2016年東大文系数学(第4問)入試問題の解答(答案例)・解説(小学生でも解ける、整数、合同式)

2016年 東大文系数学 第4問(小学生でも解ける、整数、合同式)

東大は整数問題が大好き

一見、数列の問題みたいですが、ほとんど数列の要素はありません。整数の問題です。 整数は東大で頻出です。そして東大対策で最重要項目です。 その理由を三つ、 ①毎年確実に出題される ②高1で習う(2年以上対策が出来る) ③他分野との絡みが少ない(から対策がしやすい) この3つは「確率」も同時に持っている性質です。 東大は昔から整数問題が大好きです。 僕が現役生(18歳)だった頃には、高校の教科書に整数の範囲がなかったにも関わらず、整数の問題が出題されてました。 そのため、学校の先生や塾の先生に、整数を教えてもらいながら、何とか対策したものです。 そんな思い出話はどうでも良いとして、今も整数は毎年のように出題されています。 ③に関しても、比較的他分野との絡みが少ないのは、「場合の数・確率」と共通していますが、整数問題の方が、やや難しい問題が出題されやすかったり、他分野と絡みやすかったりします。 また、「場合の数・確率」を先に履修する高校が多いので、私は「場合の数・確率」を優先して対策するように指示しています。 とは言え、整数を徹底的に極めるのも、東大数学においては非常に有効であることには違いありません。 なにせ「場合の数・確率」と「整数」を極めてしまえば、それだけでほぼ確実に、東大数学の合格点を取れてしまいます。 闇雲に問題集を端から端まで勉強するのではなく、出やすい所を狙って勉強するのは効果的ですから、是非参考にして下さい。 ちなみに、このHPでは確率と整数の過去問を優先して解説をアップしているので、どうぞご覧くださいませ。

全体的に難易度は低め

では、具体的に問題の解説に移りましょう。 この問題も、比較的解きやすい部類でしょう。 (3)は、ややこしいかもしれませんが、少なくとも(2)までは満点で切り抜けたいところです。それくらい、東大入試にしては簡単です。 恐らく(2)までで、20点中で10点以上は得点が与えられると思いますので、そこまでは取りましょう。

(1)とても簡単

まず(1)は、はっきり言って簡単です。簡単すぎます。 問題文の表記は、n乗を使ったり、数列の記号を使ってますが、問われている内容は中学入試レベルです。中学入試の先生に聞いたところ、同じような問題が出題された事があるそうです。 しかも答えがあってれば、満点をもらえると書いてますから、これは落としてはいけない。焦っていようが、この問題が解けずに東大に入りたいと言っても、通じません。

合同式をマスターしよう

手書きの解答に書いておきましたが、余りの問題は原則として合同式を使いましょう。今は教科書に合同式が載ってますから、堂々と解答に書いて良いです。 合同式をあまりちゃんと教わらずに東大受験をしようとしている方は、今すぐ先生に聞きに行って下さい。その時間を投資する価値はあります。はっきり言って合同式を使わずに整数を得意にすることは不可能です。

(2)これも合同式を使えば簡単

また(2)は記述する義務がありますが、聞かれていることは(1)と同じです。 いや、むしろ(1)より簡単かもしれないくらいです。 結局、2つしか場合分けがないわけですから、記述の仕方に余程のミスがない限り得点出来ると思います。これも、満点を取って普通のレベルの問題です。(だって、中学入試レベルですから)

(3)混乱しても丁寧に

そして本丸の(3)ですが、これは頭が混乱しますね。 実際、僕も試験会場で混乱してしまいました。ちょっと冷静に考えれば出来そうなものなんですが、時間勝負をしていると、どうしても本来の力は発揮できませんね。修行が足りません。 笑い話として聞いてほしいんですが、僕は東大入試の数学の時間の最後の最後にこの問題を解いていました。 しかし試験には魔物が住んでますね。 なぜか「3のn乗が奇数になる」ことに気づかず、証明しようとしてドツボにはまって時間終了。 冷静になったら間違えないことも、試験だと気づけない。怖い怖い。 今ではネタになってますから良いとして、みなさんは注意してください。

(1)(2)が誘導

さて、この問題、まず明らかに(1)と(2)が誘導になっています。というか、全ての数学の問題は誘導なんですけど、この問題は露骨に誘導です。 恐らく、(1)と(2)の答えで出てきて、1か3か7か9のどれかが答えなんだろう、という所までは分かるかしれませんが、ちゃんと記述しようとすると、ちょっと大変かもしれませんね。 (X10を10で割ったあまりだから、3のX9乗を10で割ればよくて、てことは、X9を4で割れば良いから・・・) と考えているうちに、混乱してしまう人も多かったことでしょう。 こういう時は、X1から順にX5くらいまで考えて、その形跡を解答欄に残しておくことも一つの手段です。考えた形跡が認められれば、1点でも2点でももらえるかもしれませんが、書かないと絶対に0点です。 最短ルートで解答を書くと、手書きの右下の赤い枠の中だけで、満点解答が書けてしまうんですが、いきなりこれを書くのは難しいでしょう。いくつか具体的な数字で試しても良いので糸口を見つけて下さい。 では、手書きの解答をどうぞ。 
2016年東大数学2 文系第4問_000113

東大の合否は、1点で決まりません。 小数点以下第三位くらいまで計算されて合否判定が行われますから、あと0.3点で落ちた受験生も数多くいます。 1点をバカにせず、ドンドン取りに行って下さい。

敬天塾作成の解説

2016(4)文数 解説

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