2015年東大理系数学(第6問)入試問題の解答(答案例)・解説(数Ⅲ、積分、ハサミウチの原理、極限)

 

2015年東大理系数学第六問の解説(数Ⅲ、積分、ハサミウチの原理、極限)

2015年 東大入試数学 理系第6問 解答解説

さあ来ましたよ。文系の人が卒倒しそうな数式のオンパレード! 「場合の数・確率」の問題かと思わせる文字の量です。  

どうすれば、その解法が思いつけるか

僕はこれまで、入試の解説を聞いたり読んだりした時に、 「そうすれば解けるのは分かるけど、その発想にならないんだよ!!」 と思ってきました。皆さん、いかがでしょう? そういう過去があるので、今までもなるべく「発想の仕方」とか「解法の思いつき方」を意識して書いてきました。   そのヒントとして、問題を解くときの心構えが2つあります。 ①問題のカラクリを見抜こうとしよう! ②似たような特徴を持つ定理や性質を連想しよう!   要するに見抜いて連想するわけですが、大切なのは、見抜けるかどうかより、見抜こうとしているかどうかです。 入試本番中は見抜けないといけませんが、入試までは訓練期間。訓練中に意識してやったことが、本番では無意識で出来るのです。 ただぼーっと問題文を眺めていて見抜いたことは、ただのラッキー。カラクリが見抜けない時こそ、問題文をじっくり見て見抜こうとする姿勢を取って下さい。  

読解と精読

突然ですが、読解力はありますか? 東大理系を目指す人は、大抵国語が苦手です(笑)私も元々理系でしたから、国語がイヤな気持ちがよく分かるのですが、、、。 アメブロで「読解をしよう」というのを書いてますので、読解力がないなと感じる方は、是非そちらもご覧くださいませ。   さて、そのシリーズで私は、精読と読解の違いを連呼しています。 精読とは、文章に書かれている情報を読み取ること 読解とは、文章にかかれていない情報を読み取ること です。 数学も同じで、文章に書かれている事も、文章に書かれていない事も読み取る必要があります。文章に書かれていないことを読み取れるとき、上に書いたような「見抜いた」感じがすると思って下さい。 その意味で、数学も国語も非常に似ています。  

とりあえずグラフは書いてみる

数学の解説授業を聞いていると、先生がグラフを書くときと書かないときがありますね。「このグラフを書いてみると・・・」とか「このグラフは書かなくても良いから・・・」と言って、授業が進みます。 その判断、皆さんはどうしているでしょう。   グラフを書かなくて良いかどうかは、答えまでの道筋を知ってるから判断出来るものですね。答えまでの辿り着き方がわからないうちから、判断出来るとは限りません。 ひとまず、手当たり次第書いてみるというのが良いでしょう。訓練中の身ならなおのことです。 ということで、gのグラフを書いてみるとこうなります。 
2015理6グラフ

グラフから読解しよう!

グラフを書くのが精読なら、ここから情報を読み取るのが読解。何がわかるでしょうか? 山になっているとか、線対称(偶関数)とか色々分かりますが、一番大切なのはy≧0だという点です。 なぜなら、その後f(x)と絡ませるからです。

不明な関数は、深く考えずに

f(x)の正体は不明。しかし、定義域と値域が分かっています。 こういうときは、-1/n≦x≦1/nと、p≦y≦qの長方形に収まってる関数なんだろうなぁと思っておけばOK。 余り深いことを考えず次に進みましょう。

積分の不等式についてのまとめ

2つの関数の積があって、それが積分されています。さらに、不等式でpとqに挟まれていますね。 こういう問題は定石の手段があります。こういう定石の手段を一つ一つ押さえていくのが数学の勉強なんですけどね。 今回の場合、f(x)が不明な関数です。不明な関数を積分する事は不可能。よって、p≦f(x)≦qとしてしまいます。 これにgの関数を掛けて、不等式を作ってしまうわけです。これ、よくあります。 ちなみに、この時g(x)≧0だったことが効いてきます。 負の数の不等式を単純に掛け算することは出来ませんからね。不等式の積分が問題文に見えた瞬間に、g(x)≧0じゃないかと予想出来るようになったら、中々の実力です。 ちなみに、東大で理系を目指すならば、不等式を見た瞬間に「ハサミウチの原理」を連想できなければ、失格だと思いましょう。 特に、「不等式と極限」を同時に見て連想できなければ、大反省。 どちらかが隠されて登場することも、よくありますから、片方だけでも反応出来るようになっておいてくださいね。(見抜いて連想する、の話の続きです) あとは、gの関数の積分が出来れば、(1)は終わり! 積分計算も、それほど難しくないので、計算に気を付けて終わりです。  

見抜こうとすると、見えないものが見抜ける=問題が解ける

では(2)へ。 問題文を見ると、何となく(1)に似てるな~というのは気付けるでしょう。 gと同じように、hの関数も定義域によって違う関数を組み合わせてるし、インテグラルの中身を見ても、二つの関数の積になっている。 多分、(1)が誘導になってて、(2)をと言うんだろうな~と思えると思います。 (というか、数学の問題は全て誘導だ、というのが、私の口癖ですが) 但し、気付きづらいのが、gとhの関係ではないでしょうか?これは、パーッと眺めていたら気付けない方も出て来るでしょう。 何か隠されているのでは・・・?と疑って「見抜こうとする姿勢」が、効果を発揮します。 問題を出題する人の心理に立つと、良くわかります。 出題者はいつも、どれくらい露骨にヒントを出そうかなと悩みます。こんなに露骨だと簡単になっちゃうけど、隠し過ぎると難しい。 少し考えれば気付くレベルに、何とか落ち着かせるようと工夫します。 だから解く側も、「何が隠されてるのか??」と疑ってみる事が大切。つまり見抜こうとしないといけません。 今回の問題は、gを微分するとhになっています。 係数や、sinとcosの関係がヒントです。これに気付いた瞬間、勝利が見えてきます。 さて、最後に書かれているインテグラルの中身ですが、hとlogの積だと思わず、(gの微分)とlogの積だと思うと、次の一手が想像できます。 それが、部分積分。 gの部分を積分したら(1)が使えるけど、どうしたら・・・?と発想を広げた所に答えがあります。 ちなみに、hのグラフを書いてみると分かりますが、正になったり負になったりして、(1)の結果が使いづらいですね。この辺りから発想しても良いかも。 ボーっと歩いていると道端の石に気付けませんが、石を探そうとすると見つかります。 不等式と極限からハサミウチの原理も連想できていれば、完答は間近。 あとは、手書きの解答をご覧くださいませ。
2015年東大数学 理系第6問1_000104
2015年東大数学 理系第6問2_000105
 色々と工夫の多い問題でしたね。とても勉強になります。 やや難しい問題、と評されることが多いですが、計算はそれほど難しくありません。やはり発想を得るところが難しいでしょう。 日ごろから見抜く姿勢を心がけることによって、養われます。 差がつく問題だと思いますので、是非しっかり復習を!

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