【塾長コラム】毎日、色々な科目をバランスよく勉強した方が良いか?

生徒からの質問と、その返答です。

Q、毎日の勉強の姿勢について、取り組む指針はありますか?

A、「目的を持った選択と集中」が、戦略の基本中の基本です!

会社組織なんかでは、部署に分けて営業部とか広報部みたいに、同じ仕事を集中しておこなうように人材を分けますよね。そして、その営業部のなかでも、役割を与えられて、それぞれの人がある程度同じ仕事に従事して、集中して取り組みます。

さらに、一人ひとりのビジネスマンにおいても、複数の仕事を同時並行することはありますが、「成果を出すまで、この仕事」というように、きちんと一つの仕事を終わらせるまでは、あまり浮気をしないで取り組むことが良いとされています。
このように、どの分野に集中するかを常に判断しつづけるのが、戦略の基本です。

勉強においても、やはり目標と目的が大事です。
例えば、今日は「英語だけやる日!」と決めて取り組むのも良いと思いますが、それより大事なのは「どのような成果を出したいか」です。

「英語の文法を全部総ざらい」みたいなプロジェクトを立ち上げてしまうと、それなりに時間がかかるので1日中、英語ばかりの日ができるかもしれませんが、
「単語帳1冊の中で、忘れている単語だけ覚え直し」みたいなプロジェクトなら、数時間で終わりますよね。数時間で一つ成果をだしたら、次は「古文常識を全部覚えよう」と10時間のプロジェクトが始まるかもしれません。

こんな風に、目的と目標を決めて、確実に一つずつ撃破していくのが、戦略の基本です。これを基本路線として考えた上で、「英語ばかりやると生産性が下がるから、あえて別の科目に移行しよう」などの現場のイレギュラーに逐一対応していくことも、必要と言えば必要になります。

 

悪い戦略としては、「今日は英語を3時間やろう」など、量によって投資する力を決定することですね。こうすると、生産性が下がります。
初めから「3時間」と決めると、元々予定していた作業を、3時間に引き延ばして行うようになるので、3時間やること自体が目的になってしまい、何を目標にしているかが不明確になるからです。

それよりも、「3時間分の猶予を取るけれど、できれば2時間で済ませたい」などと考えて、なるべく早く終わらせるようにする方が、生産性が高まりますね。

つまり、「目的、目標を持って、その成果を出すために全力を尽くす。成果をだしたら、次の目標へ」というのが1つのサイクルになっていて、これを高速で回転させていくようなイメージです。

よく「毎日バランスよく、全ての科目を勉強した方がよいですか?」と聞かれることがありますが、答えはNO。その人によって、伸ばすべき科目と放置すべき科目があるので、バランスよく勉強する必要はありません。
バランスは、「保つ」ものではなくて、「とる」ものだと思ってください。バランスよく保って、均等に力を分散させるのではなく、バランスをとるために、(短期的には)1点に集中して取り組むのがよいでしょう。

1日に5サイクル回したら、結果としてそのサイクルが全て別の教科だったから、今日は5教科取り組んだ、ということはあり得ますけど、何となく力を5教科に分散させた人とは、月とスッポン。まるで得られる成果が違います。

力を分散させて、均等に進めなさいなんて指導するのは、教育現場だけじゃないでしょうか?

持ちうる力を1点に注いで、一つ一つの勉強内容を高精度に身につけていくのが大切です!

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