【日本一早い東大模試解説】2017夏 駿台実戦 文系第3問
最難問。1手目をどうする!?
今日は、第三問です。これはやられましたね。
今回の東大駿台実戦、問題文の短さに、何かこだわりがあるのでしょうか?
これは毎回1問くらい出る「1手目に困る問題」ですね。
第1問の、割り算の余りの問題
第2問の、場合の数・確率の問題
は、どの分野で解くのか、迷わず行けると思うのですが、第三問はそもそもどの公式を使って良いかが分からない。
さあ、皆さんだったら、どの手を打ちますか??
実は2手のみ
【世界一早い東大模試解説】2017夏 河合オープン文系第3問
ちなみに、今年の東大入試でも出ています。その解説も合わせてどうぞ。
2017年 東大文系数学 第2問の解説(ベクトル・領域図示・面積)
ま、恐らく、河合も駿台も、今年の入試を見て問題を作っているんでしょうね。存在領域の問題は、対策必須でしょう。
解の配置として解くと・・・?
河合のオープンは、解の配置として解く問題が出題されましたが、駿台ではどうでしょうか?
実は、解の配置として解くと、痛い目を見る問題でした。
の理由を説明しましょう。
この問題、方程式としてみ見た時に、真っ先に思い出すのは「対称性」
あらゆる数学の先生が、口角に泡を飛ばして重要だと絶叫するのが対称性ですが、この問題は罠かもしれませんね。
この問題、対称性を意識して、三角関数の公式を使おうと思うと、
2辺とも2乗して足すのがスタンダードな流れだと思うのですが、、、、ここに罠があります。
試しに、多くの人が間違ったであろう、誤答例を作ってみました。
辺々2乗して足すと、加法定理が使えて、「お☆・・・これは、上手く行きそうだ」と一瞬思ってしまいますね。
左辺を動かした時に、右辺が解を持てば良いから・・・と解の配置で解いてはいけません。
手書きの誤答例にも書きましたが、この式はxとaが好きな値を取れません。
xとaの関係式①があるため、xが動いたらaも動いてしまいます。
同様に、yも動けばbも動く。
だから、xとyを動かしたら、同時にaとbも動かして考えなければなりません。
ここが引っかかり易いミスでしょう。
マジメに教科書や問題集の勉強をして、素直に言われた通り解こうとすると間違える。
うーん、良い問題というべきか、性格の悪い問題というべきか・・・。
正解に辿り着くの解法はベクトルだった。
実は、丁寧に解の配置の問題として解いていっても解けます。それが、駿台の模範解答の別解に載っているんですが、ちょっと計算量が多すぎて、試験中に思いついて正しく計算出来るかというと、現実的ではありません。
ということで、解の配置ではなく、ベクトルで解くというのが、正解に辿り着く解法でした。
さっきから言ってるベクトルの存在領域の問題っていうのは、手持ちの4STEPで言うと、この問題に該当しますね。
ここに存在領域の図示が登場します。
ベクトルだと思って考えると、(cosx, sinx) というベクトルと、(cosy, siny)というベクトルの和が、(a, b)というベクトルになっていると見れます。
円の上で円を描いてみた。
解答を進めてみましょう。
ベクトルxも、ベクトルyも、文字を変えただけで、同じ条件です。
調べてみると、xの範囲やyの範囲が、0からπまでです。
と言う事は、単位円の上半分という事ですね。
だから、単位円の上半分の色々な点から、単位円のの上半分を書きまくるのが、求める領域です。
駿台の模範解答では分かり辛かったと思うので、僕は実際にやってみました!
手書きの解答をご覧ください。
赤い点線の上に、コンパスの針を刺して、上半分の円を描きまくってみました。(結構、大変だった)。
すると、見事、大きな半円から、小さい半円を二つくり抜いた形になりましたね。
これが、求める領域です。
まとめ
ま、この問題は、一手目の着想も難しいですし、点数が取れなくても気にしなくて良いでしょう。
第一問と第二問で確実に点数を取って、第三問と第四問は部分点が少しとれたらOKというような作戦で良いと思います。
しかし、学ぶことは多いですね。
始めの2本の方程式からベクトルの発想に行きつくところや、ベクトルの和で存在領域を求めることなど、初めて学ぶことも多いと思いますから、しっかり復習して下さい。
毎日更新がないか見させていただいております。
もしよければ、駿台の別解も載せていただけますと勉強になります。