跳ね除けるべきですし、跳ね除けられます!
事実、足切りをギリギリで突破された方で、東大に合格を果たされた方もいらっしゃいます。
ですので、①も②も正しくもあり、誤っているとも言えます。
そこで、今回、あまり知られていない対策法をお伝えしたいと思います。