2017年東大文系数学(第4問)・理系(第4問)入試問題の解答(答案例)・解説(ユークリッドの互除法・漸化式・対称式・最大公約数)

2017年 東大文系数学 第4問 理系数学 第4問 (ユークリッドの互除法・漸化式・対称式・最大公約数)

2017年は、整数問題が文理共通でした。 簡単だ、簡単だと言われ続けている今年の数学ですが、これは難しかったと評判です。

共役な無理数に気づけ!

僕はこのHPや、アメブロでいつも「解く前に問題文を最後まで読み、読み取れる情報を読み取れ!」と言い続けていますが、この問題は非常に面白い! 解かずに通読しただけで、かなりたくさんの情報を読み取れます。 まずは、対称式。気づきました? p=2+√5に対して、pのn乗と、-1/pのn乗があります。 大抵こういう時は、共役な無理数になるものなのです。そして計算してみるとやっぱりそうなる。 こういう「パターンの知識」をしっかり積み重ねるのが、数学の勉強です。

共役な無理数ときたら、対称式

そして、共役な無理数が登場したら、対称式がセットで出てきます。 和と積を計算してみてください。 両方とも整数値になるはずです。ということは、対称式の計算がしやすいのです。 この問題は、共役な無理数のn乗の和になってますが、これも対称式を大いに使う問題なのです。 それが、漸化式の利用なのです。

そして、漸化式を作る

共役な無理数のn乗の和が出たら、必ず登場する性質があります。 それが「nにかかわらず整数になる」というもの。 つまり、この問題の(3)の問題のことです。 東大でも過去に何度か出ています。 分かりやすいところで言うと、2003年、1997年、1993年の問題でしょう。 (今後解説をアップする予定です。) 証明の仕方は、漸化式を作って帰納法で証明です。

漸化式の作り方

で、その漸化式の作り方ですが、(2)そのものでした。変な問題に見えて、非常に基礎の積み重ねの延長にある問題です。 n乗の和を、n-1乗の和と、n-2乗の和で表すものですが、いつもの計算の流れ。 この機会に覚えてしまいましょう。 一応、手書きの解答には、2通りの解法を載せておきました。 1つは、模範解答でも載っているような、最短での計算方法で、 もう一つは、面倒で遠回りだけど、絶対に求められる方法です。(pのn乗と、-1/pのn乗を不明量とみなし、連立方程式で無理矢理解いてます。)

(4)は難しい

(4)は最大公約数を求めよという問題。これが、難しかったと評判ですね。 ただし、僕としては「なんで難しいの?」という感じ。 数学ⅠAⅡBⅢで習う項目を頭の中で一度検索しなおしてください。 最大公約数に絡む定理や性質、問題パターンは多くありません。真っ先に思い浮かべるのが、ユークリッドの互除法ですから、むしろ自然な発想です。 (他にも、GCMとLCMを使って、等式を作るタイプもありますが) (2)で漸化式を求めておけば、an+1と、anの最大公約数が、anとan-1の最大公約数になることが分かります。 そして、漸化式を一つずらせば、anとan-1の最大公約数が、an-1とan-2の最大公約数になり、 またずらせば・・・と、繰り返すと結局a2とa1の最大公約数になります。 難しいなと感じた方は、頭の中の回路で「最大公約数=ユークリッドの互除法」と強く結び付けておいてください。 ということで、手書きの解答です。どうぞ。 
2017年東大数学 文系第4問1_000125
2017年東大数学 文系第4問2_000126

敬天塾作成の解説

2017(4)文数 解説

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