どうやったら東大に受かるの?【地方出身東大生の受験日記・その3】
「東大の入試って、何点満点なん?」
高3の春。実は僕は未だに東大の入試の点数を把握していませんでした。
前回の話にもあった通り、僕はまだようやく受験科目を知った段階です。
センター試験(今年度からは大学入試共通テストになりますね)の配点でさえ、高2の終わり頃に受けたセンターと同じ形式の模試で初めて知りました。
そのため、「センターが900点満点なんだから、2次試験の点数も大体同じくらいじゃね?」と思っていました。
というのも、僕の通う地方高校では、先生たちが集会でセンター試験の重要性を語ったり、授業でセンター試験の過去問を出したりしていたので、「センター試験も二次試験も同じくらい重要なのではないか?」と思ってしまっていたのです。
そのため、実際に二次試験の配点を調べてみて驚きました。
「全然違うじゃん!!!」
東大二次試験の配点
東大文系の場合、二次試験の配点は
英語120点、数学80点、国語120点、社会2科目がそれぞれ60点の合計440点です。
そこに、センター試験の900点分を110点に圧縮したものを加えて、合計550点満点となります。
東大入試においては、センター試験は圧縮されるため、僕が思っていたよりも二次試験の配分の方が圧倒的に高いのです。
いやあ、調べておいて良かった…
ですがここで一つ、疑問が浮かびました。
「で、結局どうすれば東大に合格できるの??」
〇〇を取れば東大に合格する!
僕の通っていた地方の高校では、自分の志望校の配点の話や、どれくらいの点数をとれば良いのかといった話は全くされませんでした。
先生との面談では、大体模試の結果を見ながら、それぞれの教科の偏差値を見て、
「今回の模試では国語が悪いから国語を頑張りましょう」
みたいなことを言われるだけ…
困った僕は、平井先生に相談しました。
平井先生はこう言いました。
「どうやったら東大に合格するかって?簡単だよ。合格者最低点以上を取れば合格するんだよ。」
合格者最低点…
文字通り、東大合格者の中で一番低い点数です。
東大主席がいれば、当然東大末席もいます。
東京大学では、入試の得点開示の際に、その科類の合格者最高点、合格者平均点、そして合格者最低点まで開示されます。
それを参考にすれば、自分が合計でどの程度の点数を取ればよいのかという指標を作成することが出来ます。
普通は合格者平均点に目が行きがちですが、実は目を付けるべきは合格者最低点です。
入試の時の点数はもちろん大事です。でも、よくよく考えたら最低点で受かっても東大生は東大生。受かってしまえば入試の得点なんて関係ありません。
二次試験の目標設定!
とういうわけで僕は、平井先生と一緒に、過去の合格者最低点を参照しつつ、各科目をどの程度得点すれば良いのかの目標設定を行いました。
目標は大体合格者平均点を目指しますが、もし当日何かしらの科目で失敗したとしても、少なくとも合格者最低点は超えられるような目標設定にしました。
僕が受験した前の年である2018年の合格者最低点は、文科一類が354.9778点、文科二類が350.6333点、文科三類が343.5778点でした。
そして合格者平均点はそれぞれ381.0984点、373.0185点、364.0315点でした。
まだ4月の段階ではどの科類を受験するかを決めていなかった私は、ひとまず文系科類の中で平均点及び最低点が真ん中の文科二類の点を基準に目標をたてました。
センター試験。
2018年の東大受験生のセンター試験の平均は、文科二類の場合781.30点。圧縮して大体95点くらいでした。
とはいえやはりある程度余裕を持って合格するためには9割は欲しいところ。
センター試験のセンターで9割をとると圧縮した点が大体100点。これを目標にしました。
いよいよ二次試験科目の目標設定です。
文二の合格者平均が大体373点で、センターの100点を引けば273点。
5科目の合計が大体それくらいになるように設定しておき、万が一当日何かで失敗して目標点が取れなくても、最低点である250点との差の約20点分マイナスくらいまでは耐えられるように設定していきました。
下の表は、私が実際に設定した得点の目標です。
海外経験もあり、英語には昔から自信があった僕は、英語を一番の得点源にしようと考えました。
そのため、強気の90点目標です。
数学は、少し苦手意識がありました。ですが、文系の受験で差をつけるならやはり数学で稼ぐことが重要です。
全4問中2問完答と部分点で50点あればかなり他の科目で余裕ができると思い、この設定にしました。
国語は、ある意味一番点が読めない科目です。
採点者が、今まで受けてきた模試などとは違うため、模試で取った点数が参考になりにくいのです。
そしてある程度東大入試国語の対策をしてきた東大生たちにとって、国語は非常に差がつきにくい。例年、まれに80,90点台の高得点を出す人が何人かいるものの、ほとんどの場合は60点台周辺に固まります。
ですので、僕の場合はちょうど5割の60点を目標にしました。
日本史・世界史は、高3の4月の段階ではまだ範囲が半分ほどしか終わっていない状態だったため、まだ感覚が全くわかりませんでした。
例年は、だいたい30点台くらいに集中すると聞いたので、ひとまずどちらも6割の36点で設定しました。
東大に行きたいなら目標設定を!
実際の入試では、英語・国語・センター試験はほぼ目標通りの点数を取ることができ、数学で大幅に失敗したものの、目標よりもかなり良い点数をとれた日本史・世界史でカバーすることができました。
失敗しても最低点は超えるくらいの点数設定だったので、実際の入試でも平均点には及ばなかったものの、合格者最低点はゆうに超える点数がとれました。
入試に向けて、ある程度点数の目標を立てておけば、模試などを通して、どの科目を中心に勉強すべきか、といった基準もある程度分かってきます。
冠東大模試などを上手く活用するためにも、事前に点数の目標を設定しておくのが重要なのです!
もしこの目標設定をしていなかったとすると、僕はきっと無駄な勉強をしてしまっていたことでしょう。
というのも、僕の通っていた地方の高校では、このような目標設定はせず、非常にもったいない模試の使い方をしていたからなのです。
その「もったいない」模試の使い方とは?
次回に続く…