2018年夏 河合東大オープン 文系数学第1問の解説
お久しぶりです!
しばらく更新をさぼってましたが、絶好調で元気に頑張っております。
さて、東大受験生として非常に大切な、東大模試の季節ですね。
私も問題を入手して早速解きましたので、恒例の解説を書きたいと思います。
今回は、河合オープンの第1問です。
まずは問題から。
完答できる問題
パット見の所感は「簡単だぞ!」
とは言っても、きちんと図形問題の対策をしていた人にとっては、という条件付きでしょう。
問題集を解きこむような対策しかしてない場合は、難しいかもしれません。
数1の三角比、数Aの平面図形、数Ⅱの図形と方程式、数Bのベクトルと、図形の問題は多岐にわたりますが、ほとんどの場合、融合して出されます。
つまり、ベクトルだけで完結する問題や、三角比だけで完結する問題は稀。
分野を横に行き来させて、数学全体を俯瞰できる力が必要です。
その力を養うためには、何が必要かというと、塾生だけの秘密。
ちなみに、今のところうちの塾生のうち3人に話を聞いて見たところ、3人とも、この第1問は完答出来ていたようです。
では具体的に問題の解説です。
(1)円の中心の求め方
(1)は、円の中心の求め方ですが、大きく2通りの方法をお伝えしましょう。
①まずは、図形的なアプローチ。
予め言っておくと、普通は②の方が先に思いつくでしょうが、模範解答は①の方です。
なぜなら、簡単だから。
はっきり言って、中学生でも解けます。
まずは基本的な事実の確認。
「外心は、三角形の垂直二等分線の交点である」というもの。
円が与えられたら、適当に3点を取って、それぞれの垂直二等分線を引くと、円の中心が求められます。
理由は、垂直二等分線とは、2点からの距離が等しい直線だから。
垂直二等分線を複数引くと、各点から等しい点(つまり中心)が分かるわけです。
これ、中1の作図のところで習いますよ。
中学数学が非常に大切なのです。
あとは、三平方の定理でy座標を出せばOK。
できれば、開始5分くらいで、ここまで来たいところ。
②次が、円の方程式を利用するもの
円の方程式といえば、2種類ありますが、使い分けができるでしょうか?
因数分解されたものと、展開されたものの2種類ですが、今回は展開された方を使うのがベター。
代入すると、lとnの値が求められます。
平方完成したあとに、右辺にきたものをrの2乗と置けば、y座標も出ます。恐らく、このやり方で解いた方も多いのではないでしょうか。
(1)の結論
しかし、やはり図形的にものを見た方が良いと思います。
模試の時には、時間勝負ですから、あまり余裕がないかもしれませんが、日ごろから色々な角度から問題を見る訓練をしておくのが絶対良いでしょう。
一つの解法で解けるからと言って、それで満足するのは、ただの問題消化なのです。
(2)はサービス問題
さて、(2)
一見難しそうですが、実は非常に簡単。サービス問題と言って良いでしょう。
円が複数登場するときは、2円の位置関係を使えば解ける問題ばかりです。
2円の位置関係とは、こちら。
うちの塾生には、「円がたくさん出たら、こればっかりだ」と口酸っぱく言ってるので、恐らく気づいてくれたのでしょう。
今回は共有点を持つ条件ですから、「2 外接」「3 2点で交わる」「4 内接」という条件を不等式にして解けば終わり。
非常に簡単な問題でした。
2円の位置関係は疎かにしがちな問題ですが、実は応用の幅が狭い上に、解きやすい問題も多いところ。
今回解けなくて悔しい思いをした人は、心の底から反省と対策をするのを勧めます。
では、第2問以降は後日。