2005年東大文系数学(第2問)入試問題の解答(答案例)・解説(割り切れる=倍数、互いに素の条件)

2005年 東大数学 文系第2問

昨日のスタンダードな整数問題に続いて、今日も割とスタンダードな問題をどうぞ。      
さてさて、キーワードが満載。 これをどう見る!?  

「割り切れる」条件は、割り切れる=倍数

まず、「割り切れる」条件を言い換えることからです。   「割り切れる」と言われるとき、私がまず思いつくのが「〇〇の倍数」と言い換えること。 今回は10000で割り切れる条件なので、10000の倍数と言い換えます。 すると、a^2-a=10000k(kは整数)と表現できます。 これで等式ができました。

連続2整数は互いに素

さて、(積)=(整数)の形が作れたので、次は因数分解をして候補の絞り込みをします。   左辺を因数分解し、右辺を素因数分解すると a(aー1)=2^4×5×4 (※) となります。   ここで大切なのが「連続2整数は互いに素」だという事実です。xとx+1など、連続する2整数は必ず互いに素になるのです。 これは、超有名事実。知らなければならない常識です。   証明はこちら

2005年東大数学 文系第2問 素_000032

これを利用すると、aとaー1が互いに素だと分かります。
また、aは奇数という条件があり、右辺の10000の素因数が2と5だけなので、   a=5^4の倍数 ⇔5^4c aー1=2^4の倍数 ⇔2^4d   と表せます。   これを、(※)の式に代入すると、1次の不定方程式が出てきます。  

不定方程式の解法

さて、不定方程式が登場しましたが、今回は教科書に登場するようなユークリッドの互除法が利用できるパターンの式。 (わからない人は、教科書を参照のこと。必ず載っています) ということで、満たす整数解を一つ見つけて、一般解を求める流れになります。   ということで、手書きの解答をどうぞ。
2005年東大数学 文系第2問 全部_000033

まとめ

今回の問題は、 「割り切れる条件」を倍数表現に直せるか 互いに素の条件を使いこなせるか の2点にありました。   これさえ使えれば得点が取れるのですが、決してハードルの高い問題ではありません。むしろ基本知識として覚えるもののはず。   整数問題は難しいイメージがあるかもしれませんが、実は使うのは基本的な知識ということがよくある。 知識不足を感じた人は、今から学びなおすのをおススメします。  

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