2021年東大国語(第一問現代文)入試問題の研究 

2021年東大国語第一問(現代文)松嶋健「ケアと共同性-個人主義を超えて」

オープン授業【東大現代文】第一回 2021年第1問

いきなり宣伝で申し訳ございません。こちらの問題はオープン授業【東大現代文】の授業を公開しております。
読解のしかた、記述のポイント、模範解答の紹介、思考のプロセス、一般答案への添削などなど盛りだくさんの内容!
こちらのページからどうぞご利用ください。

講評

第1問は昨年に引き続き、メッセージ性の強いテーマを出題。コロナ禍における社会の分断を憂いたのかもしれない。人に寄り添うことの大切さを問うたもので、心が温まる文章であった。ただ、論旨が非常に明快である分、逆に設問解答をどのようにまとめたら良いのか悩んだ受験生もいたようである。

当日解いた所感

さて、第一問は医療に関する問題。

設問形式・設問数も論述4問、漢字問題と例年通り。
論理の流れも非常にスムーズで、読みやすいですね。
設問すべてが「どういうことか」を問うもので、変わった設問は特に見られませんでした。

一方で、少し気になったのは、背景知識を知らないと不利に働く部分があったこと。

例えば、本文の序盤に述べられている、近代化から市民権拡張の流れなんて、世界史選択の受験生にはなじみがあるでしょうが、理系の受験生は知らない子も多いだろうな、と感じました。

この傾向は、第一問だけではなく、他の第二問~第四問にも見られます。
東大が受験生に求めるものが、ちょっと変わったかな、という印象を全体的に受けました。

本文の内容をざっと説明しますと、
「タイのHIV感染者が、国家や公的医療サービス、さらに家族などの既存のコミュニティから隔絶され、次第に彼らが非感染者も巻き込んだ独自の自助グループを形成する」
といった内容です。

心温まる素敵な文章ですね。
読みながらほっこりした受験生も多いのではないでしょうか。

さて。
実は、東大で医療に関する文章が出題されるのは、なかなか珍しいです。

当日受験した方の中には、「おっ!」と思った方もいらっしゃったと思いますが、
今年の東大の国語は、明らかにコロナを意識していますね。

今後の医療体制のモデル・理想形を提案したこの文章の出題意図としては、
「コロナ感染者と社会の関わりには、新たな可能性があるよ」
という東大からのメッセージと捉えるべきでしょう。

丁寧に論理の流れを追いながら、確実に得点したい設問といえます。

再現答案と得点開示を分析して気づいたこと

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