国語第四回
こんにちは、スタッフAです。
今回は、東大文系入試2013年第一問(ニ)(三)(四)(五)を扱いました。
生徒は、事前に、大手予備校や参考書の答案を比較し、良い点、悪い点について言及し、答案に点数をつけて、提出していました。
授業では、生徒同士の採点基準や意見を共有し、さらに、先生の考察を頂戴することができます。採点基準が判然としない国語という科目では、他者の答案に対する評価を知り、論理的な基準を自分の中に築くことが大切だと思います。
授業中に先生から頂戴した助言や意見をいくつか列挙しました。
要素を盛り込んだ解答
一般的な国語の指導では、要素を盛り込んだものになり、東大入試の国語でほとんどの受験生が80点(120点満点)止まり。敬天塾ではそれ以上を目指している。また、要素を詰め込みすぎて、因果関係や並列関係を表現するために、非常に高い日本語の運用能力が必要となる。
ただ、システマティックに答案を作れる点で優れていて、誰もができるようにならなければならない。要素に分けての採点は、一度とは言わず、何度もやろう。
理由の言語化
(他人の答案に対し)なんとなく「良くない」ではなく、因果関係を明確に言語化しなければいけない。
「対話」という言葉について
「相互作用」の意味合いがある。国語の先生が好んで用いる傾向にある。
指示語について
答案に指示語を入れる場合は気をつけよう。「入れるな」とは言わないが、明確に対象を示さなければならない。
2013年(五)「そうだとすれば~~~と言えるのではないか。」について
仮定法と疑問形を用いている。これはなぜか。
謙遜と品性の表出のため。弱々しく見えて、作者の強い主張が見える。
本文中の「和合」と「調和」は何が異なるのか。
ほぼ同じ意味の言葉を使うことで強調を表した、書き手の技術ではないか?
もちろん、どんなに深く考察しても、作者の志向のすべてを読者が把握することはできません。しかし、論理的に深く考えることで、限りなく和合した読み取りができる可能性があるのではないでしょうか。