科目の選択肢さえない地方高校生【地方出身東大生の受験日記・その2】
情報と戦略があれば東大なんて余裕!?
「情報さえ正しく集めて臨めば東大なんて余裕だよ!」
そう私に声をかけてきたのは、何を隠そう敬天塾塾長の平井基之先生でした。
世の人々が恐れ多く感じている「東大」という言葉に「余裕」という言葉をつけるなんて…。
うちの学校の進路指導の先生に聞かせたら卒倒するんじゃなかろうか…
この言葉を聞いてもちろん僕は驚きましたが、同時に一つ疑問が浮かびました。
東大合格を「余裕」とまで言い切れる根拠はどこにあるのか?
弁論大会も終わり、岡山に帰ってきてから僕はさっそく平井先生に連絡を取りました。
「なんで余裕って言い切れちゃうんですか?」
平井先生から返信。
「逆に東大合格が余裕と思えないのは、東大受験について知らないからだよ。
ちゃんと情報を集めて、それを元に戦略を立てれば東大合格も夢じゃないんだ。」
実際に東大に(しかも2度も)受かっている人の言葉だからこそ、余計に勇気づけられました。
情報を集めて、戦略を立てれば東大も夢じゃない!
うちの進路指導の先生に聞かせてやりたい…!!
と、いうわけで僕はさっそく平井先生のもと、東大合格に向けた情報収集を始めました。
東大の受験科目
まず目をつけたのは、東大の受験科目についてです。
当時の僕は、東大の受験科目には少なくとも国語、数学、英語があるという認識はなんとなく持っていました。
ですがセンター試験の科目とごちゃごちゃになっており、
「あれ、理科基礎って東大の科目にあるんだっけ?」
「社会で受けなきゃいけないのって1つだっけ?2つだっけ?」
といったように、かなりあやふやな状態でした。
ですので、平井先生との出会いを機に、ちゃんと正しく認識しようと決めました。
東大文系の一般的な受験科目は、
国語・数学・英語と、日本史・世界史・地理から2科目の計5科目です。
(わざわざ「一般的な」と言ったのは英語の代わりに別の言語も取れるからです)
この情報を見て、まず僕はこう思いました。
「へ〜。地理って選択できたんだ!」
「地理で受験」という選択肢がない!!
僕の通う高校では、1年生の後期に文理選択があり、2年生から文理に分かれた授業が行われています。
そのため、1年の後期の段階で、受験に使う社会2科目が決まります。
僕の高校の場合は、文系で旧帝大を目指す人は「日本史と世界史」、それ以外の文系は「日本史・世界史のどちらかと現代社会」を選択するように決められていました。
そもそも文系地理の授業は開講されなかったのです。
つまり、地理で受験するという選択肢は、東大の受験科目を知るよりはるか前の1年生の段階から、我々には無かったのです。
そのため、僕を含め、うちの高校から東大に行った文系の人は例外なく全て日本史・世界史で受験しています。
僕の友達で福井県出身の東大生がいますが、彼も同じことを言っていました。
「僕らの高校も、日本史・世界史選択が当たり前だったよ!」
文系で難関大を目指す人は日本史と世界史をとる。
これが地方の我々の「当たり前」のことでした。
都会高校生は選べる、地方高校生は選べない!
一般的には、東大受験における社会科目は「世界史・地理」選択が有利とされています。
実際に僕の周りの東大生も、ほとんどが世界史・地理選択で、たまーに日本史・世界史と日本史・地理選択の人がいるかな、といった感じです。
社会でどの2科目を取った方がいいのか、というのは人によって意見が分かれます。
一般的には、地理は時間がかかり、日本史世界史は比較的早く終わると認識されています。そのため、時間のかかる地理と、早く終わる世界史か日本史を組み合わせてとる、という人が多いです。地理で出てくる地名と世界史の地名で共通する部分が多いことも有利だと考えられます。
日本史・世界史選択は、覚えることが多くなってしまう反面、どちらも歴史なので共通して覚えられる部分も多いです。
どの選択の仕方にも良い点と悪い点があるので、一概にどれがいいとは言い切れませんが、自分に合った選択の仕方をする必要があります。
社会科目の選択については、平井先生の書いた過去の記事がありますのでそちらもご参照ください
↓
日本史、世界史、地理のうち、どれを選択すべき?
しかし、それを文理選択の時点で知らなかった僕たち地方の人間は、最初からその「自分に合った選択の仕方」が出来ません。
というより、そもそも文系の地理の授業が開講されないので、都会の進学校の人が持っている選択の権利を、我々は持たせてすらもらえないのです。
だからと言って高3になってから改めて受験科目を考え直して、地理を勉強し直す、みたいなことは現実的に出来ません。僕は割り切って日本史・世界史で受験に臨みました。
選択肢を増やすためにも情報を!
「え?結局何が言いたいの?地理が開講されないのは仕方ないから、もうその学校で受けられるもので行くしかないじゃん。それと情報云々と何が関係あんの?」
そう思う方もいると思います。
ですが僕は、「受験科目を知った上で学校の方針に従う」のと、「受験科目を全く知らずにあとから学校の方針の間違いに気付いて諦める」とでは全く違うと思います。
文理選択をした段階で、東大の社会の受験科目の情報をちゃんと持っていれば、学校の方針で日本史・世界史しかとれないけど、自分で地理を勉強する、という選択も出来たわけです。
現に僕の友達の中には、学校の日本史の授業を聞かずに自分で地理の勉強をして、世界史・地理で受験し、見事合格した人もいます。
自分の選択肢を増やすためにも、情報を早い段階から知っておくことが重要なのです。
さて、こうして日本史・世界史で受験することを決めた僕ですが、まだまだ足りない情報がたくさんあることに気づきます。
「そういえば東大の入試って、何点満点なん?」
次回に続く…