2022年東大英語(第2問A 自由英作文)入試問題の解答(答案例)・解説
「芸術は社会の役に立つべきだ」という主張についての考えを述べさせる、というお題でした。
東京大学は近年、2018年(抽象的テーマ)→2019年(日常的テーマ)→2020年(抽象的テーマ)→2021年(日常的テーマ)といった具合に偶数年に抽象的なお題を取り上げる傾向にありますが、そうしたセオリー通りの出題となりました。
この流れからすると、奇数年である2023年には日常的テーマが出題されそうですが、外してくる可能性もありますから、いずれのパターンにも対処できるように準備はしましょう。
2022年度の問題に話を戻します。
こうした抽象度の高い問題を前にした時に、抽象的に論じてしまうと字数や語彙の面で袋小路にはまってしまいます。
ですので、いったん飛ばすか、自分が得意とするフィールドに持ち込んで答案づくりをすることが戦略的に有効です。
また、芸術の意義を問う問題は過去にTOEFLのライティング試験においても出題されています。
東大は2019に祝日ネタを、2021年に住み良い街の条件を出題していますが、これらもTOEFLで出題済みです。
ここで、敬天塾のプレミアムコースで配布した授業資料を一部ご紹介いたします。
上記の表は、過去27年分の東大自由英作文のメインテーマをまとめたものです。
このうち、黄色ゾーンは、 TOEFLで出題された過去問の類似問題でした。
かなりの高頻度だと言えます。
このことから、TOEFLで出題されるような比較的オーソドックスな英作文を用いて、答案構想訓練などをルーティーンで行うことは東大英作文対策では極めて有効だとも言えます。
もちろん、2020や2017のようなTOEFL過去問にはない出題例もありますが、これも実は過去問を分析すると解決の糸口が見えてきます。
さて、せっかくですから、合格者の答案例をいくつかご紹介するとしましょう。
Aさん
I agree with the opinion. The reason is that the main purpose of art is to cultivate cultural richness of human society. In order to achieve this goal, artists should be able to express what they want to express freely. Also, the society should help them to do so. Through this free work without limitation, artists will be able to fulfill their social responsibility.
Bさん
I agree with this statement. When I saw one of the famous Picasso’s works “Guernica”, I felt my heart relieved. The work represents “protest against wars” and the monotone colors used in his work attract us a lot. I think some fine arts reflect our minds, so that we should depend them to proclaim what we think unless we should by ourselves. And also, fine arts will be one of the tools to share opinions from what is called minorities.
Cさん
I agree with this opinion. I am so shy that I cannot express my feelings well and cannot make friends. But when I play the cello in school, I can be myself, share my feelings with others openly, and make good friends with many people for the first time. Also, Men and women of all ages enjoy my performance and open their hearts to me. Art enables us to live comfortably This is the power of art. We have to respect it and should make the most of it for social happiness.
いかがでしたでしょうか。
Bさんはなかなか歯応えのある文を書かれていましたが、AさんやCさんはシンプルに書かれていますね。
特にCさんは、自身の経験の話に持ち込むことで、論理構成をしています。
予備校の答案例を見ると、素晴らしい名文が書かれており、受験生からすると、こんなの書けっこないと落ち込まれるかもしれません。
ですが、これは、あくまで、私の考えですが、予備校答案のようなレベルのものを書けなくても全然構わないと思います。
なぜなら、予備校の先生方は時間無制限でコーヒー片手に辞書も使いながら、さらにはネイティブにもチェックしてもらい答案例を仕上げていることもあるからです。
ですが、受験生にはそのようなことはできません。
同じ土俵、同じ条件で書き上げたものでなければ、価値はありません。
もちろん、使えそうなフレーズをネタストックする分には有効活用できますので参考にはなると思います。
限られた時間の中で、脳内にインプットした知識をスムーズに引っ張り出せるようにする適切な訓練が東大英作文制覇の極意です。
流麗な英文を書けるに越したことはありませんが、そんなものを書く余裕は時間制約の厳しい東大英語にはありません。
だからこそ、東大で出題されやすいパターンをストックし、出題されたテーマを自分が書きやすいように加工する技術が大切なのです。
これは同時通訳の訓練にも通ずるところがあります。
もちろん、そんな高等な訓練をするだけの時間的なゆとりがない方がほとんどでしょう。
対策にお困りの方は、よろしければ敬天塾の授業もご検討ください。
敬天塾の授業で東大英作文制覇の極意を学び、さらなる点数の上積みをしていただますと幸いです。
自由英作文のみが事前に準備することができる大問です。
事前準備が奏功すれば、時短に繋がります。
英作文を高速で処理できれば、その分、他の大問により多くの時間資源を投下でき、総合点アップにも繋げられます。
時間制約が厳しい東大英語だからこそ、準備の差が合否の差に繋がります。
【さらに深く学びたい方のために】
敬天塾では、さらに深く学ばれたい方、本格的に東大対策をしたい方のために、映像授業や、補足資料などをご購入いただけます。
ご興味のある方は、以下のリンクからぜひ合格エッセンスを貪欲に学ばれてください。
映像授業【東大英語 第2問A 自由英作文】
過去問に対して、これでもかと噛み砕いて説明した《実況中継》の解説もございます。
↑ まずは目次と無料部分だけでもどうぞ。